とある妖刀使いの物語   作:遊妙精進

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やっと10話です。

今回はバスケ回ですが、いつも読みにくいものがもっと読みにくくなっていますので、そこらへんはご了承ください。


10話 ミニゲーム

「黒瀬、昨日は何の体験入部したんだ?」

「バスケ部だ」

 俺と稲葉は屋上で弁当を食べる。

「へぇ、バスケ部……前にもやったことあるのか?」

「いや、全然」

「何か言われた?」 

 俺は昨日言われたことを思い出す。

「何か身体を見ただけで身体能力がわかる人がいたんだけど、その人から身体能力が低いって言われた」

「うわ、何だその人」

「なぁ、やっぱり俺って身体能力低そうに見えるか?」

 自分でも痩せてるってことはわかるが、妖力が少なかった小学生の頃も普通に剣道や空手とかで勝ってたんだけどなぁ。

「まぁ、確かに黒瀬は痩せてるように見えるからな。そう思われてもしょうがないと思うぜ」

「やっぱり」

 何でこの身体は毎日筋トレしても筋肉がつかないんだ。なぜ筋肉の代わりに妖力が上がるんだよ。意味がわからん。

 

 

 

                    ☆

 

 

 

「え、ミニゲーム?」

「先輩といきなり!?」

 バスケの練習をしていると、今からミニゲームをすることが明かされた。

 部活動紹介のときに言っていたが、去年バスケ部が作られたらしいのだが、先輩たちは一年生で決勝リーグまでいっているようだ。つまり相当強い。

「へ、おもしれぇ。相手は弱いより強い方がいいからな」

 火神は自信があるようだ。

 もちろん俺は自信なんて全然ない。だって昨日まで全然バスケのルールも知らなかった。黒子に聞いたり家で調べ尽くしたんだからな。

 

 

一年生チーム

 黒瀬 涼

 黒子 テツヤ

 火神 大我(かがみ たいが) 赤髪、でかい

 河原 浩一(かわはら こういち) 丸刈り

 降旗 光樹(ふりはた こうき) 茶髪

 

二年生チーム

 日向 順平(ひゅうが じゅんぺい) メガネ

 伊月 俊(いづき しゅん) キューティクルサラ男

 水戸部 凛之介(みとべ りんのすけ) 無口な人、でかい

 小金井 慎二(こがねい しんじ) 口が猫っぽい

 土田 聡史(つちだ さとし) 目が細い

 

 

 うわぁ、緊張するなぁ。武道の全国大会に出るときよりも緊張する。なんつったてチーム戦だからな。初心者の俺がみんなに迷惑をかけないか心配だ。

 ピーーーーーーー!

 スタートの笛の合図。

 笛の合図とともに空中に上がったボール。

 ジャンパーは日向先輩と火神。

「ぅらあ!」

 空中に上がったボールを火神が勢い弾く。

 そのボールを河原が取る。

 みんなが一斉に動きだし、河原のパスとドリブルを妨害する。

 俺はどう動けば良いんだ? ポジションを聞いとくべきだったな。

 などと、思っているうちに笛が鳴った。

 火神がシュートを入れたようだ。しかもダンクを。

「おぉ、すげぇな」

「……マジか」

 先輩たちの声が漏れる。

 確かに火神はすごい。荒削りだが、それが逆に火神に合っているのだろう。

 その後も火神が次々と点を入れる。というか火神ばっかだ。俺たちはほとんど何もしなくていい。ボールが来たら火神にパスをする。それだけで点が入っていく。

 ……つまらん。

 バスケってチーム戦じゃなかったのか? これじゃ火神だけで充分じゃないか。

「そろそろ大人しくしてもらおうか」

「スイッチ入ったか」

 と先輩たち。

 いや、最初からスイッチ入れとけよ。

「さ、三人!?」

 スイッチが入って何をするかと思いきや、何とボールを持っている火神を三人で抑えようとしている。

 しかも、ボールをもっていなくても二人が火神を抑え、ボールを渡さないようにしている。

 イイネ、楽しくなってきた。

 日向先輩はドリブルで一年生たちをスラスラと抜いていき、その勢いのままボールをシュートする。

「させるか!」

 俺は飛び上がり、ギリギリ、ゴールに入りそうだったボールをカットする。

「おお!? あの一年もすげぇ!」

 ゴール下に落としたボールを俺は拾い、ドリブルをしようとするが、瞬時に日向先輩はドリブルをさせまいと俺の前に構えた。

「…………」

 ほんの数秒のにらみ合い。

 パスを出したいところだが、一年も抑えられていて、パスもドリブルもできないようにいしている。黒子は誰からも抑えられてないが、少し距離が遠い。

 なるほどなるほど……だったら!

