第一話 アイドルデビュー
芸能界。アイドル。
それは、誰もが憧れるもの。
その”アイドル”に私がなれるなんて思いもしなかった―――――――――。
私が通っている学校、私立光女学院は、芸能活動をしている生徒が多い。私だって芸能活動してみたいけれど、自分に才能があるか自信がない。
「ねえ、これ見て!」
そう言ったのは高校へ入学した時に仲良くなった友人秋月真純。
真純に見せられたのは、芸能事務所のオーディションの広告だった。
「私達も参加しようと思うんだけど・・・」
「あんたも参加してみたらどう、これ?」
今の二人は、双子の姉妹春日伊織と春日詩織。伊織は大人しくて知的なのに対し、詩織は元気いっぱいで勝気。
「うーん、参加したいのは山々だけど・・・」
「絶対応募しなよ!」
「星奈なら受かるって!」
「私もそう思う!」
皆に励まされて(おだてられて?)私、緑川星奈はオーディションの応募を決めた。
――――――――――――――――数日後――――――――――――――――
書類選考、面接、ダンス・歌唱力審査と受けていき、奇跡的に私たち四人全員とも合格した。
「やった、やったーーーー!」
「よかったねーーーーー!」
それから、もう一人合格したのは、戸塚姫子という人。
「・・・・・・・・・当然ね」
自信ありげな戸塚さん。急に自信がなくなってきた・・・。
――――――――――――――――次の日――――――――――――――――
オーディションに合格した私達五人は、芸能事務所宝条プロダクションに来ている。
「皆さん、今日からこのメンバーで頑張って行ってください」
社長の息子の宝条プロデューサーが言った。昨日の合格メンバーで新しいアイドルユニットが結成されるのだ。
「ユニット名は何と言うんですか?」
「うーん・・・『神風エンジェルガ-ルズ』なんてどうだ?」
「いいですね、それ!」
「さて、ユニット名も決まったところで、早速レッスンをするぞ!」
――――――――――――――――レッスンスタジオ――――――――――――――――
私達は、今ジャージに着替えて、ダンスレッスンを受けている。
「それじゃあ、皆行くよ!」
リーダーの真純は、張り切った様子だ。
皆ユニット結成以前から友達だったから、息は合っていた。―――――戸塚さんを除いて。
「はいそこ、もっとちゃんとやって!」
戸塚さんは皆よりも目立とうとしている感じだから、ほかの人が頑張っていても、何度もやり直しになった。
――――――――――――――――夕方――――――――――――――――
レッスンを終え、私達は帰ろうとしている所だ。
「あ、戸塚さん、ちょっと・・・一緒に帰らない?」
「いい、一人で帰るから」
「あっ、そう」
戸塚さんの素っ気ない態度に、普段社交的な真純も戸惑っている。
こんな感じで、大丈夫かな・・・。