日常描写多目かな?
プラモウォーズのあの機体をチョイスしたのはあの回が初めて見た話で、一番好きな話だから!
・模型新世紀ガンプラガールズ 第5話 「背負ってる物が違いすぎるよね…だけど!」
ガンプラバトルフィールド。
そこにはガンダムZZに登場した戦闘機とMSを合体させたかのようは異色のMS、ジャムル・フィン3機が3機のガンダムとバトルを繰り広げていた。
パイロットは全員少女だった。
「いっけー!」
1機のジャムル・フィンがメガビーム砲を繰り出し、続く2機もそれぞれミサイルとメガ粒子砲を1機に集中させる。
ジャムル・フィンの攻撃を一斉に受けるのは、特異な頭部デザインが特徴で。
多彩な戦法をこなせるガンダム型MS。
Gのレコンギスタの主役機、Gセルフだった。
Gセルフはボディを回転させた直後にバーニアを活用して全ての攻撃を寸前で回避する。
Gセルフは改造されて可動範囲も広がっていた。
「え!?」
3人がかりの攻撃が回避された事に、ジャムル・フィンのパイロットの3人は驚く。
攻撃を続け、メガ粒子砲をGセルフに放つが、それが仇になった。
一瞬の隙を突き、Gセルフのバックパックはビームを反射するリフレクターパックへと変化していた。
光が煌めき、それがジャムル・フィンへと向かう。
「う!?嘘でしょ!」
メガ粒子砲を反射され、爆発と共にジャムル・フィンは自らの武装でダメージを受ける。
「悪いけど…行きます!」
爆風が晴れた眼前には、Gセルフがいて、サーベル2本を構えていた。
Gセルフがサーベルを振りかざすと、爆音と光と共に、ジャムル・フィンは砕け散る。
「これで、私の勝ちです」
Gセルフのパイロットは静かに言う。
「次はアタシの番だよっ!いざしょーぶ!」
Gセルフに続いて、SDとリアルの中間のガンプラが現れる。
侍の格好をしている、いわゆる武者ガンダムで刀を武器として持っている。
頭が大きいが、背丈が高く、脚パーツは高下駄のようになっていた。
背中にはきらびやかな大きな翼を携えているのが大きな特徴だ。
それはプラモウォーズに登場する、武神天零王だった。
武者ガンダムの天零頑駄無の改造機であり、超機動大将軍の翼など、他武者ガンダムのパーツを取り付け、大幅にパワーアップした機体だ。
プラモウォーズ劇中では醍醐浩一が増長した主人公、創勇斗を打ち破る活躍を見せた。
プラモウォーズでは高い防御力と、想いの力で強力な機体となっていた。
「ぶ、武神天零王!?だけど!」
予想外の敵の登場に驚くも、ジャムル・フィンからミサイルが放たれ、天零王に炸裂する。
「どう?これなら!」
周囲に爆風が広がる。
「ざーんねん!惜しかったよ!」
天零王のパイロットの少女はほとんど動じていなかった。
「な!?」
爆風が晴れた所に、多少装甲が焦げている天零王がいた。
ダメージがないわけではないが、装甲が厚いためダメージは軽微だった。
「今度はコッチの番!行くよ!」
天零王が高く飛び上がり、天零頑駄無の代名詞、綺羅鋼の光が神々しく煌めく!
天零王は刀を振りかぶり、光と共にジャムル・フィンに切りかかる。
シンプルな一撃だが、全てを切り裂く必殺の一撃!
