とある妖刀使いの物語   作:遊妙精進

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二章は早めに終わる予定です


20話 注意

「黒瀬くんたち」

 昼休み、俺と稲葉と夏目が屋上で弁当を食って教室に戻ると、一年C組の女委員長、朝倉 涼子(あさくら りょうこ)から呼び止められた。

「今ね、事故で入院している比企谷 八幡(ひきがや はちまん)くんにメッセージを書くのをみんなにお願いしてるの。黒瀬くんたちも書いてもらっていい?」

「そりゃもちろん」

 そういや事故った奴がいたな。確か入学式の日に車に轢かれたんだっけ。不運な奴もいたもんだ。

 俺は、朝倉からちっちゃい紙を貰い、〈はよ元気になれ。黒瀬涼より〉と書いた。

 これが友達だったらもっとマシな文を書くが、名前しか知らない相手だからな。 

 

 

 

                    ☆

 

 

 

 学校が終わり、俺は神田神社へ向かう。

『そこの少年!』

 歩いていると、英語で誰かから話しかけられた。少年というのは俺のことだろう。

 後ろを向くと、金髪のクセ毛のアメリカ人がいた。

『俺ですか?』

 俺は英語で話す。

『ああ。私の名はグラハム・エーカーという。警視庁に行きたいのだが道に迷ってしまってな。案内してくれるか?』

 なぜに警視庁と思ったが、まぁいい。

『いいですよ。着いてきてください』

 困っている外国人を見過ごすわけにはいかないからな。それに幸い、警視庁はここから遠くない。

『すまないな』

 俺とグラハムさんは歩き出す。

『日本には観光ですか?』

『いや……そうだな……ある人を追いかけに来たのだよ。一目惚れした相手だ』

『それでわざわざ日本にですか』

 行き先は警視庁、日本に来た理由は一目惚れした相手を追いかけに……か。絶対に裏があるよ。

『好きな人が出来たのならどこまでも追いかけたい。そういうものなのだよ』

 うわぁ、思考がストーカーのそれだよ。   

「おいおい、アメリカの兄ちゃん。日本に何の用だ~?」

「うひゃひゃ、こりゃイケメンの兄ちゃんだな」

「日本に来たのならわかるよなぁ」

 何か知らんが、不良五人に囲まれてしまった。いやはや、何でこんなに不良に絡まれることが多いのですかね。良い運動になるから別にいいけど。

『彼らは何と?』

『わざわざ日本に来てくれてありがとうございます。今から日本式のおもてなしをしたい、だそうです』

『ほう、日本式のおもてなしとは?』

「さっきから何言ってるかわかんねぇよ!!」

 不良の一人が殴り掛かってきた。それを俺は難なくかわす。

『こういうことだそうです』

『活きが良いじゃないか。手加減は?』

『いらん』

「てめぇら!! この二人を殺っちまえ!!」

 あ~あ~、怖いなぁ。

 俺のもとに二人が突っ込んできた。他の三人はグラハムさんへと向かう。

「死ねやー!」

 二人の内、一人が俺の顔目掛けて殴る。が、顔面ギリギリで手を掴んだ。

「何ィ!?」

 男の手を掴んだまま振り回す。

「うおおお!?」

 パッと手を離すと、勢いよく外壁にぶつかった。

「てんめぇ!!」

 もう一人も俺の顔目掛けて殴り掛かってきたが、それを左にかわし、男の足を引っ掻ける。

「どわは!?」

 男は勢いよく転んだ。

 え? これで終わり? 態度だけかよ。

 グラハムさんを見てみると、既に戦闘は終了しており地面には気絶している男三人に姿があった。

『日本のおもてなしというものはすごいな』

 あんたが俺より早く不良を倒したのがすごいよ。やはり見た目はそうでもないが強いタイプか。こんなアメリカ人が警視庁に行くなんてな。どっかの諜報機関かな?

 

 

 

                    ☆

 

 

 

『着きましたよ、ここが警視庁です』

『ありがとう少年。何か礼をしたいところだが』

『はは、それならまた会ったときに一杯奢ってもらいましょうか』

『そうだな。少年とはすぐに会えそうな気がするよ』

 色々と謎はあるが、グラハムさんと別れ、俺は神田神社へと足を急がせる。  

 

 

 

                    ☆

 

 

 

「グラハム中尉、どこに行ってたんですか? 探しましたよ」

「よもや本当に出会えようとは。乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じられずにはいられない」 

「はぁ?」

「ハワード、空港の監視はもういいと伝えろ」

「ということはまさか!?」

「『幻想の殺し屋』……やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだな」

 

 

 

                    ☆

 

 

 

「あ~疲れた~」

 あいつらの練習が終わり、俺は家に帰る。

 家の門の前には見慣れない車が停まっていた。

「ハーイ、リョウ君」

「あ、ジョディ先生にキャメル捜査官」

 車の中から出てきたのは、ジョディ・スターリングとアンドレ・キャメル。この二人は、黒の組織(仮称)というヤバい連中を追って日本に潜入捜査に来ているFBIの捜査官だ。

「こんな時間に……ヤバい事件でも?」

「まぁ、そんなところかしら。車の中で話すわ。乗って」

 俺は車の後部座席に乗る。

「この人に見覚えない?」

 ジョディ先生はスマホで画像を見せる。

「これは!?」

 スマホには、ロケットランチャーを担いでいる俺が写っていた。いや、俺に似ている誰かだ。

「『幻想の殺し屋』。聞き覚えない?」

 まさか……こいつが……?

