魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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まだまだ続くユグドラシル戦。
実は前回のと合わせて投稿しようとしたのですが。メモ帳で40KB近くになるので分けました。


こうなったら形振り構ってられないなbyコダイ

 ユグドラシルが吸収出来ないと分かると、俺とクロノとはやての氷結組が飛び出した。

 

「コダイ今の―――!」

「撃ったから分かってる。まさかなのは達のコンビネーション攻撃の連発が別の形で効果が出たな……」

 

 クロノもさっきの回避を見て同じ結論に辿り着いた見たいだな。はやても着いて来ているし同じか。

 

「けど作戦は如何するん?確か一斉攻撃の後氷結やった筈……」

「逆にする。氷結の後に一斉攻撃だ。魔力を吸収出来ない以上ただの巨大な魔法生物と変わりない」

 

 はやての問いに即座に訂正案を出したクロノ。

 本来の作戦は吸収の規模が不明だったから魔力攻撃の衝撃でユグドラシルの核を無理やり引き剥がして核を氷結するつもりだったが。

 吸収が出来ない今、ユグドラシルを氷結してその間の時間を使って放つ全力一斉攻撃を氷結したユグドラシルごと吹き飛ばすのが安全だろうな。

 

「総員!総攻撃用意!!!ユグドラシルの氷結完了後に一斉攻撃!」

「ユグドラシルは今吸収出来へん。このチャンスを逃したらあかん!」

「時間稼ぎは俺達がやる……時間を十二分に使って準備しろ」

 

 クロノ、はやて、俺の言葉を聞いて全員が回復結界内から飛び立ち臨戦態勢に入った。

 俺達も氷結魔法の準備に入る。俺達の氷結魔法……と言うか変換系の魔法の共通点だが資質持ち以外がやると発生が非常に遅い。だがその恩恵はかなり大きい。

 

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ

 

 

 するとユグドラシルにある変化が起きた。ユグドラシルの周囲に小・中・大と重なる様に6角形の光の壁が現れてユグドラシルを包んだ。

 

「これって………まさか障壁?しかもあの形は………ナハトヴァールの複合結界を真似られたか」

 

 攻撃をずっと防いでいたから防御方法を覚えさせてしまった訳か。

 まずいな……防御手段を失ったユグドラシルだからこの作戦は通用するのに………

 

「此処は任せて貰おう―――!!!」

 

 その言葉と共に飛び出したのは両腕に魔力を込めたザフィーラだった。

 

「その場しのぎの障壁などぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

 

――ドォォォォォォン!!!

 

 

 加速する勢いと共に放たれる一撃は、衝撃が障壁を抜けユグドラシルに命中し体に1つのへこみが出来た。

 

「壁にも成らぬわああああああああああああ!!!」

 

 返す刀で振るわれたもう一撃はユグドラシルの障壁を押し込み―――

 

 

――バァァァァァァァアアアアアアン!!!!

 

 

 ユグドラシルの即席の3重障壁を1度に殴り壊した。

 障壁を殴り壊したザフィーラは役目を終えると即座に退避。氷結魔法の範囲外に出てくれた。

 

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ―――――」

「仄白(ほのしろき)雪の王 銀の翼以もて 眼下の大地を白銀に染めよ」≪来(こ)よ 氷結の息吹≫

「世界を塗る妙(たえ)なる氷雪 響き渡る壮麗な静寂 全てを奪う冷たい篭」≪染まらぬ白夜にて 壊れぬ夢を―――≫

 

 クロノ、はやてとリイン、俺とアインで氷結魔法の詠唱を始める。

 

「凍てつけ!!」

≪Eternal Coffin.(エターナルコフィン)≫

「「氷結の息吹(アーテム・デス・アイセス)!!」」

「「凍り付く牢獄(ゲフェングニス・アイフリーレン)」」

 

 

――ゴォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオウ!!!

 

 

 デュランダルから発生する吹雪がユグドラシルの表面を凍らせて―――

 

 

――ドォオオオン!! ドォオオオン!! ドォオオオン!! ドォオオオン!!

 

 

 はやての周囲から4つの立方体の魔力がユグドラシルに撃ちこまれ。4つの着弾点から更にユグドラシルを凍らせる―――

 

 

――ガギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギッ!!

