模型新世紀ガンプラガールズ   作:ひびきすぱいく

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模型新世紀ガンプラガールズ 最終回「成長、しましたか?」

「こ、このフィールドは…」

 優たちがバトルフィールドに降り立つと、そこにはようこう堂のテーブルが広がっていた。

 背景にはガンプラやおもちゃが並んでいた。

「ある意味おなじみよね」

「日常の中の非日常って感じだよね」

 バトルフィールドに降り立ったのはお馴染みAGE2ダブルバレット、ビギニングJDと。

 瑠花の新ガンプラルカジムだ。

 ルカジムは瑠花のイメージカラーのオレンジに塗装されていた。

 優たちに向かって、ハイリトルベルの面々がスピードを上げて接近して来る。

「せいっ!」

 まずは純子が牽制でビギニングJDのギタービームライフルを放つ。

 対戦相手はお馴染み、雪のガンダムノーブル、小鳥の武神天零王だが。

 鈴のGセルフは以前の機体とは別個体だった。

 Gセルフの全ての能力が使える最終形態、Gセルフパーフェクトパックだった。

 ガンプラバトルではバランスを取るため、反射能力はリフレクターパックより下になっていて。

 燃費も悪くなっているため、鈴は今までノーマルのGセルフにバックパック換装を愛用していた。

「パーフェクトパック…厄介よね…」

 瑠花はGセルフの原作での強さを理解していたため、冷や汗をかいていた。

「はあっ!」

 鈴の声と共に、Gセルフが予想外の行動を取った、リフレクター機能を使いビーム蹴り返したのだ。

 そのビームをルカジムが回避する。

「あぶなっ!おかえしよっ!」

 瑠花がGセルフに向かってカリドゥス複相ビーム砲を放つ。

「読んでました!」

 Gセルフにカリドゥス複相ビーム砲が向かう。

 だが、Gセルフは受け身の体勢を取り、カリドゥス複相ビーム砲すら内蔵されたリフレクターで反射する。

「げっ!?」

 瑠花は自分の新兵器すら反射された事に仰天していて、ギリギリで回避する。

「さ、流石ね...」

 が!ルカジムが回避運動をしている直後に雪が激しい槍さばきで瑠花に襲いかかる。

「せいっ!」

 瑠花は冷や汗をかき、ビームシールドを強く展開して、ルカジムは槍を受け流す。

 猛攻をギリギリ回避しているけれど直後に天零王の刀がルカジムに迫る。

「斬るっ!」

「なんなの!あなた達っ!」

 ルカジムはとっさに天零王を蹴り飛ばすが、天零王の攻撃は囮で、本命は他にあった。

「流石の反応だけど!鈴っ!」

 体勢を崩したルカジムにGセルフの発光した拳が迫る。

「行きます!!せいっ!!」

 ルカジムにGセルフの拳が破壊の光と共に勢い良く向かって来る!

 ダブルバレットがGセルフに向かって咄嗟にバルカンを放つも、天零王がそれを切り払う。

「う、ぐぐっ!」

 ルカジムに全力の拳がきて、とっさにLOダガーから流用した左腕のビームシールドを全開してガードするも...

「あ!ああっ!」

 威力の高さに左腕のビームシールドが破壊されて吹き飛び、いきなりの必殺技にルカジムが大ダメージを受けてしまう。

 模型棚に激突して、ガンプラの箱の下敷きになってしまう。

 装甲が薄いため、いきなりの致命傷だ。

 純子も礼儀正しい雪と鈴の激しい戦いに仰天していた。

「これは…」

「わあ…荒々しいねえ、なりふり構ってられないってこと?」

 優と純子は目の前の光景に仰天していた。

 まさか瑠花がいきなりの大ダメージを受けるなんて…と。

「前より苦戦するだろうけど、面白くなって来たじゃない!」

 ルカジムはガンプラの箱を退かせて出現する。

 当の瑠花はダメージを受けた事で気合いが入り。

 闘志が燃えていた。

 

