模型新世紀ガンプラガールズ   作:ひびきすぱいく

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模型新世紀ガンプラガールズ第9話 「君に、ありがとう」

・模型新世紀ガンプラガールズ第9話 「君に、ありがとう」

 

模型店のステージ、クラフトマンの内部に現れたガンプラは。

元祖ガンプラ作品、プラモ狂四郎のパーフェクトガンダムとレッドウォーリアだった。

パーフェクトガンダムは重武装が目を引き、装甲も強化されている。

レッドウォーリアは対照的に無駄な武装を省き、機動力を上げた改造ガンプラ。

両機とも初代ガンダム、RX78をベースとしている改造ガンプラだ。

「要するに、この二機やっつければ良いんだよね?」

「そーだけど、一筋縄でどーにかなる相手じゃないっ!」

小鳥が言うと、直後にレッドウォーリアがバーニアを吹かし、瞬時にビギニングJDに迫る。

「早いっ!」

ビギニングJDも天零王もスピードに秀でたタイプではないので、対処は難しい。

レッドウォーリアは胸部に収納されたミサイルをビギニングJDに向けて放つ。

「きゃっ!」

ビギニングJDは咄嗟にシールドでミサイルを防ぐ。

だが、その背後からパーフェクトガンダムはシールドの裏からグレネードを取りだし、それをビギニングJDに向けて投げる。

「そっれぐらい!大丈夫!」

ビギニングJDは咄嗟にJソードを抜き、グレネードを切り捨てる。

「!?」

だが、そのグレネードには予想外の物が入っていた。

中身は爆薬ではなく蛍光塗料で、切り捨てた瞬間に中身の塗料がビギニングJDに浴びせられる。

プラモ狂四郎の劇中ではパーフェクトガンダムのシールド裏の武器は機雷の時もあり、グレネードの時もあるから何が搭載されているかはわからない。

純子の判断は間違えではないが、今回の判断は裏目に出た。

ビギニングJDの右腕が塗料に覆われてしまう。

このままならば、物陰に隠れてもバレてしまうだろう。

「ことりん離れて!蛍光塗料で天零王の場所までバレちゃうっ!」

「じょーだんでしょ?あんたをほーちするぐらいならアタシは負けても良い!

守ってあげるから感謝なさい!」

小鳥は純子の言葉に対し、こう返す。

その言葉に純子は胸が熱くなるのを感じる。

「ことりん…」

純子が小鳥の言葉を受け止めているが。

空気を読まずにパーフェクトガンダムの背中のキャノンから強力な水鉄砲が放たれる!

ただの水だとは思えない圧倒的な圧力!

