今日も変わらず道無き道を魔改造ベスパに跨がり疾走していく、最近では『御伽噺』つまり俺を越える賞金首が出てきたっぽい。たしかー
「『闇の福音』・・・氷魔法を得意とし不死身の体を持っている人形を従者とし闇に紛れて活動している、ねぇ?」
手放し運転しながら新聞を読んでいるとそんな記事があった。
「死人も出てないのになーんでこんなに賞金が高えんだあ?いや、そりゃ俺もだけど。」
陰謀を感じながらも気ままに走っていると城?が見えてきた。
「ん?ここには街や国は無かったはずだけど?」
不審に思いつつ、「まあ、前通ったのもすげえ昔だし。」と納得して、ここら辺では見なかった雪を眺めながら進む。
「今日はあそこに泊まろう!そうしよう!」
謎の使命感を感じ一気に速度を上げる、見えてきたのは橋、その先には大きな城、そして・・・
「なんじゃこりゃ、戦争でもしてんのか?」
夥しい数の人間が倒れていた。
「ええ、『吸血鬼』と人間の戦いです。」
「へえー、どんな奴?」
橋の真ん中で倒れてた一人が話しかけてきたので聞いてみた。
「エヴァンジェリン・A・K・マグダウェル、『闇の福音』ですよ。ご存知無いですか?」
「あいにく旅人はどこでも情報を得るのに苦労するものでね。」
貴族?騎士?判らないがかなり格式ばった話し方をする優男は続けた。
「そうですか・・・所で『御伽噺』さん?」
「ヴェ!なんで分かったのか聞いて良い?」
「まあ・・・格好ですかね?さすがに目立ちすぎですよね。まあ良いんです、今、私にあなたと戦うほど魔力は無いですし死にたくも無いですから。」
「いや、一回も殺してねえから、人聞きの悪い。」
「ハハ、いえ、冗談ですよ。所で何故ここに?」
「今、世界4,000周目の旅でな、いつも使ってる山道を着ただけ、あとここで泊まろうかなあ、と思って。」
「いや、流石『古き者』はスケールが違いますね。」
「オロ?その称号は初めて聞いた。」
「まあ、あまり使われませんからね、そんなことより、ここに泊まるのなら家主を説得か屈服させませんと。」
「まあ、大丈夫だろ、じゃあ。」
「ええ、今度会ったら首を取りに行きますので。」
「おお、怖え怖え。」
人の山を踏んだりしないよう気をつけながら城の玄関前に到着。あ、また誰か吹っ飛んできた。門が開いたのでそそくさと中へ・・・
「おい、貴様も私を殺しに来たのか?」
ダメだったみたい・・・
「いや、違うよ、ちょっと此処で寝たくてね、屋根貸してくんない?」
「そのパターンは初めてだ、だが断る!」
金髪美幼女は怒りのまま上級魔法を連打、その勢いで距離をとるようだ。だがしかし!
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック、『えいえんのひょうが』「『ディスペル』」!?」
バグを舐めてはいけない。
「貴様!何をした!」
「何って、魔法を消しただけさ?」
「不可能だ!そんなこと!魔法をしかも上級魔法を無詠唱で何お被害も出さず消すなど!」
そう言ってさらに魔法を乱発するが、消すか、切り裂いて済ませた。
「ねえ、別に君を倒しに来たわけじゃ無いから!取り敢えず寝させてくんないか!?」
「そう言って!殺しにくるんだろ!?人間なんてそんな者だ!」
そういうのでまともに槍見たいな魔法を受けてみた。
「ふん!これで「結構痛いなコレ、しかもこっちの魔法の中でも見たことの無い完成度!素晴らしい!」ッ!!」
「フンヌ!」
身の10倍はある槍を軽々と抜き地面に捨てた。
「き、貴様は・・・」
「やっと攻撃が止まったか、こんばんはお嬢さん俺は『スライム』賞金首をやっている。」
「スライム・・・しかも、賞金首・・・貴、いやあなたは!?」
身体完璧に戻った。
「『御伽噺』種族は・・・そういや言うの初めてだ『半吸血鬼』だ。勿論『真祖』イヤ『始祖』かな。」
あまりの衝撃に口が開いているがやはり街の外で助けたあの幼気な少女の面影がある。
「へ?あ?」ボフン!
「あらら、ショートしちまった。」
倒れた少女を受け止めると突然背後から刺された。
「グフ!痛ったいなあ。」
「ケケケ、ヤッパリゴシュジントオナジジンガイカ。フジミッテワケダ。」
「おお、人形が動いてる。珍・・・しくも無いか、俺ん家にもいるし。」
「エ!?」
「なあ、それよりどこに運べば良い?」
「エ!?アア、ソウカニカイダ、ニカイノゴシュジンノベッドニハコンデクレ。」
「オッケー。」
さり気無く空間をズラし負傷者を治して強制的に街に送りつけつつ、此処にこれ以上襲撃が無いように細工しながらエヴァンジェリンを運ぶ。
「オウ、ココダココ、アトオメエハイッカイノユカデネトケ。」
「ベッドで寝たかったぜ、まあ仕方ない。じゃあの。」
「ジャアノ、ゴシュジンハオレガベッドマデハコブワ。」
ちっこい宙に浮いてる人形が少女を担ぎ上げているのは不思議な光景だった。