「向こうが初っ端から全力で来るなら!わたしも!」

「あたしもルカジムの初陣で良い所見せないとね!」

 ダブルバレットとルカジムが動きが鈍い天零王に突撃する。

 ダブルバレットはハイパードッズライフルを天零王に放つ。

「読めてる!綺羅鋼防御光!」

 だが、天零王はバリアを発生させて、ハイパードッズライフルをかき消す。

「見えた!」

 バリアが消えたタイミングでルカジムのツインソードライフルからビームが発射される。

 ビームが直撃して、天零王はダメージを受ける。

「あっ...弱点見抜かれちゃったか…」

 小鳥が悔しそうに言う。

 バリアの弱点を発見した事は優たちに取って大きかった。

 タイミング次第でバリア=無敵じゃないことが判明したからだ。

 だが、気を抜いていられる相手ではない。

 ダブルバレットにノーブルのリリービットが襲いかかる。

「ぜ!全部じゃないけどわかるっ!」

 優はノーブルのビットの機動を予測して、降り注ぐビームを回避していた。

 ビットの精度は当然純子より断然上だが、機体性能を落とした特訓をしていたため。

 純子との特訓の成果が出ていた。

 雪は優が成長していた事に感心はしたが、驚いてはいなかった。

「そこっ!」

 直撃コースにあるビットの1つをハイパードッズライフルで破壊する。

「見えます!」

 だが、ダブルバレットの背部に1発のビットが炸裂して。

「はあっ!」

 そのスキにGセルフのビームサーベルで左砲塔を破壊されていた。

「ほ、本当に油断出来ないっ!」

 優は激しい攻撃に冷や汗をかいていた。

その直後にノーブルが横から乱入して来る。

 ノーブルは槍を使い、ダブルバレットに突撃をする。

「優ちゃん!危ないっ!」

 すんでの所で純子のビギニングJDがシールドで受け止める。

 シールドは槍により一撃で破壊され、パーツが舞う。

「惜しかったねっ!流石純子!」

 天零王が戦いに割り込む、天零王は刀でビギニングJDに斬りかかるが。

「良い太刀筋!純子も行くよ!行くよ!」

 ビギニングJDはそれをJソードで受け止める。

 剣と刀がぶつかり合いその音が響き渡ると同時に、火花が散る。

 純子は手数で相手を圧倒する太刀筋、小鳥は一撃の重さを重視した太刀筋だった。

 お互いに太刀を交えていると、わずかに天零王に隙が出来た。

「えいやあっ!」

 純子の声と共に天零王に斬擊が炸裂する。

 だが、その一撃は浅かった。

「っ!かかったね!純子!肉を切らせて骨をぶったぎるっ!」

 小さくないダメージが入るが、天零王はそのカウンターで更に強烈な斬擊をビギニングJDの胴体に炸裂させる。

「うわあっ!」

 装甲は天零王の方が高いため、ビギニングJDの方がダメージは大きい。

「純ちゃん!」

 優がビギニングJDのダメージを気にするが。

 ダブルバレットにもリリービットとビームライフルの波状攻撃が放たれていた。

 特訓の成果もあり、冷や汗混じりながらも回避している。

 

 一方その頃…瑠花は距離を取って天零王やノーブルに大技を打とうと目論んでいた。

 ルカジムがエネルギーをチャージする最中、追ってきたGセルフはビームライフルをルカジムに発射するが。

 ルカジムは的確に回避していた。

「なるほどね…チーム戦ならあたしのスピードと攻撃力を警戒しないといけないからよね…」

 瑠花はGセルフが自分をマークした事に直感で感付いていた。

「ええ、あなたの腕はよく理解しましたから」

 鈴は瑠花の言葉に冷静に返す。

「ほんっと面白いわね!深澤さん!」

 ルカジムのツインソードライフルのサーベルとGセルフのビームサーベルがぶつかり合う。

 出力の差でルカジムがつばぜり合いで押していた。

 勝てる!瑠花はそう直感していた。

 が!ルカジムに衝撃が走る。

 Gセルフはツインソードライフル炸裂直前にビームサーベルを引き。

 1回転して、強烈なソバットを炸裂させていた。

「ぐはっ!」

 ルカジムはGセルフの猛攻で大ダメージを受けていた。

「フォトン!トルピード!」

 Gセルフがトドメに光子魚雷、フォトントルピードを展開していた。

 更にビームライフルを連射し、ルカジムにトドメを刺すための攻撃を行っていた。

 瑠花は息を荒くしていて、不利な状態だがある秘策があった。

「EXAM(エグザム)っ!!」

 ルカジムのバイザーが赤く輝く!

