ニセコイ~サンカク関係どころではない話し~   作:通りすがりのぬこ様

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第6話:みんなでベンキョウ会2

宮本の提案で俺の部屋で行われることになった勉強会。

 

大きめの長方形のテーブルの両端に俺と楽が、俺から見て斜め右に桐崎が、斜め左に集が陣取り、楽から見て斜め右に小野寺が、斜め左に宮本が座っている。

 

各々が苦手とする科目を勉強しているが、俺は苦手な科目がないから今日出された数学の宿題をやっている。

 

今日の宮本は本当に何を考えてるのか分からんから警戒しつつ、プリントと向き合う。

 

 

「……ねぇるりちゃん、ここ解ける?」

 

 

小野寺が宮本に問題集の一ページを指さしながら訊ねていた。

 

宮本は勉強できる方だからよほど難しくない限りは解けるだろう。

 

 

 

チラッ

 

 

 

「……んっ?どうした宮本」

 

 

小野寺に問題が解けるか聞かれた宮本がチラリとこっちを見てきた。

 

 

「ねぇ久堂くん。ここ小咲に教えてあげてほしいんだけど」

 

「……はっ?」

 

「る、るるるるるりちゃんっ!?」

 

「ごめんね~小咲。私これ全然分かんないから~」

 

 

いや待て。宮本でも解けない問題とか解ける気がしないんだが。

 

 

「で、でもるりちゃんこの前もっと難しそうなの解いてたじゃ――」

 

「いいから行け。ソシテニドトモドルナ」

 

 

小野寺が顔を赤くしながらこっちを見つめてくる。

 

仕方ないとばかりにため息をつきながら少し横に移動すると、申し訳なさそうに隣にやってきた。

 

小野寺が動いたことで楽が羨ましそうな目でこっちを見てきたが無視だ無視。何かあるなら宮本に言え元凶はあいつだ。

 

 

「よ、よろしくお願いします………」

 

「よろしく。で、どこが分からないんだ?」

 

「えっと、ここなんだけど………」

 

 

小野寺が指さしたのは俺でも解ける問題だった。ていうか、この程度なら宮本でも解けるはずなんだが……マジで何がしたいんだあいつは。俺と小野寺を近づけたいのか?

 

 

「えっと、ここはだな―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーそれ、先にαに代入しないと解けないわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか小野寺から見て反対側の隣に来ていた桐崎があっという間に解いてみせた。

 

 

「桐崎、お前なにしてんだ?」

 

「えっ。頭良さそうな宮本さんが解けないっていうからどんな問題かと思って」

 

「今日出された数学の宿題は?」

 

「終わった」

 

「はぁ!?」

 

 

いやいやいやいや待て待て待て待て。あれそんなすぐ解ける問題じゃねぇだろ。俺まだ3割だぞ。あれをあっという間に終わらせるなんてどんだけ頭良いんだよこいつ。

 

 

「桐崎さんって、向こうでは成績どうだったの?」

 

「だいたいAかな?」

 

 

たしか、アメリカも日本と同じ五段階評価だからAは5ってことだよな。つまり向こうではほぼオール5だったってことか。マジで頭良いんだな桐崎って。

 

 

「あっ、そうだ小野寺さん。勉強なら私が教えてあげようか?」

 

「えっ」

 

「おっ、そりゃいいな。桐崎なら俺より頭が良いから頼りになるだろ」

 

「えっ」

 

 

それにそうすれば桐崎と小野寺の二人が仲良くなりそうだしな。桐崎の友達が増えるわけだ。

 

 

「というわけで桐崎、あとよろしく」

 

「OK」

 

 

軽くハイタッチしてから桐崎と場所を入れ替わる。

 

さて、んじゃ宿題に集中して―――うおっ!!ちょっと待て、宮本がすっごい目つきでこっち睨んできてるんだが。これ俺と桐崎のことを睨んでるな。

 

もし視線に殺傷能力があったら一気に10人は殺れるぞあの目は。

 

 

「えっとね、ここはこうして………」

 

「わぁ!すごい解けた!すごく分かりやすいよ!」

 

「えへへっ」

 

 

桐崎は全然気づいてないな。まぁ気づかない方がある意味幸せかもな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十分が経ち、俺は用を足しに1階にあるお手洗いへ向かった。

 

すっきりしてから戻ろうと廊下を歩いていると、女がよく背負ってる小さめのリュックを背負った姉貴とすれ違った。

 

 

「どっか行くのか?」

 

「ちょっと涼美屋で和菓子買ってくる」

 

「そんなに食べたいか和菓子………」

 

「食べたいの!というわけでいってきまーす」

 

 

そして、姉貴は和菓子を求めて旅立っていった。

 

無駄にバイタリティの高い人だよほんと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の部屋に戻ると、桐崎以外の4人の姿がなかった。

 

 

「あれ?あいつらは?」

 

「ダーリンなら舞子くんを、宮本さんなら小野寺さんを連れ出してどこか行っちゃったわよ」

 

