連休前に投稿できた・・・・
これで、連休満喫できる・・・・ぜ
綾斗は毛布を振り払い、跳ね起きた
時間を確認すれば調度午前四時ぐらいだった
「・・・・・また随分と懐かしい夢を見たもんだな」
綾斗は身体をほぐしながらしみじみと呟く
さっきまでみていた夢は数年前の出来事だ
シルヴィがいて、姉がいた当たり前のような光景だけどとても幸せだったあの頃
今のこの時が幸せじゃないと綾斗自身思わないわけじゃないだけど・・・
姉は今行方知れずだしシルヴィは会おうと思えば会える
だけど星導館とクインヴェールじゃ中々難しい
それが今の現状だ
綾斗は少し・・・ほんの少しだけ寂しいと胸の奥で感じた
綾斗は雑念を振り払うかのように首を横にぶんぶんと横に振ると着替え始めた
星導館の制服ではなく訓練用のシャツと短パンだ
綾斗が朝の四時に起きたのもこのためだ
それは綾斗の習慣のため身に染みているのだろう
最後に煌式武装をホルダーに入れいざ朝練に行こうとした途端
「おー、さすが特待生
朝練とは真面目だねぇ」
綾斗の向かいのベッドら声がした
綾斗の部屋のルームメイト矢吹英史郎の声だ
まだ午前四時を少し過ぎた時間だ
綾斗もこんな時間にルームメイトが起きているとは思わず少し驚いた表情をした
「悪い、矢吹
起こしちゃったかな」
「いんや、気にすんな
もともと眠りは浅い方なんだ
まぁ、そんなわけで誰かさんの寝言が聞こえた気がするんだが気のせいだろ」
「っ!!」
綾斗は全身から冷汗が流れるのを感じた
なんにせよ先程の夢の内容からして矢吹の言う通り寝言を言っていたのだとしたらきっと恥ずかしいことに決まっている
「うん、僕もお姉ちゃんとシルヴィのことが大・・・・」
「うわーーーーーーーー!!」
綾斗は大声をだして矢吹に続きを言わせんとした
だが時間はまだ朝の四時だ
綾斗も流石にそこらへんは考慮して声量を調整している
あくまで部屋の中で声を出すにはでかいレベルの大きさだ
でないと寮の管理人がきて厳重とはいかなくても注意を受けてしまう
朝からそれはごめんだ
「矢吹、それは気のせいだよ
うん、きっと夢の続きでも見てるんだよ」
「あー、そう言われるとそうかもなー
でもそうでないかもしれないなー
・・・・ところで天霧、今日の朝食和食と洋食どっちにする?」
どうやら矢吹は先程の綾斗の寝言を朝食で手をうってくれるらしいが
・・・すごいわざとらしい
「はぁ、好きなのもってけよ・・・」
この先もたびたびこのネタで朝食持ってかれるんじゃないだろうかという不安に綾斗は駆られた
「よっしゃ、焼き魚いただき」
「さぁて、オレは寝なおすか
朝練がんばれよ」
矢吹は上機嫌でそう言うとわずか数秒で眠りに落ちた
眠りが浅くて眠りに落ちるのも早いってどんな体質なんだ・・・と綾斗は心底、疑問に思ったが今はそんなこと考えてる時間がない
仕方なしに綾斗は今度こそ朝練に向かうのだった
「ふぁ~あぁあ
眠い、眠い
おはようさんっと」
綾斗と一緒に登校してきた矢吹はそんなことを言いながら教室の扉を開ける
綾斗が朝練から帰ってきても矢吹は寝ていたことから早朝のあれは本当に二度寝したらしい
あんだけ寝て未だに寝たりそうな矢吹に内心呆れつつ綾斗も矢吹に続き教室に入る
「ユリス、おはよう」
綾斗は見知った桃色の髪の少女が目に入ったのでその少女に向かって挨拶をする
「あぁ、おはよう」
ユリスが綾斗に挨拶を返すと突然クラス内がざわめきだす
「おい、聞いたか!?」
「あぁ、驚いたな」
「あのお姫様が挨拶を返した・・・だと!?」
「レアだぜ」
「失敬な、私だって挨拶くらい返すぞ!!」
そんなクラスメイトたちの声を聞いてユリスは心外とばかりに立ち上がり抗議する
綾斗はそんなクラスの状況をみてユリスが普段どんななのかなんとなくわかってしまった
「いや、いやいきなり話しかけんな的なことを言ってたお姫様がんなこといっても説得力ないでしょ・・・」
綾斗が来る前のユリスを知っている矢吹が突っ込む
ユリスが序列5位になったばかりのころそれはそれは人が集まったのだが当時ユリスはうるさい、私に話しかけるなと言って周りの野次共を下がらせたのだ
「あぁ・・・」
綾斗はそれを聞いてその光景が頭に浮かんでくるようで妙に納得してしまった
ユリスの挨拶騒動が一通り落ち着いた頃、昨日は空いていた左隣のが埋まっていることに気付いた
髪色は水色でうつぶせになっているため顔はよくわからないが背は小柄な方だというか高校生というより小学生と言った方が多分納得できるだろう
「やぁ、お隣さん
オレは昨日編入してきた天霧―――」
左隣の席でうつぶせになっていたがやがて綾斗の声が聞こえたのかゆっくりと顔をあげた
その顔をみて綾斗は目を見開いたなにせその顔は数年前海外に引っ越し、離れ離れになった幼馴染の一人だったのだから
「紗夜!?
