【とある空間】
「良いものがみられたです。」
「楽しかったにょろ。」
「フォフォフォフォ。」
3人(上から羽入、ちゅるやさん、バルタン星人)の最高神が見ていたのは赤木しげると鷲巣の命を賭けた麻雀だった。
「んーもう一回見たいにょろ。」
「録画したからみますか?」
「フォフォフォフォ。」
「それじゃあつまらないにょろ。」
「そうですね・・・ヤマメさんに聞いてみますか?名案が出るかもしれませんからね。」
「賛成にょろ。」
「フォフォ。」
「なに?今副神(秘書)の育成に忙しいから邪魔するべきではないですか?」
「た、確かににょろ。・・・機嫌を損ねたらスモチーを失うかもしれないにょろ。」
「何か取引してるですか?」
「あ・・・。」
「フォフォフォフォ。」
バルタン星人に連れていかれるちゅるやに黙祷し、私こと羽入は自分の世界だったのであの戦いをもう一度見られる確率を上げるため鷲巣麻雀後の世界をいじくった。
「よし、これで面白くなるですよ。・・・願わくは素晴らしい世界を。」
【鷲巣邸】
「鷲巣様!!鷲巣様!!起きてください!!あなたがいなければ我々はどうしていけば!!鷲巣様!!」
側近の岡本が屍となった鷲巣を揺らす。
「ククク・・・楽しかったぜ。」
赤木はそれだけ言うと去っていった。
鷲巣は命と財産のほとんどを失った。
ほとんどとは屋敷とその周辺の土地、数は少ないが株が残っていた。
数時間後には鷲巣が本当に死んだことを理解した部下の白服が今後自分達がどうやって生きていくか考えることにした。
「・・・鷲巣様を復活させる。」
太平洋戦争終結期から部下をしていた鈴木が口を開いてそう言った。
「バカな・・・鈴木、死人を復活させるとでも言うのか!!」
田中が反論する。
田中は鷲巣の専門医であり、鷲巣から融資を受けて実家を救われた経緯がある誰よりも敬意を示していた部下だった。
「違う・・・後継者と言えばいいか。・・・私は今回負けたのが私のせいでもある。だからせめて鷲巣様の技術を失われないようにしたい。」
「貴様!!それで育てた者を鷲巣様と思えと言うのか!!」
「そうだ!!鷲巣様は鷲巣様だから素晴らしいのだ!!貴様でも鷲巣様を汚すことは許さない!!」
「いや、鈴木。それだけじゃないだろ?お前の言いたいのは。」
酒井が鈴木の援護をする。
「その技術を継承した者に私を殺してほしいのだ。」
その時他の4人に電流がはしる。
鈴木の目は本気で鷲巣様の技術を継承させようとしているのだ。
「頼む!!これが鷲巣様に私最後の忠誠であり、お前らの鷲巣様を奪ってしまった私の罪滅ぼしの一貫だ。」
「・・・わかった。」
真っ先に賛成したのは山田だった。
山田は鷲巣の財産管理の補佐をしていた逸材だった。
続いて田中、酒井が賛成したのだが岡本だけは反対の姿勢を崩さなかった。
岡本は鷲巣と心中すると言って鷲巣の屍を持って屋敷から出ていった。
その目は完全に狂気に支配されていた。
屋敷に残った4人は鷲巣には及ばないが優秀な知恵を振り絞って第二の鷲巣計画を始めた。
彼らも狂気に支配されていたが、それでも未来を目指していた。
彼らは屋敷の物で売ってもよいものだけを売却し、土地も大半を売りに出した。
ただ、場所も場所なのであまり高くは売れなかったが・・・。
田中はこの後旧鷲巣邸を後にして医者として茨木県の病院に勤務した。
残った3人は鷲巣の対戦記録を読み漁った。
そして実験を繰り返していく。
途中で鷲巣を先生と呼ぶ政治家の辻も加わり、4人で麻雀を勉強していった。
その後鷲巣と赤木から奪った血液のDNAを田中が勤めている病院にて解析をした。
そして・・・
21世紀の初め・・・ようやく3人の赤ん坊を手に入れた。
田中が色々と無理をしたらしい。
赤木と鷲巣のどちらかの遺伝子に近い赤ん坊だった。
ただ、残念なことに男では見つからず、3人は女だった。
「・・・鷲巣様今あなたをもう一度・・・。」
鈴木以下鷲巣の部下も老いてしまったが、その頭脳は若き日々よりも数段上がっていた。
鷲巣の後継者達はまだベットですやすやと眠っている。
「ロン2000、4000。」
『決まった!!満貫!!大沼プロ地方戦を制しました!!』
鷲巣邸を去った岡本は結局死ねなかった。
鷲巣の屍を知り合いの坊さんに頼んで事情を話し、墓に入れてもらった。
それから月日がたち、麻雀ブームによって世界大会まで広がった麻雀でプロをしていた。
あれから過去の自分と決別するために岡本という苗字も捨て、九州で活動している。
他の4人がどうなったか知らないが、もう諦めてバラバラに社会復帰していると思っていた。
この十数年後に現れるまで。
鷲巣邸の場所は新潟にします。