 

 

 ユグドラシルの足元にベルカ式の魔法陣を展開する、魔法陣から氷の杭が飛び出しユグドラシルを捕縛。更に氷の杭が枝の様に氷を伸ばし続ける。

 氷の杭は止まる事無く枝分かれし、枝同士が繋がり、絡まり続け、ユグドラシルを円錐の氷像の中に封鎖する。

 前2つの氷結魔法とは違って俺の場合は対象の周(・)囲(・)を凍らせ続ける封鎖魔法だ。

 

「≪アイン、残りの魔力量は?≫」

≪もう残り少ないです……この状態での戦闘は無理かと≫

 

 そうか……ならやるべき事は1つだな。

 

「クロノ、後の指揮は任せた」

 

 傍にいるクロノの肩を叩いてからなのは達のいる上空へ飛ぶ。

 

「なっ――どうする気だ!今の君の魔力は―――!」

「だからだ。今の俺の魔力量ではこれ以上の戦闘は無理だ。だから残りの魔力を一斉攻撃の集束魔法(ブレイカー)に使う」

 

 集束なら残り魔力が少なくても使えるしな。

 

「よし、じゃあ私達も行こか。リイン調子はどうや?」

≪はい!シャマルの魔法のおかげでリインもはやてちゃんも元気いっぱいです!≫

 

 はやても同じくなのは達の元に飛んで行く。

 

 

 

 

 

「全力全開!!」

 

「雷光一閃!!」

 

「一撃必殺!!」

 

「集え明星(あかぼし)、全てを焼き尽くす炎となれ―――」

 

「砕け散れ!雷神滅殺!」

 

「絶望に足掻け塵芥!!」

 

 

 なのは達と同じ高度に辿り着くと既に発射体勢に入っていた。シャマルはコアの補足、残りの守護騎士は参加せずフォローに入るらしい。更に後ろに指揮官のクロノがいる。

 俺とはやても早速準備に入る事にした。

 

「響け、終焉の笛!!」

 

「見敵―――全殺―――」

 

 俺は両手に1つずつ魔力を集束する。

 アインの協力もあって集束はすぐに完了した――

 

 

 

 

 

「スターライトォォォォ―――ブレイカァァァァァァアアアアアアアア!!!」

 

「プラズマザンバ―………ブレイカァァァァァァアアアアアアアア!!!」

 

「クリティカルゥゥゥゥゥゥッ!!ブレイカァァァァァァアアアアアアアア!!!」

 

「ルシフェリオンブレイカァァァァァァアアアアアアアア!!!」

 

「きょっこうっ―――ざあああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!」

 

「エクス―――カリバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

「「ラグナロク!!!」」

 

「ジェノサイドブレイカー………」≪ツヴァイク!!!≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 8人の最大攻撃が同時にユグドラシルに降り注ぐ。

 目や音を全てを塗りつぶす力の奔流、反動が襲い掛かろうとも勢いは止めない―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やがて一斉攻撃は終わり、視界と音も正常に戻る。

 

「8人だからエイトブレイカー?……いや、正確には10人だけどさ」

 

 エイトブレイカーの着弾地から放射状に大地が更地に変えられ、それが俺達の後ろから更に先まで続いている。

 その中心地は巨大なクレーターが出来てその中から黒煙が立ち込めている……

 

「召喚したナハトヴァールまで綺麗に消し飛んだな………あ、そうだ。シャマル、ユグドラシルの本体は?」

 

 後ろにシャマルの方を見ると旅の鏡を展開したまま苦い顔をしている。

 

「ごめんなさい、まだ掴めて無いの……」

 

 シャマルの後ろに回り込んで一緒に旅の鏡を覗き込む。

 鏡の中は黒煙のみを映しユグドラシルを確認できない……

 

「全部ぶっ飛んだんじゃねーの?」

「いいえ、それなら本体――核みたいな物が見えて来る筈……あ、影が見えたわ!」

 

 鏡の中の黒煙の中から影を捉えた。場所から考えてもユグドラシルに間違いはない。

 だがその時だ……僅かに煙が薄くなり、ユグドラシルの頭が見えた………見えてしまった。

 

「……………え?」

 

 1番近くのシャマルも見えてしまった。旅の扉を開いている指先が震えている……

 そしてその時が薄くなった黒煙の1部が晴れて、中の様子をハッキリと確認できてしまった………

 

 

 

 旅の鏡に映ったのは――――黄金だった。

 

 

 

「―――っ!!!」

 

 それを間近で見てしまったシャマルは反射的に旅の鏡を閉じて、弾ける様に後ろに逃げた。

 

「シャマル、何やってんだ?」

「ヴィータ……見てないのか?」

「は?」

 

 ヴィータは見えて無かった様でこっちの質問に首を傾げた。

 