咄嗟に天零王はビギニングJDを突き飛ばし、割って入る。

「綺羅鋼防御光!」

天零王のボディは光を発生し、防御の光をボディにまとう。

「防ぎきれないっ!」

だが、水圧でダメージは受けてしまい、吹き飛ばされる。

「ありがとことりん…きゃっ!」

ビギニングJDと天零王は激突し、わずかにダメージを受ける。

「いったた…さっすが元祖オリジナルガンプラ!」

小鳥はパーフェクトガンダムの強さを見て、胸が熱くなっていた。

「パーフェクトガンダムにはいろいろ特別な武器があるから気をつけて!」

小鳥はプラモ狂四郎を読んでいるため、パーフェクトガンダムには宇宙世紀のガンダムからは想像出来ない独自の武装を持っている事は理解していた。

「おっけー!」

瞬時にレッドウォーリアがビギニングJDの懐に飛び込む。

純子は咄嗟にビギニングJDにビームサーベルを抜かせる。

お互いのサーベルが激突し、ビームの粒子がぶつかり合う。

ビギニングJDのサーベルは3本のため威力はレッドウォーリアを超えている。

完全に押されているとCPUは判断したのかレッドウォーリアは距離を取る。

バズーカを放つ、その弾丸の弾速は速かった。

「きゃっ!」

ビギニングJDはシールドを構え、ミサイルを受け止めるがシールドは砕け散る。

「つ、強いっ!シンプルなのに!」

今のフィールドにはレッドウォーリア以外重装備、重装甲の機体が揃っている。

それだけに、レッドウォーリアがシンプルな武装ながらもあれだけの強さを持つ事に目を引く。

純子はとにかく強そうな武装を持ち込むタイプなので、自分とは対称的な相手だ。

純子の戦い方も間違えではない、戦闘スタイルに正解も不正解もない。

レッドウォーリアの隙を突き、背後から天零王が迫る。

「隙ありっ!」

重量を込めた上に磨き抜かれた刀の一閃!レッドウォーリアはシールドでそれを受け止める。

一瞬金属がぶつかる音がしたが、シールドは腕ごと切り捨てられる。

「あ、ありがとっ!ことりん!」

「あんたがスキ作ってくれたから出来たんだよ」

小鳥の渾身の一撃は、純子がレッドウォーリアの目を引き付けたから出来たのだろう。

天零王の眼前に、パーフェクトガンダムが迫っていた。

パーフェクトガンダムはビームサーベルを構え突撃して来る。

「そう来なくっちゃね!」

天零王は刀でビームサーベルを受け止める、刀とビームサーベルがぶつかり合う。

刀には何かをコーティングしているのか、ビームサーベルとの鍔迫り合いをこなしていた。

お互い重量系、ボンボン出身のガンプラ漫画出身と言う共通点がある。

二機の一撃は重く、刀とサーベルがぶつかる度に周囲が振動する。

「流石!だけどアタシも!負けない!」

天零王は二本の刀を振り上げる。

だが…パーフェクトガンダムはその一撃をシールドで受け止めていた。

シールドは真っ二つになり破壊されるが、それが逆に小鳥にとって仇になった。

「なっ!?」

シールドは破壊され、シールドに装備されていたグレネードが爆発し、周囲は爆風に包まれる。

刀の一本も吹き飛ばされてしまう。

小鳥はパーフェクトガンダムを見失う。

天零王の視界の前には、ビームサーベル二本を構えたパーフェクトガンダムがいた。

パーフェクトガンダムは二本のビームサーベルを振りかぶる。

直撃すれば天零王と言えど装甲はタダでは済まないだろう。

「えっ?」

だが、その一撃は天零王へは届かなかった。

ビギニングJDは三本のサーベルでパーフェクトガンダムの一撃を受け止めていた。

左腕を使い、Jソードを抜く。

「でいやあっ!反撃だあっ!突きいっ!」

純子はその一撃に気合いを込めた。

Jソードはパーフェクトガンダムの装甲に刺さるが、致命傷になる寸前にパーフェクトガンダムは追加装甲を外す。

そのせいで胸部の追加装甲は失われている。

「ふう助かった、ありがとね、よーじょ」

「幼女言うなー!」

純子は小鳥の真似をして抗議する。

「な、何パクってるんだよ!?」

そんなやりとりをしていると、レッドウォーリアがビギニングJDと天零王に迫る。

「ことりん使って!」

純子は手短に言うと、ビギニングJDが刀が一本だけになったレッドウォーリアにJソードを手渡す。

「ありがと!」

小鳥は純子が武器を渡してくれた事に胸が熱くなる。

小鳥は知らないが、Jソードの事で純子と瑠花は内輪揉めを起こした事がある。

その事を反省したのか、以前より純子は少し寛容になっていた。

ビギニングJDは単純な機動力でレッドウォーリアに勝ち目がないため。

周囲のプラモの箱などを瞬時にアスレチックの要領で飛びうつって行く。

「せいっ!」

気がつくとレッドウォーリアより上部にいるビギニングJDは、巨大な1/60ドムの箱をレッドウォーリアに向かって落とす。

レッドウォーリアはバズーカを何発も放ち、ドムの箱を粉々に打ち砕く。

だが!その先には予想外の存在がいた!