なんでここに!?」
「・・・・・・綾斗?」
なんだかおもしろそうだなと矢吹が会話に入ってくる
「なんだなんだ、おまえら知り合いだったのかよ?」
「あー、うん
まぁ幼馴染ってやつかな・・・」
「幼馴染?」
矢吹が疑いの目で紗夜と綾斗の二人を見つめる
「だったら、なんで星導館にいるって知らなかったんだ?」
矢吹の疑問は尤もだ
幼馴染ならそれなりに会う機会はこのアスタリスクにいる以上手続きがめんどくさいうえに時間がかかるのでしょうがないが連絡などの手段で紗夜が報告していてもおかしくない
綾斗が紗夜がこのアスタリスクにいることを知らなかったということはそれすらしていなかったことになる
また幼馴染でも仲が悪いというのなら納得がいくが紗夜と綾斗の様子を見る限りそれは限りなくゼロに近い
「いや、幼馴染って言っても紗夜が海外に引っ越して以来だから
だいたい6年くらいになるのかな」
「ふーん、ってこっちはあまり驚いていないみたいだが・・・」
矢吹の言う通り綾斗の反応とは対照的に紗夜はそんなに驚いてる様子は見受けられない
「んー、昔からこんなだったし、これでも驚いてるはず
・・・きっと、多分」
「本当か?」
「うん、ちょーびっくり」
「・・・いや、全然そう見えないんだけど」
矢吹が表情どころか眉一つ動かさずに言う紗夜を見て突っ込む
「でも、本当に久しぶり元気だった?」
首を縦に振り頷く紗夜
「それにしても変わらないね
紗夜は
なんか昔のまんまていうか・・・」
「・・・そんなことはない
ちゃんと背も伸びた」
「え・・・、そ、そう?」
綾は席から立ち上がった紗夜を見つめた
綾斗が感じる限りでは背は数年前に別れた時のまんまだ
「やっぱり、あまりかわってないような・・・」
「違う、綾斗がでかくなりすぎただけ」
「・・・でも大丈夫
私の予定では来年くらいには今の綾斗くらいになってる
綾斗もまだ背が伸びるだろうから調度釣り合いがとれる」
「いやいや・・・」
綾斗は紗夜の言葉に首を横にふる
紗夜自身は本気で思ってるかもしれないが一年で今の綾斗と同じ身長というと
つまり、今の紗夜の身長から計算すると30センチ以上身長がのびることになる
流石にそれはあまりにも無理だろうと紗夜の発言を否定する
「しかし世の中狭いものだな
運命の再会ってやつかもな」
「運命の再会?