「………見てないなら良い。あんなの見たら普通はシャマルと同じ反応する」

「……皆気を付けて。ユグドラシルはまだ生きてるわ」

 

 すぐに冷静さを取り戻したシャマルの言葉に全員が直ぐにデバイスを構えた。

 クレーターの中から上がる黒煙から影が動く。全容はまだ捉えてない……

 

「シャマル、回復頼む。気休め程度で良いから」

「分かったわ」

 

 シャマルが俺に手を添えて回復魔法を掛けてくれる。

 

 

 

 

――ズン……ズン……ズン……

 

 

 

 

 歩みを進める様な地響きがクレーターから響く。

 黒煙を掻き分け、クレーターから這い上がって来た存在が全員の前になった。

 

「「「「「―――――――――――!!」」」」」

 

 

 

 

 ここで初めて見た奴らが固まった。

 その先にいたのは黄金――――全身が黄金に変化していたユグドラシルだった……

 ただ色が変わっただけでは無い全身は既にボロボロで至る所に入っている亀裂から小さく魔力が噴出している。もう押せば倒せると思える有様だ………

 だがあの黄金がその後一歩をなのは達にさせないでいた。俺は……魔力が足りない。

 

 

――ズン……ズン……ズン……

 

 

 這い上がったユグドラシルはそのままゆっくりとこちらに向かって歩みを進める。

 

「クロノどうする。押し切る?それとも逃げる?」

「前者だ!変化していてもユグドラシルは吸収出来ない。さっきも周囲の物体を取り込んでいない………一斉攻撃組は回復次第もう1度、集束魔法(ブレイカー)をユグドラシルに!」

「「「「「了解!」」」」」

「皆さん私の元に。シグナム、ヴィータちゃん、ザフィーラは足止めお願い!」

 

 シャマルが俺以外の7人を集め回復魔法の範囲を広げた。

 シグナム、ヴィータ、ザフィーラが入れ替わる形でユグドラシルと対峙する。

 

「吸収出来ないとは言え、近づくのは危険か……ならば」

≪Bogenform.(ボーゲンフォルム)≫

 

 レヴァンテインの柄頭を鞘と連結してボーゲンフォルムに変えて矢を引く。

 

「翔(か)けよ、隼《はやぶさ》!」

≪Sturmfalken.(シュツルムファルケン)≫

 

 

 引き放たれた矢は炎を纏い、鳥の形を模してユグドラシルに向かって翔けていく…………

 

 

 

 

――シュンッ

 

 

 

 

 火の鳥がユグドラシルに向かう途中……そう途中で忽然と消えてしまった。

 

「なっ――――!!」

 

 突然の事態にシグナムが驚きを隠せないでいる。

 

「シグナム、テメーどこ狙ってるんだよ!」

「馬鹿を言うなヴィータ。いくら不得手でもあの的は外さん!矢が途中で消えたんだ」

「なら直接ブッ叩くだけだ!アイゼン!」

≪Gigantform.(ギガントフォルム)≫

 

 アイゼンをギガントフォルムにしてその場で柄を伸ばしハンマーヘッドを巨大化させる。

 

「轟天爆砕!ギガントシュラーク!!」

 

 その場で振り下ろされた巨大なアイゼンはユグドラシルに真っ直ぐ振り下ろされる………

 

 

 

 

――ボコボコボコボコボコボコボコボコボコ

 

 

 

 

 振り下ろされたアイゼンのハンマーヘッドが熱を通した様に赤くなりあぶく立つ音を立てて、溶けて行き。

 ユグドラシルに当たる遥か前にはハンマーヘッドは完全に溶けて蒸発した。

 

「はぁっ?!……アイゼンが………溶けた?!」

 

 溶けたアイゼンのハンマーヘッドと手元を交互に何度も見るヴィータ。

 

「まさか――――囲え、鋼の軛(くびき)!」

 

 ザフィーラがユグドラシルの遥か頭上に魔法陣を展開して拘束条を降らす………

 

 

 

 

――ジュウウウウウウウウウウウウウウウ……

 

 

 

 

 だがそれもユグドラシルに達する前に音を立てて蒸発して消え去った。

 

「やはり魔力を溶解させるようだ……しかしこれはまるで――――っ!!」

 

 ザフィーラが消えた魔法の仕組みに気づいて何か言おうとした時、ユグドラシルに変化が起きた……

 

 

 

 

――ガアアアアアァァァァァァアアアアアァァァァアアアアァァァァアアアアア…………

 

 

 

 

