模型新世紀ガンプラガールズ   作:ひびきすぱいく

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今回書きたいネタあったので、久々の更新ですね。
一人称の小説なので、番外編で。
少し不思議な話で、いつもと少しテイストが違います
本編の再開は未定ですが。やりたいネタありましたので、悔いがないようにある程度やっちゃおうと。


模型新世紀ガンプラガールズ番外編「忘れられるよりも」

・模型新世紀ガンプラガールズ番外編「忘れられるよりも」

 

 

今回話すのは、ある日に起こった不思議な事。

物に込められてた想いが起こした、不思議な出来事…

 

 

わたしの目の前には、市街地が広がっていた、その市街地はコロニーの内部って設定だった。

『設定』って言うのは、今わたしがやってるのは遊びの一つ、ガンダムのプラモデルを使って架空空間で戦う遊び、ガンプラバトルだから。

アニメで出てくるように、ゲーム内でガンプラを操縦する遊びだよ。

わたし自身も今、ガンダムのガンプラ、ガンダムAGE 2ダブルバレットを操縦してる。

わたしの名前は、星河優(ほしかわゆう)、特に目立つところも取り柄もない、平凡な中学生。

友達の純ちゃん(南澤純子ちゃん)、伊佐美瑠花さんと一緒にガンプラバトルで遊んでる。

純ちゃんが使うガンプラはビギニングガンダムJとDをミキシングしたビギニングJDガンダム。

伊佐美さんが前に使った事もある重装甲のガンプラ、ジムストライカー。

ジムストライカーはオレンジ色になっていた。

そのガンプラでわたし達はガンプラバトルで戦っていた。

「せいっ!」

わたしがAGE2を操縦すると、AGE2はビームサーベルを振りかざす。

ビギニングJDもビームサーベルを瞬時に抜いて、その一撃を受け止める。

ビームの閃光が迸り、その波動がぶつかり合う。

「なかなかっ!でも純子も負けないよ!」

とっさにビギニングJDのスカートの部分が開く、わたしはとっさにAGE2を右に移動させる。

予想通り、AGE2のスカートに仕組まれたビーム砲からビームが発射される。

それを見越してだよ、さっき移動したのは。

「これはかわせるかしら!」

だけど、わたしがビームを回避した直後に、ジムストライカーからマシンガンが放たれる。

ガンプラの出来が良いのもあるけど、マシンガンの弾速は目を見張る物があった。

「きゃっ!」

わたしはシールドでマシンガンをガードする。

シールドはあっと言う間に穴が空いて、砕けてしまう。

「シールドは壊れちゃったけど、なかなか上手いじゃん!優ちゃん」

わたしは純ちゃんに褒められて、嬉しくなっちゃう。 

「ありがとう、純ちゃん」

確かにわたしは初めの頃より大分ガンプラが上手くなったと思う。

手応えとかも出てきた。

でも、まだまだ未熟だから、もっと強くなりたい、そう思った。

 

わたしがそう考えてると、モニターに赤い文字が表示され、警告音が響く。

「なんで!?今はネットワークにも繋いでないし、機械の周囲にはわたし達以外いないハズなのに!」

その時のわたしはそう思った。

「な、何よこれ!?」

伊佐美さんも驚きの声をあげる。

それと同時に、バトルマシーンを外部で操作している真由さんから通信が入る。

「みんな!システムが変なの!危ない事とか特にないと思うけど、イヤならゲーム止めて戻ってきて!」

真由さんの声は必死だった、今はなにがあったか知ってるけど、その時は本当に一体何が起こったのかわからなかったから。

「何故か乱入表示出てますけど、誰も来てないんですよね?」

わたしが疑問をぶつける。

「ええ!そうよ!私でもないから」

それなら…一体どうして…

「うーん、危なくないなら純子は戦ってみたいな、純子はゲーム続けるー!」

そんな疑問を打ち破るかのような、純ちゃんの無邪気な声。

ふふっ、純ちゃんらしいな!楽しい事が第一ってのは。

わたしは純ちゃんの言葉で、決意した。

「純ちゃんがやるなら、わたしもやるよ」

わたしは純ちゃんに付き合う事にした。

「なっ!?星河さん!?南澤さん!?

