うちは一族として生き残る!   作:黒百合

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今回はタマモのキャラデザ。
主人公のもそうですが、今の姿ではなく数年後の姿になってます。
また、あとがきには多少の補足説明も。
タマモは落ちこぼれ設定のまま行きたかったのですが、そうなると支障が出るので緩和しました。



それぞれの戦い タマモ

クナイはタマモに対して思いっきり飛んで行った。

男とタマモは直線状に並んでいたため、男は自分の体を影にしつつタイミングを見て避けた。

ぎりぎりまでひきつけたために、男の背後からいきなりクナイが飛んできたように見えるタマモ。

驚きつつもクナイを取り出して、弾きつつ、避けた。

 

「やはりな。」

「ど、どこっ!?」

 

男はすぐに森の茂みに隠れる。

写輪眼とは言ってもしょせん、せいぜいが瞳術だ。

結局のところ、視界に入らなければいいのである。

戦争中にやりあった、うちは達はそれを理解してなかなか逃がしてくれないのがほとんどであったが、この体たらくと言い、せいぜいが中忍レベル。

写輪眼や単純な身体能力的なのも含めての話なので、精神面だけに限って言えば下忍と言ってしまってもいいかもしれない。

さらに言えばクナイを弾いたのも悪手。

弾くよりも避ける方が、もちろん隙は少ない。

やむを得ない時、ないしは何かの理由が無い時以外は避けるのが基本。

今の状況で弾く必要性はなかったはずだし、何かの理由があったとも思えない。

この体たらくで俺を仕留めようとするとは、舐められたものである。

戦闘者としても素人、忍としても素人。

こんなカモがいてくれたとは思いもよらなかった。

 

好きに料理できることが分かり、つい舌なめずりをする男。

タマモを殺して手に入る金を思い浮かべてつい笑みを浮かべてしまう。

 

「まったくもって間抜けな獲物だ。

慎重に、間違いなく仕留めたいところだが・・・そう時間もないしな。」

 

感知をすると他三人はいまだ健在。

こちらにくるのも時間の問題だ。

目を抉るか頭を持っていくかにせよ、それらの時間をあわせてると余裕はあまりない。

すぐに殺す必要がある。

 

「・・・よし。

詰めていくか。」

 

男は早速行動を起こす。

 

まずは煙玉を投げつけて、視界をつぶす。

念のためである。

 

「・・・っ!?」

 

身構えるタマモだが、それに一瞥もくれず男は感知しながらクナイを投げつける。

風切り音だけでも弾いたり避けることから、経験はなくとも身体能力だけはいいと考え、手早く、しかし慎重に弱らせていく。

 

タマモは不利と感じ、すぐさま煙から出る。

が、感知で場所のわかる男は出たところでちょうど当たるように起爆札付きクナイを投げた。

起爆札で回収するべき頭が吹き飛んでは惨事なので、直撃を避けるような角度でだ。

ないしは避けてくれることを祈って。

 

「きばくふだっ!?

・・・くっ!」

 

背後に飛び退くタマモ。

これこそが男の狙いである。

 

起爆札の場合は爆発するために、横に飛び退けても、前に飛び込んでも爆風に撫でられることになる。

結果、背後に飛び退くしかないわけだ。

もとい飛び込む先が分かっているのであれば男の行動はおおむね決まる。

 

「えっ!?」

 

背後に当たる硬い感触に驚くタマモ。

まさか木にぶつかったのかと思えば、そこには男がいた。

 

「はい、つかまえぇぇぇた。

ごくろうさん。」

「っ!

いや、はなしてっ!!

うぐっ!!」

 

じたばたするが羽交い絞めとなったタマモには印も結べない。

クナイを振り回すことしかできない。が、当然あたるわけもない。

 

「はっはっはっ、むだむだぁ。

もがいてもどうにもならんだろ。

捕まえている以上、変わり身は使えない。

そして印も結べない今はただの子供だ。

出来ればもっとじっくりイタブってやりたかったが・・・」

 

と言って男はタマモに背後から膝蹴りを繰り出す。

 

「あぐっ!!」

「印を結べないくらいに蹴り飛ばしてから、首を刈ることにしよう。」

 

羽交い絞めにしてるために刃物は使えない。

離した瞬間に何をされるか分からないため、このまま弱らせてから離し、クナイで切り殺すつもりである。

 

「がっ!

