とある妖刀使いの物語   作:遊妙精進

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明日は傷物語〈Ⅱ熱血篇〉の公開日ですね。いや~、楽しみです。


4話 家族

 俺と親父は、学校の駐車場に止められている車のもとへ向かった。

 親父の車は真っ黒で高級感をにおわせている。

 しかし、車にはいつもいる人がいなかった。

「あれ? 親父、秘書さんは?」

 いつもなら、ぴしゃっ、とスーツを着た青年の秘書さんが車の前で待っているはずなのだが。

「あのなぁ、今日は本当に休みなんだよ。休みの日に秘書を連れ出せるか」

「じゃあ、おふくろもそうなのか?」

「いや、母さんは夕方から仕事だそうだ」

 ああ~、やっぱり超大手企業の会社の社長が二人も同じ日に休みを取れるなんてそうそうないか。

 俺と親父は車に乗り、移動した。

「ほら、着いたぞ」

 親父と色々話していると、二十分ほどで着いた。

 しかし、そこは砂利の駐車場だった。

「どこだよここ? もしかしてこの先を歩いて行ったところに高級な店でもあるのか?」

「なんでわかんだよ。まぁ、そうだ。すげぇ美味いから楽しみにしてな」

 お、適当に言ったのに当たったよ。

 車から降りる。

 この駐車場にはおふくろの車も止められていた。

 俺たちは駐車場を出て、近くにあった小さい路地を進んだ。

 見えてきたのは和風の建物だが、建物自体は比較的に新しい。

「ここは本当のお忍びの店でな。メディアにも取りあげられてねぇ。色んな会社の社長がここで密かに会談したり、本当の意味での金持ちの食事場だったりするんだ」

 ほう。この店は、一般人が来る店ではないようだ。値段もやっぱり高いんだろうな。

 俺たちは店の中に入る。

 すぐ先には、スーツを着た青年が立っていた。

「お待ちしておりました。黒瀬様ですね。ご案内します」

 こんなすごそうな店で勤めている青年となると親父や師匠みたいに外見で年齢を判断してはいけない人かな?

 俺たちは和室に案内され(というか和室しかない)、中に入る。

 中には、スーツ姿で赤い長髪の二十代後半の女性と俺に外見そっくりの高校生が座っていた。

「久しぶり、おふくろ、レント」

 赤い長髪の女性は俺の母親、黒瀬 みよりだ。俺にそっくりなのは、双子の弟の黒瀬 煉斗。俺とレントは本当にそっくりなのだが、外見の違いを言うならば、レントはメガネをかけていて、赤い瞳が俺よりも少し薄いぐらいだろうか。あくまでも外見の話だが。

「こちらこそ、お久しぶりです。兄さん」

「全く、どこをふらついていたのだか。しおりが心配してたわよ」

 俺と親父は座る。

「ごめんごめん、しおりにも謝っておくよ。あ、それとレント、ありがとな。教科書代わりに受け取ってくれたんだろ?」

「いいですよ。僕が勝手にやったことですし。教科書は一階の机に置いときましたよ」

 そろそろお気づきだろうか? レントと俺の決定的な違い。それは、レントは誰にでも丁寧口調なのだ。家族に対しても年下に対しても。

「いや、それでも礼を言っとくよ。ありがとう」

 そんなこんな料理が運ばれてきて、少しずつ食べながらレントと話す。

 味はやはりお金持ちの人が来るには似合っている美味さだ。るり子さんには負けるが。

 親父とおふくろは二人でずっと楽しそうに話している。こう見れば、新婚夫婦に見えなくもない。

「レント、高校の方はどうだった?」

「う~ん、そうですね。楽しくなると思います。姉さんもいますし、長谷くんも同じクラスなんですよ。兄さんの方はどうなんですか?」

「俺も結構良いと思うぜ。友達も一人、出来たんだ。生徒の人数も多いから楽しくなると思うぜ」

 本当に多いからな。千人越えだし。

 レントの高校は頭が良いやつが勢ぞろいしてるからな。なんかお堅い人が多そうだよな。

「そういや、姉貴もしおりも元気か? それとじじい」

「う~ん。姉さんは生徒会長だから今日も忙しそうでしたけど、家では元気ですよ。しおりちゃんは兄さんと連絡が取れなくて少し元気がなかったくらいですね。祖父は最近見ていませんのでわかりません。姉さんに聞けばわかると思いますけど」