しょうがないわね…あたしも付き合ってあげるわよ!チームだから」

伊佐美さんは少し照れながら言う、あはは。

素直じゃないけど、きっとわたしと純ちゃんの事も、考えてくれてるんだね。

バトルしたいのもあったと思うけど。

わたし達の目の前に、一つの敵機が迫ってくるのが確認出来る。

その敵機は、白くて細身のボディを持って、大きなスラスターが背中にあって。

二本の剣を携えるMS 、ガンダムバエルだった。

「バエルか!いくよ!」

純ちゃんが操作すると、ビギニングJDは二本のJソードを構えてバエルに突貫する。

バエルも同じように二本のバエルソードを構える。

お互いのソードがぶつかり合って、火花を散らし、金属が激突する音が響く。

お互いに単調な動きじゃ終わらなくて、

なぎ払いや突きも織り混ぜている。

お互いに突きの一撃を繰り出すと、ビギニングJDとバエルの頬の部分がお互いに僅かに削られる。

バエルは僅かなスキを見つけてバエルソードで斬りつける。

だけど、ソードとは別の音が響く。

「なんのなんの!」

ビギニングJDはシールドを使って、バエルソードを受け止めていた。

シールドには斬撃の軌跡が残されて、大きく破損していた。

「強い!だけどっ!」

ビギニングJDはおおきく振りかぶって渾身の一撃を繰り出したけど、それはバエルソードに受け止められちゃった。

だけど、そのパワーでバエルの姿勢は崩れる。

「すごい…」

わたしはその剣術の応酬に見とれていた。

ビギニングJDがバエルに向かってJソードを振りかざす、トドメのチャンスだね!

だけど、上空からビギニングJDにミサイルが迫っている!

「純ちゃん!」

「え!?」

純ちゃんは慌ててビギニングJDのバーニアを吹かして、その場から待避する。

ビギニングJDの周囲でミサイルは爆発し、紙一重でミサイルは回避出来た。

だけど、それだけじゃ終わらなかった!

ビギニングJDの頭上からビームが飛来する!しかも高密度のビームが二本も!

わたしは咄嗟の出来事に、言葉を失った。

「南澤さん!」

ビギニングJD にビームが当たり、爆発する。

「え?きゃあっ!」

ビギニングJDの周囲が、爆風に包まれる。

ま、まさか…

わたしはモニターを確認するけど、撃墜の表示はなかった。

その事に胸を撫で下ろす。

「純ちゃん!良かったー…」

ビギニングJDは左腕を破損しながらも、立っていた。

「ふうっ…なんとか無事だよっ!」

純ちゃんの元気な声が聞こえる。

周囲にシールドの残骸が散らばっていることから、シールドでガードした事はわかる。

 

「気をつけて…あたし達の相手はなかなか手強そうよ…」

伊佐美さんが言うのとほぼ同時に、三体のガンダムがわたし達の目の前に現れた。

その三体はさっきのバエルの他に。

変形出来て強力なビーム砲を持つセイバーガンダムと。

多彩な重火器を持つ細身のMS、ガンダムレオパルド ダ・ ヴィンチが立っていた。

わたし達はAGE 2、ビギニングJ、ジムストライカーだから全員主役機のチームらしくて。

対照的に相手はセイバー、バエル、ダヴィンチだから全員主役じゃないガンダムのチームみたい。

相手のパイロットから通信が入る。

「え!?」

わたしはその相手の女の子の姿を見て仰天した。

だって!だって!その娘たちは何故かガンダムのコスプレをしてるから!

ガンダムのアーマーを身に付けたような格好をした女の子たち、なんでこんな所に?なんでこんな格好なの…?

