ソードアート・オンライン The road   作:light.SAO

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一時(いっとき)の休息

サナと出会って監視される事になった俺だが、早々悩ましいことが起きてしまった。

なぜ、一つのベッドでサナと寝ることになったのか。そして、最大の問題はサナが俺の手を握って離さない事である。

 

事の始まりは、俺とサナが今日泊まる宿を探し、町を歩いていた時からだ。

「ねえ、ウェッド君。宿良い所あるの?」

「ん、あるよ。寝るだけなら、48層の中でもかなりボロ…いや、安い宿がね」

俺の返事にサナは黙り込む。

「寝るだけだからって、環境悪い宿で寝るのは良くないよ…」

ふとこちらを見たかと思うと、そんなことを口にした。

「サナは俺の母親か何かか。」

冗談めかして、笑いながら返事をする。

「私も泊まるんだから、せめてもう少しいい部屋ないの?」

「ん~、俺は殆ど野宿だし、この村のこと知らないんだ。」

むしろ、サナのほうが知ってるだろと内心ツッコミを入れる。

「じゃあ、アルゴさんに聞いてみるね。」

サナはそう言って、メッセージを書き始めた。

「確かにアルゴなら知ってるかもな。」

「よし、じゃあアルゴさんから返事来るまで待つのもあれだし、夕飯でも食べない?」

「いいよ、飯なら美味い所知ってるからさ!」

 

洋食屋delicate(デリカテ)は、俺が依頼を受けてPK集団を捕まえる為に深い森に入り、丸二日かけて全員を殺した後、疲労と空腹のあまり入ったお店である。

過程はともかく、美味さは今までの層の中で一番ではないかと言っても過言では無いレベルの美味しさを誇る…と個人的には思っている。

「こんなところにお店あるんだね…」

「まあ、ここまで来るようなやつは物好き位だろうな。」

「それじゃ、ラギラギは物好きってことカ。」

「いや、俺はこのレストランからギリギリ見える深い森で彷徨ってただけでえええ!!!」

「ラギラギ、あまり大声を出すと他の客に迷惑ダゾ。」

「なんで、アルゴがここにいるんだよ…。はぁ、ビックリした…。」

そう言って、サナの方を見ると驚きのあまり、何秒間か止まっていた。

ちなみにアルゴはリアルの方でも会ったことがあって、会ってからというものラギラギというあだ名で呼んでくる。

「アルゴさん!?なんでこんなところで?」

サナはやっと、アルゴが起こしたラグから抜け出しそう言った。

「いやあ、偶然と言いたいところだが、ラギラギが一緒と聞いて、夕飯にはここに来るだろから、驚かしてやろうと思ってナ。」

「なんで、俺の行動パターンがバレてんの!?」

「男の子は単純だからナ。手に取るように分かるゾ。」

「で、部屋だけど、いい部屋がまだ空いてたから、予約取っておいたゾ。」

「あ、有難うございます。お金は幾ら払えば?」

「いいヨ、今回は無料ダ。おかげで良い情報が得られたしナ。」

アルゴはそう言って、ニマニマとこちらを向く。

俺の直感が嫌な予感を知らせてきた。

「え、何かとんでもない情報でも得られたんですか?」

サナは気づかないでアルゴに聞く。

「そうだネ。今この瞬間にも得られてるヨ。」

「えっと、それってどういう…。」

「ラギラギとサナっちがデートしてるってこ・と・サ!にひひ」

俺の嫌な予感は的中し、語尾に星マークでも付くんじゃないかというレベルのワクワクした声でそう言って、レストランからダッシュで出ていく。

「いや、ちょっと待ってください!!!口止め料!口止め料渡すから他の人に言わないで~!!!」

顔を真っ赤にしながらアルゴに反論するサナだったが、アルゴのダッシュにはついていけなかったようで、すぐにレストランに戻ってきた。

「サ、サナ…。後で俺からも言っておくから気にしないで、今は料理を楽しも…、な?」

自分なりに気を利かせた事を言って、サナを落ち着かせようとしたが、サナの顔はまだ真っ赤で、エフェクトで湯気が出そうなレベルである。

まあ、この年頃そういった恋愛感情のない相手と恋人と間違えられれば、隠すなりして誤解を防ぎたいのだろうと、それ以上は何も言わずに出てきた飯をバクバク、サナが顔を真っ赤にして俯いてる間、口に頬張りモグモグ食べていたところ…

