※菜乃花は漫画もアニメもしっかりと見れていません。つまり創作が大部分を占めます。大まかな流れは原作沿いですが、セリフが全然違います。世界観はリボーン、という風に見てください。お願いします。
イタリア某所、ボンゴレ九代目直属暗殺部隊・通称ヴァリアーの基地の一部屋。
威圧的な男と年端もいかない少女が対面していた。
両者とも同じ様な黒いコートを羽織り、真剣な面立ちで、沈黙を保っている。男はワイングラスに入った血のようなワインを振り、一飲みすると、低い声で話し出した。
「……ステラ。」
「はい、ボス。」
「てめぇにとって、俺とは何だ。」
「……申し訳ありません。それは私としてでしょうか。それとも暗殺部隊員の私としてでしょうか。」
「後者だ。」
「私が唯一無比に従う絶対的主君です。」
少女が見た目にそぐわない丁寧で芯のある口調で返すと、男はハッと嘲けるように、だがどこか満足気に鼻で笑った。
「とりあえず問題はないようだな。」
そう言って、男は二つの物を取り出した。
「お前はこの意味を理解しているな?」
「もちろんです。」
「その上で答えろ。お前にこれを受け取る覚悟があるか。これを以って、俺に捧げる覚悟はあるか。」
少女は目を閉じて少々黙考した後、顔を上げ、男の深紅に黄金の瞳を開き、向けた。
「私は私であるために、目的を果たすために、戦います。それを曲げることはありません。しかし、あなたを守ることもまたその一部。構いません、覚悟ならとっくに出来ております。」
少女は二つの物ー銃と刀ーを受け取る。どちらにも「Varia」と彫られている、一等品だ。銃は太腿のホルスターに、剣は鞘に仕舞うと、少女はもう一度男を見据えた。
「あなたを守るために強くなりましょう。あなたを支えるために、この力を伝えましょう。」
少女は幼さの抜けない顔に、ぞっとするほど美しく艶やかな笑みを浮かべて言った。
「九代目直属暗殺部隊ヴァリアー幹部補佐、ステラ。」
「はい。」
「今日からお前を雲の幹部兼流星の幹部とする。」
少女は一瞬目を見開き、悠然と微笑んだ。
「喜んで承ります。」
その言葉を合図に、二人の間にあった殺気にも似た威圧が消え去り、同時にバンと部屋のドアが開いた。
「う゛おぉい、終わったかぁあ゛、クソボスぅ。」
「ししっ、王子待ちくたびれたんだけど。」
「こんなに僕を待たすなんて、まったく…。金をとっても許されると思うだけど。」
「おい!貴様ら!ボスに対して何たる言い草を!!滅してや「まぁ落ち着きなさいよー。ステラの幹部就任よ?めでたいことじゃないの!」
「スク兄様、ベル兄様、マーモン君、レー兄様、ルッス姐様!皆さんわざわざ待ってくれていたんですか?」
「姫のためだかんな。ししっ、王子やっさしー。」
入ってきたのはヴァリアー幹部たちである。少し前まで漂っていた緊張感が嘘のように、和やかな雰囲気となった。自分のことを心配してくれていたであろう彼らに、ステラの顔が思わず綻ぶ。
「ザン兄様。」
雰囲気をそのままに、ステラは先程までボスと呼んでいた男ーザンザスに声をかけた。ザンザスもステラに視線をよこすだけで、それを咎める素振りはない。
「きっとここにいる全員が同じ疑問を持っていると思うのですが、代表して聞きますね。本来なら私の幹部就任はまだ先のはず。予定より早くなったのはそうせねばならない理由があったのでしょう。」
そこで一度言葉を区切ると、少し躊躇ってからステラは続けた。
「何故、でしょうか。」
幹部就任の早まる理由。おそらく何かが起こる前触れであろうそれに幹部たちも気付いていたのか、全員が神妙な顔持ちをしてザンザスの言葉を待っている。
ボンゴレ内に何か良からぬことでも起こったのだろうか。ヴァリアーの抱える案件は基本的に最高難易度のため、測りかねている。
ザンザスはそれを見ると、面倒臭そうな、何処か投げやりな口調で言った。
「おい、カス共、よく聞け。俺たちヴァリアーは、ジャッポーネのボンゴレ次期ボス候補とその守護者たちと、ボンゴレリングをかけて戦う。」