ソードアート・オンライン The road 作:light.SAO
イルファング・ザ・コボルド・ロードは味方のmobが居なくなっても、自分が勝つ事が決定しているかのような雄叫びを俺たちに浴びせた。
これからがボスとの正面衝突だ!と俺は自分自身を鼓舞してやつと対峙した。
ディアベルの指揮もあり、順調にボスのHPが減っていたため、HPバーはもう残り2本程度になっていた。
「スイッチ行くぞ!」と他の一緒に組んでいたメンバーからの声が聞こえたと同時に、俺はいつも以上に光り輝いているハルバートを本気で振りまわした。ボスにハルバートが当たった瞬間、俺自身が吹っ飛ばされるくらいの衝撃が手に返ってきた。この感触はやばい…武器にこんな衝撃が走ったら耐久値がほぼなくなる、もしくは武器はもう壊れてるのかもしれないと思った。まずは一旦離れるしかない。「誰かタゲを取ってくれ!」と叫んでから、反動を利用してボスと距離を取った時、あちこちから「すげー!」だの、「なんだ、今の!?」という声が聞こえてきた。
俺は自分の武器が壊れてないことを確認し、その後歓声がなんだったのかを確認した。そして唖然とした。俺が切る前はHPバーは2本だったのだか、今ボスのHPバーは1本に減っている。ということは俺がやったということだ。ハルバートにそんな能力があるのか?というかこれじゃチートじゃないか。ハルバートの耐久値はほとんど減っていなかったが、さっき見た輝きは消えている…
敵を倒せば、何らかのタイミングで威力が1発のみ超強力になるのか?そんなことを考えていたが、今はボス戦だ。それはまた試すことにし、目の前のボスに集中しなくては…
その後もディアベルの指揮の元、攻略は順調に進みボスのHPバーはもう少しとなっていた。
「俺が出る!」とディアベルは言って、ボスの前に1歩出た。ボスはβ時とまだ行動パターンは変わってなかったが、まだ危険は残ってる。なのに1人で突っ込むということはやはりラストアタックボーナス狙いか…。俺にはそのディアベルの狙いを阻止する術はないし、これは指揮官として頑張ったあんたへのボーナスとさえ俺は考えていた。が…イルファング・ザ・コボルド・ロードは不敵な笑みを浮かべながら武器を捨て、もう一つ背中にあった武器を引き抜いた。
その瞬間、キリトと俺はほぼ同時に「だめだ、下がれ!全力で後ろに跳べー!!」
俺たちの声はもう遅かった。
ディアベルはソードスキルの初動の動きからほぼ、あとはオートで動いてしまうからだ。
ボスのあの武器は刀…。ボスはソードスキル<旋車>を攻略組の1部とディアベルに食らわせた。しかもヘイトを1番取っていたディアベルは追撃で<浮舟>というソードスキルをくらい、宙に飛んだ。
「ディアベル、最大防御体制を取れ!」
ディアベルは聞こえなかったのか、ソードスキルを空中で撃とうとした。だが体勢が不安定のため、ソードスキル初動の判定が入らずそのまま刀の餌食になった。三連撃<緋扇>がクリティカルでディアベルの体に入った。そのまま20m程遠くに落ちたディアベルのHPバーは止まることを知らず、ゲージは一ドットも残さず減った。キリトはディアベルにポーションを飲ませようとしていたが、ディアベル自身がもう死ぬ事を察したのか断ってそのままゲームオーバーとなった。
ディアベルが死んだ今、勝ちムードだった雰囲気は全て悲鳴へと変化していた。
悲痛の中、キリトと俺のみがまだ闘志を失ってなかった。キリトはmobがまだ湧くことを予想し、キバオウを鼓舞した。そしてキバオウが狼狽えてるところに「ボスのLAを取る」と宣言した。なら俺もキリトのLA取りを影から手伝ってやる。ディアベルがいない今、指揮官はキリトでありLAはさっきの俺の考えなら指揮官として頑張ったものへのボーナスだ。
撤退ではない、血戦だ!とキリトの背中がそう語っているように見えた。スイッチでのメインアシストはあの女性のフェンサーがやるのであれば、俺はタゲをなるべく取るのが最善だ。
ハルバートを強く握りしめ、ボスの体へとソードスキル<スリーコンセクティブ>を放つ。ボスがこっちを振り向いた。「いまだ!キリト、アタックをかけてくれ!」と叫んでボスから離れた。キリトと女性フェンサーのスイッチからのソードスキルはお見事だった。しかし、あの2人だけだといくら強くても持たない…と考えたその時、ボスがキリトに攻撃を打ち込んだ。防御ができずクリティカルで攻撃が入ってしまった。そのままボスの追撃がキリトと女性フェンサーに入りそうになっていた。このままじゃ、俺の攻撃でパリィが届かない…
ボスの腕が下ろされた。俺のパリィは届かなかった…が黒人の斧使いが防御をしてキリトたちを助けてくれた。
ほっとしたのも束の間、ボスの攻撃はまだ続く。
俺も防御やパリィを駆使してボスの攻撃を流し、キリト達の回復の時間を作った。
ローテで下がった時に「キリト、LA必ず取れよ!」と少しリラックスするように言った。「あぁ、絶対に取ってやる。そして、この層はこれ以上の犠牲は出させない!」と俺に対して言っていたが自分にも鼓舞するように言っている様でもあった。
その後、ボスを全員で囲みフルアタックからの女性フェンサーの<リニアー>、キリトの<バーチカルアーク>…
イルファング・ザ・コボルド・ロードは細く叫びを上げながら、破砕音とともに消えた。そして、ボス部屋にいる全員にクリアのシステムメッセージが届いた…。
これが第一層ボス、SAO最初のエリアボスを倒した瞬間だった。
これがSAO攻略の第一歩となった…