とある妖刀使いの物語   作:遊妙精進

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今回は稲葉視点になります。それと軽くホラーです


21話 会議

「では、今から、第一回『黒瀬涼は何者でしょう』会議を始めます」

『………』

 俺、稲葉夕士は現在、意味不明な会議に付き合わされている。

 会議のメンバーは、俺、夏目、一条、黒子、火神、西村、北本、そして司会進行役の田代だ。

 内容としては、題名そのまま黒瀬は何者かというものらしい。黒瀬本人は先生に呼び出されて職員室に行った。その瞬間を狙ってか田代に俺たちは集められたというわけだ。

「なぁ、田代、どういうことだ?」

 俺は田代に質問する。

「あなたたちは良く黒瀬くんと話すじゃない? そこから黒瀬くんは何者かを推測するという会議よ。まずはこの会議をする理由を説明しなくちゃね。あたしの趣味はね、情報収集なのよ」

『…………』

「ここにいるメンバーの情報は大体あたしの手元にあるけど、問題の黒瀬くんの情報が全然集まってこないのよ」

 なんか嫌なことを聞いたな。

「おうおう、何でも聞いてくれ」

 西村はやけにノリノリだ。

「まてまて、それなら黒瀬の小学校や中学校からの同級生に話を聞いた方が早いんじゃないか? 一年生だけでも四百人くらいいるんだし、黒瀬の中学からの友達とかいるんじゃないの?」

 と一条がいきなり核心をつくアイデアを出した。

「一条くん、もちろんあたしはそれを調べたわ。でもね、この学校には一人もいないのよ」

「んじゃ、黒瀬の野郎は東京の学校じゃないってことか?」

 と火神。俺、火神としゃべったことないんだよな。こんな話し方だったのか。

「いいえ。しっかり東京の中学出身よ。これを見て」

 田代が出したのは、中学校の卒業アルバムだった。■■■■中学校と書いてある。

 田代がページを開いたところは個人写真のページだ。その中にはしっかり黒瀬の写真もある。てか、どっから手に入れてきたんだ?

「みんな、見たわね? 次はこれよ」

 次に田代が出したのは……同じアルバムだ。

「これとこっちは同じ年度よ。しっかり見てね」

 田代が開いたのは、さっきと同じ個人写真のページだ。

『えっ!?』

 これは……はっきり言って怖い。さっきと同じページのはずなのに黒瀬だけが写っていなかったのだ。

「これ……マジ?」

「なんの加工もしてねえだろうな」

「もちろんよ」

 田代は両方のアルバムを開いていく。

 右のアルバムには黒瀬が写ってなく、左のアルバムには黒瀬は写っていた。

「これを見せてもらったとき、あたしも驚いたわ。結構な人数に聞いたんだけど、黒瀬くんのことを覚えている人と覚えてない人に分かれたのよ」

「先生が黒瀬の写真をつけるのを忘れただけじゃ?」

「それはないわね。これを見て」

 田代が指を差したのは、クラスの集合写真だ。

 左には黒瀬はちゃんと写っていたが、右には黒瀬が写っていなかった。しかも黒瀬がいた場所も埋められている。

「はは、右のは黒瀬が休んでいたときの写真でも使ったんだろ?」

「そう思うでしょ? これを」

 次に田代が見せたのは修学旅行の写真だ。ホテルのベッドではしゃいでいる黒瀬がいる。しかし、もうひとつのには黒瀬は写っていなかった。しかも黒瀬がいた部分は別の知らない奴がいる。

「なんか……身震いが」

「そもそも黒瀬くんのことを同じ中学で知らない人がいる時点でおかしいのよ。テストの学年順位は常に一位で、運動神経抜群、柔道、剣道、空手でも数々の賞を取っているわ。普通なら有名人よ」

「そんなにすごかったのか」

「だから黒瀬くんとよく話すあなたたちに情報を聞こうと思ってね。火神くんから」

「俺!? そうだな、バスケが強い。それだけだな。はっきり言って俺より強え」

「なるほどね、次、キセキの世代幻のシックスマン、黒子くん」

「そうですね、火神くんの言う通りバスケは強いです。キセキの世代に匹敵、あるいはそれ以上。他には、軽口が多いところでしょうか」

 ……キセキの世代ってなんだ?