「なっ!?」

 鈴はルカジムがブルーデスティニーのEXAMシステムを持っていた事に仰天する

 ルカジムの動きが機敏になり、ビームライフルを回避し、右腕のビームシールドである程度フォトントルピードを受け流して、サーベルで切り払い。

 回避しきれない分は被弾覚悟で受ける。

 フォトントルピードが被弾して、ルカジムはまたもやダメージを蓄積されていた。

 本来ならばフォトントルピードは触れた部分が消し飛ぶ冷酷なチート兵器だが。

 ガンプラバトルではゲームバランスの兼ね合いでダメージ制に変更されていた。

 ルカジムが交差した瞬間にツインソードライフルでGセルフに斬擊を炸裂させる。

「や、やはり油断出来ませんね...」

 Gセルフはその一撃に体勢を崩す。

 その隙を見逃す瑠花では無かった。

「行くわ!EXAMハイメガカリドゥス砲!!」

 ルカジムの頭部からハイメガキャノン、腹部からはカリドゥス複相ビーム砲。

 ツインソードライフルのビームも連射して全力の火力が放たれる。

 全てを飲み込む破壊の光だ。

 Gセルフもリフレクターを全開にしてビームを弾き返そうとするも...

「ぐっ、こ、これは…」

 その威力に耐えきれずに、撃墜される。

「良い戦いでした…」

 鈴が満足そうに笑い、ビームの粒子に飲まれてGセルフが撃墜される。

 瑠花は汗をぬぐい、Gセルフの爆発を見て戦況を確認する。

「本当に強かったわ…どっちが勝ってもおかしくないぐらい…」

 

 

