ソードアート・オンライン The road   作:light.SAO

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第1層攻略

俺は無我夢中で走っている。ハルバートの練習をしている時に、第1層攻略会議がトールバーナでやることになったと仮攻略組の人から聞いた。会議当日は完璧にいつもの習慣のごとく、ハルバートの扱いの練習をしていた。頭の中はハルバートの扱い一色に染められ、俺の頭の中には攻略会議というものは一文字もなかった。トールバーナの道のりで俺を見かけなかった仮攻略組のやつの1人がメッセージをくれたからいいものの、あのままメッセージもなければ俺は第1層攻略には入れさせてもらえたかさえ怪しい… そんなことを回想しながら、全力ダッシュでヨーロッパ風の街 トールバーナを目指した。

 

第1層攻略に向けての準備はどんなゲーマーに取っても遅すぎるほどの慎重な姿勢だった。なぜなら、大体4週間というゲーム史上初めての遅い攻略だったのだから。その沈黙を破ったのがディアベルというこの攻略会議を開いたリーダーである。俺はギリギリ1分のところで間に合い攻略会議に参加したのだが、頭がイガイガの男によるβテスターの謝罪を求めるという行動により、いきなりの不穏な流れに、ここにいたβテスター達は非常に嫌な感じだっただろう…黒人の大きい男がそれについて責めるべきものが違うのでは?という考えを言っていた事に対しては攻略会議に出ている人たちの殆どが賛同していた。その話はなんとか収まり、俺を含めた攻略会議に出ているβテスターの多くが心からあの黒人に感謝しただろう。その後にディアベルがパーティを組んで欲しいとかの話で、俺は隣にいたやつとパーティを組んだ。隣のやつはニヤリと不気味な笑いをしながら承諾してきたから、少し寒気がしたのは気のせいではないだろう…確か、名前はモルテと言ったか…

「よろしく頼むぜ、ウェッド。ウェッドっ名前、どっかで聞いた覚えがあるんだよなぁ〜。」

やつはニヤニヤと嫌な笑いを見せながら言った。

「気のせいじゃないか?俺がこのネームを使ったのはこのSAOが初めてだ。まぁ、とにかく今日はよろしく。」

あんまり、モルテには情報を掴ませない方がいい気がした俺は嘘を交えながら軽く流した。

その後、実践を見たいとの要望でパーティでの戦闘をほんの数回やった時には、モルテは結構いい動きをしていた。警戒しておかないと危険な気がしたのは、後にキリトからの話で本当となった。実践後に会議+実力試しはお開きになった。その後、俺は近くにある宿屋で泊まる事にして、あの攻略会議であったイガイガ頭の言っていた事を考えていた。βテスターは始まったその日から情報の独占によるレベル上げを行ったとか、βテスターに募る怒りをぶつけていたが、あくまでもそれは自分の見える範囲内での現実を見ているに過ぎないと言いたかった。俺はさらにこの世界を知っているのだから…

 

朝、情報屋からの情報により攻略組の中にいるβテスターの数と名前を買ったのだがその中にディアベルの名前があるのには驚いた。やつがβテスターということは当然LAボーナス(ラストアタックボーナス)があるのは知っているのだろう。そうなるとボスのHPが減った時に我先にと、欲望にかられたβテスター達が危険に晒される事は考えているのだろうか?恐らく俺もそうだが皆から見てもやつは統括は慣れてる感じがするから、その問題もなんとかするのだろう…

 

ボス戦までに向けて、まだ扱いが完璧じゃないハルバートの練習を他のゲームで表すとスライム級の敵が出現する草原エリアで完璧に仕上げなければならない。タイムリミットはあと2日…そんな雑念を薙ぎ払うように俺はハルバートで囲んできた敵を薙ぎ払った。

練習をずっと続けているとSAOの世界では最も必要な集中力が乱れるので、俺は木陰で体を休ませていた。勿論モンスターもたまに出現するため、寝ていられはしないんだが…そこにあの騎士が現れた。ディアベルのことだ。

「ボス戦までにその特殊そうな武器は使いこなせそうか、ウェッド」

恐らく、俺がこの武器を使いこなせるようになればボス戦では少なからず安定すると考えているのだろうか…

「そんなことを聞くためにここまで来たのか、騎士殿。何か、他にあるんだろ?」

俺は適当な軽口をいいながら、やつの意図を確かめた。

「ははは、バレてたか…実はなLAボーナスについてなんだが、お前はどう対策を取るべきだと思う?少し悩んでいてな…」

少し申し訳なさそうにディアベルは俺に聞いてきた。

「そんなことなら、最後に倒したやつのものでいいんじゃないか?どうせ、βテスター共は全員狙いに行くだろうし、新規プレイヤー達にも情報が入るかもしれない。ならアイテムはゲットしたやつのものってのが無難じゃないか?」

俺は本当に何も考えず、リストを見ながら適当な事を言った。

「そうだよな、実は俺もその考えだったんだが1人の意見だと偏りが出るからと思ってな。近くに君がいて聞いたってわけだ。よし、この件についてはもう決まった。済まなかったな、貴重な時間を貰ってしまって。」

やつは笑いながらそういい、俺から離れていった。この時、俺のこの発言がSAOのボス戦のルールとしてずっと定着することになるとは思ってもいなかったのだが…

 

丁度このデスゲームが始まってから4週間がたった。ディアベルを先頭にした攻略組は第1層迷宮区到達が午前11時、最上階到着が12時と1時間で順調に進むことができた。何度かのヒヤッとした場面はディアベルによる指揮のもと危機を抜けたのだが、あれはリーダー職に向いているというよりは、もうリーダーとしての存在として慣れていると言った方がいいと認識した。

ボス戦開始前の士気を上げる狙いでディアベルが「勝とうぜ!!」と言ったのは恐らくほぼ全員を盛り上げさせただろう。

だが、俺にはこの時そんなことよりもキリト達のグループがわざとボスの取り巻きの処理に当てさせられたのではないかとずっと考えていた。なぜならキリトがβテスターであることをβテスターであるディアベルは知っている。LAをほぼ独占した事により、名声が少なからずβテスター達に「LA取りのキリト」のような形で伝わっていた。また、ディアベルは「アイテムは取った者のものとする」と言っていた。なら、LAを取得するにはキリトという存在をボスに近づけてはいけない…と考えるのが妥当だ。俺にはどうすることも出来ないのだが…と思いながら苦笑した。考えすぎなのかもしれない…と思ったからだ。

第1層ボスはイルファング・ザ・コボルド・ロードだ。亜種型とは恐らく攻撃方法は変わっていると思われる。βテスト時からボスの攻撃方法が変わらないなど有り得ないと直感が俺に知らせていた。

そんな事を考えている最中、ボス部屋のドアが開く音が俺の思考を妨げた。一斉に人がボス部屋に突入していった。ボスと取り巻きの敵が現れ、襲いかかってくる。

俺のグループは一体のルイン・コボルド・センチネルと呼ばれる取り巻きの敵を倒したあと、ボスが生きていればボスに攻撃をするように命令されていた。取り巻きの敵は俺のハルバートによって薙ぎ払いを受け、その隙にグループのメンバー達がソードスキルを打ち込み、取り巻きの敵は他のグループよりも早く終わった。

ハルバートはモンスターを切り終わったあと、輝きを増しているように見えた…

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