次鋒戦・・・斎藤美紀は奮闘した。
全ての能力、直感、運を使って・・・。
それでもたまたま満貫放出も決められてしまい、31800のマイナス・・・ただ、やりきった。
凌いだのだ。
全国クラスをプロ無し県と呼ばれ、実力者が出ていない新潟県民が・・・。
自然と涙が出てくる。
どこもかしこも鷲巣、鷲巣・・・私と山口は足手まとい、鴨と陰口を囁かれる日々・・・。
「勝った・・・試合は負けたが勝負には勝った!!」
他の選手は笑いながら泣いている私を見てドン引きしているが関係ない。
それほど色々あったのだ。
県大会の名声、期待それらを全て裏切ってしまった全国大会・・・。
「良かった・・・良かった。」
記録的には大会記録合計放出点数過去最高を残したが、それでも前を向いて歩くことができるようになったのだ。
「わ、私の番か・・・。」
美紀程ではないが放出して足手まといの評価を受けていた。
・・・自身は良かったのだが、美紀には悪いことをしたと思っていた。
自分は高校を卒業したら実家の手伝いをしながら将来を考えようと思っていた。
美紀はサラリーマン家庭であるのでちゃんとした大学に行きたいと2年の時から勉強を頑張っていた。
それが鷲巣姉妹が入部しておかしくなってしまった。
・・・美紀は家では悩んでるのかもしれない。
将来や、家族とのつきあい方を・・・。
「わからないね。人生って。」
中堅戦・・・臨海女子以外はみな部長として部を率いる者だった。
それぞれに思いがあり、夢があり、悩み、苦しみ、そしてここまで着た。
会場入りして見たのは臨海女子の中堅が歌を歌っていた。
何の歌かわからないけれど・・・とても心が落ち着いた。
カチ
カチ
バチン
私の中で何かが・・・思考的な歯車が何時もは使わないなにかと組合わさった。
(あれ?あれ?あれ?)
場所が切り替わる。
会場ではなく・・・地獄の底・・・閻魔を椅子に、天使を駒のように扱う男が立っていた。
ただし、彼は口を開かない。
その横でパソコンを打つ白服が話しかけてくる。
「気分はどうだ?」
「は、はい。大丈夫です。」
「それは良かった・・・少し手伝ってくれ。」
「は、はい。」
言われるがままに対面に置かれたパソコンの電源をつける。
画面が映し出されるとファイルを開く。
中には予算と書かれた圧縮ファイルが存在した。
「こ、これですか?」
「あぁ。鷲巣邸でメイドをするのだろう?ならば絶対に必要だ。見て覚えろ。」
「は、はい!!」
なぜこの男がそれを知っているのだろうという思いを口に出さず、私はファイルを開くことにした。