それが疑問だった。

セイバーの娘から通信が入る、その娘はショートボブで冷静な感じだった。

ダヴィンチの娘はロングヘアーでおっとりした雰囲気。

バエルの娘はショートヘアで活発な感じだった。

「キミ達、なかなかやるね、まさかあの攻撃を耐えられるなんて…」

セイバーの娘がわたし達に言う、同じ可変機の使い手…!少し対抗意識が出ちゃう。

「なんでそんな妙な格好してるかは知らないけど、さっきの連携はただ者じゃないって事だけはわかったわ」

伊佐美さんが冷静に言う、沢山ガンプラバトルしてるからちょっとした動きだけでわかっちゃうから。

「す!好きでこの格好してるんじゃないのっ!」

バエルの娘は何故か顔を真っ赤にして言う。

「じゃあなんでコスプレなんて…」 

後でその理由はわかるけど、本当に不思議だった。

「純子は嫌いじゃないけどねー、コスプレー」

純ちゃんがどこか楽しそうな顔をして言う、あはは、あまり動じないのが純ちゃんらしいなー。

「まあまあー、細かい事は抜きにして楽しみましょうー」

ダヴィンチの娘がゆっくりとした口調で言う、確かに、それも言えてるかもっ。

「そうだね、楽しもうっ」

わたしはAGE2を加速させて、ダヴィンチに突撃する。

その途中、セイバーが乱入して、サーベルを振りかざしてくる。

わたしもAGE 2のサーベルを抜いて、その一撃を受け止める。

ビームの粒子が周辺に発生する。  

「AGE2、良い趣味してるね」

わたしが可変機のガンダム使ってるから、褒めてくれてるみたい、嬉しいかも。

「それは、ありがとうっ、セイバーもカッコいいね」

AGE2がサーベルを返し、セイバーのサーベルを返し。

その直後にAGE2がサーベルを振りかぶる。

一気にダメージを与えるチャンス!

だけど…わたしが目を向けるとバエルが何か妙な動きをしていた…

「えいやっ!」

その事に嫌な予感を感じて、本能的にAGE2を上空にジャンプさせる。

電磁砲がAGE2を横切る、わたしはギリギリでバエルの攻撃を回避していた。

予想通り!さっきまでわたしがいた場所に、バエルのレールガンが当たった!

ヤマカンなんだけど、的中したみたい…

「今のをかわすなんて!」

バエルの娘が驚いた様子で言う。

わたしも自分でさっきのを回避出来た事に、おどろいちゃった。

その直後に、ビギニングJDが飛び込んできて、Jソードでバエルに斬りかかる。

「純子を忘れちゃ困るよっ!」

片腕を失っても、その一撃は鋭い!

いや、むしろピンチになって太刀筋が鋭くなってるようにすら見える。

バエルもその一撃をバエルソードで受け止める。

ジムストライカーもビームスピアを構えてダヴィンチに接近する。

「はあっ!」

ジムストライカーはビームスピアをダヴィンチに向かって振りかぶるけど、ギリギリでかわされちゃう。

「やりますー、でもー」

ダヴィンチは接近を許さないように、距離を取ろうとする。

ビームガトリングとミサイルも織り混ぜて、距離を取らせないようにしてる。

周辺に何度も爆発が起こるほどの強力な弾幕!

ジムストライカーはミサイルをマシンガンで撃ち落としながら、回避運動を続ける。

接近したい人と、接近されたくない人の読み合いってところかな?

「対象的な相手ってのも、燃えるわ!」

伊佐美さんの楽しそうな声が聞こえる。

その直後に純ちゃんから通信が入る。

「優ちゃん!ここは純子とるかぴょんに任せてセイバーを!」

わたしは頷いた、同じ可変機と戦うのってワクワクする…

「わかったよ!純ちゃん!」

 

わたしはAGE2をストライダーフォームに変形させて、セイバーに向かう。

「そこっ」

セイバーはわたしの動きを読んでいたのか、背部のビーム砲を即座にAGE2に向かって放った。

強力なビームが、AGE2を横切る。

わたしもなんとか回避出来たけど、少し装甲が溶けちゃった…

「えいっ!」

わたしも負けじとダブルバレットのミサイルを大量に発射する、セイバーの周りにミサイルの雨が降り注ぐ。

これなら簡単にかわせないっ!

