リザベーション、牌を見る能力、ボーリング麻雀・・・私こと小秋からすれば全て邪道である。
(王道は小細工を沢山することによる情報戦・・・そう積み重ねの結果。・・・わざわざ自分の得意な麻雀をしないでも潰せる程の圧倒的な技量・・・。)
小秋の持ち味は高火力による精神崩しである。
それがちまちまと点数調整をしている時点で手抜きなねだ。
相手の3人は自分の力を過信しすぎている。
私は小春のように試合中に覚醒させるのは嫌いなので試合後に覚醒するように調整している。
(見せろ・・・見せろ・・・夏など私からしたらカスの集まりだ。秋・・・いや、春に面白い麻雀ができればいい。)
空気が重くなる・・・プレッシャーをかける。
じんわりと汗をかいている敵の3人は気がつかない。
この化け物の底を・・・いや、自分の足元を・・・。
(食らい付いた。)
南場オーラス・・・ジワジワと迫り46800まで持っていった。
阿知賀はリーチをして私を止めようとしている。
全くもって無駄。
千里山は牌を見ているためこちらの端を意図的に隠しているのに嫌そうな顔をしている。
見えるのなら隠せばいい。
左手の5本の指で隠せばそれだけでわからなくなってしまうのだ。
見える代わりに自分の持ち味の情報分析を切り捨てた3流に負けるはずがない。
新道寺はリザベーション完成間近。
4回リザベーションを許しているので最後のオーラスも決めたいらしい。
「・・・アホだな。カン。」
暗カン。
「カン。」
さらに暗カン。
「ツモ、ツモ、ツモツモツモ!!ピッタリだ。嶺上開花!!800、1600・・・50000ピッタリだ。」
ビーーーー
副将戦終了のブザーが鳴り響く。
確率ではない。
最後の最後に嶺上開花を引く形を急いで作ったのだ。
運もあるがそれ以上に地力の差がこの42000プラスを達成した。
「これで何を学ぶか・・・私が楽しみたいのはそこ。」
会場から離れるときに先輩方にそう言った。
『本当に小鍛治プロが言った50000点ピッタリでしたね。』
『次の大将戦荒れると思います。・・・どこの高校にも決勝進出のチャンスがあります。かんばってほしいところです。』
『なるほど。』
控え室に戻る小秋以外の副将達の顔色は悪い。
誰も自分の持ち味を生かすことができなかった。
さらに清水に勢いをつけてしまった。
まだ50000点・・・されど50000・・・トップとの差80000もあるのだが、それだけしかないと思ってしまうのだった。
一時的に常識的な判断ができていないのだ。