「聞き覚えはあります。前に東欧に行った記者からそいつの話を聞きました」

 記者さんの真剣な表情で嘘ではないとはわかっていたが、まさかこんなに似てるとは……。というか似ているなんてもんじゃない。一緒だ。実は俺たちは一卵性双生児の三つ子じゃないかと思うくらいだ。

「そう。まだあなたには接触してきてないようね」

「接触ってどういうことですか?」

「こいつが日本に来ていることがユニオンから知らされたわ」

「ユニオンというと、世界経済連合の?」

「ええ、そうよ」 

 ユニオンはアメリカ軍とは別に、主にアメリカや南米各国の人間で構成されている軍隊だ。

「話を聞いているならわかると思うけど彼、本当にヤバいらしいの。各国の軍隊や諜報機関に目をつけられるほど」

 ヤバいのは記者さんからたっぷりと聞いた。

「私たちがこいつの存在を知ったのは今日が初めてなのよ。写真を送られてきてリョウ君じゃない! て驚いたわ」

 ま、そりゃそうだろうな。マジで似てるもん。俺ならロケットランチャーなんて代物は使わないけど。

「もちろん俺じゃありませんよ」

「そんなことわかってるわ。彼は世界中で暗躍してるらしいしね。そんな人が日本で高校生をやれるはずがない」

 確かに! 普通に考えればわかることだな。

「それで、何でそんな奴が日本に? 観光ってわけじゃありませんよね」

「ええ。彼の目的は……日本の警察を潰すことよ」

「…………」

 そりゃすごい目的だな。

「その依頼を頼んだ奴は相当頭がイカれてますね」

「私もそう思うわ。アメリカのアイアンライド社の社長だけどね」

 そりゃまたすごい。世界でも有名な車の会社じゃないか。

 話を聞くと、どうやら社長さんは家でそのことを自慢気に話しておりそれを聞いたメイドが、アメリカ政府に話したようだ。

「それで、どうして日本の警察を?」

 気になる点はそこだ。

「調べてみたら、社長の息子が先月、日本観光中に不祥事を起こして警察に捕まったようだわ。それを根に持っているのかも」

 それだけで日本の警察を潰すとか怖すぎだろ。

「それでユニオンとFBIがそいつを捕まえるってわけですね」

「ええ。でもアメリカ政府にとっても苦渋の決断だったようだわ。彼、金さえ払えばこちらの味方になってくれることもあるそうだからね」

「アメリカ政府に被害が及ぶこともあるが、貢献してくれることもある……と」

 結局は金か。

「それに、先を越されてはいけない相手がいる」

「そんな奴が?」

「AEUと人革連よ」

 AEUはヨーロッパの軍で、人革連は中国やロシアを中心とする軍だったな。

「でも目的は同じじゃないですか?」

「いいえ。彼ら目的はこの子を殺すこと、私たちの目的は捕らえることよ。とは言っても彼も素直に従うとは思えないから発砲許可は出ているんだけど」

 多分、アメリカ陣営は『幻想の殺し屋』が役に立ってくれることが多いが、他の奴等は被害が多いってことか。でも……

「東欧の政府からは好かれてるんじゃないんですか? 反政府軍を倒してくれるってことで」

「逆もしかりね。反政府軍が金を出せば……。そういうことで多数決で決まったようだわ」

「なるほど。それで、俺は何をすれば?」

「周りの注意よ。彼とあなたとレント君は顔がよく似ているわ。間違いでAEUや人革連から襲われる可能性がある」

 なにそれ怖い。

「調べれば向こうもわかると思うけど、向こうは殺すのが目的だからね。街中でいきなり頭を……という可能性もあるわ」

 えぇ、間違いで殺されるなんて嫌だよ。でも銃で遠くから狙われてるとすると対応が出来ないからな。毎日警戒しないといけないってことか。 

「警察と自衛隊はこちらの味方よ。とはいっても警察と自衛隊は警視庁や警察署の警備だけだけどね。彼の顔を知ってるのは警察、自衛隊両方でも極一部よ」

 それは良かった。顔がバレてたら俺が逮捕されちゃうもん。それにしてもすごいなぁ。警察×自衛隊×ユニオン×FBIと人革連、AEUか。何かすごい。

「その……ユニオンと他の軍じゃ殺し合いにはならないですよね?」

「可能性はあるわ。でもどちらも事を大きくはしたくないはずよ」

 ま、そんなことすれば実質日本で戦争をすることになるからな。

「彼のことで何か進展があればリョウ君に連絡するわ」

「そりゃありがたいですね」

 そいつと戦ってみたい。許されるかは知らんが。

「このことレント君にも言っといてくれるかしら」

「もちろん」

 俺は車を降り、ジョディ先生たちを見送った。

 

 

 

                    ☆

 

 

 

「お前ら! 今日、私たちのもとに素晴らしい情報がおりてきた!!」

 東京のどこかで、屈強な肉体の初老で日本人の男が、撮影カメラに向かってそう叫んだ。

「各国の軍が日本に来ている!! 私たちの目的は世界征服だ! これはチャンスである! 世界に私たちの力を見せつけよう!! ハイルヒドラ!!」

『ハイルヒドラ!!』

 この映像を観ていた者全員がそう叫んだ。

 

 

 

      

 

 




もうめちゃくちゃですね。最初からですけど
この世界にはモビルスーツはまだ存在しません。ガンダムのキャラは他にも出てくる予定です


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