GATE;「扉ガバガバじゃねえか!」と叫ぶ転生者 作:水の水割り
「伊丹耀司、33歳。自他共に認める"オタク"。趣味に生きる為に仕事をするとぬかしとるが……ブツブツ……」
俺、伊丹耀司は自衛官である。
別にこの頃流行りの転生者とかでも無い俺はごくごく普通のオタクであり、それ以上でもそれ以下でもない。
ついでに言うと生まれた時から力がアホみたいに強いとか悪魔っぽい実を食べたとか、魔法の力に目覚めちゃったりとかもしていない。
そんな異能力とか憧れるよなぁ……とは思うがなんか思ってたのと違うのが
大学時代の友人三人は。
にしてもセイバーは元気だろうか……。
拗ねてなけりゃいいんだがなぁ……。
……先日の
銀座門攻防戦といっても実際聞いた話だと、俺が到着するまで
そして門をそのまま塞ぐかの様に投影された
今も尚銀座大通りに"門"以上にでかく交差点のど真ん中にあるが、いつ消えるかわからないシロモノだ。
勿論あの黄金劇場が消えたら開いたままの"門"が残るのではないのかと懸念され、現在は自衛隊が戦車を引っ張り出して警戒にあたっているらしい。
又、黄金劇場を一目見ようという一般市民が出てきているらしい。
暇だなーお前ら……
あ、そうだった。もう1つあった。
なんか俺、"銀座門攻防戦の英雄"って形で一躍有名人になったっぽい。やったぜ。
なんでも現場にて
……と、いう何か賞状を防衛大臣から貰った。
多分
あと多分、その場にいた機動隊やらが俺とセイバーが親しげに話しているのを上に報告したから……なのだろうか。
要は英雄(の友人)である俺を動かしやすいようにしてくれたのだろう。
サンキュー機動隊の皆、今度俺一押しの秋葉原名物でも差し入れに行ってやろ。
まぁ実際、目の前の上司に俺が呼ばれた理由は多分。
「まぁ、そうなりますよねぇ」
「"まぁそうなりますよねぇ"じゃない! 君しかいないんだよ彼女と親しい者が!! 彼女と問題なく交流を深められそうな人物が!!」
上司である檜垣三佐は声を荒げるが、俺としては別にそこまでセイバーについては問題視していない。
まぁ周りからしたら彼女は超ヤバイ爆弾のようなものだろうが……。
は超ヤバイ爆弾のようなものだろうが......
俺は、あいつを信じてる。
うーん、なんかしっくりこないな。信じてるってよりも……。
……慣れてる、とか?
「とにかく伊丹二等陸尉! 君を彼女のお目付け役として任命する、"今後の協力"を得る為にも可能な限り親好を深めるのが今後しばらくの任務とする。頼んだぞ」
「え? あっ、はい……」
「本当に大丈夫かね君は……」
随分気が抜けた返事だなぁ、と自分で思いながら俺はその部屋から退室した。後ろからは檜垣三佐の溜め息が聞こえる。
セイバーに、会いに行かなきゃなぁ。
「セイバーさん! 俺、ネロ様でオナシャス!」
「ふむ、カツ丼とはいい心がけですね――――――いいだろう、存分に余とツーショットを撮るが良い!!」
「ヒャッホー!
「セイバーさん! 次は俺と……!」
「おっ待てい(江戸っ子)次は私でしょ! 順番守りなさいよ!」
「え、何これ」
場所はとある拘置所……の、なんでもセイバー1人だけの為に急遽用意されたらしい、拘置所にしては無駄に豪華な一室。
そのど真ん中でセイバーが赤セイバーの格好、例の半ケツ舞踏服を着ている。
そういやあいつ、自分がセイバーだって言ってたけど
あー……あった、あったなー。
その日の気分で赤になったり桜になったり白くなったりすんのはマジで朝起きた時ビビるからやめて欲しかった……。
梨沙は梨沙で大興奮してたが俺にとっては絶世の美女が、顔はほとんど同じだが大体日替わりでいるんだ、かなり心臓に悪い。
で、そんなセイバーの周りには男女関わらず……格好から見て色んな連中が来てるなありゃ、あー誰も止める人がいないなあこれは。
ちょっとしたパーティーになってるよ。
うわあ……、これは機動隊員で。これは自衛隊員で、ああ、こっちは拘置所の人員か、間違いない。なんだこれは……たまげたなあ。
ただの撮影会じゃねーーか!!