「見えた」

でも、セイバーは変形をたくみに駆使して。

急上昇してギリギリの所で回避して、更に機体を回転させて巧みに機体を動かしている。

ミサイルが一発だけ当たったけど、それぐらいじゃ大したダメージにならない。

「手ごわいっ!」

わたしはその操縦テクニックに見とれていた。

「やるね君」

「ありがとう!」

セイバーがビームライフルを放つ、わたしも咄嗟にAGE2のハイパードッズライフルを放つ。

ビームライフルのビーム同士がぶつかり合う、お互いの閃光は激突して、眩しい光を散らす。

綺麗な光がわたし達の目の前に広がる。

遠距離ならわたしが不利とだと思った、だってビーム砲ならAGE2よりセイバーの方が威力高そうだし。

わたしはAGE2のサーベルを発生させ、セイバーに向かう。

「鋭いけど!完成度はこっちが上っ!」

セイバーの娘が言う。

お互いのサーベルかぶつかり合う。

完成度ならセイバーの方が上なのでわたしは押されてきてる。

でも!こっちには手がある!

「えいっ」

つばぜり合いをしながらも、AGE2はダブルバレットのツインドッズライフルを発射する。

「っ!」

セイバーもその攻撃を読みきれなかったようで、体勢が崩れる。

今だよ!このチャンスを逃すことは出来ない!

AGE2はサーベルを振りかぶる。

これで倒せる…そう考えるとドキドキする。

だけど、画面が揺れて、AGE2にダメージが発生する。

いきなりのダメージにわたしは混乱してた。

何か鋭いビームで撃ち抜かれたようなダメージが。

「え!?何?」

わたしがそのビームの方向を見ると、わたしにビームを放ったのは、地上から援護射撃をしたダヴィンチだった…

ガトリングの銃口がきらめいてた。

ダメージを受けて、AGE2も墜落しちゃう。

後で映像見せてもらって知った事だけど、わたしか見てない間にこんな事があったみたい。

 

「いっくよー!」

ビギニングJDのJソードがバエルに襲いかかる。

ただ力任せで荒削りだけど、それだけに気迫を感じる。

それを防ぎきれなくて、ソードが一本弾き飛ばされて、バエルの胴体に大きな傷が刻まれる。

だけど、バエルもただで済ますわけがない。

「負けないっ!」

バエルは予想外の行動をしてた!ビギニングJDにパンチなんてしちゃって!

「ひゃっ!」

ビギニングJDがパンチで怯んだ隙に、バエルソードで一撃を叩き込む。

「さっきのお返し!」

斬撃が装甲を破壊する。

バエルと同じように、ビギニングJDも胴体に傷を負っちゃった。

その直後に、銃弾がバエルに炸裂する。

「え!?」

鋭い銃撃はバエルの装甲にダメージを与える。

「るかぴょんナイス!」

その銃弾はジムストライカーの物だった。

それだけなら驚く事じゃないけど、ダヴィンチを相手にしながら、バエルの方を向かないでマシンガンを撃って命中させちゃったんだ!凄い!

「ま、あたしだから出来た事よ」

伊佐美さんが得意げに言う。

「お見事ですー、それならこれはいかがでしょうかー?」

ダヴィンチはミサイル、ビームライフル、ビームキャノン、ビームガトリングをジムストライカーに向けて放つ。

だけど、ジムストライカーは紙一重で回避して行く。

ただ加速するだけじゃなく、回避しやすいようにスピードをあえて遅くして弾速と合わせるとかの動きを織り混ぜている辺り流石だ。

上手くすき間を見つけて回避してる!

