試合が終わり、そそくさと会場を後にした私の前には、職員が待ち構えていた。
流血のことと試合中の暴言についてだ。
厳重注意で済んだものの、次やったら団体、個人の両方失格処分にすると付け加えられた。
「うう、気をつけます。」
解放してもらった先に待ち構えていたのはプロでも有名な方々だった。
「こんにちは☆」
「うふっは!!プロの方々がお揃いで・・・どうしました?」
「プロ狩りの本体にgreetとおーもいまして。」
「ふーん。まぁ神奈川辺りでは暴れさせてもらったよ。・・・で、何を聞きたい?健夜さんから色々聞いてるんでしょ?」
「・・・何がしたい?あんたの思考は知らんけど・・・ただ、これ以上新道寺見たいに選手をやられると困るんだよ。」
「日本代表の三尋木プロからそんな優しいことを言うなんて世も末だね~。だから日本は世界ランク52位・・・いや、アジアとヨーロッパは弱いんだよ。」
「なに!!」
「ちょっとそれは聞き捨てならないなー☆」
「賭けない麻雀など遊びである。プロは名声を賭けているが命を賭けない。アフリカや南米系、独裁国家の選手を見てみなよ。目が違う。例外は小鍛治健夜のみ。今の日本麻雀業界は健夜さんの名声でのみ保っている・・・メジャーな競技なのになぜ高校生麻雀人口が数万人の単位を外れない?それが日本麻雀業界が抱える問題。ねぇ、プロもそれに頭を抱えてるんでしょ?さらに言うと大学麻雀の質不足による即戦力不足もあるね。」
「私達がreadしたいのはyouのdream・・・それはなんですか?」
「私、小春、小秋の他に卓を囲むことができる最後の4人目を探し当てる・・・それだけ。だから私は大会に出て潰していく。おそらく1年後には今日卓を囲んだ3人は更なる進化をするでしょうね。知らんけど。」
私はそのままプロ達の間を横切る。
プロ達は小夏が自分達の横を通り抜け行くのを黙って見つめた。
ふと高校生の時の自分が業界全体の問題を意識していたかと問われればいいえと答える。
インターハイにだけ集中し、何となくプロになるか大学に進学かなーと自己中心的な考え方をしていた。
それが彼女は業界の問題を意識しながらも自分の目的のために突き進んでいることがわかった。
色々な血濡れの過去があって性格は歪んでいるが、根の部分は色々考えている真面目な子なのではないかと錯覚する。
「なーんて建前論はいいんだよねー。全ては私・・・達のことだから。小春も小秋も今から常識人的になっても心の狂気は取り除けないのに。」