会場は不思議と穏やかな雰囲気になっていた。
言わずもながら小春の仕業である。
他校の生徒・・・玄、優希、智葉・・・3人は後に繋げるため、来年度も見据えた戦略のために少しでも情報を引き出そうとしたのだ。
ビキビキ
「麻雀とはなんぞや?」
「「「ん?」」」
「私は恐怖の象徴であり、人生のレールである。」
「難しいのはわからないじぇー。」
「・・・今までの人生の縮小されたもの。」
「んー、待つこと・・・かな?」
「麻雀とはなんぞや?」
「そんな難しいのよりタコスを食べるのが一番だじぇ。」
「・・・縮小された人生。」
「んー、あれ?」
「麻雀とはなんぞや?」
「ふぇ?なんのことだじぇ?」
「・・・圧縮・・・何をだっけかな?」
「麻雀は楽しいものです!!」
優希と智葉は玄を見つめ・・・自分が何を言っていたのかを気づく。
「んー。独学の誘導はダメでしたか。で、できると思ったんですけどね。」
(何でかやる気をごっそり取られた感じがするじぇ。)
(危ない・・・阿知賀がいなければ危険だった。)
(一度対局してたから大丈夫だったけど・・・初対面だったらアウトだった。)
精神の掌握に長けた小春の戦いが始まる・・・。
東場 親清澄 優希
「まけないじぇ!!」
清澄が気合いを入れているなか、私は試合の進め方を計算していた。
(今回は飛ばさないけどここで名声を確固たる物にしたいから・・・10万点は奪いたい。)
私は配牌を並べながら考える。
(思考、呼吸、場の流れ、自身の運、感覚、経験、気分・・・全てを合わせても完成することはない。それが麻雀。)
配牌にはドラは全くなかった。
(覚醒状態の阿知賀の先鋒に勝てるかな?)
前半戦の東場をこの瞬間に私は放棄した。
9巡目
(おかしいじぇ?清水が動かないし、私にドラがこないじょー。)
(異能を使われてるか・・・清水は動かないな。刺し殺せないじゃないか。)
(きたよきたよ!!久しぶりのドラだよ!!)
玄は心の中で叫んでいた。
一見普通にドラを集めているように見えるが、覚醒状態だと・・・ドラを捨てようが次の局には戻ってくる・・・つまりコストがなくなったのだ。
智葉は今までのデータからドラを捨てれないジンクスみたいなものを把握していたが、これが裏目にでる。
(動きがいきなり活発化してきたな。そろそろ来るか。)
テンパイを見透かして降りようとした牌で・・・
「ロンです満貫8000!!」
「くっ・・・。」
表向きは悔しがるが、私は対面を見る。
どす黒い笑みを浮かべる小春が座る。
(まるで悪魔だな。)