 瑠花が独り言を言う、その直後に予想外の敵が迫って来た。

「えっ?!ああっ!」

それは天零王だった、ルカジムは回避を試みるも。

 天零王の体当たりでルカジムはテーブルに勢い良く叩きつけられる。

 テーブルはオブジェクトのため完全には破壊されずに、破損して大きな穴が出来ていた。

 Gセルフとの戦いで消耗していたため、体当たりを回避出来なかった。

 天零王は飛翔し、必殺技を炸裂させる。

「綺羅鋼閃空斬(きらはがねせんくうざん)っ!」

 小鳥の声と共に天零王は輝き、強烈な一閃と共にルカジムは真っ二つになり、撃墜される。

「お、面白かったわ…チーム戦も…」

 瑠花の声と共にルカジムは退場する。

「運動性ではあのジムが上だった…

鈴が今までダメージ与えてくれなかったら回避されてたかもね…」

 小鳥がそう言う、お互いにルカジムとGセルフが退場して。

 ダブルバレット、ビギニングJDとノーブル、天零王2対2の戦いになっている。

 戦局が大きく変わった事で、皆は高揚感を感じていた。

「せいっ!」

 雪の声と共にノーブルはダブルバレットにビームライフルを放つが、ダブルバレットはストライダー形態ででノーブルを振り切る。

「見える!見えるよ!」

 優はゾーン状態に突入して、汗を流していて。

 リリービットの機動を見切り、必死でノーブルの攻撃を回避していた。

 雪は優の成長に目を見張るものを感じていた。

「見込みあるとは思ってましたが、この前より全然…っ!」

 ノーブルが槍をふり被るが、ダブルバレットは寸前で回避して、背後に回り込む。

「たあっ!」

 ダブルバレットのビームサーベルが直撃とは言えないまでも、ノーブルに炸裂する。

 だが、ただで済ます雪では無かった。

 「鋭い太刀筋ですね、でも!」

 その動きに合わせてカウンターを繰り出し、槍で払い、ダブルバレットにダメージを与える。

「良い動きでした!」

 優と雪はダメージを受けていたが、お互いにどこか楽しそうに笑っていた。

「雪さん、本当にすごい...でも!わたしには役目があるんです!」

 優はその直後に予想外の行動を取る。

 ダブルバレットはストライダーに変形して。

 ノーブルに背を向けて、刀を交えている天零王とビギニングJDの元へ向かう。

「なっ!?」

 雪も優の予想外の行動に困惑する。

 リリービットを放つが、ギリギリで回避を続ける。

 あっと言う間に天零王に接近して。

「えいっ!えいっ!」

 側面からハイパードッズライフルを全弾発射する。

 強力な螺旋状のビームが迫る。

「なっ!?綺羅鋼防御光!」

 小鳥は困惑するが、寸前でバリアを展開する。

 だが、ハイパードッズライフルの連射は威力が大きく。

 バリアは張ったけどビームはバリアを貫通し、大きなダメージを受けてしまう。

「こ!このっ!やってくれたね!」

 天零王が接近して、刀でダブルバレットの胸部に大きなダメージを残してしまう。

「きゃあっ!」

 天零王の勢いは止まらなかった、そのままの勢いで大きく飛翔して、発光しビギニングJDに太刀筋を向ける。

 純子は優ではなく自分に太刀筋を向けられた事が予想外で、防御反応が遅れていた。

「え!?純子に来るの!?」

「ひいっさつっ!綺羅鋼!閃空斬っ!!」

 小鳥の叫び声と共にビギニングJDに必殺技が炸裂する。

 鋭い光速の太刀筋が走り、ビギニングJDの左腕が吹き飛び、胴体にも大ダメージを受ける。

「さ、さすがことりん…でも、今回は純子の運が良かったみたいだね…」

 ギリギリで直撃は回避出来たが、ダブルバレットがダメージを与えて天零王の性能を落とさなければ。

 天零王の一撃が直撃してビギニングJDは撃墜されていたかもしれない。

 純子は必殺技直後の天零王の隙を突き、ビギニングの右腕のJソードに巨大な炎のエネルギーを込め、振りかぶり、振り下ろす。

 一撃に全てを込めた炎の一閃だった。

「純子流!炎一閃っ!!」

 天零王の強固な装甲にビギニングJDの渾身の炎の一撃が炸裂する!

 あっと言う間に装甲は打ち砕かれて、天零王は炎に包まれて撃墜される。

「負けた...すごく悔しいけど、これもチームプレーなんだ…」

 小鳥が呟くように言う、だけどその声はどこか嬉しそうだった。

 純子は息を荒くしていた。

 ギリギリの勝利…だけどまだ雪と戦わなくてはいけない…

「はあ…はあ…強かった…優ちゃん、ありがとう…」

 純子はリリービットを放つノーブルと、それを必死に回避しているダブルバレットを見ていた。

 ビギニングJDもノーブルに向かっていた。

 

 

 先日、優たちの間で作戦会議がされていた。

 まずは純子が口を開く。

「気を悪くするかもしれないけど、戦力の事を言っていい?」

「うん、言いなさいよ、怒らないから、多分」

 瑠花も純子に続く。

「多分って…純子たちとことりん、鈴りんとの強さは大して差がないと思う

問題はさ、セツっちが頭一つ抜けてる事なんだよね」

 優が頷く、瑠花は複雑そうな顔だけど、内心セツ(雪)の方が上なのは理解していた。

 素直に相手の強さを受け入れる優と、勝ち気な瑠花との対比だ。

「えっと…平たく言うと1対1ならわたし達の誰でも勝つのは難しいって事?」

 優が口を開くと、純子が頷く。

「まあ、そーだね、とてもじゃないけど勝てないと思うよ

まあ1対1なら気合と気迫と根性と不屈とひらめきと必中と魂と激怒で頑張ってよ」

 瑠花は純子のどこか的はずれな発言に呆れていた。

「役に立たないアドバイスだこと…」

「それならさ、チーム戦なら2対1に持ち込めば勝機はあるんだね」

 優の言葉に瑠花は何かを思い付いた様だ。

「それなら、その状況に持ち込むのを優先した方が良いと思うわ

あたし達の誰かが犠牲になったとしても」

 瑠花の言葉通り、優たちはその作戦を実行していた。

 