矢吹はいいことをいう」
そう言い紗夜は握りこぶしを作り親指を突き立てる
「そう言えば綾斗、運命の再会と言えばシルヴィアとはもう会ったの?」
「あー、それはまだ・・・」
「まだなら、会ってやった方がいい
シルヴィアもなんだかんだで綾斗に会えるのを楽しみにしてるはず」
「うん、時間があるときに連絡・・・」
「ちょっと待て!!」
「どうしたの矢吹?」
矢吹がいきなり大声をだし
紗夜と綾斗はそんな矢吹に不思議そうな表情をする
「シルヴィアってまさか・・・
《
「それ以外に誰がいる?」
「あー、なるほどね・・・」
矢吹の言葉に綾斗はある程度察した
紗夜はわかっておらずなんだいきなりと怪訝な感じで矢吹をみているが
と言っても紗夜は表情がほとんど変わらないためわかるのは幼馴染である綾斗くらいだろう
シルヴィア・リューネハイムこのアスタリスクでその名を知らない者はいないだろう
世界の歌姫にしてクインヴェール女学院の序列1位にして生徒会長
別名戦律の魔女という名でアスタリスク内では通っている
その人気はアスタリスク内には留まらずスタリスクの外でも絶大な人気を誇っている
そんな人間の名前が紗夜の口から出たのだ矢吹が騒ぐのも無理はない
尤も、綾斗はユリスに聞くまでシルヴィアの人気を知らなかったようだが綾斗のような世間に疎い人間は例外としておこう
「マジかよ・・・
あの戦律の魔女と知り合い・・・」
「知り合いというか私と綾斗とシルヴィアは幼馴染」
「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
紗夜が再び爆弾を落とし矢吹の絶叫が教室に響き渡った
他のクラスメートたちも矢吹のように騒いだりはしてないが表情は驚愕に染まっている
あの歌姫と幼馴染と聞かされればクラスメートたちの反応は当然と言えば当然だ
「紗夜、今の状況でそれ言わなくていいことだよね!?」
綾斗はこれから質問攻めにされるかと思うと頭が痛くなってくるのだった
「おめーら朝からうるせーぞ
HR始めっから席につけ!!」
いいところで担任の匡子がきて綾斗は内心助かったと心から匡子に感謝した
「お、沙々宮じゃねーか
昨日はどうしたんだ聞いてやるから言ってみな」
匡子は昨日いなかった紗夜を見つけると紗夜のところまで歩み寄り引き攣った笑みを浮かべる
口元は笑ってるが所々に青筋が浮かんでいる辺りから察するに相当怒ってるだろう
「単に寝坊」
紗夜はそんな匡子に対してもいつもの調子で答える
「はっはー、そうか寝坊か・・・
アホ!!
これで何度目だ
次の休日は補習だからな!!」
匡子はそんな紗夜に拳骨を一発食らわして教壇に戻っていく
「うー、痛い・・・」
「あはは・・・、朝に弱いのも相変わらずだね・・・」
紗夜は頭押さえる
いつもは表情が変わらない紗夜もこの時ばかりは涙目になり本当に痛そうだ
「お布団には勝てない・・・」
その日の授業は全部終わり今は放課後だ
綾斗は紗夜との話に花を咲かせていた
まぁ数年ぶりに会ったのだから無理もない
「綾斗、綾斗が使ってた刀は持ってきたの?」
紗夜はそういえばと思い出したかのように聞く
天霧辰明流剣術は両刃型の武器でもできないことはない。だが、綾斗自身片刃型の武器の方がやりやすいのは紗夜も知っていた
そのため綾斗は木刀か刀を使って訓練していたのをよく覚えている
「あー、うん、一応父さんが送ってくれるって話になってるんだけど・・・」
煌式武装と違い刀などの武器は手続きに時間がかかるらしく綾斗のお父さんが実家から送った刀がまだ綾斗の元に届いてないのもそれが理由だ
「ふーん、そうか」
「あーごほん、そろそろいいか」
ユリスがわざとらしく咳ばらいをした
さっきはトイレに行くとか言ってたので今さっき戻ってきたのだろう
「うん、じゃあそろそろ行こうか」
「綾斗、リースフェルトとどこに行く?」
紗夜は不思議そうに首を傾げる
「あぁ、実はユリスに学園を案内してくれることになってるんだ」
「まぁ約束だしな仕方ない」
「リースフェルトに・・・?