「へっへーん!かかったね!」

なんと!ビギニングJDはドムの箱の中にいた!

先程投げつけた瞬間、ビームバルカンと拳で穴を空けて箱の中にいたのだ!

箱によりダメージは多少軽減しているが、バズーカのダメージは受けていた。

「そ!そんなバカげた戦法!?」

小鳥は予想外過ぎる戦術に驚愕していた。

「ガンプラは自由だよ!ことりんっ!」

ビギニングJDはロングライフルに渾身のエネルギーを込める!

「純子流!超!電撃あたーっく!!」

電撃のエネルギーがレッドウォーリアに襲い掛かる!触れたら最後!周囲のプラモの箱も砕ける程の破壊力!

レッドウォーリア自体もそのエネルギーの前に回避が追い付かず、撃墜された。

「こっちも負けてられないっ!」

ビギニングJDの動きを見てが火が付いたのか、天零王もパーフェクトガンダムに突撃する。

炎こそ纏わないが、純子が渡してくれたJソードも心強い。

パーフェクトガンダムは腕のビームガンを放つ。

「綺羅鋼!防御光っ!」

ビームの粒子が迫る直前に、天零王は光を迸らせ、ダメージを軽減する。

パーフェクトガンダムは負けじと水鉄砲を放つが、天零王は重いボディでもギリギリで回避していた。

「危ない危ない…これで!おしまいっ!」

天零王は天空に舞い、光を迸らせる。

右手に刀、左手にJソードを構え、一撃に全てを込める!

「必殺っ!綺羅鋼閃空斬っ!!」

光に包まれた全力の一撃は、パーフェクトガンダムに炸裂した。

パーフェクトガンダムは砕け、勝敗は決まった。

 

 

「あたしはスピード重視してるけど、重いボディでもそんな戦い方があったなんて…」

瑠花は自分とは全く正反対の戦闘スタイルの小鳥の戦いを見て関心していた。

いざと言う時に装甲とバリアを活かし、自分だけではなく味方も守る戦法。

個々の戦い方から学ぶ物がある、それがガンプラバトルだ。

純子も瑠花もJソードには苦い思い出があるが、それはあえて口には出さなかった。

「うん、わたしと伊佐美さんのガンプラはスピードタイプだからね」

優は机の上のAGE2ダブルバレットとLOダガーを見て言う。

「それにしても、地の利を活かしたと言ってもあの戦法は」

「予想外過ぎました…」

ビギニングJDが最後にドムの箱を投げつけ、更に自分が箱の中に潜む、予想外過ぎる戦法!

相手がガンダムの常識に囚われない戦い方をしたから自分がそれを超える無茶をする。

ある意味利に叶っているとも言える。

「常識に囚われないでほしいなー、相手が何して来るかわかんないんだから!」

純子は褒められているのか呆れられているのかわからない評価に不満をもらす。

「でも、あんただから出来た事でしょ、他の人にはむりっ!」

小鳥がポンと純子を軽く叩く。

「ことりん、ありがとっ!」

「独創性も大切です」

セツも純子の戦法を買っていた。

「いろいろチャレンジするのが純ちゃんだよ、昔からね」

優は柔和な口調で言う、昔純子とした事を思い出していた。

「さて、わたくし達もフィールドに赴きましょうか」

セツの手には、ガンダムノーブルがあった。

「うんっ」

優もそれに答える、短いけれど、力強い返事だった。

 

 