「必殺う!綺羅鋼閃空斬っ!!」
光の一撃で、ジャムル・フィンは切り裂かれる。
「き、きゃああ!」
この天零王は最新キットを使って可動範囲を広げているが、派手なデザインのため、可動範囲は限られる。
だが、その防御力とカタログスペックでは計れない力は驚異的だった。
「よし!やった!」
天零王のパイロットの少女はガッツポーズを取る。
「こ…これは不味いかも…」
最後のジャムル・フィンは形勢が圧倒的に不利になったので、一旦退却して反撃を考えていたが。
それは許されなかった。
「やあっ!」
一気に一つの影はジャムル・フィンに迫り、槍の一撃を炸裂させる。
槍はウェイトになっている筈なのに、それを感じさせない攻撃。
槍が振るわれる度に、ジャムル・フィンは破損する。
「そ!そんなっ!」
槍を持つMSは、槍にエネルギーを込める。
「必殺!ノーブルランサー!」
エネルギーのチャージが終えると、強烈なエネルギーの粒子が、戦場を覆い尽くす。
その光は、どこか美しかった。
こうして、バトルの結果は、ジャムル・フィンチームの完敗となった。
「これで、わたく…僕たちの勝ちで…勝ちだよ」
先程槍で攻撃を繰り出していたのは、オリジナルの細身なガンダムタイプのガンプラだった。
ガンダムUCの袖付きをモチーフにしたのか、服のような装飾もところどころにあり、どこか高貴な雰囲気も見える。
ギャラリーは圧倒的な差で締めた試合に驚きの声を上げる。
「お…おい…あのガンダムのチーム…全員女の子だよな…」
「ああ…まさかあそこまでやるなんて…」
少女たちのガンプラバトルに、予想を遥かに超えたレベルの戦いにより波乱が訪れる気配があった…
一方、ようこう堂。
ガンプラバトルフィールドで2体のMSが戦闘を繰り広げていた。
市街地にビームの閃光が放たれる。
暗い緑のMSが片腕でライフルを放つが、オレンジのMSはそれを容易く回避する。
「でえやあ!」
「甘い!甘いわ!」
優と瑠花がそれぞれ素組みのガンプラで模擬戦を行っていた。
二人が乗っているのは、大きな頭部と太めのボディが特徴的なMS、マラサイだった。
優のマラサイは暗い緑のいわゆるユニコーン版。
瑠花のマラサイはオレンジを主体としたいわゆるZ版だった。
同じ素組みなので戦闘力はまったくの互角だが。
パイロットとしての腕前の差が現れ。
優のマラサイは瑠花に破壊され左腕が動かなくなっていた。
「次はあたしの番ね!やあっ!」
瑠花のマラサイがスピードを加速させ、破壊の閃光が走る。
その瞬間優のマラサイの右腕も破壊される、優のマラサイは両腕を破壊され、絶体絶命だった。
優の頬に冷や汗がつたうが、優は何かを閃いた。
「ちょっと心が痛むかな…誰もいないけどごめんなさいっ!」
なんと、優のマラサイは足元のビルを蹴り上げる!そのビルは瑠花のマラサイに迫っていた。
「なっ!?」
瑠花は予想外過ぎる攻撃に困惑する、瑠花はバルカンでビルを破壊するが。
その眼前には両腕を失いながらも、肩のビームサーベルをシールドにマウントしたまま展開し。
瑠花のマラサイに突進する優のマラサイがあった。
「行くよ!いただきっ!」
優のマラサイは、捨て身のビームサーベルの一撃で、瑠花のマラサイを撃破した。
「まさか…そんな手があったとはね…」
瑠花は少し悔しそうに言う。
「お疲れ様、二人とも」
真由はレンタルガンプラとして貸し出したマラサイをショーケースにしまう。
「これで瑠花ちゃんと優ちゃんのデータも増えたわ」
真由はバトル終了後に、データを追加する。
「どう、あたしのCPUは?」
瑠花は真由に訪ねる。
ガンプラバトルは一人でも出来るように、あらかじめCPUと戦うモードが搭載されている。
真由は許可をもらって、瑠花と純子のCPUをバトルシステムに組み込んでいた。
優は恥ずかしいのか、断っていた。
そのため、ようこう堂最強の瑠花のCPUは猛威をふるっているようだ。
「瑠花ちゃんのCPUね、良い出来になったわ!
