これはゾンビですか?──いいえ、弟(笑)です。 作:どらどらおー
それと前回書き忘れましたが、和馬の容姿はそのままです。
俺が相川家に住み着いて3日経った。未だハルナの姿は無い。そこで思い出した事がある。
俺、このままずっと家に居たら不味いんじゃないの?と。
今はまだ大丈夫だが、問題はハルナが来た後だ。
順を追って説明しよう。
ハルナは作中でこの世界に来て魔装少女に変身できなくなった。理由はユーがハルナの魔力を吸い尽くしたから。
そして、歩が魔装少女に変身出来る理由はユーの近くに居ることで、元々ハルナのものだった魔力が歩に流れていくからだったと思う。
しかし、今は原作には居なかった俺という存在がいる。その俺が、ずっと家に居続けるような生活をおくるとする。
夜しか家に居ない歩と一日中家に居る俺を比べると、圧倒的に俺の方がハルナの魔力を貰ってしまう可能性が高い。近付くのを抑えるにしても限度がある。
そんで仮に、俺が歩よりも魔力を貰っていてしまったとしよう。
その後は簡単に想像できる。
……最悪の場合、俺が魔装少女の代役をやらされる。
原作がどうとかではなく、それは嫌だ。それならずっと"かずにゃん"で生活する方がよっぽどマシだと思う程に。
ではどうするのか。
答えは単純、昼間に家に居る時間を減らす。
夜、歩はほとんど居間で過ごしているから必然的にそっちに魔力は流れる。なので夜については心配しなくて良い。
……昼間、か。街の散策でもするか?
そもそも俺は現実との差違とか以前に、ここの土地の人間じゃないからこの辺りの事情に明るくない。いずれは分かってくるだろうが、それが早くて何も問題はない。しかも物語が全て原作通りに行く確証がない以上、むしろ地理的なものは早めに覚えておいた方がいいだろう。
それに運が良ければ原作キャラに会えるかもしれないし、夜の王がいるペットショップだとか既にオープンしているのなら『めれんげ』の場所も把握しておきたい。ついでに美味しい京豆腐が売っている店もリサーチしておいて問題はないだろう。
やっぱり、今後の事を考えるとある程度の人脈は欲しいからな。もしもの時の切り札は多い方が良い。
俺自身、自衛はしても戦力扱いされるレベルで戦うつもりは毛頭無いし。
どうやって知り合うかは決めてないが、無難に歩経由で知り合うのが吉だろう。
個人的にはネネさんとメレンゲちゃんとアリエルさんに師事したい。《最後の晩餐》のフィクションは極力使いたくないから、オーラだけでも充分戦えるようにはなっておきたい。
ついでに俺のアテにならない危機察知能力を鍛えたい。じゃないと俺、不意打ちされたら普通に死ねるからな。
とりあえず、そうと決まれば今日中に付近のペットショップと京豆腐を取り扱っている店を調べておいて明日携帯の契約に行くついでに片っ端から寄っていこう。
▽▼▽▼▽▼
「またのご来店を──」
頭を下げる店員を尻目に、俺は携帯のショップを後にする。
最低限の用事は済んだ。ここからは夜の王を探す為にペットショップを回っていって、帰りは『めれんげ』に寄って帰る。これが今日のプランだ。
ネットで調べたところ、最寄り駅から数駅の範囲でプラネタリウムが近くにあるペットショップは3件しか存在しなかったので、夜の王が俺の行った時間に働いていれば出会う確率は非常に高いと思う。
『めれんげ』の方はもう既にオープンしているらしかったので、帰りに食って帰る。これはほぼ確実に出会うはず。
さて、本格的にどうしようかな……。
原作通りならメレンゲの場合は死者は出ないが、夜の王の場合は夜の王自身が死ぬ。後一般人。
一般人はともかく、原作キャラはみんな好きだから基本的に誰も死なせたくないんだよな……。最後の方の永久機関の時の夜の王とかすごいかっこよかったし、本当に死なせたくない。
