16000・・・その数字は少女達に重くのし掛かった。
「「「保存を使う。」」」
3人が選択したのは1200ccの勝ったときに保存していた血液の使用だった。
1500ccまで引き出しが可能だったが、1200ccにしたのは意識が大丈夫と彼女達は確信していたからだった。
400ccが抜かれていく。
血の気が引いていくのがわかる彼女達は死にたくないと強く思い、生存本能に従って牌を切る。
(来た!!)
「リーチ!!」
動いたのは小夏。
そして鈴木が捨てた牌が待っていた牌だった。
「ロン!!直立、中、ドラ・・・9800!!」
一気に安全圏まで戻した小夏は一安心したが、ここで精神的に追い込まれていたのは小秋だった。
(いい手がこない・・・鳴きまくって早く上がるしかない。・・・できなければ死!!)
次の局は流局、小春のみテンパイ、小秋は保存を使用した。
鈴木はここまで一度も保存を使用しないが、卓に着いているものは気がつかない。
(((鈴木・・・。)))
他の者は数時間前を思い出す。
「なに!?今回で仕上げる?」
「私も年だ。田中に見てもらったら末期だそうだ。」
「・・・やるのか。」
「これが最後の晩餐よ。」
「湯飲みで乾杯ってか。」
「・・・田中に頼んで心筋梗塞で死亡にしてもらった。・・・葬儀は頼んだ。・・・あと、私が死んだぐらいで彼女達を血液レートから降ろすな。ホームレスを金で釣ってやらせろ。・・・1対3でな。この麻雀ブームだ。できるのはいっぱいいる。」
「・・・わかった。」
「ロン、2600。」
鈴木に直撃だが動じない。
「ツモ1000、2000。」
「ツ、ツモ!!大三元です。32000。」
責任払いの発生により、鈴木は血液を抜かれる。
そこでやっと少女達は異変に気がつく。
「鈴木さん・・・鈴木さん!?なぜ保存を使用しないのですか!!」
「・・・君らを完成させるためだ。・・・君らは人工的に作り出された鬼才だ。・・・私はある人を死なせてしまった。あの人を蘇らせることは不可能・・・しかし技術は継承したかった。私の罪滅ぼしでもある。・・・この事は誰にも言うな。君らは悪魔となれ。麻雀を続けるのだ!!」
鈴木死亡。
少女達の精神はここで完全に壊れる。
しかし、強靭な精神は再び再構築されていく。
いや、再構築されてしまった。
3人は狂気を纏った。
鷲巣の狂気を継承してしまったのだ。
鷲巣は若さであった。
鈴木は罪悪感であった。
彼女達は・・・道楽になっていった。
「今日はここまでだ。」
酒井の言葉で彼女達は3人の部屋に戻っていった。