 

 優と純子は二人がかりで雪に迫っていた。

 純子は接近戦の腕こそ上がっているものの、遠隔兵器回避の訓練をしていない事が響いて。

 数発リリービットを受けてしまう。

「っ!これぐらいっ!」

 だがダメージ覚悟のダブルバレットとビギニングJDの挟撃でしだいにノーブルを追い詰めていた。

 勝てる!優と純子はそう確信した。

 だが…

「見えます!はあっ!」

 優と純子に知るよしも無いが、雪もゾーン状態になっていた…

 通常状態でもゾーン状態の優と渡り合える雪がゾーン状態になる。

 それは瑠花が予想していた最悪の事態だった。

 左右から迫るダブルバレットのビームサーベルはシールドで受け流して。

 Jソードは槍ではじき返す。

「ま、マジで…もしかしてセツっちも...」

「この動きは…」

 純子は驚くが、優は雪もゾーン状態に入った事を確信していた。

「せいっ!はあっ!」

 ノーブルは大きく槍を振りかぶる!

 必死で回避を試みるもダブルバレットの左脚を破壊し。

 直後に払われた槍がビギニングJDの腰部に直撃して撃墜寸前になっていた。

 ビギニングJDはそのまま立っているだけで崩れてしまいそうな程のダメージだ。

「うっ…ここまでされると長期戦なんて…」

 純子が冷や汗をかいて言う。

「はあ…はあ…わたしもボロボロだよ…」

 優も脚のダメージを気にしていた

 モニターで優と純子はお互いの顔を見て頷き、勝負をかける。

「「行くよ!!」」

 日和ったら負ける!攻める!二人はそう考えていた。

 優が移動しながらハイパードッズライフルとドッズキャノンを放ち。

 純子がビームバルカンを打ちながら突撃する。

 だが、雪は冷静にノーブルを機動させて、寸前で回避する。

「上手い攻撃、ですが!」

 雪が冷静に回避する中、その回避直後に合わせてダブルバレットはミサイルを全弾発射する。

「いっけー!」

 ミサイルの雨も雪は予想していたのか、ビームライフルを構えてミサイルを打ち落とす。

「見えます!」

 だが、その爆発するミサイルの中に、一つの異物があった。

「純子流!炎投げ投げ擊っ!!」

 それは渾身の力を込めたビギニングのJソードだった。

 炎の一撃を込めてノーブルに迫る!

「っ!?」

 ノーブルはその渾身の一撃をシールドで受け止める。

 筈だったが…ノーブルのボディにダブルバレットのシールドが投擲されていた。

 ダメージ自体はほとんど無いが、予想外の攻撃に防御運動が遅れて。

 その直後にノーブルの脇腹にJソードが炸裂する。

 だが、ノーブルはそれとほぼ同時にリリービットをビギニングJDに仕掛けていた。

「手痛いダメージ…ですが!リリースクリーマー!」

 ビギニングJDはリリービットに囲まれていた。

 リリービットから電流が発生して、ビギニングJDは撃墜される。

「ゆ、優ちゃん…後はおねがいっ!」

 先ほどのビギニングJDとダブルバレットから攻撃を受けた時にリリービットを使わなかったのはビギニングJDを撃墜するためだ。

 真正面からダブルバレットが迫って来る。

 優も雪も大量の汗を流して、息が荒くなっていた。

 ダブルバレットはビームサーベルを二刀流にして、右肩のビームソードも全開にする。

 ノーブルも槍を構えて、必殺技の構えを取り、それを真正面から迎撃する。

「これでっ!!」

「ノーブル!ランサー!!」

 ダブルバレットの強力なビームのエネルギーが炸裂し。

 ノーブルは切り裂かれる。

 だが、それと同時に強力な槍の一撃でダブルバレットは粉々に粉砕されていた。

 お互いに全力をかけた戦いは、2機の爆発と共に引き分けに終わっていた。

 引き分けに終わったが。

 満足感と脱力感で、二人はモニターの前に倒れ混む。

 

 

 しばらくすると、優たちとハイリトルベルの面々が顔を合わせる。

「はあ…はあ…これって引き分け…かな…」

 優は汗まみれで、雪も同じ様に消耗していた。

 それがどこかおかしくて、二人で笑い合う。

 品行方正の雪が汗を大量に流して荒々しく戦う、珍しい光景だ。

「そうですね、あなたは、わたくしのライバルです」

 雪が汗を拭き取り、優に握手を求める。

 優もそれに応じる。

「ふふっ、嬉しい、ホント嬉しいよ!