て言うか死にたいんだったらリリアに殴ってもらって人間に戻す手が無いわけじゃないし、わざわざユーを悲しませる必要は無いと思うんだよね。
まあ、リリアが人間に戻してくれる保証はないし、夜の王はリリアがそんな力を持ってるとか知らなかったかもしれないけど。
でもどっちにしても夜の王に騒動起こしてもらわないと歩のパワーアップに繋がらないんだよなぁ……そしたら後々困るしなぁ。
俺にとっては夜の王に暴れてもらうだけ暴れてもらって、歩と戦った後で逃げてもらうってのがベストアンサーなんだが。
で、それを成功させるには結局俺が動かないといけないだろうし、そしたら正体がバレる。
バレるの覚悟でやってみるか?どうせどっかでバレそうだし、それなら早めにバラしといた方が良さそうな気もする。
……やっぱり、そのときになってから考えよう。何も今すぐ決めないといけない訳では「うきゃ」
……凄く、凄く嫌な予感がする。警戒警報ビンビンである。どれくらいかっていうと、俺の危機察知能力が"もう諦めろ"って肩に手を置いてくる位には手遅れな状態。なにそれカオス。
人違いであることを必死で願いながら、見下ろす。
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」
身長150センチ位。緑のドレスに身を包み、ティアラをつけたブロンドショートの女の子。手にはもちろん──あれ、今日はライオンさん持ってないのかな?
まあそれは置いといて、俺がぶつかった人物はあろうことかヴィリエの女王、リリア・リリスであった。
超かわいい……じゃなくて、
ラスボス、キターーーー!!
あれ、なんでこの人ここにいるの?ヴィリエは?ヴィリエはどうしました、お嬢さん?一人だし……お忍び?
等といくつもの疑問が浮かんだが、ここでそれを表に出すのはよろしくない。なので出来る限り違和感の無いように振る舞う。
「こっちこそすみません。大丈夫でしたか?」
「ごめんなさい!私が悪いんです!ごめんなさい!」
あれ?そういえばこれ、原作でリリアが歩とぶつかった時と同じ感じなんじゃないか?
歩このとき何て言ってたっけな……コミケの回だったから……ナチュラルに"一人ですか?"的なことを聞いてうまいこと連れ回してたような……。やべぇ、これ聞いたら歩がただのタラシか犯罪者みたいに聞こえる、不思議。
「あ、あの!ごめんなさい!」
そういうと、リリアはそのまま走り去っていった。
その場に残されたのは俺、ただ一人──ではなかった。
おいお前、ふうりんかにゃん!なんで置いてかれてんだよ!てかこんな危ないもん落としていくなよ!一応武器だろ!
ぶつかった時に落とされたのであろう"ふうりんかにゃん"は涙目で、見るからにあわあわしている。……人形は動いちゃいかんだろ。
それよりも……追うか?今ならまだ間に合うかもしれないぞ?
そう自問自答してみたが、考えるまでもなくその答えは一瞬で出た。
追おう。落とし物届けるだけだし、何も起きないだろう。
俺はふうりんかにゃんを抱えて、リリアが走って行った方へと急いだのであった。
どうも、あとがきは基本的に書く派、どらどらおーです。
この作品を見てくださっている方々全員がとは思ってませんが、案外ロック・ペーパー・シザーズを読まれているようでとても驚きました。自分の作品を見てくださっている以上に、じゃんけんを読んでいる人達が多い事に軽く感動しました。じゃんけんを知ってる人が予想よりも多くてとても嬉しいです。友人に話を振っても通じないんで……なおさら。
さあ、次の投稿はいつになるでしょうね……今回は前述の嬉しさのお陰で書けましたけど、いつまでもつことやら……。出来る限り原作に沿って行こうと思います。賛否両論あるとは思いますが、着地点は大体決まってます。後は作者のやる気次第!……頑張ります。応援していただけると嬉しいです。
では、次話でお会いしましょう。また。