あうっ!?」

「ほらほらっ!

いつまで持つかなっ!?

って、これじゃ結局いたぶってることになるな。

ごめんねぇ、・・・やめないけどさぁっ!!」

「ぐっ!!」

「なんなら泣き叫んでもいいんだよ!?」

「・・・そんなことしない。」

「・・・へぇ。」

 

 

タマモは思い出していた。

ガイから言われたことを。

自身の忍道を守るときのみ使っていいと言われた力を。

 

「私の・・・忍道は友達(ヒビキ)を助ける。ずっと一緒にいる人を・・・

そのために・・・私はこんなところで負けてられない・・・」

「・・・っがっ!?」

 

ばちんと腕が弾かれる男。

男は驚愕する。

どこにそんな力が、と思うと同時にタマモは離れていた。

舌打ちをしながらもかなりのダメージが入ってるはずと冷静に考え、再度殺す手立てを考える。

大丈夫、経験はある、能力も差が大きいというほどでもない。

タマモは足をいじり、ルーズソックスのようなものを脱ぎ捨てた。

そこには根性と書かれた得体の知れないベルトがある。

それを外すタマモ。

 

タマモには確かにうちはとしての才能はない。

忍術は並、どころか悪い方だし、写輪眼の扱いだってヒビキやイタチには劣る。

おそらくは普通のうちはにも劣るだろう。

これは純血でない彼女ならではのマイナスだ。

そして幻術だって得意ではないし、写輪眼を使ってもせいぜいが初級レベル。

しかし体術。

いや。

体術もそれほどの才能(センス)はなかった。

せいぜいが並。

だが、唯一と言っていい才能はあった。

 

 

八門遁甲の開きやすさと相性である。

 

 

うちはと通常の人の血が混ざったことによる何かの突然変異なのか、普通の人よりもはるかに八門遁甲への干渉がやりやすかった。

なおかつ彼女の筋肉はしなやかで強靭性が高く、筋肉量が少ない割に八門遁甲の発動後の負担が少なかった。

 

さてはて、そんな彼女の開けられる門の数はいくつか?

 

正解は・・・

 

 

「八門遁甲・・・第六景門・・・開っ!!」

「んなっ!?」

 

体から青くにじみ出るオーラ。

そして立ち昇るチャクラによって彼女の足元周辺の地面がえぐり吹き飛ぶ。

 

青くにじみ出るのは一時的に活性化されて全身のチャクラ穴から噴き出るチャクラだ。

それを見て男は瞬時に逃げ出すことを考える。

というかすぐに逃げだした。

 

勝てるとは思わなかったのである。

 

だが、もちろん逃げ切れるわけがない。

 

「ひぃぅ!?」

「裏蓮華。」

 

まずは一。

三、四と次々に打ち込まれる蹴り。

タマモは才能が無い。

それは体術においてもそうである。

ゆえにこそ彼女は考えた。

才能が無いのだから何かほかに向けてもしょうがない。

忍として完成されたイタチでも、オールマイティーになんでもこなそうとするヒビキでもない彼女は一つだけを鍛え上げることにした。

体術の、それも蹴り技のみを。

 

空中でなすすべもなく蹴りまくられる男。

写輪眼による洞察力によって、超高速移動中にもかかわらず弱点を蹴りぬいていく。

 

「はああああああっ!」

 

最後に地面にたたきつけるかのような強烈な蹴りによって男は地面にめり込んで沈黙した。

死なないように加減はしたのだろう。

辛うじて生きていたが虫の息である。

 

「・・・つっ・・・はぁはぁ・・・はぁ・・・はぁ。」

 

戦いが終わり、座り込むタマモ。

そのしなやかな筋肉により、負担は軽減されているために立っていられるが、通常の人間が使えば一月は寝込んでいただろう。

ちなみにガイの場合は一週間で済む。

日々のたゆまぬ鍛練と、根性ゆえに。

 

