宮永照の精神が折れていた頃、新道寺女子の花田煌は進化しようとしていた。
精神の再構築である。
その瞬間に色々な物が見えていた・・・
[気づいたか。]
「ほぁ!?ここは!!」
[お前の心の中だ。]
「心・・・ですか?」
[俺は鷲巣の断片・・・恐怖を司る。]
「お、おぉ!?」
[よくわかってねぇみてえだな。ほらよ。]
見せられたのは老人の前に平伏している宮永照の姿だった。
[精神がいっちまっている。数時間は再起不能だ。]
「チャンピオンが・・・!?これは夢ですかね。」
[夢でもあれば現実でもある。]
「すばらっ!!で、白髪のお兄さんはここにいるのです?」
[お前の心の強さが生んだ化身のような物だ。・・・どれ、俺が手解きしてやる。花田煌・・・時間がないんだ。俺と分身の麻雀だ。お前の実力を開花させてやる。]
「すばらっです!!」
これが小春、小夏、小秋が持つ精神的圧迫による才能の開花・・・ならよかったのだが、宮永照の一時的な精神崩壊、花田煌の異常な精神力、小春の全力・・・全てが重なった結果、花田煌の中にアカギが降臨する。
交わり会うはずのないピースが合わさる。
花田煌の体感で20時間を超えようとしていた。
「親かぶれ・・・。」
[まだまだだ。打ち続けろ。牌を。極限状態の今打てば全てが力となる。]
「アカギさん・・・ですよね?相手の手を読むのに一番良い方法ってありますか?」
[心を揺さぶり、本性を現すことだ。そこから次の牌を読んでいく。]
「人間技じゃないですよ。なんて言うか・・・漫画の能力のような・・・。」
[ククク・・・しかしこれは技術だ。俺は13の時にはできた。対戦している小春、副将小秋、大将小夏は10には会得している。やつらはさらに上の本性を崩しにかかる。俺はこれに6年もかかった。]
「ぎ、技術ですと!?すばらっ!!」
[手を休めるな。花田煌の異常な精神力を犠牲にして時間の引き延ばしをしている。やれ。覚えろ。]
「すばらっー!?」
『東1局1本場・・・手牌を見るとどこも悪くはないようですね。』
『はい。動くとしたら次は宮永選手かもしれませんね。』
『では他の選手よりも速度で勝ちにいくと?』
『えぇ・・・おや?花田選手が動きましたね。』
『小鍜治プロの予想が外れ、新道寺女子の花田選手着実に手を染めていく!!これは!!』
『凄い手ですね・・・流れるように組み立てていきます。』
「リーチ!!」
(ほほう。これは危険だ。私は降りる。)
小春は降りを選択する。
幸い安全牌も沢山あるので無理する必要はないと感じていた。
対して実力を測るはずが底が見えず、顔には見せていないが恐怖で心を掴まれていた宮永照が花田煌の危険牌をきってしまう。
「ロン。24000。」