「いや、聞かなくていいよ」

 俺の嫌いな人の一人は祖父、黒瀬 和彦だからな。

 

 

 

                      ☆

 

 

 

「んじゃ、そろそろ帰るか」

 親父は席を立つ。

「そうね。私は夕方には仕事に戻らないと」

 腕時計を見る。

 時刻は、十五時近くだ。三時間程度ここにいたことになる。

「リョウ、どうする? じいさん家の方に行くか? それなら、母さんの車に乗ってもらうが」

 じいさん家とはレントや姉、しおりや従兄妹が住んでいる家のことだ。和風の屋敷で、終わらないかくれんぼができるほどの広さだ。俺んちもそうだが。

「いや、やめとくよ。次の休みに行く。レント、しおりのもそう伝えといてくれ」

「わかった」

 俺は親父の車、レントはおふくろの車に乗って、帰るのだった。

 

 

 

                     ☆

 

 

 

「ここでいいか?」

「ああ」

 俺は、でっかい門の前で降りる。

 親父は車の窓を開けて、俺に言う。

「なにか、困ったことがあったら会社にでも良いから電話しろよ。別に会社に来ても良いんだぜ? お前なら顔パスで通れるしな」

「そうだな。なんかあったら電話しとくよ。今日はありがとな」

 親父の車を見送り、俺はでっかい鉄の門の方を見る。鉄の門の隙間から見える白をベースとした五階建ての大きな洋風の屋敷。

 大きな門を手動で少し開け、中に入る。もちろん、コンピューターが顔を認識して自動で開けてくれるシステムとかリモコンもあるだが、自分で開ける方が速いので俺が車やバイクにのときにしか使わない。

 門から家の玄関までは百メートルほどあり、玄関までの道は車も通れるようにはなってはいるのだが、歩きの客には優しくない。

 道の横は人口芝生になっており、ところどころに木が生えている。

 全体の敷地としては、縦四百メートル、横四百メートルの正方形の土地になっており、広すぎて手入れがめんどくさい。それプラス家の中だ。

 俺は玄関の近くにある噴水をよけて歩く。玄関と言っても、わかりづらいだろうし、ホテルのエントランスといえば言いかな?

 エントランスの前でとまり、財布からカードを取り出し、設置してある機械にカードをスライドする。

 次にパスワードだ。画面に四桁の数字を入力する。

 この家に入るのは厳重で、登録された指紋以外には反応しないようになっている。

 すなわち、この家に入るには、カード、パスワード、登録された指紋がすべてそろっているか、エントランスの強化ガラスを破壊しなくては入れない。破壊するにはマグナムの威力以上の武器を持ってこなくてはいけないらしいが。

 俺の家族や家政婦さんカードや指紋ごと採取されて盗まれたら、入れることになってしまうが。まぁ、俺は心配しなくていいだろう。俺の指紋は数分で消滅していまうからな。

 パスワードを入力し終わり、ドアが開く。

 中に入ると、一階は高級ホテルのロビーみたいになっている。もちろん、受付とかはない。家なので。

 そういえば、レントが机に教科書を置いといたとか言っていたが、

 一階の机はあそこしかない。

 俺は、ソファーや机、テレビが置かれている場所まで歩く。ホテルで言えば、ラウンジのようなものだ。

「あった」

 やっぱりラウンジの机に教科書を入れた袋が置いたあった。

「あ、やべっ」

 ふわふわのソファーを見ていると、急激に眠気が襲ってきた。

 ま、寝てもいっか。

 俺は靴やバッグ、刀の入った竹刀袋を投げ捨て、ソファーにダイブした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




      


黒瀬の苗字の登場人物が多くなってきましたね。まとめると、

黒瀬 涼・・・主人公
   煉斗・・・主人公の双子の弟
   和広・・・主人公の父
   みより・・・主人公の母
   ひより・・・主人公の姉
   しおり・・・主人公の妹
   和彦・・・主人公の祖父     となります。
これだけでも多いのに、いとこたちもいるので黒瀬はもっと多くなっていきます。
わかりやすいように性格と言葉遣いはなるべく違うようにしたいと思います。
主人公は、父の性格を丸ごと受け継いでいるので見分けがつかないかと思われます。わかりにくくてすいません。


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