ついと座り込むタマモに、しかし襲い掛かる人影があった。

そう、まだ敵はいるのだ。

ちょうど弱っているのをこれ幸いと見かけたために今なら殺せるとクナイを振りかぶったが、そのクナイが振りかぶられることはなかった。

ヒビキが螺旋丸で仕留めたのである。

 

「ヒビキちゃん?」

「使ったんだね・・・八門を。

そこまで無理するくらいなら一緒にやるべき・・・」

「そっちは大丈夫だった!?」

「うわっ。」

 

もう寝込んでしまいたいはずの疲労の中でヒビキの顔を見た瞬間に駆け寄り、体をぺたぺたと触って怪我をしてないかを確認するタマモ。

それに対して心配されることに対するテレによって少し顔を赤らめつつ、タマモに医療忍術をかける。

 

「あ、ありがと。」

「べつに。」

 

笑顔でお礼を言うタマモである。

 

「イタチ君は大丈夫かな?」

「それをこれから見に行くんだ。」

「もう倒したの?」

「ここに来るまでにも1人仕留めたから今のもあわせて全部で3人。

タマモが一人で、リーダーはシスイさんが倒した。

周辺に残ってた三人もまとめて片づけられてるはず、となると、起爆札で死んだ二人に・・・残りは10人くらい。

たぶん4、5人はそのまま逃げていくだろうから・・・残り5人前後はイタチが仕留めてるはず。」

「多くないかな?」

「大丈夫でしょう。イタチだから。」

「・・・むぅ。」

 

少し不満げな顔を見せるタマモ。

イタチを認めているような発言に嫉妬しているのだ。

もちろん恋愛的な意味は含まれてはいない。

ヒビキの立ち振る舞いなどに男らしさを感じることがあっても性別の壁を越えての恋心はない。

どこか男として見てることがあるので、これから先はわからないが。

 

「どうしたの?」

「なんでもない。」

 

 

 

 

ヒビキは首をかしげるだけであった。

 

 

 

 





【挿絵表示】


両腕、両足のソックスやらはチャクラを込めることで自己治癒力を上げるものです。
チャクラを込めることで爆発する起爆札や、暁が使った結界づくりの札などがあることから恐らくはあるだろうと考えたもの。
八門遁甲を使う場合、筋繊維がズタズタになったり骨が折れたりと散々なリスクを追うことになりますが、タマモの場合はその柔軟な筋肉が衝撃や負担を拡散吸収してくれるためにリーやガイよりも遥かにリスクが少ないです。
とはいえ一度使えば疲労困憊かつ、二度目以降も大丈夫と言うわけでは無いです。

作中では青いオーラと言ってますが、これはガイが第七を開けたさいに出る青い汗が蒸発したものとは別物。
バンナムから出ているNARUTOのゲーム、ナルティメットシリーズを参考に青いオーラとしました。

また、落ちこぼれが落ちこぼれとは言えない取り柄を有していたり、主人公の周りの仲間もまた都合よく才能があったり、主人公と並び立つように強かったりというのはご都合入ってない?
と言う疑問もあるかと思います。
が、ここは大人の事情。
周りが弱いとそれに関する悩み、原作で例えるならサクラのような立ち位置の再現になってしまい、それは原作であるんだから要らないでしょ?と言うのが一つ。
さらにはソレは今作のコンセプトからズレるよね?
と言う話です。
あらすじにもありますが、メインはあくまでうちはによるクーデターによってオリ主が極力現実的に回避すると言うもので、裏テーマとしてもオリ主視点でのイタチの過去、です。
ゆえにそうした余談は全てとは言いませんが、カット気味にしたいね、と言う方針のもとやむなくタマモを強くしました。
ま、欠点もありありな限定的な強さですけれど。
どうせ書くなら、イタチのこと、そしてキーパーソンであるサスケのことを語るべきだろうと。
あとは単に、いくら落ちこぼれでも頑張りゃある程度は物になると言う現実的な部分もあります。
今回のはちょっと行きすぎかもしれないですがね。
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