途中マシンガンにビームが直撃して破壊されたけど、本体はほぼ無傷だった。

「なかなか上手いわね、けどっ!」

ジムストライカーは急加速して、ダヴィンチの前にいた。

ジムストライカーはビームスピアを振りかぶり、ダヴィンチの右腕を破壊した。

ビームライフル、右側のミサイルポッドも一緒に破壊される。

だけど、それに動じる事はなく、何かに気づいたのか、空を見ていた。

「あら?あれはー…」

ダヴィンチは運動性を上げるために、何故かミサイルポッド、ビームキャノンをパージして身軽になった状態で、ジムストライカーから逃げ出す。

「なっ!あたしに背を向けるとか!」

伊佐美さんは何故か逃げ出したダヴィンチを追跡する。

ダヴィンチは何をしているのか、空に向かってビームガトリングを放っていた。

「な、何よそれ…」

伊佐美さんが疑問を口にしたと同時に、小さな爆発音がして、上空から白いパーツが落ちてくる。

そのパーツは、破損したAGE2の物だった。

そう、ダヴィンチが撃ったのは上空にいた、わたしが操縦するAGE2…

「え!?」

伊佐美さんは仰天してた、まさかAGE2が砲撃されるなんて思ってないから。

ダヴィンチは急加速して、AGE2が墜落した場所に向かう。

同時に、バエルもビギニングJDにキックをして、怯ませていた。

「ワタシも行かなきゃ!」

ダヴィンチと同じ方向に加速し、バエルもビギニングJDとの交戦を一時的に中断した。

「まさかあの方向は!」

伊佐美さんが相手が何をしようとしてるのか察したみたい。

「多分さ!みんなでAGE2を確実に撃墜する気だよっ!急がないと!」

ビギニングJDとジムストライカーは加速する。

わたしのために、頑張ってくれたみたい…嬉しいな…

 

AGE2は墜落してて、姿勢を立て直すのに少し時間がかかった。

だけど、わたしの眼前には最悪の光景が広がっていた。

「え!?え!?」

セイバーは二つのビーム砲を構えて、ダヴィンチは右腕を失っても二つのビームガトリングを構えて、バエルも二つのビーム砲を構えていた。

みんな腰で構えるタイプで、二つの武器から強力な一撃が放たれる射撃武器。

その威力は単体でも目を見張る物がある、それが三機からなんて!

「行くよ…ダヴィンチ、バエル…」

「よし!これなら忘れられる前に!印象に残せる!」

「うけてくださいー」

セイバーの娘が指示を出すと同時に、ビーム砲、電磁砲、ビームガトリングが一斉に放たれる。

強力な閃光が周囲を覆い尽くす!破壊の閃光!

わたしは撃墜を覚悟したけど、割って入る機体があった。

「い、伊佐美さん!?」

それはジムストライカーだった。

「いくら重装甲で、シールドを装備してるって言っても、耐えられるわけ…」

「っ!」

ジムストライカーはシールドで防御したけど、耐えられるわけもなくて、爆風に包まれる。

わたしを守ってくれた伊佐美さんの気持ちが、わたしはとっても嬉しかった。

その直後に、わたし達は更なる衝撃を目にする事になる。

爆風が収まると、そこにはボロボロになって火花も散らしてるけど、なんとか立ってるジムストライカーが立っていた。

シールドを使って、爆発の寸前に追加装甲を外して、ギリギリで耐えたんだ。

「うっそでしょ!?」

「信じられない…」

バエルの娘とセイバーの娘も仰天する、あれだけやっても撃墜出来なかった事に。

ジムストライカーはビームスピアも破壊されてボロボロでも、それでも臆す事なく、ビームサーベルを構えて猛スピードでダヴィンチに突撃する。

「あっ!」

おっとりしてたダヴィンチの娘も、流石にジムストライカーの性能に仰天していた。

目にも見えない早さでビームサーベルはダヴィンチに炸裂して。

ダヴィンチの胴体を破壊して、上半身と下半身が別れる。

ダヴィンチは撃墜された。

「あらー、悔しいですー…忘れませんよー、今日の事ー」

ダヴィンチの娘が無念そうな口調で言う。

「これが…最後の一撃!」

そう伊佐美さんが言うと、その直後に、ジムストライカーは爆発した…

「伊佐美さん!」

今まで蓄積されたダメージに耐えられなかったんだ…

わたしのために…これは勝つしかないっ!