「む? おお伊丹! 伊丹ではないか! 遅いぞ!!」
そんな事を思いながら入口に突っ立っていると、セイバーは俺に気付いたようで、ぶんぶんと俺に手を振ってくる。
髪降ろしの
「ったく、元気そうで何よりだ謎セイバー」
「だから謎セイバー言うでない!」
俺の謎セイバー発言にむきになり、ぷんすか! と言わんばかりに怒りだすセイバー。
いやだってマジで謎なんだもん、お前セイバーっていう概念かよ。
まぁとりあえずここでへそを曲げられても困るので適当に宥めておく。
そうしてセイバーを宥めている内に、セイバーの周りにいた連中がわっと俺の所に集まってきた。
ええ……(困惑)
「ふうん、貴方が"銀座門攻防戦"でセイバーさんと一緒に戦ってた人? やだ……想像より格好悪い……」
「いや勝手に期待されてもなぁ……」
「うぃいいいいいいいいいいい↑っす!
どうも伊丹さん、浜崎ッス!!」
「いや誰だよ、知らないぞ」
「おい、
「この作品に
ああ、何だ何だお前ら俺に興味でもあんのか……。
しかしまぁ連中も空気を読めるらしく、一人、又一人と俺に嫉妬の腹パンや小突いたりしていきながらもその場から退散していく。
「ちっくしょー! 桜セイバーとツーショット撮りたかっほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!(チンパンジー)」
「来いっつってんだよオォン!!」
最後の一人が無理矢理連れていかれ、扉が閉められる。
まぁ、当然俺と赤セイバー(の格好をした青セイバー、ややこしい)が残るわけで。
「……食うか?」
「ああ、貰うよ」
この後二人で滅茶苦茶カツ丼食った。
しっかし珍しいな、こいつが食い物で人に自分のをあげるなんて。
食い終わったカツ丼の食器やらをまとめて入口に置く。
いつの間にか青セイバーに戻っているこのセイバーは、優雅に紅茶を飲んでいた。本当絵になるなー。
「って事だ。わかったか?」
「わかりました、つまり私は変わらず伊丹の協力者として振る舞えばいいのでしょう?」
「あー、うんそう。半分合ってる」
「ついでに私を危険視する者をアサシンの能力で殺っちまえ……と。伊丹、確かに私はアサシンクラスの適性もありますが……」
「違うからな!? 普通にいつもみたいに可愛くしてれば良いって言ってんの!」
「え、可愛いだなんて……告白ですか? 貴方既婚者なのに浮気か何か?」
「とりあえずお前が対話する気/Zeroだって事はわかったよ……」
「冗談です」
「チカレタ……」
まぁ、うん……一応わかって貰えたようで何よりだ。
俺がセイバーに話した事は勿論、今後の事である。
俺とこれからも仲良く接して欲しい事。これは問題なかった、逆に「お前は何を言ってるんだ」みたいな目で見られた。
そして、今までとは違って色々な人と関わる事になるだろうが……要するに良い子でいろって事だ。
なんたってこんな奴でも
しかも青赤その他諸々のバリューセットなんだよなーこいつ。実質一人でどのぐらいの戦力になるのだろうか……あまり考えたくはない。
しかも聞くとまだまだやれそうな事はあるらしい……闇鍋だ、かなり闇鍋だよコレ。手がつけられん。
「まぁ心配は無用でしょう! 私がついています!」
セイバーが、笑顔でえへんと胸を張る。あんまない癖に無理すんな。
いや、
……ま、なんとかなるでしょ。
「ああ、頼んだぞセイバー」
手を差し出すと、セイバーも意図がわかったらしく俺の手を握る。
握手し……その握り返してくる手がやっぱり女性のそれで、昨日戦っていた彼女とはイメージが違う。
なんだか俺は、それがどうにもツボにはまった。
皆さん、二日ぶりですね
朝ランキングを見たら、見覚えしかないクッソ作品が19(イク)位に上がっていて悶絶しました。
ちなみにこの作品は淫夢成分がたっぷりも入ってないので、タグに追加する予定はありません
そう、僕が僕の作品内で運営に怒られさえしなければ、何をしようが、許されるのです。つまり読者さんはですね、その小汚い野口を、僕に恵めって言っ
次回→終わりの無いディフェンスが終わったら