青き英雄、異世界に来たる   作:波歩

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改稿とか誤字チェック長引くなぁ!
誤字脱字とかが無い人ってすごいですね・・・


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時刻は午前6時、決まってこの時間にエックスは起きる。レプリロイドにおける睡眠は人間のそれとほぼ意味合いは同じである。

はやてに用意してもらった布団から出て、とりあえずエックスは体をゆっくりと伸ばす。・・・そのしぐさはかなり人間臭かった。

 

「さて、と。まずは新聞を取ってきて、あとは玄関の掃除から始めるかな」

 

この世界に来て、今日で3回目の朝を迎えたエックスであった。

 

 

 

はやての家族になってからというもの、エックス自らはやての手伝いをしたいと言い出したのがきっかけとなり、まだ数日しか経っていないというのに八神家の家事はかなりの割合でエックスが受け持っている。

はやてからは別に気にしないでいいと言われたものの、エックスの性格上何もせずに世話になることは出来なかったのだ。むしろ、本人は自分が今まで体験したことがない家事がとても新鮮なのだろう、普通に楽しんでやっている節があるようだ。

玄関の掃除が終わるとすぐさまリビングへ行き、朝食の準備を始める。その手つきは未だ慣れてはいないようだが、とりあえず人並みレベルの出来映えとなった。(余談だが、エックスが八神家で初めて料理を作った時の出来は目も当てられない有様だった。この結果は彼の努力が見て取れる)

と、ここではやてが起き出してリビングへとやってきた。

 

「あ、はやて。おはよう」

 

「ん~おはようさん、エックス」

 

はやての朝の身支度を手伝い、何時もの様に席につき、手を合わせる。

 

「「いただきます」」

 

この一言も、すっかり慣習化しつつある。

 

自分の料理の腕に自信がないエックスだが、求めるまでもなくはやてから感想を聞く。

 

「うん、やっぱりエックスの作った料理は毎日美味しくなっとるわぁ」

 

「そうかい?それは良かった。今日は昨日よりうまく出来た気がしたからね」

 

他にも、味付けや焼き加減等の批評を受けて、それを真剣に受け止めるエックス。このような図が毎朝の日課となっている八神家である。

 

 

 

 

 

他の家事を済ませていると、あっという間に時間は過ぎ、昼食の時間となりこれを味わう。なお、エックスは朝食担当でありはやてが昼・夕担当である。

昼食を終えたあと、エックスのもう1つの日課が始まる。

 

「それじゃ、今日も行ってくるよ」

 

「気をつけてな~エックス」

 

その日課とは、ここ海鳴市の探索・・・平たく言えば散歩だ。

はやてに世話になるのだから、必然的にこの町の地理を把握しておかなければならないというのが理由だが、本音としてこの街の景色を楽しみたいというのがあった。

さておき、散歩を始めてからまだ数日だというのに、いつのまにやら町全体にエックスの評判が広まっていた。というのも、散歩初日に迷子の子供を家まで一緒に送り届けたり、また別の人の落し物を見事捜し出したりと、散歩というよりもはや人助けをして回ったと言った方が正確な事をしていた。

 

このようにしてご近所さんに顔とその誠実な性格が知れ渡り、こうして通りを歩くだけで様々な人から挨拶されるという、ある意味彼の心優しい人柄を顕著に表しているのだった。

 

 

 

 

時刻は午後6時。夕日に照らされて彼の纏う神父服のようなローブが影を落とす。帰り道を歩きながら、エックスはふとあることを考える。それは過去に自分の創った理想郷、ネオ・アルカディアとの違いについてである。イレギュラー戦争によって荒廃し、限られた土地でしか生きることができなかった人間、そしてそれを支えるレプリロイド達。人間達はかつての地球の姿へ思いを馳せ、人工的に自然を造り出し、それを愛でた。

対してこの海鳴市は、戦争もなく、造られたものでない天然の自然が広がっている。人々も戦乱に怯えることもなく皆笑って暮らせる世界。

そして、そんな平和な世界に流れ着いた自分がいる。この事をエックスは今なお、本当に良いのだろうかと考える。

おそらく、確実に彼の周りの者は彼の今の状況を認めるだろう。彼の功績を賞賛し、もうその身を削る事必要はない、と。

しかし、エックスはまだ自分は休むべきではないと考え、己に言い聞かせる。そもそも自分は何をなすべき存在で、どう在るべきかと。

だからこそ、サイバー空間であの声に応え、今ここにいる。

 

(なら僕は、力の限りあの子を・・・はやてを守ろう。何があったとしても)

 