戦艦のカタパルトから、AGE2ダブルバレットとガンダムノーブルが飛び出す。

「星河優、ガンダムAGE2ダブルバレット、行きますっ」

「セツ、ガンダムノーブル、行きます!」

「バトル!れっつごー!」

優はセツとの共闘で気持ちが高ぶっていた。

セツは優の『れっつごー』と言う言葉を聞いて疑問を感じていた。

「れっつごー、ですか?」

「あ…」

優は改めて恥ずかしくなり、顔が赤くなるが、セツは優しく笑う。

「いえいえ、気合いが入るので、よろしいと思います」

「あ、ありがとうっ」

優もセツに釣られて笑顔になる。

ダブルバレットとガンダムノーブルは宇宙空間にいた。

その宇宙空間は異質で、宇宙空間の中に雷が轟いている。

セツはその光景に見覚えがあった。

「まさかこれは…」

ガンダムサンダーボルトの序盤の舞台、 『サンダーボルト宙域』だ。

宇宙を飛んでいると、二機の間にミサイルが飛んで来る。

「わっ!」

そのミサイルの数は雨のように多かった、優はダブルバレットを変形させようと試みるが。

ただ数が多いだけではなく、独自の弾速を描きながら飛んで来る。

そのため回避は難しい。

優はとっさにダブルバレットにシールドを構えさせ、ミサイルをガードする。

シールドは砕かれ、爆風が舞う。

対するセツも回避とシールドでのガードをしていたが、セツのシールドは強固でなかなか砕けない。

そこに優とのガンプラの完成度の差が明確に現れていた。

「なかなかの攻撃です!ですが!リリービット!」

セツはリリービットを使い、ミサイルを的確に打ち緒としていた。

「きゃっ!」

ダブルバレットにミサイルが迫る、優は撃ち落とそうとドッズライフルを撃つが、ギリギリのラインで外してしまう。

「リリービット!」

ガンダムノーブルはリリービットを使い、ダブルバレットに迫るミサイルも打ち落としてす。

優はセツの的確な援護に舌を巻いていた。

「ありがとう、セツさんっ」

優がセツに頭を下げると、迫る二機のガンプラが見えた。

それは武器を大量に背負っていて、幾多のブースターを装備しているガンプラである事だけはわかる。

二機共に、大量の武装と追加ブースターを装備している事がわかる。

シルエットは武器とブースターの影響で巨大に見える。

シルエットが見えた瞬間、フィールドにジャズの音楽が流れる。

「ジャズ?戦場で」

優は何故ジャズが流れるのかが疑問だった。

対照的にセツは何かを確信した様子だ。

「お相手、理解いたしました!」

そのガンプラは猛スピードでダブルバレットに迫る!