「マジか」

 

 

集たちはどうでもいいが、小野寺を連れ出したという宮本が気になるな。

 

またなにかしらしてきそうな気がする。

 

 

「ところで桐崎」

 

「なに?」

 

「桐崎って何か苦手なこととかあるのか?」

 

「どうしたのよいきなり」

 

「いや、勉強も運動もできるとなると苦手なことがないのかと思って」

 

 

世の中には文武両道という言葉があるが、これが当てはまるヤツはあまり多くない。

 

勉強が得意なヤツは運動が、逆に運動が得意なヤツは勉強が苦手だったりする。

 

しかし、桐崎みたいに両方できるヤツも多くはないが必ずいるわけで。そういうヤツを見ると「こいつって苦手なことあるのか?」と思ってしまう。

 

 

「苦手なこと……ないといえばウソになるけど」

 

「へぇ。桐崎にもあるのか苦手なこと。……あっ」

 

 

そういえばこいつ、この間の調理実習の時にいろいろやらかしてたな。

 

楽が途中で手を貸したおかげか、見た目はアレだけど味は美味いという奇跡のケーキができてたが、あれ楽が手を貸してなかったら調理室で文字通りの意味での飯テロが起きてたんじゃ。

 

 

「なによその目は」

 

「いやなにも」

 

 

そうこうしていると、席を外していた4人が戻ってきた。

 

俺は桐崎との会話を切り上げ、残りの宿題を片付けるべくノートと向き合う。

 

桐崎がジト目で見てくるが全力で無視だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勉強を再開してしばらくすると、小野寺がチラチラと見てくる。

 

勉強に集中したいが気になってしょうがないので、シャーペンを置いて一時中断。

 

 

「どうした小野寺」

 

「えっ!?えっと……その……く、久堂くん!」

 

「だからなんだよ」

 

「そのね……古文で分からないところがあるから、教えて欲しいんだけど………」

 

「古文で?」

 

 

小野寺のやつ、数学の勉強してたんじゃ……いや何を勉強しようがその人の自由か。

 

しかし古文か……さすがの桐崎もこれは教えられないだろうな。むしろ教わる側だろう。

 

今いる面子では宮本が一番得意なはずなんだが、その宮本は黙々と勉学に励んでいる。

 

断ったらめっちゃ睨まれるんだろうなぁ今日の宮本の傾向からして。てかそもそも断る理由がないしな。

 

 

「分かったからはよ来い」

 

 

左隣の畳を軽く叩く。

 

さっきと同じく、申し訳なさそうにやってくる小野寺と羨ましそうな目でこっちを見てくる楽。

 

羨ましいならもっと勉学に励め。そして俺を超えてみせろ。

 

 

 

しかし、小野寺に古文を教えててふと思ったんだが、今教えてるところが分からないってかなりやばいと思うんだが。

 

まだ高校生活始まったばかりだけど、このまま行くと進級できない可能性がある……そんなレベルだ。

 

そういえば、小野寺って結果的に繰り上げ合格で凡高へ進学できたが試験自体は落ちてたんだよな。

 

……大丈夫かこいつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小野寺に古文を教え始めてから約30分が経つ頃。空模様が徐々に悪くなってきているので、今日はこれでお開きということになった。

 

 

「久堂くん、今日はありがとう」

 

 

玄関まで向かっている道中で小野寺から例を言われた。

 

 

「礼を言われることじゃない。また分からないところがあったら教えてやっから」

 

「えっ。いいの?」

 

「ああ」

 

 

進級的な意味で心配になってきたからな。

 

 

「それじゃぁまた明日ー」

 

「おう。学校でな」

 

 

玄関でみんなを見送ったあと、俺は自分の部屋へ戻る。

 

小野寺に勉強を教えてたからまだ宿題が残ってるが、もう8割は終わってるから集中してやればあっという間に終わるだろう。

 

 

 

そして数分後。宿題をやり終えて横になった直後、玄関のチャイムが鳴った。

 

玄関へと向かい、戸をガラガラと開けると―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――あれ?桐崎?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰ったはずの桐崎がいた。

 

 

 

 

 




【あとがき】

原作ではバカというイメージがあまりない小野寺だけど、頑張らないと凡高に受からないって相当だと思うんです

しかし、実はおバカさんな小野寺も可愛いと思うのです

ところで、頂いた感想の中に「小野寺ルートに進みそう」というがあったのですが、安心してください。進みませんよ

個人的にオリ主と千棘の関係だけをメインに扱っていくと味気ない気がするので、タイトル通り三角関係どころではない感じでやっていきます

また大分先の話になりますが、本編が完結したあとはIF的なお話として他の女の子のルートも書きたいと思ってます

予定では千棘以外の鍵持ち3人と鶫・るり・春・風ちゃんの4人、つまりほぼ全員分書くつもりです

しかし、予定はあくまで予定ですので。本編の途中で書きたくなったら書くかもしれません
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