なんで?」
「色々あったのだ、沙々宮には関係ない」
「むー」
紗夜は不機嫌そうに眉を顰める
「さぁ、行くぞ」
「あぁ、うん
じゃあ、紗夜また明日」
「・・・待って、だったら私が綾斗を案内する」
「なっ・・・」
「えぇ!?」
紗夜の発言に綾斗とユリスが驚いたような声をあげる
「案内くらい私だってできる
それにリースフェルトはさっき仕方ないといった
だったら私が案内しても問題ない」
「え、でも紗夜って・・・」
「申し出はありがたいが、あいにく私は一度交わした約束を破る気はない」
「・・・綾斗だって嫌々やられるより私の方がいいと思う」
綾斗がなにか言いかけるが二人の耳には入っておらずますますヒートアップしていく
「い、嫌々ではない!
そもそも沙々宮は今年入学してきたばかりではないか
その点私は中等部からここにいる
どちらが正しいかは明白だろう」
「あの二人とも・・・?」
綾斗が止めようとするがとても止まるような空気ではない
「あら、そういうことでしたら私が一番適任ということになりますね」
「クローディア・・・」
綾斗の背後から顔を覗かせたのはクローディアだ
綾斗はなんとなく気付いていたためそれほど驚きはしなかった
「ユリスは中等部三年からの参加ですが私はちゃーんと一年からここの生徒ですから」
「・・・・誰?」
「なぜおまえがここにいる」
「あら皆さんつれないですねぇ
折角ですから私も混ぜてもらおうと思ったのですけど・・・」
「嫌」
「不許可だ」
紗夜もユリスもなぜかクローディアには辛辣で綾斗は流石にクローディアがかわいそうに思えてきたが当の本人であるクローディアは対して気にした様子もなく掴みどころのない笑顔を浮かべている
「ふむ、残念です
では用件だけ・・・」
クローディアは綾斗に向き直ると書類の束を綾斗に差し出した
「先日申し上げた純煌式武装の選定及び適合率検査を明日行います
この書類に目を通してもらって問題がないようでしたら署名をおねがいしますね」
「・・・結構、多いね・・・」
綾斗顔を引きつらせ呟く
少なく見積もっても十枚以上はある束だ
それに書類の一枚一枚には文字がぎっしりと綴られている
「預かりものとはいいえ、統合企業財体の資産ですからね
まぁ、形式上のものなんで簡単に読み流してくださって結構ですよ」
「そんなものをわざわざ持ってくるとは生徒会長が持ってくるとは生徒会もよっぽど暇なのだな」
「えぇ、お陰様でうちの生徒は皆いい子ですからとても助かってます」
ユリスの皮肉に対してクローディアは軽く流す
「前から思ってたけど、ユリスとクローディアって友達なの?」
「はい、そうです」
「断じて違う!!」
「何度か顔を合わせただけだ
それ以上でもそれ以下でもない
お前も用が済んだなら帰れ」
「ふふっ、ではこれをお渡ししたら帰ることにしますね
綾斗、あなた宛てに荷物が届いていましたよ
おそらくですが、貴方の部屋が不在だったため生徒会長である私の手元にきたのではないかと」
クローディアは肩にかけていた細長い袋を綾斗に差し出す
それは刀袋だ
ということは中になにが入ってるか確かめるまでもない綾斗がよく使っていた愛刀だろう
「ありがとう、クローディア」
綾斗は礼を言うと刀袋を受け取る
「綾斗の刀・・・」
「うん」
綾斗は刀袋から刀を少しだけ出すと柄を握り少しだけ引き抜き刃が露わになる
その刃は白銀でその刀身が輝いて見える
「おぉ・・・!」
紗夜が感嘆の声を漏らした
「それでは今度こそ私は失礼いたしますね」
クローディアは綾斗の刀の輝きを見届けると教室から去っていった
「それで学園の案内だけど二人じゃダメかな・・・?」
こうして綾斗はユリスと紗夜二人に学園を案内してもらうことになった
「ここがクラブ棟だ
うちは一部のクラブ以外あまり活発ではないが、報道系のクラブなどに文句を言いたい場合などで足を運ぶことがあるな」
「・・・・ふむふむ」
「ここは委員会センター
福利厚生に関する要望・クレームはここを通す」
「・・・なるほど」
「食堂は・・・・流石に案内する必要はないか
一応学園にはカフェテリアを含めて七つの食事処があるがここの地下は比較的すいていることが多い」
「それは初耳」
「沙々宮私は別にお前を案内してるわけではないのだがな」
綾斗たちは中庭のベンチで一休みしていた
「私、方向音痴だから」
「それでよく案内すると言ったものだな・・・」
ユリスは呆れた表情で紗夜に言う
綾斗は紗夜の方向音痴をわかっていたため苦笑いしている
「えへん」
「いや、ほめてないぞ」
「まぁまぁ、オレも勉強になったし助かったよ」
「そ、それならいいのだが・・・」
「あ、なにか飲み物を買ってくるよ
なにがいい?