「っ!?」

優はダブルバレットにサーベルを構えさせ、そのサーベルの一撃を受け止める。

ダブルバレットの完成度が低いため、ダブルバレットが押されていた。

AGE2に向かって来たガンプラはサンダーボルト版のFAガンダムだった。

「さっき見たガンダムっ!」

優はコントローラーを操作し、ダブルバレットの肩部キャノンを放つ。

だがFAガンダムはそれを紙一重で回避する、お返しと言わんばかりにFAガンダムも背部のキャノンを放つ。

ビームの粒子がダブルバレットに襲い掛かる。

優もそれをギリギリのラインで回避したが、角が片方溶けてしまった。

「て、手強いっ!」

対するセツは、赤い重武装のザクと交戦していた。

ガンダムノーブルも赤いザクもスピードが速いため、周囲のデブリもその戦いに巻き込まれ粉々に砕ける。

「やはり!このガンプラですか!」

セツの相手は予想通りガンダムサンダーボルトのサイコザクだった。

原作では残酷とも言える程の独特の操縦方法と。

ザクでありながらFAガンダムと相打ちに持ち込む程の戦闘力から強烈な印象を植え付けたMSだ。

サイコザクは斧状の武器、ヒートホークを振りかぶる。

対するガンダムノーブルは槍を使い、ヒートホークの一撃を受け止める。

金属同士がぶつかり合う度に金属音が聞こえ、火花が散る。

ガンダムノーブルは槍でなぎ払い、難なくヒートホークを弾き返す。

ガンダムノーブルは自作のライフル2丁を取り出す。

それはフランスの決闘用銃のように美しい紋章が随所に刻まれていた。

「これが自慢のライフルです!」

1/144サイズのガンプラとは思えない程精巧に出来ていて、一丁は実弾ライフル、もう一丁はビームライフルだった。

「行きます!」

サイコザクはザクマシンガンを構え、背部のサブアームにはザクバズーカを構えている。

激しい撃ち合いが始まる、サイコザクはマシンガンとバズーカを撃ち続け。

ガンダムノーブルは二丁のライフルとリリービットを使い、サイコザクに攻撃を続ける。

段幕の雨が舞い、周囲が爆風に包まれる。

ガンダムノーブルはほとんどの攻撃を回避していた。

マシンガンを寸前で回避し、バズーカも打ち落としていた。

アクション映画のようにアクロバティックに飛び、サイコザクに銃弾を浴びせる。

一撃一撃が鋭く、サイコザクは大きなダメージを受け、左腕が失われている。

「あと一息…ですがっ!」

だが、相手はサイコザクなのでセツは油断していなった。

サンダーボルトの劇中では撃墜寸前まで追い込まれたが、FAガンダムと相打ちにまで持ち込んだ機体だから…

サイコザクはサブアームを使い、ロケットブースターが内蔵されている実弾武器、シュツルムファウストをガンダムノーブルに放つ。

「見えます!」

ガンダムノーブルは寸前で回避したが、その直後にサイコザクが迫る!

ヒートホークをガンダムノーブルに向かって振りかぶる、今の姿勢では回避は困難だ。

「!!」

セツは回避を試みるが、そのヒートホークのスピードは速い。

だが…その瞬間…

サイコザクにダブルバレットのキャノンが直撃した。

ビームが当たり、ブースターの一部が破損する。

優がサイコザクの僅かなスキを見つけ、狙撃したのだ。

優の援護が無くてもヒートホークの一撃を回避出来たかは、誰にもわからない。

だが、優のおかげで優位に立てた事に感謝していた。

「ありがとうございます!星河さん!」

ガンダムノーブルはサイコザクに向けて槍を構える。

槍にエネルギーがチャージされ、エネルギーの余波で空間も歪む…

強力なエネルギーはどんどんと槍に蓄積される…

「必殺っ!ノーブルランサー!!」

巨大な光のエネルギーと強力な槍の一撃がサイコザクに炸裂する!

サイコザクはその一撃を受けきれず、撃墜された。

「ふぅ…」

セツはFAガンダムを撃墜出来た事に安堵する。

結果的にはガンダムノーブルは無傷だったが、一筋縄では行かない相手だった、

 

「えいっ!」

AGE2がビームサーベルをFAガンダムに向かって振りかざす。

だが、FAガンダムはサブアームを器用に使い、ビームサーベルを受け止めていた。

FAガンダムもビームサーベルで反撃する。

「んっ!」

AGE2は機体を後ろに反らせ、寸前でビームサーベルを回避する。

その直後に、AGE2はストライダーフォームに変形する。

だが、FAガンダムは変形のスキを見逃さなかった。

二つの破壊の閃光が迸る。

AGE2が変形する寸前に2連ビームガンを放ち、AGE2の右足を撃ち抜いていた。

「え!?」

優はその事態に困惑するが、立ち止まる方が危険と察して、AGE2を加速させる。

宇宙を飛び回るAGE2に対し、FAガンダムも手を休めず、残りのミサイルもビームガンも背部ビーム砲も発射し続ける。

「わ!わわっ!」

優もギリギリで回避を続けるも、直撃ではないにしろAGE2もミサイルの爆風に巻き込まれて爆風のダメージを受けてしまう。

段幕の嵐と的確な対処により、優は攻めあぐねていた。

「やっぱりっ…勝ちたいっ!」

優の調子は突然変化した、AGE2の動きが鋭くなる…

FAガンダムの放つ弾幕を紙一重で回避して、どこから何が来るのかが見えているような感覚を感じる。

ミサイルを回避した直後にビーム砲が来る!直撃したら終わる!だけど動きが見える!回避出来る!

