・模型新世紀ガンプラガールズ 第8話「大切なのはチームワークね!」
ガンプラのバーチャル空間に二機のガンダムAGE2が降り立つ。
一機はメタリック塗装がされたAGE2、もう一機はシルバーの塗装がされたダークハウンド、シルバーハウンドだ。
AGE2の操縦者は優で、シルバーハウンドの操縦者は里依だ。
「えいっ!」
シルバーハウンドがサーベルでAGE2に切りかかるも、AGE2も同じようにサーベルでそれを受け止める、ビームの粒子が迸る。
「 里依ちゃん、やるね!」
優はAGE2をシルバーハウンドから身を引かせ、AGE2はバーニアを機動し、アクロバティックに回転する。
その直後にAGE2はペイント弾を放つ。
シルバーハウンドのボディはペイントにより変色する。
「す!スゴい動きですっ!でも負けないですよ!」
里依は負けじと、武装スロットをコントロールする。
シルバーハウンドはAGE2に向かってアンカーを放っていた。
アンカーがAGE2に巻き付き、その直後に躊躇せずにサーベルを抜き去る。
その判断力は小学生離れしていた。
「ふふっ、わたしもただじゃ負けないよっ」
優は直後に予想外の行動を取る。
なんと、AGE2はアンカーを破壊するためにアンカーに向かい頭部バルカンを放っていた!
自らもダメージを受けても関係ない!予想外の戦術。
優と里依、姉妹のバトルは続いていた。
勝ち負けにはこだわらない、楽しいバトル。
二人の顔も自然と笑顔になる。
「おお!やってるねー!二人とも」
純子がモニターに写る二人の戦いを見て言う。
「星河さんもだけど、妹さんもなかなかね、まさか小学生であそこまでやれるなんて」
瑠花が呟く、うかうかしてると自分も追い抜かれるかも知れない。
それが瑠花のガンプラバトルへのモチベーションを高めていた。
しばらくすると、バトルが終了し、優と里依が姿を見せた。
「あれ?二人とも来てたんだ」
優が純子と瑠花の姿を見て言う。
「やあっ、優ちゃん、りーちゃん」
「二人のバトル、なかなかだったわよ」
瑠花が言うと、 里依は嬉しそうに微笑む。
「瑠花お姉ちゃんほどの人に認めてもらえるなんて!感激ですっ!」
里依が無垢な笑顔を見せると、瑠花はそれに魅了される。
「はあ…凄い可愛い…」
顔は真っ赤になり、瑠花の目はとろんとしていた。
「おーい…帰ってきてー…」
優は瑠花の様子に困惑していた。
だが、そんな瑠花の様子よりも衝撃的な光景が直後に飛び込んで来る事になる…
「おお!みんな来たね!」
真由が姿を表すが、その様子はいつもと全然違っていた。
「!?い、いつの間にっ!?」
「か!カッコいいっ!!」
「あ…あ…」
優、純子、瑠花はそれぞれ違う反応を見せる。
真由はカラーコンタクトを入れ、金髪のトゲトゲした髪のウィッグを被って、連邦軍の制服を着ていた。
優は自分と里依がバトルしてる合間にコスプレをしていた事に仰天した。
ガンダムサンダーボルトの主人公の一人、イオ・フレミングのコスプレだ。
「真由さんカッコいいです!凛々しいですっ!イオですっ!」
里依は年齢的に危険な描写があるがサンダーボルトの原作は見ていた。
目をキラキラと輝かせる。
「ふふっ!カッコいいでしょ!」
真由がドヤ顔で胸を貼る。
真由は優だけではなく、純子と瑠花の二人も呼び出していた。
「で、わざわざコスプレ見せるためにあたし達呼び出したんですか?18にもなって」
瑠花がキツいツッコミを入れる、真由もそれにダメージを受ける!