「ほうほう、なるほど。次は夏目くん」

 田代はスラスラと手帳にメモをしていく。

「え~と、人付き合いが良いところかな。助けてくれたこともあったし」

「あ、それならおれたちもわかるぜ。おれが前にスクールアイドルを見に行こうってことで誘ったことあったけど、すぐに了解してくれたんだ」

「おれたちの近所にもわざわざ来てくれたしな」

 ……スクールアイドルってなんだ?

「次、稲葉くん」

「そうだな。そういえば金持ちって言ってたな。家も相当広いらしい」

 妖怪や幽霊が見えるなんてことは言えない。

「ああ、そういや黒瀬がしている腕時計、あれは確かロレックスだぜ」

 と一条。ロレックスというと、長谷もよくつけてたな。

「うんうん、なるほどね。あたしが調べてきた情報は、警察に仲が親しい人がいるってことね。土曜日に黒瀬くんが殺人犯から人質のとられたの覚えてるでしょ? そのとき駆け付けてきた刑事と親しかったらしいわ。それと次の日の日曜日の強盗人質事件。これは黒瀬くんと人質にされていた女性警察官が協力して解決したと言われてるの。その女性警察官とも仲が良いらしいわ」

 黒瀬って色々とすごいんだな。今ごろだが。

 そういえば妖怪アパートのみんなは俺の前から黒瀬と知り合いだったよな? 聞けばわかるかも。黒瀬がどうやって妖怪アパートを知ったのかも気になるし。

「みんなから聞いた情報をまとめると……人付き合いが良くて、頭脳明晰、運動神経抜群、スポーツも天才級、お金持ちで警察と仲が良い……完璧人間じゃない」

『確かに!!』

 なんか完璧すぎて気持ち悪いな。恵まれすぎじゃないか?

「黒瀬が人間じゃない予感がしてきた」

 ん? 黒瀬が人間じゃない? もしかして妖怪!?

「どうしたんだ? みんな集まって」

 背後から黒瀬の声が聞こえた。驚きの余り体が飛び上がりそうだった。

「く、黒瀬、先生からの用事は……?」

「ああ、月曜日に休んだろ? そんときのレポートを出しに行ったんだ。で、なんでみんな集まってんだ?」

『…………』

 みんな黙ってしまう。

(田代! 黒瀬の正体が知りたいんだろ!? 直接聞くチャンスだぞ!)

(そういうなら火神くんが聞きなさいよ。火神くんだって気になってるでしょ!?)

「? みんなどうしたんだ?」

 黒瀬、なんかいつもより怖く感じるな。

「もしかして俺がいると話せないことなのか?」

「えっとね、黒瀬くん」

 田代が立ち上がる。

「この写真のことなんだけど」

 おお、いった!

「て、あれ? あたし、何の質問をしようとしていたんだっけ?」

「は?」

 そりゃ黒瀬の――――何だっけ?

「おれたち、何で集まってんだ?」

「何かの会議をしていたような……」

「ああ!? お前ら何しらばっくれてんだ? そりゃあ……そりゃ……なんだっけ?」

『?????????』

 何かとっても大事なことを話していたような気がするが……思い出せない。

「変な奴らだな。て、それ、俺が通ってた中学校のアルバムじゃん! 懐かしいなぁ。まだ一ヶ月くらいしか経ってないけど。これ、田代が用意したのか?」

「え、ええ。あれ? なんであたしアルバムを用意したんだっけ?」

「え? みんなに見せるためじゃないの?」

「そうだったかしら?」

 何か謎だなぁ。記憶がないというか……何この状態?

 

 

 

 

 

 




時間を合わせるためにしばらくは『二重人格のプロデューサー』を優先して投稿します
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