ミサイルが飛来した直後にAGE2は上空を舞う。

そしてそのままのスピードで、FAガンダムに迫る。

その合間にガンダムノーブルのリリービットが割り込む。

FAガンダムに近づき、サブアームを破壊し、シールドも使用不可能になる。

これでAGE2はシールドの影響を受けずに攻撃する事が可能になる。

「ありがとう、セツさん!」

AGE2は一瞬でMS形態に変形する。

そして、ビームサーベル二本を抜き出し、ダブルバレットのビームサーベルも二本機動させる、四刀流の構えだ。

「やあっ!!」

全てを打ち砕く閃光の一撃をFAガンダムに向かい振りかざす!

「え!?」

その破壊力はセツすら目を見張る程だった。

追加装甲ごとFAガンダムを貫通し、打ち砕いていた。

追加装甲すら砕かれ、FAガンダムは爆発する。

FAガンダムの装甲は強固であり、並大抵の事では砕けない。

それなのに一撃でそれを打ち砕くどころか、撃墜までしてしまう。

「やはり、星河さんは侮れませんね」

セツは優の先程の活躍を見て、気分が高揚する。

先程の尋常ではない動き、予想外の攻撃力、セツにとっては自分のモチベーションを更に高めてくれる相手だ。

 

「はあ…はあ…」

優はバトルを終え皆の目の前に姿を見せた、古都子とバトルした時と同じように息が荒く、汗も出てしまっている。

「あらあら、優ちゃんタオルタオルっ」

「ほら、飲みなさいよ」

純子がタオルを差し出し、瑠花がスポーツドリンクを差し出す。

「あ、ありがとう…」

優は仲間達の気遣いに胸が熱くなっていた。

安心出来るだけではなく、心地よい疲労感と充実感に包まれていた。

「優ちゃんさー、せっかく可愛いんだから汗ふかないとー」

純子がさらっと優の事を褒める、優が顔を赤くして慌てるので。

瑠花もイタズラっぽく笑い、それに便乗する。

「そうそう髪みだれてたら台無しよ、可愛いんだから」

瑠花は優の乱れている髪を直す。

「あ…あ…」

優は可愛らしいけれどあまり目立たないタイプなので、クラスでも美人の純子や瑠花に褒められるとどこか恥ずかしくなってしまう。

更に里依もそれに便乗する。

「そうです!お姉ちゃんは可愛いです、いいこいいこです」

里依は何故か優の頭を撫でる。

「ち!ちょっと!恥ずかしいよっ!」

身内だけなら別に褒められても恥ずかしくはないが、セツ達がいる時にそれは恥ずかしい。

セツ達も楽しそうに笑う。

「ふふっ、星河さん、先程の動き素晴らしかったです、驚きました」

「そーそー、アタシでもあんな動きされたら対処は難しいかな?」

ハイリトルベルの面々はAGE2に機体性能を劇的に上げるシステムがないのに。

いきなりAGE2の動きが劇的に上がった事に驚いていた。

「えっとね…頑張ったらあの動きできちゃったんだ」

本当は優の動きが明らかに変わった時は、優の感覚がほとんどゲームのみに全て集中されていた。

外の事が全く見えずに。

だけど、それを言うと心配をかけてしまうかもしれないので、あえて詳しくは言わなかった。

「珍しいですね…自力でのパワーアップとは」

鈴は優が未知の戦法を使用した事に驚きを隠せなかった。

ダブルバレットの動き自体にはまだ荒さがあるが、目を見張る程のスピードだった。

しばらくすると真由が姿を現した。

その真由の姿は、またもや異質だった。

「あ…っ!」

「かわいー!」

「背中空いてるので男性客の前ではやめた方が良いと思います」

「自由にその格好出来るの、少し羨ましいです」

「アタシは人の趣味はとやかく言わない…」

「その格好で外には出ない方がよろしいかと、少し卑猥です」

「わあ!きれいですっ!」

それぞれが真由の格好を見て反応する、瑠花と鈴はやけに冷静だった…

真由はいつの間にかイオのコスプレから、ガンダムSEED Destinyのステラのコスプレに変わっていた。

金髪のウィッグも付け、胸元が空いた女の子らしい服装になっている。

真由はガイアガンダムを使うつもりなので、ステラのコスプレをしているのだろう。

真由は愛機のガイアガンダムを手にし、モニターを向く。

「里依ちゃん、私達の番だよ」

里依は無垢な笑みを返す。

「はいですっ!」

里依は皆の戦いを見て胸が熱くなるのを感じていた。

とにかく待ちきれない!遊びたい!そんな表情だった。

 

