守護者が家(リアル)にやってきた   作:へっぽこタン

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プロローグ

西暦2138年、ユグドラシルサービス最終日

 

「ヘロヘロさんと最後に会えたのは嬉しかったなぁ…。できれば他のみんなにも会いたかったけど、みんなにも事情があるしそれは贅沢か…。」

 

「どこかでまた会いましょうか… どこで会うんだろうね…」

 

愚痴りながら壁際まで歩き、七匹の蛇の絡みついた見事な細工が施してある一本の黄金の杖の前に立つモモンガ

 

「ギルドのみんなも今日くらい許してくれるよね… 行こうか、我がギルドの証よ…」

そう呟きながら、ギルドの証であるスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを手に取りモモンガは部屋を出て玉座の間を目指した

 

その数分後、玉座の間につくと

モモンガは玉座に座り、一人思いにふけっていた

 

「楽しかったなぁ、これで最後なのか… でもしょうがないよね、始まりがある物には終わりがある。これは絶対だ」

 

だからしょうがないと頭は思うが、やはり心はついてこない

それほど楽しかったのだ

 

腐りきった現実世界(リアル)から、プレイヤーの自由度が異様なほど広いと触れ込みのゲーム世界へ飛び出したはいいが、異業種というだけでPKされ続け、一度は止めようと思うまで心打ちのめされたが、そこで一人の銀色の騎士に助けてもらってから世界が変わった

 

ギルドを作り、異業種というだけでPKされていた者を救ってギルドに勧誘することで、ギルドも大きくなり気の合う仲間たちも増えた。その仲間たちと時間の許す限り、心行くまで旅したあの思い出の日々は、彼にとって忘れられない日々であった

 

「また一緒に旅ができればと思って続けていたけど、サービスが終わってしまうのだからしょうがないよね…」

 

俯いていた顔を上げると、傍らに待機させていたNPCであるセバスやプレアデス達、そしてアルベドがいるのがふと目に入った

 

「そう言えばアルベドってどういう設定だったかな?確か…ナザリック地下大墳墓の最重要NPCであり守護者統括だったっけ?」

 

アルベドの設定を出すモモンガ

 

「…ってなっが!そういえばアルベドを作ったのはタブラさんだっけ… あの人は設定魔だったからなぁ」

 

独り言を言いながら、アルベドの設定を流し読みしていく

 

「え、何これビッチって、そういえばギャップ萌えだっけタブラさんは。それにしてもこれはいくらなんでも酷すぎませんかタブラさん…。最後までこれはちょっと可哀想だよな…。本当は他人のNPC設定を勝手に書き換えるなんて駄目なんだろうけど、最終日だからタブラさんも許してくれるよね?本来ならツールがないと駄目だけど、これがあればっと」

 

スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンをかざすと目の前にコンソールが現れ、ビッチの項目を削除する

 

「何か入れた方がいいかなぁ」

 

そう呟き『モモンガの妻である』と書き換えるモモンガ

 

「うっわー恥ずかし~馬鹿じゃない俺」

 

まあ、いいかと思いコンソールを消す

 

「それにしても、俺もたっちさんみたいに奥さんや子供がいれば、ゲームが終わるということで、こんな寂しい思いはしなかったのだろうか?」

 

などと考えていると右手にしている指輪の一つであるシューティングスター(流れ星の指輪)が目に入った

 

「そういえばボーナスをつぎ込んでまで出したのに、一回も使うことがなかったなぁ…」

 

それも当然である、41人が協力すればできないことなんてなかったからだ

それに彼が望んだ物は、41人が再び戻ってきて一緒に遊ぶことであり、指輪の力ではどうにもならなかったからだ

 

「使わないままなんて勿体ないなぁ、でも今更ゲーム内でのお願いなんてないしなぁ…」

 

勿体ないし、何か使ってしまおうと悩んでいると

先ほど考えてた、家族という物に思い当たる

自分には既に親兄弟もなく、一人で生きてきた。当然、誰かと付き合ったこともない

自分の愛する家族と暮らすというものはどういうものだろうと考えていると、自然と口から言葉が漏れていた

 

たっちさんみたいに、俺に家族をくれ…

 