 ユグドラシルが今までとは違う遠吠えの様な雄叫びを上げる。

 するとユグドラシルから小さな破裂音が聞こえた。魔力を噴出していた亀裂が広がり魔力の勢いが増していた。

 それで終わる事無く次々と破裂音が聞こえて魔力を噴出し続ける……

 

 

――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

 

 それと同時に空気が――いや、この星全体を大きな地震が襲う……これはまさか。

 

「大規模の次元震を確認!次元断層の兆候は見られないわ。震源は………」

 

 シャマルがじっとユグドラシルを見る……それだけで誰もが答えに辿り着く。

 ユグドラシルだけで次元震が起こっている事を。

 

「っ―――総員退避!!」

 

 クロノの言葉に全員がユグドラシルから全力で遠ざかる。

 

「ねぇねぇ!あれってあれだよね?!テレビでよく見る自爆!」

「エル、もうちょっと早く言って欲しかった……」

 

 多分エルので正解だと思う……

 

「周囲の温度上昇!熱源はユグドラシルよ!!」

「あの金色は赤熱してるって事か、魔法が解けた要因も……でも、これじゃまるで――――?」

 

 シャマルの報告に魔法が解けた要因を導き出したクロノ。続ける言葉を遮る様に背後から強い光が襲った………原因なんて分かりきっている。

 後ろを振り向くとユグドラシルの黄金の光りが徐々に強くなって行く―――

 

「あ………」

 

 俺の感覚が告げる――――これはやばい。これは逃げれない。これは避けれない。

 

「シャマル、転移魔法」

「ダメ!間に合わない―――!」

 

 この状況で唯一とれる行動は――――――防御のみ。

 

「アイン、全力防御」

≪はい!プロテクション×10!!≫

 

 10にも重なる障壁で全員を覆う。

 

「レイジングハート!」

≪Protection EX≫

 

 なのはがレイジングハートに命令を送り。重ねた障壁の上に更に桃色の障壁が覆った。

 

「これしか出来ないけど手伝うの!」

「ならば正面の守りは私がやろう」

 

 なのはがこっちの意図を察したらしい。

 ザフィーラも障壁の外にベルカ式の魔法陣で出来た障壁が展開される。

 

 

 

――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!

 

 

 

 ユグドラシルが天に向かって吠える。

 その直後、ユグドラシルを魔力の光が包み、強大な魔力の奔流が一気に膨張して遥か遠くにいる俺達を一瞬で飲み込む。

 直撃は避けた、だが溶けるほどの熱量と圧倒的な魔力の物量が障壁ごと後ろへ流されて行く。

 

 

 そして流され続け、音も目もそして意識も魔力の奔流に飲み込まれた―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に意識が戻り、目の前に広がったのは空だった……どうやら吹き飛ばされて倒れた様だ。

 

「っ………あ?」

 

 起き上がろうとすると体が重い、下を見ると誰かが上に乗っていた。

 顔の直ぐ下にある銀色で誰かはすぐに分かった。アインだ、どうやらユニゾンが解けたようだ。

 アインをどかし、起きてアインの様子を確認する。

 

「ぅ…………」

 

 ……気絶しているだけか。だが魔力はもうほとんど無い戦闘続行は不可能だ。

 

「こうなると周りも………あ~」

 

 立ち上がり周りを見ると全員無事……とは言い切れないが逸れていない様だ。

 全員を軽く見て気づいた事がある。全員魔力が殆ど無い、シャマルの魔法で回復されたはずなのにごっそり無くなっている。

 その証拠に全員のバリアジャケットと騎士甲冑が消えて局員の制服になっている。マテリアルズは私服でアインはメイド服だが………

 

「これってまさか……魔力を溶かされた?」

 

 あり得る話だ。ユグドラシルに近づくと魔力は溶解する、そいつが内包する魔力の奔流を浴びたんだこうなる。

 それで不可解な事が1つ……俺の魔力が残っている事。同じ場所で浴びたのに周りより魔力量の少ない俺が尽きないのはおかしい……

 

「取り敢えずユグドラシルは自爆……救助を呼ぶ―――」

 

 

――ズン……ズン……ズン……

 

 

 地面を伝う地響き、即座に振り返ると案の定、奴はそこにいた。

 

「自爆じゃなくてクシャミの類だったって訳か?冗談きついぞ」

 

 黄金のユグドラシルが健全のままそこにいた。

 地面に落ちたおかげかまだこっちに気づいてない……もうこの際だ、リンディに頼んで回収して貰って、この星ごとアルカンシェルで撃ち抜いて貰うか………

 