でもさ、わたし1人なら相打ち取れなかっただろうけど

本当にライバル認定で良いの?」

 優が疑問を投げ掛ける、純子と瑠花がいなかったら雪とは引き分けに持ち込め無かった。

 その事実があるからだ。

「ご謙遜を、優さんならまだまだ強くなれますわ」

 雪が優を見据えて言うと、優はどこか照れ臭かった。

「二人とも楽しそうね、少し嫉妬しちゃう」

「あら、それなら私とまた如何ですか今からは1対1で」

 鈴が瑠花に声をかけるが、瑠花は苦笑して言う。

「確かに楽しかったけどさ、あたしは体力ないから、今日は勘弁してよ…」

 鈴は瑠花を見て優しく笑う。

「ねえ、天零王強かった?」

 小鳥がシンプルな質問をぶつける。

「うん!もちろん!だって、ことりんの大切なガンプラだしね…」

 純子と小鳥はお互いの顔と、ガンプラを見て笑い合う。

「先ほどあまり星河さんとは戦えませんでしたね

機会があれば私と…」

 鈴が優の手を握って言う、優もにこりと笑い、それに応じる。

 鈴は普段は温厚だが、バトルになるとぐいぐい来るタイプだった。

「優、瑠花、今度はあんた達とも1対1で遊んでみたいな」

 小鳥は優と瑠花を見て言う。

「運命、とまでは行かないかもしれないけど

出会いには意味があるよね、うん、良いよ」

「受けて立つわよー」

「ふふっ、わたくしも楽しみにしています」

 皆は疲れた様子だけど、心から笑っていた。

 心地好い脱力感の中、皆が自然と笑顔になっている。

 

 

 

 

 12月24日、20時…

 ようこう堂に優たちがやって来ていた。

 もちろんガンプラを持ってだ。

「あら、久しぶりじゃない」

 真由が優たちを見て微笑む。

「そうですね、いろいろ忙しかったんですよ」

 真由は優を見て、彼女の隣に並ぶ。

「優ちゃん、少し背が伸びた?」

「成長、しましたか?」

 優の言葉に、一同を見据える。

「見た目だけじゃなくて、皆どこか成長したように見えるわ」

 特に日常で劇的なドラマは無くても、優たちは成長していた。

「そうかな?特に何も変わって無い気もするよ」

「そうね、普通に学園生活して、遊んでただけだから」

 純子と瑠花は言うが、身勝手な理由で喧嘩した時より。

 どこか成長して見えていた。

「謙遜しちゃってー、でもさ、イブとは言えクリスマスに夜通しガンプラバトルなんて男の子でもやらない様な事をするなんて

あなた達変わってるわね」

 真由はそう言うが、どこか嬉しそうだった。

「んー?確かにね、でも今は遊びたいかなーって

ようこう堂は好きな場所だしね」

「あたしも抵抗あったわ

でも、それぐらいしないとガチ勢になれないかなって」

「わたしは、楽しそうですし

純ちゃんと伊佐美さんがするなら付き合おう

そう思ったんです」

 それぞれがクリスマスイブと言う一大イベントでこのような遊びをする事の意味について語っていた。

 真由は嬉しくなり、自然と満面の笑みを浮かべる。

 優たちのためにバトルマシーンの準備をする。

 3人も高揚感を胸に秘めて、バトルマシーンに向かう。

「わかった、ご両親から許可は頂いてるけど、日が変わる前には帰りなさいよ!

それじゃあ、ガンプラバトル」

 

「れっつごー!」

 

 

 

おしまい

 

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