おごるよ」
「そうだな、では冷たい紅茶を」
「・・・私はリンゴジュース
濃縮還元じゃないやつ」
「了解」
綾斗は二人から飲み物を聞くと高等部の校舎の方へと走っていった
「・・・リースフェルトもう一度聞きたい
なんで、綾斗を案内することになった?」
「おまえも存外しつこいな
まぁ隠すほどのことでもないしないいだろう
決闘の最中に助けられてなその借りがあるから案内することになった
それだけだ」
「決闘?
リースフェルトは綾斗と決闘したのか?」
「そうだが、知らなかったのか?」
ユリスみたいな《冒頭の十二人》のようなレベルの決闘はすぐさま話題になるし
テレビでも放送されるそれでも紗夜がしらないということはよっぽどこの序列という制度に興味がないようにしか見えない
「結果は?」
「途中で邪魔が入ってな
不成立だ」
「それはおかしい」
「なにがだ」
「綾斗とやりあってリースフェルトが無事なわけがない
綾斗とやりあえるのは精々シルヴィアかガラードワースの聖騎士くらい
リースフェルトが綾斗の相手になるわけがない」
「これはまた過小評価されたものだな」
「リースフェルトは強いそれは知ってる
でもせいぜい私と同程度それじゃ話にならない」
「ほう、今度は随分と大きく出たな」
紗夜もユリスの実力は認めていた
だが、綾斗に届くかと問われれば否だ
数年前に海外に引っ越したとはいえこの星導館で綾斗の実力を知ってるのは紗夜だ
その時でも姉である遥には及ばなかったとはいえそれでも十分門下生たちを制する実力は十分なほどあったのだ
今となっては綾斗の戦闘能力は未知数だ
紗夜では図りきれない
ユリスも綾斗の実力が自分の遥か上をいっているのはわかっている
あの時、綾斗は攻めず防御に徹していたからこそあの時ユリスは特に大きなケガをせずに済んだのだ
もし綾斗が本気でユリスに攻撃を仕掛けていたらどうなっていたかわからない
だが、
だからといって序列外の紗夜と同レベルと言われればユリスとてなにも感じないわけではない
もちろん序列がすべてではないことはわかっている
中には綾斗のような化け物クラスがいるのも事実だろう
だが紗夜は序列どころか公式序列戦に参加しているところさえユリスはみたことがなかった
そんな人間にユリスも言われたくないだろう
「いいだろう、ためしてみるか?」
「・・・・・・」
紗夜は無言でユリスから距離をとった
それを同意と受け取ったユリスは校章に手を翳す
「我、ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトは汝、沙々宮紗夜への決闘を・・・」
そこまでいいかけてユリスは跳躍していた
中庭にある噴水の影から怪しげな格好をした奴がクロスボウ型の煌式武装をこちらにむけて放ったからだ
先程までユリスがいた所には光の矢が数本刺さっている
恐らく綾斗との決闘の際に襲ってきたやつと同一犯だ
「ふん、またもや不意打ちか
咲き誇れ、
ユリスは星辰力を集中し、空中に顕現した炎の槍を黒ずくめに向かって放つ
黒ずくめに防ぐすべはない綾斗のようにかわすこともできないこともないがそれは綾斗のように身体スペックがあっての話だ黒ずくめの煌式武装を見る限り中距離戦は得意そうだがユリスのような強力な攻撃はおいそれと防ぐことはできないだろう
だがそれは黒い影によって防がれる
格好からしてクロスボウ型の煌式武装を持った奴の仲間だろう
そいつは斧型の煌式武装を盾代わりにしてユリスの炎の槍を防いで見せた
ユリスが星辰力を集中させようとした瞬間
「どーん」
ユリスの技を防いだ斧型の煌式武装を持った男が盛大に吹っ飛んだ
少なくとも十メートル以上は吹っ飛んだだろう
その男はそれきりぴくりとも動かない
