東方能開録(完結) 作:T-ruth
「ここは、どこだ?」
真っ暗な空間に俺は、いた
多分俺の精神の中的な場所なんだろうけど
本当、何もないな..........あれ?
向こうの方に誰かいる?
確かに人らしき影が見える
近付いてみると女の子だった
真っ黒な腰の辺りまである髪、頭からはえる二つの耳、腰から生えている尻尾、血のように真っ赤な瞳の少女だった
「大丈夫?」
「.....」
声をかけるが反応がない
「おーい、大丈夫ッツ!?」
もう一度声をかけ、少女の肩に手をのせた瞬間、無数の黒い刃が襲ってくる
すぐさま、後ろに飛び退き回避をする
「これは、光たちが言ってた黒い刃....お前が、妖怪か」
少女は、何も言わずにゆらりと立ち上がりこちらを向き、そしてまた黒い刃が襲いかかってくる
月明光を抜こうと腰に手を当てて、刀がないことに気づく
「あ、やべ!!」
刃は、待ってくれずそのまま飛んでくる
「くっそ!!」
転がるようにして、回避をする
ここは、俺の中だ考えろ、想像しろ
すると、月明光が生成される
「よし」
刀を抜き、飛びかかる
「悪いが、倒させてもらうぜ!!」
刀を振り下ろすが、少女は手に黒い刃を纏わせ禍々しい腕へと変え防ぐ
「なっ!!」
少女は、その華奢な体つきからは想像もできないような力で押し返してくる
「くっそ!!なんちゅう馬鹿力だ」
少女は、ゆらりと動いたと思った瞬間、とてつもないスピードで、近づいてくる
「!!」
ギリギリのところで、刀を盾にし拳を防ぐ
数十メートル吹き飛ばされる
息付く間もなく黒い刃が襲ってくる
「くっそ!!」
数発受けきれず、体に掠る
────寂しいよ──
「!!」
どこからか声が聞こえた気がした
どこから?
黒い刃を受け流しながら考える
また、黒い刃が体に掠る
────怖いよ────
────一人は嫌だよ────
「!!」
また聞こえたあの声、黒い刃が体に掠るたびに、助けを求める声が聞こえる
これは..........あの子の声?
攻撃を受けるたび受けるたび、負の感情が体の中に流れ込んでくる
────辛い──
────悲しい───
────どうして?───
────騙したの?───
この子は、本当に悪い子なんだろうか?
そんな疑問が頭に浮かぶ
誰かと一緒にいたかった
誰かに裏切られた
そんな悲しみから逃げるために、暴れているのか
彼女の過去を知らない俺には何もわからない
ふと、少女のほうを見ると、黒い刃が腕に纏い突っ込んできていた
そして、その腕は俺を貫いた
その瞬間、頭の中に映像が流れ込んできた..........