「るかぴょんのためにも、勝たないと…優ちゃん、あのね…」

純ちゃんがわたしに耳打ちする、純ちゃんがわたしに作戦を伝える。

「それ良い!わかった」

わたしはAGE2をストライダーフォームに変形させ、その上にビギニングJDが乗る。

AGE2は加速して、バエルに向かう。

だけど、ただじゃ接近を許すわけがなく、セイバーはビームライフルで、バエルは電磁砲でAGE2とビギニングJDに威嚇射撃する。

「あっ!」

わたしはビームが当たりそうになって戸惑うけど、幸いかすめた程度で済んだ。

純ちゃんがビギニングJDを大きく飛翔させて、空中で猛回転する。

Jソードも大きく炎をまとっていて、まるで火車のよう!

ビギニングJDはそのままバエルに突撃する!

「純子流!空中回転炎斬りっ!」

強烈な炎の斬撃と、回転によってバエルは真っ二つになる。

回転力と落下力が合わされば強い!多分!

な、なんだか凄い技…

「面白い技だね、久しぶりに楽しめたよ」

バエルの娘はそう言うのと同時に、バエルは爆発した。

 

バエルを撃墜したけど、手を止めちゃいけない!

あのセイバーの娘も結構強いから、止まるのは危ない…

「ミサイル!発射!」

わたしはAGE2の残ったミサイルを全弾発射する!

セイバーがミサイルの弾幕に覆われる。

見事な操縦テクニックだ、上手く変形してかわしてる…

「これぐらいならっ」

多分ミサイルを回避した後にわたしか純ちゃんが接近戦を仕掛けてくると思ってるみたい。

だけど!

「えいっ!」

わたしはサーベルを抜いて、セイバーに投げつける。

セイバーにギリギリで回避されたけど、まだ手は残っていた。

ミサイルとサーベル投げを両方かわせるなんて凄いけど、その回避直後のスキをついて…

「いっくよー!純子流必殺ぅ!炎投げ投げ撃ぃ!!」

ビギニングJDがJソードに炎を込めて、力一いっぱいセイバーに向かって投げつける!

「か、かわしきれないっ」

セイバーはシールドでなんとかガードするけど、シールドはそれに耐えきれずに破壊されて。

「う、うそ…」

セイバーも炎に包まれちゃう!

「今だよ!」

わたしはAGE2を急上昇させ、セイバーの頭上にAGE2を移動させる。

わたし自信、結構無茶な動きさせてる…汗も出ちゃってるし、なんか意識がどっかに行きそうな妙な感覚がする…

ちょっと、AGE2にはがまんしてもらおう。

もう少しで、終わるから。

「う、上っ?」

「いっ…けー!!」

わたしはAGE2のハイパードッズライフルと

ツインドッズキャノンを放つ!

3つのビームの閃光はセイバーを包み込んで、バトルは終了した。

「楽しいバトルだったよ、また…やりたいな…完全に忘れられる前に、楽しいバトル出来て良かった…」

そう言い、セイバーの娘は静かに笑う。

あの意味深な台詞は…

 

 

バトルを終えると、わたし達は立ち尽くしていた。

大きな疑問があったから。

「あの娘たちはいったい…」

そう、いきなりコスプレした女の子がガンプラバトルに出現するなんて…

「なんだろーね?」

「意味がわからないわね、イタズラなら早く姿見せてほしいわ」

わたし達がその事に疑問を感じてると、真由さんが慌てた様子でガンプラを持ってやってきた。

「みんな!これ見て!」

わたしは言われた通り、そのガンプラに目を通して、びっくりした。

「えっ…」

そのガンプラは、さっき戦ったガンプラそのものだったから!

