ニセコイ~サンカク関係どころではない話し~   作:通りすがりのぬこ様

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第1話:やってきたテンコウ生

 

 

 

この世に生を受けてから15年。

 

俺はまだ通い慣れてない教室の窓際の席に座り、授業が始まるまでの時間を他の生徒たちによる喧騒をBGM替わりにスマホをいじっていた。

 

 

「おいお前ら昨日のしゃべくり9見たか!?」

 

「見た見た。潘蜜のあのドレス姿やばいよな」

 

「ほんとそれな!あの谷間とか背中とかエロすぎるだろまじで!」

 

 

途中、思春期の男子特有のエロ談義が耳に入ってきて不愉快な気分になる。

 

 

「いやぁ~朝から盛り上がってるねぇ男爵たちは」

 

 

前の席に座るメガネの男が背もたれに寄りかかるながら俺に問いかける。こいつの名前は舞子集。小学校低学年の頃からの付き合いである幼馴染の一人だ。

 

 

「ああいうのは盛ってるっていうんだよ。人前で発情してんじゃねぇよ猿共が」

 

「相変わらず辛辣だねぇ」

 

「とか言いながら、久堂もそういうの好きなくせに」

 

「俺はTPOを弁えろって言いたいんだよ。こんなところでエロ談義されてもクソ迷惑なだけだっての」

 

 

俺を久堂と呼んできた茶髪の男。こいつは佐藤潤。中学の頃からの付き合いでまぁ一応親友と呼べる人間の一人だ。

 

 

「たしかにねぇ。それに女子の前でそういう話すると好感度だだ下がりねぇ」

 

「あいつらもだけど、お前も好感度とか気にしないタイプだよなぁ」

 

「いやいやこれでも気にしてるんだよ好感度」

 

「えっ!?普段からセクハラ発言してるくせに!?」

 

 

二人の喧しい声を聞き流しながら特に意味もなくスマホでニュースを読む。俺にとってはこれが暇つぶしの常套手段だ。

 

 

 

ガラガラッ

 

 

 

「んっ?おーっす楽―――てお前どうしたその顔!!」

 

 

集の言葉に釣られて視線を動かすと、鼻から血を出したもう一人の幼馴染である一条楽が教室に入ってきた。

 

 

「どうしたの一条くん!?その怪我!?」

 

 

うちのクラスでは人気がある方の女子である小野寺が心配そうに声をかける。

 

楽は自分の席に座ると、何があったのかを話し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ?女通り魔にやられたぁ?」

 

「あのな一条。この学校の塀は2メートル以上あんだぞ?それ飛び越えて膝蹴りってどんな女の子だよ」

 

「ホントなんだって!」

 

「男でもあの塀を軽々と飛び越えるのは悠ぐらいだしなぁ」

 

「あの程度の塀なら誰でも飛び越せるんじゃねぇのか?」

 

『いや無理だから』

 

 

集と佐藤がハモリながら否定してくる。

 

塀を足で蹴って、上の方を手で掴んでからそのまま勢いで登れば行けると思うけどなぁ。

 

 

「それよりも聞いたか!!今日来る転校生って女の子なんだってよ!しかも美人らしい!」

 

「美人転校生だと!?これは緊急案件だぞMr.マイコー!」

 

「うむ。早急に対応を検討せねばなるまい………」

 

「なんの話ししてるんだお前ら………」

 

「一条くん!ほらこれ絆創膏!」

 

「えっ!?い、いいよそんな―――」

 

「ダメだよ!バイ菌入ったらどうするの?ほら」

 

 

楽が小野寺に気持ち悪いぐらいデレデレしてるがそれは放っておいて、俺は集と佐藤の話に乗っかることにした。

 

 

「このタイミングで転校生って珍しいな」

 

「たしかにな。親の仕事の都合なんじゃないか?」

 

 

佐藤の言うとおりなのかもしれないが、俺は転校生の件で少し気になることがあった。

 

今月に入ってから、この街に外国のギャングが入り込んできてこの街を縄張りにしている集英組というヤクザと小競り合いをしている話をよく耳にする。

 

そんなことが起き始めているこのタイミングでの転校………何かしらの関連があるような気がしてならない。

 

 

 

ガラガラッ

 

 

 

「よーし全員いるなぁー」

 

 

このクラスの担任である教子先生が出席をとらずに転校生のことを話し始める。

 

 

「今日は転校生を紹介するぞー」

 

 

先生が廊下で待っている転校生に教室に入ることを促すと、扉を開けて長い金髪の女子が入ってくる。

 

髪色や顔立ちからしてハーフなんだろう。あまり異性に興味のない俺から見ても可愛いと思えるぐらいのルックスだ。

 

彼女は教卓の隣に立つと、俺たちの方を向いて自己紹介を始めた。

 

 

 

 

 

「初めまして!アメリカから転校してきた桐崎千棘です。母が日本人で父がアメリカ人のハーフですが、日本語はこの通りバッチリなので、みなさん気さくに接してくださいね!」

 

 

 

 

 

自己紹介をしたあと、彼女はニッコリと微笑む。

 

次の瞬間、教室が(主に男子の)歓喜に沸いた。

 

 

「うおおおおおおっ!!かわいいいいいいっ!!」

 

「すっげぇー美人!!」

 

「足細ーい!なにあのスタイル!」

 

「ハーフだってよ!あんな可愛い子見たことねぇ!」

 

 

噂通りの美人転校生が来たことで男子が大喜びしているが、俺は一人違うことを考えていた。

 

 

 

(アメリカからの帰国子女でハーフか……ますます何かありそうだ)

 

 

 

ギャングとヤクザの争いが起きつつある中、アメリカから転校してきた女の子。これは何かがあると言ってるようなもんだろ。

 

そんなことを考えていると、さっきとは違う意味で教室が騒がしくなった。

 

 

『ああああああああああっ!!!』

 

 

楽と転校生がお互いを指出しながら大声を出した。

 

そういやさっき女の子に膝蹴り食らったとか言ってたけど、もしかして転校生が?

 

 

「あなた、さっきの「さっきの暴力女!」」

 

 

楽の一言で、教室内の雰囲気が固まった。

 

 

「ちょ!?何よ暴力女って!?」

 

「さっき校庭で俺に飛び膝蹴り喰らわしてきただろ!」

 

 

 

あぁ、やっぱり転校生なのか2メートル以上の塀を飛び越えて楽にジャンピングニーを喰らわせたのは。

 

しかし、あの細い体で飛び越えたのか……人は見かけによらねぇなぁ。

 

それからも口論は続き、楽が「この猿女!」と罵ったところで転校生の右ストレートが炸裂し、楽はぶっ飛ばされた。

 

あの細い腕で楽を殴り飛ばすとは……本当に見かけによらねぇなぁ。

 

 

 

 

 




【あとがき】

原作が最終回を迎えたというタイミングで買って読んでみたらハマってしまい、SSを書いているというこの現状

そんな私は千棘が好きです。金髪・ロング・リボン・ニーハイという時点で嫁確定でした

そんなわけでこのSSのメインヒロインは千棘になります。お許し下さい。


【簡単なオリキャラ紹介】

久堂悠也:目つきも口も悪いので女子から初見でほぼ必ず怖がられる。でも実は良い人

佐藤潤:見た目も中身も軽め。でも根はたぶん良いヤツ
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