オレンジの悪魔の異名で、CPUへの勝率は1割にも満たないぐらい強力なプログラムよ」
瑠花はその話を訊いて、どこか満足した様子だった。
優は模擬戦後、スマホで何かをメモしていた。
「さっきは勝てたけど…まだ2対15か…」
優は瑠花との戦歴をメモしていた。
瑠花との今までバトルの結果は、優が2勝、瑠花が15勝と言う圧倒的な大差が出ていた。
最初は全力でない上に、二人がかりで勝利。
先程はお互い同一の機体で、優は実力で瑠花に敗けているから奇策を取って勝利したに過ぎない。
「発想も武器じゃないかしら?ビルドファイターズでもよく言ってるでしょ?自由な発想って」
瑠花はそう言い、優を激励する。
「そっか、ありがとう、楽しければいいよね」
優はそう言い、笑顔を向ける。
瑠花は何故か心音が高鳴るのを感じた。
(ど、どうしたのかしら!あたし…)
「えっと、真由さん、このガンプラは?」
優はふと気になり、何気なくプラモのショーケースに目を向けると。
そこにあったのは、ガンダムローズ、Gアルケイン、ムシャガンダムシン、鉄機武者爆進丸が並んでいた。
どれも完成度が高く、塗装や細かな改造なども目を引く。
ガンダムローズは薔薇をモチーフにした紳士的な雰囲気を持つガンダムで。
ムシャガンダムシンは攻撃、防御、スピードを持ち合わせた形態に変形出来る小さなSDの武者ガンダム。
鉄機武者爆進丸は頭部の大きな砲台、重武装が特徴の武者ガンダム。
SDだがリアル等身にもなれる。
「スゴい、カッコいいなあ」
優は自分では到底及ばない完成度に驚くと同時に、見とれる。
「確かに高い完成度ね、でも」
ガンダムと言うカテゴリー以外はバラバラの組み合わせのガンダムの展示、瑠花はそれを疑問に感じていた。
真由が口を開く。
「この4つのガンプラはあなた達と同じぐらいの年頃の女の子が作ったのよ」
真由がそう言うと、優と瑠花は仰天する。
「うそ…凄い人もいるんですね」
「あ!あたしと同年代であたしより上手いなんて!あたしももっと!」
瑠花は対抗心を燃やしていた。
「あ、落胆するんじゃなくてそっちなんだ…」
優は瑠花が折れるよりも、むしろ自分を高める方向に行くタイプだと理解した。
真由はそんな瑠花に関心しながらも、話を続ける。
「シンを作ったのはね、前によく妹さんと来てくれてた娘よ
そっちの爆進丸はその妹さん
妹さんはよく来てくれるんだけど、お姉さんは…」
真由は重い表情になったが。
「真由さん…」
真由は何があったかは深く語らないため、優たちもあまり追求しなかった。
「良いガンプラだね、なんだか懸命に作ってある感じで」
優はそう言い、愛でるようにガンプラを見つめていた。
ふと机の上に置いてある自分のAGE2を見る、完成度が高いわけではないが。
優にとっては大切な物だ。
「わたし、あんまりあなたを上手く作ってあげられなかったけど
頑張ろうね」
優はそう小さく言った。
優は近所の大型スーパーにいた。
どんな訳か、リボン限定のセール、『リボン祭り』が行われているため、優はそこで幾多のリボンを購入していた。
赤、青、黄、オレンジなど多彩なカラーのリボンとリボンがついた服などを購入し、優は手がいっぱいになっていた。
付き添いの瑠花も優の荷物を持ってあげていた。
瑠花は内心呆れると同時に、優のバイタリティに感動すら覚えていた。
「変なセールね…まったく…」
優は満ち足りた表情をしていて、心なしか肌もつやつやしているように見える。
「本当にありがとう!伊佐美さん!このリボンのどれかあげようか?」
「ま、まあ、あたしはヒマだったからよ、気が向いたらもらうわ」
瑠花は少し照れながら言う。
優が気配を感じ、ふと振り向くと。
見覚えのない姿と、見覚えがある姿が同時に見える。
そこには、困り顔の里依と。
帽子を被ったボーイッシュな少女と、セミロングの髪を整えた清楚な雰囲気の少女がいた。
「妹さん、よね?」
「あれ?里依ちゃん?」
優は何故里依が知らない人と一緒にいるのかわからなかった。
里依は優の姿を見ると安堵したような表情になる。
「あ!お姉ちゃん!瑠花お姉ちゃん!良かったです!」
里依の片側にいた帽子を被った少女が言う。
「あ、キミがこの方…この子のお姉さんかな?