真由さんが持ってるセイバー、バエル、ダヴィンチは。

ほどこした改造や塗装とかがわたし達とさっき戦ったガンプラそのものだったから。

 

真由さんに言われてショーケースに目を通すと、そこには3つのガンプラの空きがあった…

わたし達がガンプラバトルした時の別の席の様子も見せてもらうと。

勝手にセイバー、バエル、ダヴィンチのガンプラが、カプセルの中に入ってたみたい。

もちろん他の人なんていない…勝手に移動した…

 

わたし達は真由さんにそのガンプラに心当たりがないか訊いた。

「あなた達みたいな女の子三人のチームがいてね、その娘たちはガンプラを大切にしてたんだけど…」

真由さんの話を訊いていると、真由さんの声のトーンが低くなる。

「その娘達はガンプラバトルに夢中になるあまり、勉強とか忘れちゃったみたいで、それからここにガンプラ預けてそれっきり…」

わたしの見立てでは、愛着を込めて作ってる、良いガンプラだと思う。

勉強が忙しいなら仕方ないと思うけど、次の真由さんの言葉にショックを受ける事になる。

「その時は勉強が忙しかったみたいだけど、勉強終わった後、他に何か楽しい事見つけたみたいで、完全にガンプラの事なんて忘れて…

引き取るように勧めたけど、あまり興味なさそうで…」

真由さんが言うと、伊佐美さんはそれに怒りを見せる。

「え!?何よりそいつら!モデラーの風上にも置けないわね!」

ガンプラが好きだからこそ、許せないんだね。

そっか、このガンプラたちはご主人様に忘れられて…

「寂しいよ、そんなこと…」

純ちゃんが小さな声で呟く。

寂しいから、わたし達とバトルしたんだ…意識が集まって…

わたしの推測の域を出てないけど、わたしはそう思う。

忘れられちゃったモノの、悲しさが集まったって…

だって、あの三つのガンプラ、みんな『忘れられたくない』って言ってた…

「忘れられるよりも…大切にして欲しいよね…」

わたしは、なんだか切ない気持ちになった。

「優ちゃん…」

純ちゃんがわたしの身体をぎゅっと抱いてくれる、あったかくて安心するよ…

でもどうして、純ちゃんはわたしの顔を隠してるのかわからなかった。

純ちゃんが小さな声で言う。

「優ちゃん、泣いてたからさ、泣き顔、見られたくないでしょ…」

純ちゃんが優しく言う、わたし…泣いてたんだ…

わたしは、純ちゃんの好意に甘える事にした。

「うん…」

 

しばらく、テーブルの上に上がったガンプラを見ていると。

ようこう堂にベルの音が聞こえて、お客さんが来店する。

「あら、いらっしゃ…!?あなた達!」

真由さんの声が途中で戸惑った感じになった。

その人たちはわたし達と同じぐらいの歳のようで、何か慌てた様子だった。

「あのっ、私達のガンプラまだありますかっ?」

ガンプラ?その言葉を聞くと同時にその方向を見ると、またもや仰天する事になる。

「え!?」

「う、嘘でしょ!?」

「あー…そういう事かー」

だって、今入ってきた女の子三人はさっき戦ったコスプレした女の子とそっくりだったから!

MSのコスプレと制服で服装は違うけど、服装以外はそのものだ!

