東方能開録(完結) 作:T-ruth
「はぁはぁ。やっと撒けた。これで安心──」
「動かないで」
「──じゃなかった」
メイドさん。名前はえっと・・・咲夜さんだったっけ?
そのメイドさんに刃物を突きつけられています。
「貴方は何でここにいるの?」
「妹に異変解決に行けと言われ嫌々来ました。拒否権はありませんでした」
「兄としてのプライドはないの?」
「そんな物、命に比べれは捨てるのは容易だ。とりあえず今は協力しましょ」
咲夜さんはナイフを溜息をつきながら話してくれた。
溜息をつかれるような事なんか言ったけ?
「まずは、あの女の子について教えてくれる?」
「あの方はフランドール・スカーレット様。この館の主であるレミリア・スカーレット様の妹よ」
「へぇ〜。そのレミリアって若いのか?」
「いいえ。吸血鬼ですもの、もう500歳はこえているわ」
「なんだ、(俺に比べれば)全然若いじゃん」
「へ?」
「へ?」
あれ?何か変な事言った?
「まぁいいわ。他には?」
「フランドール・・・長いな。フランは、何であんなふうになっているんだ?」
「妹様はお嬢様に長年あの地下室に閉じ込められていました」
「何それ?嫌がらせ?二人は仲が悪かったの?」
「いいえ。お二人共とても仲が良かったと聞いています」
「じゃあ、何?放置プレイ?」
「真面目に聞きなさい」
ものすごい目付きで睨まれナイフも飛んできた。すみません。
「妹様の能力が危険だったからよ。[ありとあらゆる物を破壊する程度の能力]。妹様はまだ制御が出来ずとても危険だったの。だからお嬢様は大切なものを壊してしまう前に妹様を軟禁したの──」
そこまで話したところで隣の壁が爆散した。
そこにはフランドール・スカーレットが笑顔でたっていた。
「みぃ〜つけた♪」
「ありゃ、隠れんぼはもう終わりか」
「呑気な事言ってないで!」
いや、呑気な事言ってないとこのプレッシャーに耐えれないのよ。
「アハハハ♪お姉様、大嫌いなお姉様♪壊してあげる♪何度も何度も壊してあげる♪」
「おい、メイド。本当に仲良かったのか?なんか凄く恨んでいる感じするんだけども・・・・・・」
「そのはずよ!パチュリー様もそうおっしゃっていたし」
「アハハハ、お姉様壊れちゃえ♪」
フランはまるで俺を姉と見立てて攻撃をしてくる。
にしても、この恨み方は半端じゃ無い。俺も陽菜とはケンカぐらいするがここまで恨んだことは無い。
フランはレミリアって言う姉が大好きだった筈だ。大好きだけど恨んでいる。何とも矛盾した思いだ。
「咲夜は逃げて誰でも良いから止められる奴を連れてこい!!その間俺が何とかする」
「わかったわ。死んだら骨は拾ってあげる」
「死なないように頑張るよ。鈴符[
吸血鬼に有効と言われる銀でナイフを作り攻撃する。
「アハハハハハ♪」
が、全て破壊される。
「嘘だろ・・・・・」
「いい加減壊れてよ。禁忌[フォーオブアカインド]」
フランがスペルを発動すると、フランドールが4人になった。
「ちょ!!4人って無理ゲーだろ」
「「「「アハハハハハ♪」」」」
4人ってのフランが次々と襲いかかってくる。一撃一撃が強力で、遂には吹き飛ばされ壁に叩きつけられ床に倒れる。
「リ、
回復を試みるが体力はほぼ限界。焼け石にだった。4人のフランが一つにまとまり俺の上に降りた。
「じゃあね、お姉様♪」
そう言って、俺の胸を貫いた。
あぁ、死ぬのか俺はそんな事を朦朧と考えていた。
その時だった、顔に水が落ちた。
涙だった。フランドールが涙を流していたのだ。
「あぁ・・いやぁ・・・」
消えそうな声で呟いていた。この時、俺は確信したフランドールはレミリアを好いていた。大好きだった。大好きだが恨んでいた。
だから、恨みなどのマイナスの感情を晴らす為に物を壊していた。レミリアに見立てて。
それが、またストレスになりフランドールを追い込んでいたのだと。
おい、天童拓也。目の前で女の子が泣いてるぞ。救ってやるのがお前の役目だろ。
そう、自分に言い聞かせるが俺の意識は闇に飲まれた。