「う…うぐぐっ!違うわ!新しいシステムが開発されたからテストして欲しいって要望が来たの!」
真由は瑠花のツッコミのダメージが癒えるまで待ち、ダメージが回復すると。
ドヤ顔で立ち上がり、ガンプラバトルマシーンを操作する。
バトルマシーンのモニターには全身を装甲で飾り立てたガンダム、青色のフルアーマーガンダムが宇宙を舞っていた。
それに対峙するは同じくFAガンダムだが、デザインが大分異なり、色が紺色で、背中にはサブアームを介して大量の武器とシールドが装備されていた。
青色のFAガンダムはプラモ狂四郎に登場したFAガンダムで。
紺色のFAガンダムはガンダムサンダーボルトに登場したFAガンダムだ。
二機のFAガンダムは挨拶と言わんばかりに、お互いに大量のミサイルを機体から発射する。
お互いの爆風が広がると、宇宙は強烈な熱量に覆われる。
爆風に覆われる中、最初に動いたのはFAガンダム(狂四郎)だった。
腕に取り付けてある2連ビーム砲をFAガンダム(TB)に向かって放つ。
FAガンダム(TB)はサブアームを使い、シールドでビームを防ぐ。
FAガンダム(狂四郎)は背部のショルダーキャノンを炸裂させる。
触れた物を確実に破壊するであろう巨大な弾丸が打ち出される。
それに負けじと、FAガンダム(TB)も背部のビームキャノンを放つ。
お互いの射撃の位置はすれ違い、お互いの胸部に炸裂した。
だが撃墜の表示はされずに、二機のFAガンダムは胸部装甲を失いながらも立っていた。
お互いの追加装甲はダメージにより弾け飛び、宇宙に舞う。
静かに対峙し、二機のFAはビームサーベルを抜く。
そして一気に加速する!二機のFAガンダムのビームサーベルがぶつかる。
ビームの衝撃により、閃光が走った。
真由がモニターを指差す。
「はい!今回のテストプレイは!」
真由の指の先には、『ガンダムコミックステージ』と大きく書いてあった。
「つまり、漫画が原点のガンダム作品のステージで、CPUとガンプラバトルを行うと言う事ね」
瑠花が関心しながら言う。
プラモ狂四郎もガンダムTBも漫画が原点だ。
「へえ!面白そう!早くやろーよ!」
純子が無垢にはしゃぐ中、真由はまたも得意げに言う。
「ふふっ、あわてないあわてない、あなた達だけじゃなくて素敵なゲストも呼んであるんだから!さあ!三人共どうぞ!」
瑠花が合図をすると、予想外の人物が姿を現した。
スポットライトまでわざわざ使うほどの力の入れようだった。
「えっ!」
「みんなっ!」
「まさか、この娘達とはね」
その三人は先日優たちがバトルを行った、セツ、小鳥、鈴のチームハイリトルベルの三人だった。
「皆さん、お待ちしていました」
セツは丁寧に頭を下げる、無理矢理口調を変えるのは優たちの前ではやめたようだ。
「なかなかアンタ達と遊ぶの楽しかったからね」
小鳥は少し照れくさそうにしていた。
「お二人とも皆さまと会えるのを楽しみにしてたのですよ」
鈴は柔和に笑う。
「わあっ!セツお姉ちゃん!また会えたです!お二人も始めましてです!」
里依はセツに駆け寄り、お互いに手をつないで楽しそうにはしゃいでいた。
優はこんなに早く再会出来るとは思わず、嬉しくなるが。
一つ疑問があった。
「うん、わたしも皆に会えるの楽しみにしてたっ
それでさ、三人共真由さんが切り出すまで待ってたの?」
そう、何故すぐにハイリトルベルの面々が出て来なかったのかを…
セツは優の疑問に対し、恥ずかしそうに答える。
「はい、Lineが来るまで別室で待ってました…」
「小鳥さんがあなた達を驚かしたいと言うもので…スポットライトも当てて派手に登場したいと…」
セツと鈴は小鳥に視線を向ける。
小鳥は悪ノリした事が恥ずかしいのか、素に戻り、顔を真っ赤にしていた。
「いーじゃん!べつに!」
一番悪ノリしているのはコスプレまでした上にノリノリでスポットライトを使用した真由だが。
真由は全く恥ずかしがっていなかった。
「今回さ、せっかく新型のシステム出来たんだから
普段組まない娘同士で組んだら?得る物もあると思うよ」
真由が優達6人の顔を見て言う。
「一理ありますね…」
瑠花が関心したかのように頷く。
「いいなあ…里依もやりたいです」
里依が少ししょんぼりとした顔をするが、純子が優しく頭を撫でる。
「後で真由さんが一緒にやってくれるよ、なんなら純子でもいいし、皆付き合ってくれるから」
里依の顔がパアッと明るくなる、皆は微笑み、里依の要望に答えると感情で示していた。
チームメンバーは相談の結果、こうなっていた。
1回戦目 瑠花&鈴
2回戦目 純子&小鳥
3回戦目 優&セツ
4回戦目 真由&里依
「じゃあ!行くよ!バトル!スタート!」
瑠花と鈴はガンプラをセットし、バトルを開始する。
「伊佐美瑠花、LOダガー行くわ!」
「深澤鈴!Gセルフ行きます!」
真由がバトルマシーンを起動すると、漆黒の宇宙空間が広がっていた。
LOダガーはリフレクターパック装備のGセルフと共に宇宙を舞う。
「よろしくお願いします」
鈴が瑠花に優しい声で言う、瑠花もそれに答える。
「ええ、よろしく
あなたならあたしに付いて来れるわね」
瑠花が微笑して言う。
自分と引き分けたライバルと肩を並べて戦う、その事に高揚感が高ぶっていた。
LOダガーとGセルフの眼前にビームが飛来する。
飛来するビームの種類は異なり。
狙いが正確なビームライフルのビームと、発射するまでタイムロスがあるが強力なメガ粒子砲だった。
「っ!?」
LOダガーはすんでの所でビームライフルのビームとメガ粒子砲を回避する。
だが、その隙を付いて強力な二門のビームが放たれる。
「嘘でしょ!」