「……なーんて叶うはずないじゃないか馬鹿らしい。まだ、リアル金持ちにしてくれの方が面白かったかなぁ… ああ、馬鹿なことを考えてたらもうこんな時間か。結局使えなかったなぁ」

 

時計を見ると既に時刻は、終了時刻の30秒前であった

 

「ああ、そろそろみんなで作り上げたこの居城もNPC達もなくなってしまうのか…」

 

23:59:58

 

「はぁ~、明日は4時起きか… サーバーが落ちたらすぐに寝ないと仕事に差し支える…」

 

23:59:59

 

最後にモモンガはアルベドの顔を見る

 

「時間だ。それじゃ、さようならアルベド… そしてナザリックのみんな…」

 

0:00:00

 

その瞬間、彼を眩しい光が襲った

 

「うわ、何だ眩しい!」

数秒続いた光が収まり、辺りを見回すと彼は見慣れた自室にいた

 

「一体なんだったんだ?サーバーダウンのせいか?最後くらい普通に終わってくれよ運営…」

 

そう愚痴りながらヘルメット型のデータロガーを外し、時計を見てすぐにどうでもよくなる

 

「おっと早く寝ないとな。でも、今日は寝れるだろうか…」

 

つい今しがた終了したゲームに思いを出す

 

「ユグドラシルも終わってしまったし、明日からどうしようか… まあ、なるようになるとしかならないと言えないけどね…」

 

自嘲気味に布団に潜り込み目を閉じると、ふと他の40人の仲間たちの姿が思い浮かんだ

 

「そうだな、何時か自分の中で思い出として語れるようになったら、オフ会でも提案してみるのもいいかもしれないね。もしかしたら、ヘロヘロさんみたいに来てくれる人がいるかもしれない。そうなったら嬉しいな… その日まで、またねみんな、お休みなさい」

 

そうして彼は、いつの間にか浅い眠りに落ちていた

だが浅い睡眠を貪っていたのもつかの間、4時にセットしていた時計のアラームが鳴りだした

 

「もう時間か、あまり眠れなかったなぁ。さて、早く準備して会社に行かないとな」

 

床に手をついて立ち上がろうとすると『ムニュッ』っという感触が手を襲った

 

「え、何今の感触?」

 

続けて触ってみるもやはり『ムニュッ』という感触が返ってくる

恐る恐る柔らかい感触(とてもいい揉み心地)がした方を見てみると

 

「え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ !?」

 

隣に裸の女性が気持ちよさそうに寝ていた

 

「ちょ、誰これ?え、ここ俺の部屋だよね?」

 

急いで辺りを見回すも、部屋の様子は昨日寝る前と何も変わっていなかった

隣で寝ている女性を除いて

 

「え?俺、昨日はユグドラシルから落ちてそのまま寝たよね?」

 

とかいいつつ身なりを確認する

パンツ…よし!、服装乱れ…よし!、実戦使用した形跡…なし

どうやら○○を卒業した様子はないようだ

そこまで確認してから、未だに女性の胸を揉んでいることに気が付いた

 

「って、いつまで揉んでるんだよ、俺は!」

急いで手を放し、ごめんなさいと土下座もしておく

 

「でも、一体誰なんだろう?その前にどうやって入ってきたんだ?」

 

ユグドラシルに入る前に戸締りは確認したし、窓などどこも破られた様子はない

玄関にも鍵がかったままだった

もしかしたら、寝ぼけてて尋ねてきた知り合いをそのまま入れてしまったのか?

 

「でも、こんな綺麗な黒髪の女性が知り合いにいたっけなぁ?」

 

取りあえず長い髪で隠れた顔を確認しようと思い、髪をあげようとすると

私はいつでも用意出来てますモモンガ様ぁ… くふー

などという女性の寝言が耳に入った

 

「まさか…」

 

急ぎつつも丁寧に女性の前髪を上げて顔を確認すると

 

「もしかして… アルベドなのか…?」

 

ユグドラシル時にはあった角も、腰の翼もないが、確かにサーバーが落ちる瞬間まで見ていたアルベドの顔がそこにあった

 




ちょっとメモ
例のごとく、悟氏の住まいはドーム型アーコロジーのとある一室で
ドームから出なければ、普通に暮らせるという設定

パイタッチって、一応エロ描写っぽいけど15禁でいいのかしら?
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