わたく…僕は…セツって言います」
優は何故二人の見知らぬ少女と里依が共にいるのか、疑問を感じていた。
優は今の時間に、里依が母親と共にデパートに来ている事は理解していたが。
「あたしは伊佐美瑠花よ、よろしく」
「はじめまして、わたしは星河優です
うん、そうだけど、なんで里依ちゃんが?」
優が疑問に感じていると、セミロングの少女が答える。
「私の名は深澤鈴(ふかざわすず)です
この方が迷ってらしている所に通りかかったのです
買い物の最中にお母様とはぐれてしまったようで、私達が共に」
優は話を訊くと、事情が理解出来た。
里依は携帯を持っていないし、迷子センターは恥ずかしいから母への連絡を取れないのだ。
「良かったじゃない、良い人と一緒で、二人共可愛いしね」
瑠花は軽く言うが、里依が妙な事に巻き込まれないのに安堵していた。
優はスマホを取り出し、母に電話をする、事情を説明すると、この場に里依を迎えに来ると言ってくれた。
「ありがとう、助かった!」
「いえいえ、当然ですわ…当然の事をしたまでだよ
えっと…あれって何かな?」
セツが妙な口調を口走り、その照れ隠しとして話題をそらす。
セツの目線の先には、小さなスペースにラムネ瓶が売っていた。
口調からして、ラムネを知らないのは本当らしかった。
「え!?本当にラムネ知らないの?お礼にわたし買ってくるね」
少し待つと、優が人数分のラムネを買っていた。
「はい、どうぞ」
瑠花が早速、蓋に穴を開けて、ラムネを飲む。
ビー玉がかつんと当たり、小気味の良い音が聞こえる。
「たまには良いわね、こんなシュワっとしたのも」
鈴はたやすく開けたが、飲むのには苦戦していた。
「ええと…」
「ここにビー玉引っ掻けるんだよ」
「あ、そうでしたね、忘れてました」
鈴もビー玉を引っ掻けて、ラムネを飲む。
里依とセツの方を見ると、二人は開ける事に苦戦していた。
「えっと…」
「難しいですー」
瑠花は二人に開け教える、里依はすぐに開けられたが。
セツは加減を謝ってしまった。
「わ!わわっ!?」
ラムネがセツの帽子にかかってしまう。
「セツさん!大変!」
鈴が急ぎセツの帽子を取る、すると帽子から長い髪が姿を見せる。
髪は流れるかのように、靡いていた。
「あ…」
長く美しい髪は、一気にセツのイメージを変える。
髪を拭いた後、セツは慌てて変えの帽子を被る。
「み、みっともない所をお見せしてしまい…みっともない所見せちゃったね」
里依はその長い髪に見とれていた。
「そんな綺麗な髪なのに、なんで隠しちゃうんですか?」
里依は疑問をぶつける。
「人にはいろいろ事情があるのです、申し訳ありません」
鈴は里依の疑問に答える事が出来なかった。
鈴はセツの事をよく理解しているように見えた。
「綺麗…だよ」
優が驚きの声をあげる。
「事情あるならあたしは詳しく訊かないわ」
瑠花は深く追求しなかったが、それも彼女なりの気遣いだろう。
しばらくラムネの冷たさと甘味を味わっていると、話は変わっていた。
「これからようこう堂と言う玩具店に赴こうと思いまして、知ってますか?」
鈴がようこう堂の話を切り出すと、優もそれに反応する。
「ようこう堂!行き付けの場所だよ」
「そこでガンプラバトルってのが出来るから
僕はガンプラバトルでようこう堂最強のCPUと戦いたいと思いまし…思ってね」
「ガンプラバトルか、わたしもやってるよ!いいよね」
「里依もやってみたいと思ってますが、出来るですかね?」
里依が興味を持つ中、優しくセツは言う。
「そうだね、思ったより難しくないよ、大切なのは熱意とかの気持ちかな」
「わたしがガンプラ作るの手伝ってもいいよ、あんまり上手くないけど」
優と里依とセツが楽しく会話している中。
瑠花はセツの言葉に微笑を浮かべていた。
最強のCPUのモチーフが自分だと言う事をカミングアウトしたらどんな反応をするだろう…と。
(ふふ、それはあたしよ、そのCPUの元があたしだって気付いたら驚くだろうなー♪)
瑠花が高揚した気持ちを抑えきれない中、鈴が言う。
「はい、物凄く強いスローターダガーの使い手で
CPUの最強の名称は『ルカピョンジムジェスタダガーカットシーターンL』みたいです」
瑠花はその名前を訊いた瞬間、火がついたかのように大きな声を出す。
「な!?何よその名前!?」
「ぷっ…ーーっ!」
優は笑ったら瑠花に何をされるのかわからないので、必死に笑いをこらえていた。
真由から訊いた話では、ファイターのCPU瑠花への勝率が1桁と言う。
ようこう堂ナンバーワンの瑠花の実力を反映した強力無比なCPUだが。
名前で全て台無しになっていた!