食べ物を入れ過ぎたせいで、器官に入って、むせる羽目になった。

「ゴホッ、ゴホ、ちょッ、サ…ナ、み、水…!!!」

サナは一瞬でいつも通りに戻り、すぐに水を渡してくれた。

ところで、この水が入ったコップさ…サナのじゃね…とかいう余裕もなく、一気に水を飲み干す。

「すまん、助かった。サナ。」

「ほんと、現実でもどこでも君はおっちょこちょいだよね。」

サナは呆れ半分、笑い半分といった表情をした。

ところで、サナはグラスの事には気づいてないのでノーカンと自分の中で決めてさっきのは自分のグラスで飲んだということにした。

その後、 何気ない会話と美味い食事を楽しみ、アルゴが取ってくれた宿まで歩く。

「私もさ、ウェッド君のこと、ラギ君って呼んでもいい?」

「いいよ、ウェッドって言いづらいしね。サナはサナでいいでしょ?」

「私は何でもいいよ。」

「そうか、お、この宿…なのか…?」

アルゴが予約してくれた宿は、如何にも高級そうな宿だった。

「でも、値段は意外に安かったよ。」

「まあ、サナが良ければ別にどこでも良かったし、文句はないけど…」

なぜ、こんなに安いのかという理由を知ってれば文句は大ありだった…

 

宿屋に入って、NPCとサナが話していたが、段々サナの顔から焦りが読み取れる。

まさかとは思うが、アルゴの仕業かと思ったが、サナの話を聞いて愕然とした。

なぜなら…、予約時に二人同時に申し込み、条件としてPTだった場合、値段は安くなるが、一部屋に二人泊まる事になるという前代未聞のシステム付き宿だった。

後にアルゴに問いただしたところ、安くなるからそっちの方がいいかなと思って、やったんダ。まさか、一部屋になるとは思ってなかったとかなんとかと言っていた。嘘はついてなさそうだったので仕方ないのだが…

「じゃあ…、俺は他のところか、最悪野宿するから。ここで今日はお別れしよう。」

「ラギ君、確かさっきのレストランで結構お金使ったから、今からイベントやらないと野宿だよね…」

「そうだな、ま、野宿するから気にしないで。」

「でも、この頃寝てる隙に圏外に運び出してPKした人がいるって聞いたし…、しかも、この宿代の半分はラギ君もちだし…」

この流れは非常にまずいが、こうなると逃げ道はない…

「じゃあ、どうしようかな…」

必死に考えるもなにも浮かばない。

「じゃ、一緒の部屋で今日は過ごすしかないね。」

優しい声でサナはそう言った。

ここで断れば、好意を裏切るし、PKされるんじゃって心配されることになるし…、だが、YESと答えれば、それはそれでサナのファンに標的にされる…

とか考えていたら、手をつかまれ強引に部屋に連れてかれ、断るルートは消滅した。

この後、お風呂に入るとかいって、シャワー音が聞こえてくるのをどうにか耐えたが、問題はこの後だった。

大きいベッドが一つしかなかったのである。

有無を言わせないサナは、ベッドで寝ろと言って聞かなくてベッドで寝ることになったのである。そして今現在に至る。

サナを起こさずに、手をほどくか、もしくは気にせず…いや気にしないなんて無理!といったくだりを悶々と2時間ほど繰り返してるのである。

……

早く朝がこいと願うばかりである…。




投稿が暫く遅れてしまい申し訳ありません!
今回は前回までと違い、少しほのぼのとした回でしたが、いかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたなら、嬉しいです!
誤字、脱字等ありましたら、コメント、TwitterのリプライやDM等でご連絡いただけると助かります。twiter→@light_vr

今回も最後までお読みいただき有難うございました!
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