うちは一族として生き残る!   作:黒百合

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イタチがチートです。
戦闘力ではなく中身的な意味で。
でも、これ…公式なんだぜ?

まぁナルト好きなら大体が覚えてるとは思うんですけど(びっくり仰天的な意味で)三代目火影曰く『七歳にして火影のような考えを持つ少年だった』ってさ。
むしろこの作品のイタチは9歳でコレ。
…スペックを落としてるように、違和感が少しでも無いように、転生系オリ主にならないように気遣って書いてるんだ。これでもね。


イタチの力

「よろしくお願いします。」

「ああ、こちらこそよろしく頼むよ。」

 

と言って二人、向かい合うイタチとヨシミチ。

イタチは些か以上にワクワクしていた。

自身の修行の成果がどれだけ通用するかを試してみたいのと、他の里の技を見れるということに対する知的好奇心もまたあり、端的に言うと子供らしくも落ち着きのない状態であった。

そんな心境でありながらも、そこはかとない違和感に気付いたのはイタチゆえだろうか。

これがほかの忍であれば、というより子供であれば気付かなかったであろうがイタチはその持前の繊細さで違和感を敏感に感じ取っていた。

 

それは手裏剣術を返され、ヨシミチの隠密性の高い風遁にタマモらと同じく気付いてすぐのことである。

イタチは自然にあることを考えていた。

 

『わがままを言わせてもらおう』と。

 

この試験は重ねていうが中忍の力量を持っているかの試験である。

それを示せた段階で試験を終了するべきであり、ほかの生徒たちの試験も残っているのだからしてきっと試験官は『これで十分だ。もう下がってもいい』という、ないしはそれらしい言葉を吐いて終わると思っていた。

それをわかりながらも自分の欲を、自分のしたいことを言うだけ言わせてもらおう。

ダメもとで修行の相手…試験ではない。

自信の経験として、糧として修行を付けてもらおうという意識ですらあったのだ。

そも自分も、ヒビキやタマモも能力的にはすでに問題が無い。

合格するのは決定事項とまでは言わなくてもほぼ100パーセントに近いということをイタチは客観的に自分たちの力量を見て、うぬぼれではなく自覚していた。

ゆえにどうせやるならただ流すだけでなく、時間を無駄にしないよう他里の技術というのを見て学ぶつもりで少しばかり楽しみですらあったのだ。

いや、彼の逸り具合からして少し、というのは語弊があるかもしれないが。

 

ところがである。

 

目の前のヨシミチは戦闘態勢を解いていなかったのだ。

 

「…。」

 

 

都合のいいことは確かだし、大人げないワガママをあまり言いたくないと言う思いも確かにある。

わがままを言わないで済み、戦うことができる。

好都合だ。

だがおかしい。

てっきりここで十分だと判断し、切り上げると思っていただけに意表をつかれた。

 

試験官としての立場としてここにいる以上は彼の行動は悪手である。

少なくともその程度の判断ができない人間が上忍になれるわけがないし、間違っているとか忘れているとか、そういう可能性は限りなく低いだろう。

 

「試験の結果はどうでしょうか?」

「なかなかのものだ。

これならば実技はほぼ満点だろう。安心するといい。」

「ありがとうございます。」

「それで?

この程度かな(・・・・・・)?」

「・・・っ。」

 

失言である。

彼の失言で気付く。

 

イタチは気取られないように、感知を行うことにする。

まずは煙玉を括り付けたクナイを投げつけ、煙玉を展開。

当然ながら風遁使いに通じるはずもなく、煙はすぐさま払われるが、煙玉で出来たわずかな隙に写輪眼をめぐらせる。

 

さて、唐突だが写輪眼とはチャクラを目にすることができる目である。

チャクラにはいくつかの特徴が存在し、その一つがある一定の電波を発生させるということだ。

というよりもチャクラそのものが電波の特徴を持つエネルギー体であり、ゆえに基本的にはただ垂れ流したチャクラが視覚化されることはない。

簡単に言ってしまえばわずかなこの電波すらも写輪眼は見て取れるということだ。

そしてこの電波は物をひどく貫通しやすいという高貫通性を備えている。

もとい、チャクラのコモったものはすべからく透けて見えるということだ。

原作において人の体のチャクラの流れを見て取ったり、サスケが地面に埋まったチャクラで作られた地雷などを見切っていた描写があったが、それらの出来事は写輪眼がチャクラの放つ電波を見ていたのであって、決して透けて見えていたわけではない。

 

写輪眼と似た系列にある瞳術である白眼は透視を可能とし、経絡系の細やかな形や内臓など、地雷であればそれそのものを見切れたはずである。

 

閑話休題。

 

つまり何が言いたいかと言えば写輪眼とは簡易的な感知忍術代わりになるということである。

 

もちろん写輪眼のこの能力にも限界や個人差はある。

電波は確かに高貫通性を誇るのだが、その発生距離はそこまででもない。

有効距離は約数十メートルがせいぜい。

その有効距離を超えて見切れることも写輪眼によっては可能だが、それでもほんのわずかに見えればいいという程度。

だが、この『試験に使う部屋』をぐるりと見渡す分にはほぼ問題なかった。

 

 

「…いるな。」

 

周りには点々とチャクラが存在していた。

明らかに不自然なチャクラである。

隠れるタイプの忍術を使っているのかその姿は視認しづらかったが、隠れるための忍術そのもののわずかなチャクラでさえもイタチの目には見えていた。そして、それで十分である。

 

「どうした?