「えっと…確かキミの名前は伊佐美瑠花だったよね…つまりようこう堂の最強のCPUのモチーフは…」
絶対純子と真由の仕業だろう…CPUの名前は…瑠花の背中から怒りのオーラが見えた。
「そうよ!あたしよ!直訴するためにあたしも行くわ!!」
純子はいるかわからないので。
瑠花も今すぐ真由に直訴するために逆戻りだがようこう堂に向かう事にした。
「わ、わたしも行くー…」
優は興味もあるし、何より今の瑠花を放置したら危険なので三人に付いて行く事にした。
「き、気をつけてです…」
里依は不穏な気配を感じながらも、見送っていた。
優達が去った数分後、純子が勢い良くようこう堂の扉を開けてやってきた。
「まーゆさん♪CPUの調子はどうかな?」
純子が姿を現すと、真由もそれに返答する。
「純子ちゃん、こんにちは
そうね、まるで鬼神のようだ!って言われるぐらい上手くプログラム出来たわ」
「そうなんだ!頑張った甲斐があったね」
純子が言うと、真由は楽しげに笑う。
「そうね、十人十色って言うし、いろいろな人のデータと戦えるのは面白いわよ」
「純子もフォローするよ、出来る限りね」
そんな会話をしていると、純子より少し背が低いほどの、小柄な少女がどこか悲しげな目でショーケースを見ていた。
「あ…」
純子はその少女に気づいて、声をかける。
「こーとりん!どったの!」
真剣な表情をしているのはわかるが、元気づけるためにと純子なりの考えがあった。
少女の名前は大和小鳥(やまとことり)と言う。
小鳥はようこう堂に訪れた事が何度かあり、小鳥は素直になれないが純子とは友人同士だ。
小鳥は活発そうな顔を純子に向けた。
「ことりん言うな!乳でかよーじょ!」
小鳥は嫌がってるような事を言ったが、瑠花と同じく本当に嫌がってる様子ではない。
「あはは、元気出たかな、ことりん」
純子はあっけからんと言い、笑いかける。
「いらっしゃい、小鳥ちゃん」
真由が優しく言う、何か事情を知っているのか、その声色は柔らかい。
小鳥はしみじみと、ショーケースの武者ガンダムシンと爆進丸を見る。
どこか悲しげな瞳で。
純子もその隣に立ち、静かに言う。
「ことりん、トコちゃんの調子はどう?」
「………あんまり…」
小鳥は静かに言う、純子もそれに軽く「そっか…」と返す。
あまり深く追求しないのも、優しさなのだろう。
それから少し時間が経ち、小鳥が無理矢理話題を変える。
「純子!ガンプラ持ってる?持ってるならアタシとバトルしよーよ!」
無理矢理元気を振り絞ったのか、声も大きくなってしまっている。
純子はその真意を理解して、深くは語らなかった。
「うん!当然持ってるよ!いいよ!バトルしよー!」
純子は元気良く言い、ビギニングJDを取り出す。
「アタシは当然これ!」
小鳥は武神天零王を取り出す、普通のモデラーなら予想外の相手に困惑するが。
純子と真由は慣れた様子だった。
「相変わらず綺麗だねー」
「ええ、そうね」
それぞれ、天零王について思う事があるようだ。
小鳥は何かを考えていて、感慨深い表情を浮かべている。
(これは…姉ちゃんとアタシの…大切な…)
しばらくすると、純子と小鳥はバトルマシンに移動し。
バトルマシンにそれぞれのガンプラがセットされる。
「真由さん!準備オッケーだよ!」
「アタシもいいよ!」
真由が二人に言われ、バトルマシンを起動する。
「バトルマシン!起動!」
真由が掛け声をあげる。
「純子!ビギニングJDガンダム!出るよ!」
「大和小鳥!武神天零王!行くよ! 」
眼前にバトルフィールドが広がる。
バトルフィールドに、市街地が広がる。
そこに降り立つビギニングJDと。
現代社会にはミスマッチな武者ガンダム、天零王。
ガンダムと言う以外共通点が少ない機体が、お互いに対峙する。
「行くよ!ことりん!」
純子が牽制にビギニングのライフルを撃つも、天零王はわずかなダメージを受けつつも突き進んで来る。
ビームが当たる中、強引に突き進んで来る。
正に防御力任せの戦法!