そう言えば「好きでコスプレしてるわけじゃない」って言ってたけど…

ガンプラの思念や無念の固まりがご主人様を真似たって事なら、つじつまは合う。

「すいません!今さら都合が良い事ですが…ガンプラ返してもらって良いですか?」

さっきのバエルの娘と似た娘が言う。

「すいませんー、つい他の事に浮気してしまって…この子達の事忘れてました」

ダヴィンチの娘に似てる娘も言う。

「それで?なんで今さら?この前はどうでも良さそうにしてたじゃない?」

真由さんが少し冷たい声で言う、あんな事があった後だから気持ちはよくわかる。

セイバーの娘に似た娘は話し始める。

「写真の整理してた時、ガンプラバトルの時の写真が出てきて…

それで…この子達と戦った思い出や、楽しい思い出を思い出して…

三人で一生懸命作った事も思い出して…

だから!今まで忘れちゃってたのが、自分で許せなくて…

だから!この子達と一緒に帰ろうって!」

セイバーの娘に似た娘はスマホの画面を真由さんに見せる。

そこには、ガンプラを手にして楽しそうな三人がいた。

「断る理由はないわね、大切にしてあげなさい!」

真由さんは笑顔でセイバー、バエル、ダヴィンチを差し出す。

三人も笑顔になって、愛しそうにガンプラを手にする。

何を言ってるのかあえて聞き耳は立てなかったけど。

楽しそうな事だけはわかった。

 

本来の持ち主の元へ帰る事が出来て、なんとなくガンプラが喜んでるように見える。

良かったね…本当に…

わたし達はあえて何も言わずに、全く無関係のフリをして、その光景を見ていた。

「なんだ…悪い奴じゃないわね…」

伊佐美さんがそう呟く、その声にはどこか暖かさがあった。

「良かったね…忘れられないで」

純ちゃんも静かに言う。

「わたしも、負けられない!」

わたしは机の上のAGE2を見た。

わたしも、ガンプラを大切にしよう、そう誓った。

 

「な!?ななななな!?」

伊佐美さんが何故か驚いてる。

わたしがそこに目を向けると、また不思議な事が起こってた気。

さっきのコスプレした三人、セイバー、バエル、ダヴィンチのコスプレをした娘がわたし達の目の前に立っていた。

半透明で、どうやらわたし達以外には認識出来てないみたい。

純ちゃんもあれだけの事があったから、かんな事があってもあまり驚いていなかった。

『ご主人様達が帰ってきたから、また遊ぼう!』

バエルの娘は力強く言う。

「うん、また遊ぼうね」

純ちゃんも無邪気に微笑む。

「お世話になりましたー、全力で戦ってくれて有り難かったですー」

ダヴィンチの娘がおっとりとした口調で言う。

「ま、まあ…今回のバトル楽しかったからいつでも良いわよ…またね」

伊佐美さんは少し照れながら言う。

皆今回の件で、得るものあったよ。

『ご主人様と一緒なら、負ける気はしないよ、次は勝つ』

セイバーの娘が、わたしの目を見つめて言う。

「もちろんだよ!またね…」

ガンプラの女の子達は、満足そうな顔で、いつの間にかいなくなっていた。

三人は最後に、『ありがとう』って言ってくれた…

その言葉に、どこか胸が熱くなる。

 

物に纏わる小さな出来事、だけど、物に秘めた思いは時に奇跡を起こす事もある。

わたしはそう思う。

 

おわり

 

 

 





読んで下さった方、ありがとうございます。
まえがきで言ったやりたかったネタですが。

・忘れる事と、大切な物。
・オカルト要素が絡む不思議な話。
・あまり活躍しなかった機体の活躍。

忘れる事については、いずれ書く予定の小説の題材にしようと思ってるので、その練習も兼ねてます。
なので、アップしました。
ちょっと優がマラサイ乗ってましたけど、一時期「主人公(優)が主役じゃない機体に乗って一戦戦う」ってのをやりたかったのですが。
それはすでに元祖ガンプラ作品のプラモ狂四郎で(マゼラアタックやハイザックなど)何度もやってるから。
わざわざやる必要もないかな?と思ってやりませんでした。
アッガイが主人公機のガンダム漫画もありますし。

あと!実はダヴィンチ大好きだけど、あまり活躍しなかったので、やっちゃおうと!どんな闘い方するのかな?と思いまして、こうしました。
シナリオはちょっとお涙ちょうだいみたいになりましたけど、作者的には今までの話で一番気に入ってます。
バトル描写も結構気に入ってますね、連携してセイバーの上空からの一撃とか、実体剣の激突とか。

それでは、またどこかで会えるように願って、響鬼ぎゅねいでした。
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