≪ふぁ~…………あ、コダイおはよ~!≫

 

 連絡を入れる直前にレイが起きて間の抜けた挨拶が聞こえた。

 

「おはよう寝坊助(ねぼすけ)。悪いけど今は静かにしてくれいないか?」

≪うゆ?………うゆっ?!何あれ!?ドラゴンだ!金ぴかだ!カッコいい!!≫

 

 だから静かにしろって………

 ユグドラシルは………聞こえてない様だな。

 

≪コダイ!コダイ!何あれ!≫

「アースラで話していたユグドラシルだ……魔力を吸収する化け物で今は魔力を溶かす化け物だ」

≪ほぇ~≫

 

 レイが使えてもアインほどの火力は望めない……やっぱりアルカンシェルに頼むか。

 

≪金ぴかで魔力溶かすってコダイの金ぴかと同じだね!≫

「…………は?」

 

 今こいつ何て言った?金色になっているユグドラシルが金色になった俺を同じ?

 俺の金色と言えばカートリッジを取り込んだ時のあの状態しかない。

 

「あ………」

 

 そう言われて思い出した事がある。

 

 『貴方のデバイスにはその排熱機能が無いわ。恐らく元々の容量が普通よりも大きいから普段は問題無いと思うわ……けど今回はカートリッジと言うブーストを掛けたから許容オーバー、熱暴走を起こしてあの形態になったと考えられるわ。溶解する魔力はデバイスの熱暴走の副次効果ね』

 

 初めてその形態になった時、プレシアがその原因を推測した。

 つまりユグドラシルは許容オーバーであの状態になった。

 ……………と言う事は俺もあの形態になればユグドラシルに対抗できる?

 

「あの形態に信用は無いけど……試す価値はあるか。ナナの予言もあるし」

≪ナナ?!≫

 

 その名前に強く反応するレイ。

 こいつには教えていないがナナが俺宛の予知を残していた。

 

 星の核に産まれし龍 龍は全てを喰らい その身を太陽の如く赫赫(かくかく)と燃やす 龍は闇の呑まれ糧となる その力はまさに怒り狂う力

 

 『星の核に産まれし龍』はユグドラシル。

 『龍は全てを喰らい』は吸収能力。

 『その身を太陽の如く赫赫(かくかく)と燃やす』は今の金色の状態だろう……

 とくれば『龍は闇の呑まれ糧となる』は――――俺がユグドラシルを取り込むって事だよな?

 

 予知されてると言うのが癪だが乗ってやるよナナ……

 

「レイ―――アクセス」

 

 右腕を前に伸ばし、レイを起動する。俺の全身を黒い装甲が装着される。

 さて………使うのは良いが正直あれを実用化する信用は無い。今まで維持できたためしが無い。

 だが同じ状況で未だに維持を続けているユグドラシルが目の前にいる………そいつで制御できれば良いか。ぶっつけ本番は何時もの事だ。

 

≪ねぇねぇ!ナナはなんて言ってたの!?≫

「俺達ならあの龍を倒せるって」

≪そっか!なら大丈夫だね!≫

 

 その根拠の無い確信は何?……まあ、あのナナの予知だしな。

 

「それじゃあレイ、カートリッジロードだ」

≪うゆっ?!した事無いから分かんないよ~!≫

 

 あ、そう言えば何時も齧ってたな……

 

「他のデバイス見たくそれっぽい事言ってみろ………」

≪う~!う~!え~っと………これだぁ!――――Barrett charge(バレットチャージ)!≫

 

 右腕の装甲が左右に開き、カートリッジが6発排出される。

 

 

――ドクンッ!!!

 

 

 全身に激痛と高熱が襲う。カートリッジに圧縮された魔力がリンカーコアに一気に注ぎ込まれ暴れ始める――

 

 

――ドクンッ!!!

 

 

 右腕の宝石から伸びている金色の管から焼ける様な熱さが脈動しその熱を徐々に高めていく――

 

 

――ドクンッ!!!

 

 

 その熱さが限界を超えた瞬間、黒い装甲は灼熱を帯びた金色に染まっていた。

 

「―――――――――――――」

 

 相変わらず、気が狂いそうな熱さだ。

 今はこれで良い………

 

 

――ドゴォォォオオオ!!!

 

 

 背中のバーニアから圧縮された魔力を噴出して、ユグドラシルに突撃した。




ミラ ランドラス様、畏夢様、アルクオン様、void0@抜け殻様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~
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