逃げてばかりでは勝てないぞ?」

 

イタチは手裏剣術によって四方八方からひたすら攻撃を加えていくが、体にまとう風遁によって切り阻まれるだけだ。

イタチは数瞬考えた後、ここは”あえて”力を見せることにした。

 

「水遁、水龍弾の術。」

「質量で押しつぶす気かっ!?」

 

イタチはあえて水遁を使うことにした。

使った術は水龍弾の術。

チャクラの消費量の割には威力が高く、発動しながらも操作し続けて相手に当てることができる上に範囲も広い使い勝手が良い水遁である。

 

この術は風で切り抜けるほど軟な術ではないし、仮に斬り飛ばされても全ての水が消えうせるわけではない。

 

うねる龍をかたどる水塊がヨシミチに襲い掛かり、ヒットすると思われた瞬間、ヨシミチは一気に風遁を解放をする。

 

「風遁、真空放破っ!」

 

円周状に広がる風が龍を退けるが、そのまま龍は周りを囲み、とぐろも巻く。

この間もすさまじい水流と風速のつばぜり合いが起こるがどちらもいい勝負である。

 

「真っ向からの忍術勝負かっ!!

面白い。」

「…。」

 

ヨシミチの周りには円形に噴き出す風と、そしてそれを押しつぶそうと巻きついて押しつぶそうとする激流の龍水。

 

数十秒の忍術によるつばぜり合いの勝者はヨシミチだった。

 

が。

 

「これはっ!?」

 

術が切れる数瞬前に水の流れに任せて起爆札を混ぜ込みヨシミチの周りを囲んだろうというタイミングで術を解いたイタチ。

結果、いくつか混ぜた起爆札はヨシミチの周りで連鎖爆発を起こす。

 

凄まじい轟音にヨシミチの悲鳴は掻き消え、そこに残ったのは水陣壁で身を守ったイタチだけ。

 

ヨシミチはところどころ、服が焼け焦げていた。

これですんだのは瞬時に風遁の効果が残っていたからだ。

もしもなければ大けがを負っていたかもしれない。

 

「あはは…見事だ。

合格だよ、イタチ君。」

「ありがとうございます。」

「さて…これは興味本位の質問だから答えなくてもいいのだが…すごい練度の水遁だった。

うちはは火遁がすごいと聞いたのだが…」

「俺は…いえ、私は火遁があまり得意ではないもので。」

「なるほど。

ありがとう。それでは下がっていいよ。」

「失礼します。」

 

 

そして残ったヨシミチの背後に現れる男。

 

「どうでした?」

「素晴らしいと言うほかない。

起爆札をただ混ぜただけなら気付いた。

しかし、彼は一部分だけ水の屈折を操っていた。」

「屈折を?」

「そうだ。

光の屈折を利用して見づらくしていたようだ。

水に流れる起爆札に合わせて同じ位置を。」

「なるほど…すばらしいチャクラコントロールをお持ちのようで。」

「データは?」

「大丈夫。万全ですよ。」

「そうか。ところで彼の言ったことは本当だと思うか?」

「火遁が得意でないと?」

「ああ。」

「…おそらくは本当でしょうね。

これほどの水遁の練度を9才でありながら持っているだけで素晴らしいを通り越しているのに…こればかりやっていたというのなら辛うじて納得できるレベルです。

火遁は…使えないということはないでしょうが、弱いでしょうね。」

「…そうだな、同じ見解だ。

が…」

「なにか?」

「いや…まさか、な。」

 

ふと感じた違和感をヨシミチはただの気のせいと断じて、切り捨てる。

 

「とりあえず、あとの連中もやって次の試験の準備に入るぞ。」

 

こうして秘密の密談は終わる。

 

 

☆ ☆ ☆

 

「どうだった?」

 

帰ってきたイタチに聞くヒビキに。

 

「加減した。」

 

とイタチは答える。

 

「…そう。」

「気付いたか?」

「…まぁわかる。」

「だろうな。」

「で、なにしてきたの?」

「気になるのか?」

「…どうせイタチのことなんだから、なにかしらの”芽”は植えたんでしょ?」

「…ふっ、どうだかな。」

「あーっ!

