とある妖刀使いの物語   作:遊妙精進

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18話なのにまだまだメインキャラが全員登場しないですね。



18話 情報

「黒瀬くん、おはよー!」

 俺が教室に入るやいなや、クラスメイトの一人が駆け寄ってきた。

「ああ、田代、おはよう」

 茶髪で肩までのストレートヘア、毛先は少しカールになっている彼女は、田代 貴子(たしろ たかこ)。何やら色々と俺に接してくる変な奴だ。

「いや~、黒瀬くん、すごいですな~」

 田代はにやけ顔だ。

「? 何が?」

「これよ、これ!」

 と、田代は俺にスマホを見せる。

 動画が再生されると、それには俺と土曜日の殺人犯が映っていた。動画の俺は簡単に殺人犯を倒した。

 そういえば、記者さんも動画を見たって言ってたな。インターネットが簡単に使える若者の間には俺の事が広まっているのだろうか? 

「黒瀬くん、お強いですな~、もしかして一昨日にあった強盗事件も黒瀬くんが関わっていたのでは?」

 うげっ!? なぜそれを!?

「ふふん! あたしにかかれば簡単よ! それにしても本当に黒瀬くんだったとわね。高校生ぐらいの黒髪に赤目のイケメンくんが犯人を倒したってのを聞いたからピンてきたのよ。黒瀬くんしかいないってね」

 うわぁ、すげえ情報漏れてんじゃん。でもイケメンってのは間違っているな。

「あたしとしては色々と聞かせて欲しいんだけど?」

「無理」

 と一言で終わらせる。別に高木刑事からは何も言われていないが、事件の事は言わないのが普通だろう。高木刑事自体が口がゆるいが。というか警視庁殺人課のほとんどは口がゆるいよな。事件のことペラペラ話しちゃうし。

「ええ!? いいじゃん!」

「無理なもんは無理だ。自分で調べろ」

「ケチ!」

 うわ、ケチって、あの名探偵小学生以外から言われるの初めてだわ。

 キーンコーンカーンコーンとチャイムの音。

「ほらー、お前ら席に着けー」

 

 

 

                    ☆

 

 

 

「黒瀬ってすごいよな」

 昼休み、いつもの屋上で俺と稲葉は弁当を食べる。

「何だよ、藪から棒に」

「あの強盗犯を倒したのって黒瀬なんだろ? 普通なら出来ねえよ」

「ま、経験と知識があるからな。あんぐらい慣れたわ」

 今まで何度もあんな目にあったからな。

「慣れてもいいもんなのか?」

「……ダメ」

 慣れたらもう普通じゃないな。

「そういや、昨日は黒瀬のことで学校中大騒ぎだったってのに、今日はそれほどでもないな」

「そうなのか?」

「ああ、ほんと、みんな黒瀬の話しかしてなかったぜ。でも折角本人が来たってのに食いついたのが田代だけだからな」

「ま、そんなもんだろ。新しいネタなんて積もるほどあるし」

 と、言ったのもいいが、昨日記者さんから聞いた話が気になってしまう。俺の情報が操られていると。

「でも、何かおかしいんだよ。みんな忘れてしまった……みたいな?」

 おい、稲葉……何て気になることを言うんだ。じゃあ情報が操られているんじゃなくてみんなの記憶が無くなってるってこと? でも稲葉や田代、休み時間に話した黒子や一条、西村、北本は普通に強盗事件のことを話してきたんだよな。

「? どうした黒瀬。難しい顔して」

「あ、何でもない」

 てか、記憶を操作するなんて非現実すぎる。アホか。やっぱり新しいネタでもあったんだろな。

 

 

 

                    ☆

 

 

 

「よ、お前ら」

 俺は三日振りに神田神社を訪れた。もちろんそこにはあいつらの姿が。

「あ、黒瀬くん、こんにちは!」

 と、高坂。相変わらず元気が良い。

「もう逃げたのかと思っていました」

 と、園田。相変わらず言うことがひどい。 

「しょ、しょうがないよ。黒瀬くんはすごい事件にあってたんだから」 

 と、南。相変わらず俺をフォローしてくれる。

 ん? 事件?

「なあ、事件って」

「え? あれって黒瀬くんでしょ? 黒髪に赤目のイケメン高校生」

 こいつらも知ってたのか。でもイケメンってのは間違ってるな。

「なあ、お前らの学校では俺のことどうだった?」

「どうって、土曜日の人質事件の被害者と同じじゃないかということで私たちの学校ではもちきりでしたよ? でも今日はその話を聞きませんでしたね」

「…………」

 んー? やっぱり俺の情報が何かされてんのか? でも話を聞かなかったて、被害者を多く出して犯人が自殺した事件をか?

「どうしたの? 難しい顔をして?」

「あ、すまん。何でもないよ。で、お前ら、俺がいない間もちゃんと練習しただろうな?」

「もちろんです。私がきっちりさせました」

「海未ちゃんはきつすぎるの! 穂乃果は黒瀬くんがいい!」

「スクールアイドルはあのくらい練習するのです。……多分」

「よし、今日は難しいやつやるぞー」

「ええ!?」

 

 

 

                    ☆

 

 

 

「なあ、高坂」

 練習が終わり、俺と高坂は階段に座って休憩する。

「ん、なに?」

「なんでお前らってスクールアイドルやってんの?」

 これ、実はずっと知りたかった。

「学校を救うためだよ」

「……は?」

 なに? もしかしてスクールアイドルって結構ヤバイもんなの?

「穂乃果たちの学校、生徒が少なくては廃校になりそうなんだ」 

 東京で生徒が少ない? と思ったが、今はドーナツ化現象やら少子化というものがあったんだったな。条東商は生徒数千人越えてるのにな。まあ、条東商は東京の商業高校の中じゃ有名だもんな。

「で、廃校になりそうなら何でスクールアイドル?」

 廃校とスクールアイドル、繋がらないな。

「今ってスクールアイドル人気でしょ? 穂乃果たちがスクールアイドルで有名になって学校に入学希望者を増やすの!」

 ……なんというか、無謀。そんなに単純かなぁ?

「ま、頑張れよ。応援してる」

「うん、ありがとう、黒瀬くん」

 ああ、月が丸くて綺麗だな。月というと嫌な思い出ばっかだけど。

 

 

 




主人公の過去話はいつやるのか……

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