すっかり日が暮れて薄暗くなった町を歩きながら、そう決心するエックス。

すると突然道の真ん中で身構える。その眼ははやてと談笑しているときのような温かい眼差しではなく、鈍く輝く“ハンター”としての目付き。普段の彼しか知らない者が見れば驚愕し、その威圧に耐えることなど到底不可能だろう。

 

「・・・」

 

暫くして、構えを解き再び歩みを進める。エックスは何者かの気配を感じて警戒していた。そして、それらが消えたのを入念に確認した後歩き始めたのである。

 

(少なくとも2人は居た・・・通り魔か?それとも・・・)

 

頭の中であれやこれやと予想を立て、最終的にエックスはこれからは自分の周り---はやての身の安全を含めて、警戒を強める事を決めた。

 

 

 

 

 

 

 

「---勘付かれたか。見た目より結構やるね、アレ」

 

「うん、とりあえずこの事は御父様に伝えておこうか」

 

「・・・闇の書に関わるようであれば、即刻始末しておかないと、ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、エックスとはやてが話している中、ふとはやてがこう言った。

 

「あの、エックス・・・」

 

「ん?何かな、はやて」

 

「その・・・えーっと・・・」

 

どうやら言いづらい事らしい、そう思いエックスは屈んで目線を合わせやさしく声を掛ける。

 

「ゆっくりでいいさ。話してごらん」

 

「うん・・・あのな、今日実はうちの誕生日なんよ」

 

エックスは驚き目を見開いた。

 

「そうだったのかい!?」

 

「わわ、そんな驚かんでも」

 

「驚くさ、誕生日おめでとう、はやて!」

 

エックスはにっこりと笑う。それに照れながらはやても応える。

 

「えへへぇ・・・家族に祝ってもらえることって、こんなに嬉しいことなんやなぁ・・・」

 

 

それからは、ひたすらエックスがはやてを祝福したり、いざという時のためにレシピを覚えておいたお菓子を振舞ったりと、ここ最近で一番八神家が騒がしかったとか何とか。

 

 

 

 

 

 

気がつけばもう夜も深く、はやてが静かに寝息を立てている隣でエックスは椅子に座ってその寝顔を優しく見つめていた。

先程まで話し込んで流石に疲れたのかはやてはぐっすりと眠っている。そばらくそれを見届けた後、自分もそろそろ眠ろうと椅子から立ち上がり、何時も自分が座る庭の窓際に腰を下ろす。

すぐに寝ようか、とも思ったが、夕方の事もありもう一度エックスは自分を狙っていたであろう者について熟考していた。

と、その時

 

「きゃあああ!」

 

「・・・ッ!」

 

何処からか悲鳴が上がる。その聞き覚えのある声を聞いたエックスはすさまじい速さではやての部屋へと戻る。

その間、エックスは激しく後悔する。守るつもりなら何故傍から離れたのか、と。

 

「くそっ・・・無事でいてくれ!」

 

レプリロイドの脚力は相当にすさまじく人間には到底出せないスピードで階段を駆け上がる。

そしてすぐにドアを開け、名前を叫ぶ。

 

「はやて!無事か!・・・?!」

 

エックスが部屋に入った時、部屋の中には見知らぬ男女が4人いた。その4人が驚いたようにこちらを見る。

 

「貴様・・・何者だ!」

 

「お前達こそ、はやてをどうするつもりだ!」

 

「我らは闇の書の守護騎士、ヴォルケンリッター」

 

内、1人の赤いポニーテールの女性が言う。

 

「そして私は烈火の将、シグナム。・・・主には指一本触れさせはしない」

 

そして何処からともなく長い剣を持ち、エックスに突きつける。見たことのない現象に遭遇するも、歴戦の経験からエックスは容易に平常心を保ち、相手の判断と分析にかかる。

ブレの無い構えとこちらを射殺さんとする眼から、相当腕が立つと判断し、話が通じる状況でないことをエックスは悟る。

 

「やるしかないのか・・・」

 

仕方なしに自らの腕だけを臨戦態勢に変化させようと身構える。

 

「なー、ちょっと悪いんだけどよー」

 

一触即発の空気の最中、場違いな程ゆるい声が水を差す。そのままの体勢のまま2人は音源の小さな体躯の少女を見る。

 

「そいつ、何か気絶してるぜ?」

 

「うへぇ・・・」

 

この状況下で1人、見事にのびているはやての様子に2人の間に張り詰めていた空気は一気に散るのであった。

 

 

 




まだ復活作業が続きます。
昔の文を見るのが恥ずかしいです。
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