回避しきれない、直撃コース。
間にはGセルフが割って入り、リフレクターユニットを起動する。
「リフレクターです!」
Gセルフのボディは煌めき、ビームを跳ね返す。
二門のビームを放った機体は跳ね返されたビームを回避していた。
瑠花はそのビームにはよく見覚えがあった。
「ありがとう、深澤さん、あたしの相手はわかったわ!」
瑠花と鈴の眼前には、特異なシルエットのガンダム。
ガンダムLOダガーとガンダムグリーブが立っていた。
ガンダムグリーブは主役機らしくないルックスとビームランサー(槍)が主武装なのが目を引く。
変形してメガ粒子砲を放てるアサルトモードとMAになれる特徴的なバックパックを持つと言う独創性の固まりのようなガンダムだ。
「グリーブに、LOブースターね…」
瑠花は自分がLOブースターのパーツを使用しているため。
LOブースターのビーム砲を見た瞬間に相手がLOブースターだと言う事を瞬時に理解した。
「さて、どう出ますか」
グリーブがランサーを構えてGセルフに突撃する。
鋭い槍の一撃がGセルフに向かう、だが、装甲が僅かに削れるがGセルフは寸前で回避していた。
一気に仕留めようと試みるが、Gセルフは回避を続ける。
「はあっ!」
Gセルフはビームサーベルを抜き、反撃する。
グリーブはサーベルをランサーで受け流す。
Gセルフはサーベルを回転させシールドのように使い、ランサーの一撃を防ぐ。
質量で勝る槍をさばく様は目を見張る。
グリーブはMA形態に変形し、Gセルフから距離を取る。
「逃がしません!」
瞬時にGセルフはリフレクターパックを宇宙用パックに換装する。
瑠花は鈴のプレイングに見とれていた。
「あたしも負けてられないわね!」
LOダガーはソードライフルを構え、LOブースターに向かう。
LOダガーとLOブースターはお互いにライフルを撃ち合う。
ビームの段幕が迸る。
LOダガーはLOブースターの懐に飛び込む。
LOブースターはLOダガーの動きを予測していたのか、ボディを後ろにそらせて回避する。
反撃にLOブースターもサーベルを振りかざすが、LOダガーはバーニアを駆使して回避する。
ソードライフルとビームサーベルがぶつかり合う。
ソードライフルのサーベルが二本に対し、LOブースターのサーベルは高出力だが一本のためLOダガーに押し負けている。
「出力ならあたしの方が上ね!」
LOダガーはLOブースターのサーベルを押し返し、LOブースターの右腕を破壊する。
LOブースターは持ち前の運動性でLOダガーから距離を取る。
「もらった!」
瑠花はLOブースターを撃墜するために全力を込めて背部ビーム砲を放つ。
巨大な二門のビームが迸る。
完成度なら瑠花のLOダガーの方が完成度が高いため、撃墜出来る自信があった。
LOダガーに負けじと、LOブースターは背部ビーム砲を放つ。
お互いの二門の破壊の光がぶつかり合う。
完成度で勝っているため、LOダガーの方が優勢だった。
「行ける!」
LOダガーがLOブースターのビームを押し返している光景を見て、瑠花は勝利を確信した。
だが、LOブースターのボディが光輝き、出力が上がり、ビームの威力も高まる。
少しずつだが、LOブースターがビームを押し返して来ている。
「え!?」
瑠花は仰天するが、瑠花の脳裏にはGユニットシリーズのガンダム系MSの出力と運動性を高めるシステム、『PXシステム』が脳内によぎる。
「PXシステム…はっ!?まさかあの時!」
瑠花はサーベルで鍔迫り合いをしていた時にPXシステムを使わなかった理由を察した。
その時に使用すれば鍔迫り合いには勝てたかもしれないが。
確実に最大の一撃を加えるため…この時のために温存していた。
どんどんとLOダガーはビームを押し返され、装甲の表面が溶解する。
「こ!これは不味いわね!」
LOダガーはビームを押し返され、爆音と共に爆発する。
周囲にはLOストライカーのパーツが舞っていた。
「南澤さん!」
Gセルフはグリーブとサーベルとランサーので切り合いを行っていた。
お互いにギリギリで攻撃をさばく。
僅かなスキを付き、サーベルがグリーブのシールドを破壊する。
Gセルフはグリーブと交戦中だったが、シールドを破壊され怯んだスキを見つけ。
LOダガーが爆発したのを察してLOブースターの元へ向かう。
「やあっ!」
体制的にサーベルを向ける余地がないため、Gセルフは咄嗟LOブースターを蹴り飛ばす。
LOブースターの眼前に、オレンジ色の機体が現れた。
「甘いわ!あたしはやられてないっ!」
瑠花のダガーは先程はビームの出力が押し負けていたが、ストライカーパックを寸前でパージして難を逃れていた。
爆風の余波は受けているが、ビーム自体は直撃していないため重症ではない。
そのため、撃墜はされていない。
ソードライフル二丁を構え、一気に4本のビームサーベルでLOブースターを撃墜する。
「ふう…気をそらせてくれてありがとう…大切なのはチームワークね!」
瑠花は胸を撫で下ろしていた。
「どう致しまして、でも、まだ終わりじゃないですよ」
鈴が言うと、グリーブもPXシステムを展開して、高スピードでGセルフとダガーの元へ迫って来た。
「まったく!厄介ねっ!」
交差する瞬間にダガーのソードライフル二丁とGセルフのライフルも破壊される。
Gセルフはシールドで槍の一撃を防ぐが。
槍の一撃も素早い上に重く、シールドもあっけなく破壊される。
更にグリーブの動きは素早く、照準がなかなか合わせられない。
鈴はライフルを破壊されたが、冷静な様子だった、精神を集中し、眼前の敵に意識を向ける。
「………」
グリーブのランサーがGセルフに迫る!