「悪くない攻撃だけど!この前のジャムル・フィンの攻撃の方が強かったかな!」
天零王は刀を振りかざし、鋭い一撃が走る。
「きゃっ!」
純子はJソードで受け止めるが、左手で咄嗟に構えても受けきれず、Jソードは砕けてしまう。
「せいやあっ!」
更に、天零王の斬撃は続き、ビギニングJDの胸部装甲に大きな傷を残す。
「ま、不味いかな…これは…」
純子の頬に冷や汗が伝う。
一旦ビギニングJDは距離を取るが、天零王が迫ってくる。
「なんの!これならどうっ!」
ビギニングJDはロングライフルを取り出し、電撃の一撃を発射する。
「し、シビれた…嫌な距離だね」
閃光が迸り、電撃の一撃が天零王に炸裂する!始めて決定的なダメージを与えた。
だが、まだ天零王の強固な装甲を貫くには至っていないので、純子は策を巡らせていた。
「やっぱり、ちょっとやそっとじゃ無理か!じゃあこれ試しちゃお!」
そこで、純子は予想外の行動に出る。
アタッチメントを取り出し、ギターライフルとビギニングのライフルとロングライフルを連結させる。
するとそこには、ビギニングJDの体躯よりも長い、超ロングライフルがあった!
無理矢理武器を3連結してパワーアップした破天荒な武器が!
「な!なんだよそれー!?」
流石の小鳥もその無茶苦茶な武器に驚く。
「いっくよー!純子流ひっさぁーつ!
爆発!閃光!電撃ビームぅ!!」
純子は禁断の武器の、引き金を引く!
爆音!閃光!電撃!全てが大きなスケールで天零王に襲いかかる!
更にビームバルカンとスカートに隠されたビーム砲まで使用して、持てる限りの射撃武器を使用した。
「そ!そんな!き……う…」
小鳥は最後に何かを言ったが、聞き取れなかった。
周囲は、破壊のエネルギーに包まれた…
それから純子は、無理矢理連結させたライフルを見ると。
無理矢理連結させたため、ライフルはアタッチメントの部分と銃身が溶けてしまっていた。
「と!溶けたぁー!?」
純子が困惑する中、真由は冷静に考える。
(ま…バスターガンダムみたいに始めから連結させるための設定とデザインにしないとこうなるわよね…)
真由は当然とも言える結果を冷静に見守っていた。
「やった…わけじゃないようだね…」
純子は小鳥のしぶとさを理解しているのと、バトルが終了しない事で、直感的に何かを予想していた。
煙に包まれた周囲を見ると、天零王の姿が見える。
天零王の周囲には、バリアーが張ってあった。
だが、無傷とまでは行かず、かなりのダメージを負っているようだ。
ヒビが入っている装甲、それが証拠だった。
「どーう!これが綺羅鋼防御光(きらはがねぼうぎょこう)の力っ!」
純子は直感的に警戒する
「ボロボロなのに余裕ありそうじゃん、ことりん」
純子は警戒する、天零王のボディが煌めく!翼にエネルギーが蓄えられて行く。
「綺羅鋼!飛翔光!」
天零王の翼から光のエネルギーが放たれる!
「ま!まずいよっ!」
純子は回避しきれず、光のエネルギーの直撃を受けてしまう。
爆発と共に、左腕パーツが弾け飛び、頭部パーツの半分も消し飛ぶ。
光が収まると、眼前に天零王が刀を構えて存在していた…
「これで終わり!ひっさつっ!綺羅鋼閃空斬っ!!」
ビギニングJDは天零王の光の一撃により、包み込まれる。
だが、純子もただで済まさない性格だった。
交差する瞬間に、Jソードを手にする。
「背負ってる物が違いすぎるよね…だけど!必殺!純子流一本オンリー炎一閃!!」
Jソードは炎の一撃だけに全部のエネルギーをかける!
いつもよりも一際巨大な炎のエネルギーが剣にまとう!
巨大な炎の一撃は天零王を包み込む。
「あ!相変わらず無茶苦茶な!」
お互いの剣により、ビギニングJDと天零王は倒れる。
勝負は、引き分けに終わっていた。
その時、勢い良くドアが開かれる。
「こらー!真由ー!いたら純子ー!」
そのドアを開けたのは、瑠花だった。
怒りのあまり、呼び方も変わった上に呼び捨てになっている。
「えっと…」
優はついて来て良かったのか、自分の判断が正しいか自分でわからなくなっていた。
だが、優と瑠花が本来の目的を忘れるぐらい、信じがたい光景がバトルマシンのモニターに広がっていた。
「なっ!?」
「えっ!?」
砕け散るビギニングJD、その光景は、優と瑠花には信じがたい光景だった。