戦艦のカタパルトにガイアガンダムとシルバーハウンドが現れる。

「ガイアガンダム、行くよ」

「里依!シルバーハウンド出るですっ!」

宇宙空間にガイアガンダムとシルバーハウンドが舞う。

優たち、セツたちも、それを笑顔で見守っていた。

何か競える、熱くなれる楽しい事がある。

その道の道のプロから見ればレベルも大した事ない戦いかもしれない。

だけど、それは彼女達にとってはかけがえのない物だった。

 

 

帰宅後、優の胸中は嬉しさと戸惑い、両方の感情が入り交じっていた。

セツと別れ際に言われた言葉がある、その言葉に優は胸を打たれた。

その言葉は『また一緒に戦える事を楽しみにしています、星河優さん』と言う言葉だ。

『セツほどの人が優を認めてくれた』それが嬉しかった。

自分の机の前に座り、ボールペンを手に取り、便箋と向き合う。

日記を書くタイプではないが。

便箋に何かを一生懸命書いている。

何度も何度も書き直して、想いを便箋に紡ぐ。

優の手紙には、こう書いてあった。

 

 

AGE2、いつもありがとう。

君と出会ってから、楽しい事が沢山出来たよ。

わたしは負けて悔しい事とかあったけど、君はどう思ったのかな?

わたしはね、もっと強くなりたい、かな?

だってガンプラバトルで競い合うのは楽しいから。

君がイヤなら無理はさせないけど、君が良いって言うならわたしに付き合って欲しい。

わたしは夢中になれる事を見つけたから、とことん楽しみたい。

そう思ってるから、ただ、これだけは言えるかな?

君に、ありがとう。

 

「よし!もっと頑張らないとっ」

 

優はAGE2を見て決意を固めていた。

AGE2に電灯の光が当たり、優に答えるかのように煌めいた。

 

 




作品のデータを見ると、拙い僕の作品を読んで下さるだけではなく。
ポイントまで下さる方がいらっしゃるのですね、本当にありがとうございます!嬉しいです!
感謝ですね、作品書いた手応えがあります。
さて、前回告知したように、今回でガンプラガールズはひとまずの終了です。

振り返るとサブキャラをもっと活かすべきでした。
真由は今回コスプレネタやりましたが、毎回コスプレするぐらいはっちゃけた方が面白かったですね。
1話でアセムやウルフの格好で出てくるとか。
スポーツ回で剣道着を着ながらドッジボール持つとかで。
やっぱり設定とか練り込んだ方が良かったです。
古都子の事も2話で思い付いて、一香や千乃と組んで出てくるとかにしたほうが面白いかったかも。

今作の敗因ですが、単純に僕の力量不足と、サイトのカラーに合ってない事などだと思っています。
一応の最終回ですが。
人気がないのでモチベーションに限界が来た…と言う個人的な理由です、すいません。
今回ライバル関係に決着をつけないで終了してます。
純子や瑠花ともかく、まだ優が今の段階でセツに追い付くのは無理だという事で。
今回当初の予定から話を大分変えてますね。
始めはガンプライブみたいなお祭りの予定でしたが、ライバルと共闘した方が面白いかな?と思いましたので。

あえて「つづく」とも「おわり」とも書いてないので。
何か機会があったらまた再開出来ますように…と願いを込めてます。

ガンプラガールズでも他の作品でも何か機会があれば、またお会い出来る事を願って。
響鬼ぎゅねいでした。
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