だが、その槍の一撃を紙一重に回避する。
突きだけではなく次の槍の突き上げも、なぎ払いも回避する。
「やるわね!負けてらんないっ!」
瑠花はグリーブが次に現れる場所を予測して、スカートからナイフを取り出す。
高速で動き回るグリーブのスキを見て、ナイフを投擲する。
その一撃は鋭く、グリーブのバックパックを居抜く。
多少動きは鈍ったが、グリーブの勢いは止まらない!
ランサーはGセルフのコックピットを貫いた!かのように見えた…
ランサーはコックピットに届く事なく、止まっている。
「まだ、終わってないわね…」
瑠花は冷静に事を見守る。
セルフは余剰エネルギーを放出しフォトンエネルギーを使い、バリアを貼り。
それを一点に集中し、グリーブの渾身の一撃をギリギリで受け止めていた。
Gセルフは両腕でサーベルを構え、グリーブに向かい振りかざす!
「やあああっ!!」
サーベルはグリーブに直撃し、直後にグリーブは大爆発を起こす。
こうして、戦いは決着を迎えた。
「なかなか強いCPUだったわ」
バトルを終え、瑠花が息を切らせながら言うと、真由は満足そうに笑う。
「ふふ、そうでしょ」
「何より、楽しかったです」
鈴が言うと、瑠花もそれに答える。
「そうね、味があったわ」
先程のバトルを見て、純子と小鳥も胸が高ぶるのを感じる。
「ねーねー!ことりん!早く純子達もやろーよ!」
「わっ、ひっぱんないでよ!よーじょは落ち着きないなあ!」
小鳥はそう言うが、自分も待ちきれていない。
早く純子と共に戦いたい、そう思っていた。
「OK!二人ともガンプラ作品が元ネタのガンプラだからこれで良いかな?」
真由がバトルマシーンを操作する。
先程の瑠花と鈴と同じように、純子と小鳥もガンプラをセットする。
「南澤純子!ビギニングJD!いっくよー!」
「大和小鳥!武神天零王でるよ!」
二機が降り立ったステージは、古いプラモデルが沢山ある模型店のステージだった。
模型店の低い棚の上にビギニングJDと天零王がいた。
店の中には『クラフトマン』と書いてあり、古いガンプラだけではなく、油すまし、タイガーⅠ型、F15のプラモデルまであった。
「ま…まさかここは…」
「え?何かな?」
小鳥は何かを感じていた、純子は対照的に頭に「?」が浮かんでいる様子だ。
すると、模型店の奥からは大量の武装と装甲で強化したファーストガンダムと。
対称的に赤く高機動タイプのガンダムが出てきた。
「ま!まさか!あれは!」
小鳥がその相手を見て、驚きを感じる。
つづく
今回で最終回にしようと思いましたが、思いの外長くなったので、前後編って事でお願いします。
ライバルとの共闘回で、次回で最終回です。
あと、漫画とかならともかく小説なら同じ名前の機体同士の対決とか難しいですね。
読みづらくなったのに反省。
今回のガンダムコミックステージですが、「ボンボンガンダムコミックステージ」にしようとも思ってました。
だけど、全話見たのが限られるし、今は入手が難しい作品があるので、今回の形にしました。
クロスボーンがガンダム漫画で一番好きだけどBFで結構出たから。
あえてBFであまり出てない作品にこだわりした。
もう少しお付き合いして下さると嬉しいです。