 俺はボールを空中に思いっきり投げた。

 これにはみんな呆気がとられただろう。何をしているんだこいつは? と思われているかもしれない。でも大丈夫。ちゃんと計算済みだ。

 ガコン!

 空中を駆けたボールは、バックボードに当たり、ゴールの中へと入った。

『…………………………』

 数秒の沈黙。

『うおー!! すげぇ!!』

 うるさい。

「25メートル近くもバスケのボールを投げたのか」

「しかも! 片手で投げたぞ!? まぐれか!?」

 残念ながらまぐれではない。一瞬の間に、この場所からどうやったら相手のゴールにシュートを決められるのか計算したのだ。

「ナイスです。黒瀬くん」

 黒子が俺の背中を叩く。

「おう!」

 俺たちはどんどん点を入れていく。先輩たちも熱が入ったのか、先ほどよりも動きのキレが上がり何倍も手強くなっている。

 点を入れては点を入れられ、と激しい戦いが続く。

「ハァハァ……これ、ミニゲームだよな?」

「完全に勝利を賭けた戦いになってるよ……」

 火神と黒子は大丈夫そうだが、残り二人のメンバーは息切れが激しい。飛ばしすぎか。

「お前ら! 先輩に勝てるチャンスだぞ! ここで下克上してやろうじゃねえか!」

 火神からの熱い一言。

「てめえら、一年に負けたら恥だぞ!」

「負けるわけにはいかないな」

 先輩たちも張り切っている。

 俺は点数を見る。 

 35と35で同点。

 もちろん俺が本気を出せば差はつけられるだろう。さっきのように計算をすればどこからでもシュートを決めることが出来る。だが、そんなことを何度もすればつまらなくなる一方だろう。出来るだけ封印だ。

 しかし、二人がキツそうなのはどうにもすることが出来ない。どうにか出来ないものか……

「すみません、適当にパス貰えませんか?」

 と黒子。

「ああ、いいぜ」

 そういや黒子が活躍しているところをまだ見てないな。

 試合が再開し、俺は黒子にパスする。

 黒子はボールをキャッチせず、まるで受け流すようにして河原に通す。

「え?」

「いけ! シュート!」

 河原は黒子から受け取ったボールをそのままシュート。

 なるほど、そういうことか。

 黒子が今やったことは大体わかった。

 その後も俺たちは黒子にパスをし、黒子はパスされたボールを受け流すように触れ、味方へと渡す。

「なんだ? 何が起こっているんだ?」

「気づいたらいつの間にかパスが通ってる……」

 先輩たちは呆気を取られている。

 どういうことかというと、他のみんなから見ると、先輩の言う通りいつの間にかパスが通っているらしいのだが、これは黒子の影の薄さを利用した技だ。ボールに触れる時間が極端に少なくしてパスの中継役となり、他を見るように仕向け、影の薄さをもっと薄めているということだ。

 視線誘導(ミスディレクション)……か。

 その後も火神のパワープレイや黒子のミスディレクションのおかげで50対40と大差をつけて俺たちのチームが勝利した。

「ああ~! 完敗だ~」

「今年の一年やばいな」

 先輩たちは悔しそうに見えるし、期待の新人が来てくれたおかげか嬉しそうにも見える。

「やった! 先輩に勝った!」

「火神と黒子と黒瀬のおかげだな!」

 こっちは大喜びだ。

「俺は特に何もしてないけどなぁ」

 自分のプレーを思い返す。あまりすごいことはやってないよな?

「何言ってんだ!? すげぇシュートしたし、先輩五人抜きとかダンクシュートとかしてたじゃん!」

 ダンクシュートもすごいのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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