なんかイタチ君とヒビキちゃんがすっごく悪い顔して仲良く話してるっ!!

私も混ぜてよぉっ!!」

「ついでに俺も混ぜてよぉっ!!」

「タマモはおいで。

シスイ上忍は来ないで。きもいです。」

「お、おまっ!!」

 

そのやり取りをみて軽く笑うイタチ。

 

「イタチも笑ってないで、俺を弁護しろよっ!?

ここはおちゃめなシスイさんの茶目っ気を楽しむところだよって!!」

「…シスイさん…俺も…アレだと思いました。」

「…えっ?」

 

まさかという顔のシスイ。

 

「イタチ君も思うって、そうとーだよね?」

「…え?」

 

とどめを刺されたかのように目を見開くシスイ。

タマモは天然にシスイの息の根を仕留めに行く。

 

「シスイ上忍のそれはサムいってことです。」

「…ぐすん。」

 




独自設定解説と感想返信

写輪眼の特徴うんぬんは特にサスケとデイダラ戦を見て思った。
それらの状況を見て考えたのがこの設定。
じゃなきゃおかしいだろとも思うけれど。
ちなみに電波や音波、光波だのといろいろと『そういったもの』はあるらしいけれど人間の体は電気信号で動くというし、ならば一応生もの(人間)から発生したチャクラから発生するのは電波が自然じゃないかなと思った次第。

高貫通性は造語。そんな学術用語は無いと思います。そして電波にそんな特徴もないと思うのでこれまたねつ造設定です。電波というよりはそういう電波のようなものと理解していただければ。

ちなみに作中にでた水遁水龍弾の術は僕にとってある意味で一番思い入れのある忍術。
記念すべきナルトのゲームの一作目?であるPS2専用ソフトナルティメットヒーローを買ってさらにナルトファンになった僕はそれから先もずっと買い続けたわけなのですが、そのうちの確かナルティメットヒーロー2か3に忍術を付け替える機能がついて、たとえばナルトなのに豪火球を使ったりなんてことが出来たわけなのだけど、それで僕が一番に使ったのは水遁水龍弾の術。
カッコいいエフェクトと横一列をかっさらうその攻撃範囲にチャクラがなくなるまで水龍弾、チャクラをためて水龍弾、チャクラを得たら水龍弾、とにかく水龍弾で弟をフルぼっこにした次第。

フルブッパスタイルで楽しげな僕と徐々につまらのそうにゲームをしてる弟の姿は今も思い出せます。
…懐かしくも申し訳ない思い出ですねw


感想返信

>今の風影は我愛羅の父親?
はい、そうっぽいですね。この作品でも今はまだ我愛羅の父親です。
そしてこの作品では再度独自設定があり…まぁその辺はこの章に絡めていく予定なのでネタバレにならないようにこれ以上は言えません。
割と面白い展開を用意できると思っています。僕的にはね。

>風遁と火遁の相性ちがくね?
確かにそうなんですが、この作品では物理法則を優先したいかな?と。
もとい想像できるかどうかです。
相手の風遁を飲み込んで火遁が大きくなるよ!みたいな解説がありましたがそれおかしくね?と思いませんか?
ろうそくの火を吹いたら消えるでしょう?
風が吹いたら火は激しく燃えあがるとあってもあくまで火が消えないレベルのものであって、そもそもアスマの使ってた風遁の刃とかおかしい。
なんで岩を貫通するん?
風をまとってるだけで切れ味増してるあの不思議物質を火にあてたからって飲み込まれるとは思えなかったのです。

もといほぼ相性は考えないか、相性はあっても分かりやすいものだけにしようと追っています。
たとえば水と火はいわずもがな。
というか演出優先というか、個人の込めたチャクラや忍術の質によせようかと。

>砂の里は交易都市うんぬん。
日本の食糧自給率が低いからという言葉に納得しました。
それから勝手なイメージが確かについていましたね。間違いに気づかせていただきありがとうございます。

交易都市として発達していた、という話は確かに考えたときに一番に考え付いたことではあるのですが、そこで疑問だったのはどうも交易されてる感?
原作において数少ない砂の里の描写を見た限りではなんか活気にあふれてる感じがしなかったので、砂の国の『砂の忍び里』として考えました。
もとい砂の国自体は豊かでも忍び里自体は豊かじゃないよ!みたいな?

部署みたいなのがあって、普通の農林水産とか、交易をつかさどる場所とかで別れていて忍び部署?とでもいうべきところが戦争で負けやがったので切り捨てられそうになってるよ!という風に受け取ってもらえれば。

なんて話してもこちらの話はほぼ原作には絡める予定がないのですけどねw
まぁだからこそあとがきにちょろっと書いたのですが。
あえて、ナルト原作のバトルものじゃない内政物を書いても面白そうですよね…チラッ。
僕は書けません、そういった基礎的な知識が不足してますから。残念。




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