死んではいないようだし多分あまりの威力に気絶したのだろう
「は?」
爆風の中、唖然としながら見ると紗夜が自分の身長よりでかい銃を構えていた
「・・・・なんだそれは」
「三十八式煌型擲弾銃ヘルネクラウム」
「まさかグレネードランチャーか!!」
ユリスの言葉に紗夜がこくりとうなずく
紗夜は銃口をクロスボウ型の煌式武装をもった奴に向けられる
「・・・バースト」
銃身が光を帯び
星辰力が急速に高まる
「―――
クロスボウ型の煌式武装をもった襲撃者も身の危険を感じ逃げようとするが
―――遅い
紗夜のほうが早い
「どどーん」
光弾が発射され、光弾は噴水を木っ端みじんに破壊し襲撃者も十メートル以上吹っ飛ばされた
そいつもピクリとも動かない
わずかに残った噴水の基底部分から水が吹きあがり周囲に降り注ぎ勿論それはユリスと紗夜にも降り注ぐ
「見かけによらず過激だな
お前」
「・・・リースフェルトほどじゃない」
「礼は言わんぞ
あの程度私一人でもどうとでもできた」
「必要ない、邪魔だっただけ」
「・・・続きする?」
「いや、やめておこう
お前の実力は本物だ」
「ならいい」
それを聞いて紗夜は煌式武装をしまう
「さて、こいつらを風紀委員に引き渡すとするか」
ユリスが倒れている襲撃者に視線を向けると、紗夜の煌式武装の光弾を受けて気絶していたはずがもう意識を取り戻しておりササッと逃げていた
ユリスたちが捕まえる暇もなく木々の中へ行ってしまった
「なんとまぁ、丈夫な連中だ」
「・・・びっくり」
「まぁ、逃げたものは仕方ない
迂闊に追いかけて待ち伏せされてもことだしな。
それより、沙々宮、学園の備品を壊したのだからちゃんと申請しておけよ」
「私が?」
「お前が吹き飛ばしたのだから、当たり前だろう」
「わずわらしい、リースフェルトに委任する」
「ふざけるな、冗談じゃない」
「おーい!」
紗夜とユリスが言い合っていると高等部の校舎から綾斗が飲み物を持って現れた
「なんかさっきすごい音が・・・って
うわっ、なにこれ、どうしたの・・・?」
綾斗が木っ端みじんになった噴水をみて驚き、状況が呑み込めず事情を知ってるであろうユリスと紗夜に聞く
「ちょっと、色々あったのだ
なぁ沙々宮」
「・・・うん、色々」
「えーっと・・・?」
ユリスと紗夜の説明に綾斗も困ったような表情をする
そんな色々だけでわかるはずもない
「なんだかよくわからないけどこれじゃ・・・わわっ」
綾斗は周囲を見渡していたが紗夜とユリスをみて顔が真っ赤に染まり慌てて視線を逸らした
ユリスはそんな綾斗の行動に怪訝そうに見ていたが自分の今の姿を見て綾斗の行動の意味を理解する
先程紗夜の攻撃で噴水を吹っ飛ばした際にユリスと紗夜は噴水の水をかぶってしまっていたのだ
当然、全体的に水を被ったのだから制服もびしょぬれで全体的に透けて見え下着までも制服越しに見えてしまっていた
だから綾斗は慌てて視線を逸らしたのだ
「み、見るな!!
みたらただではおかんぞ!!」
「み、見てない、見てない」
「・・・むむ、すけすけ
これはエロい」
「沙々宮、お前も少しはって・・・
お前、下着はどうした!?」
ユリスは紗夜のある一点・・・そう胸元だ
本来なら透けて下着が見えるはずなのだが・・・それがないのだ
「悲しいかな
私にはまだ必要ない」
真顔でそんなことを言う紗夜にユリスは顔をしかめた
「と、とにかく、なにか羽織るものを用意してくれ」
「わかった」
綾斗はすぐさま駆け出して行った
次の投稿は早くて連休明けです
連休は予定があるのでそこらへんはご了承ください
後、綾斗に刀持たせた理由ですけどただ単に私が綾斗に刀持たせて綺凛ちゃんと戦わせたかっただけです
まぁ言ってしまえば私の個人的な趣向ですww