戦姫絶唱シンフォギア×仮面ライダーゴースト・歌姫を守る魂 作:にゃはっふー
炎魂、ワインレットのパーカーで火を操り、熱に対して強くなり、刀身や弾丸に炎を纏わせ、破壊力を増す。足裏などを爆発させることで一時的な脚力を上げ跳び、単体による戦闘力はずば抜けているが、あまりの破壊力のため、周りの被害は大きい。
雷魂、雷を操り、サンイエローのパーカーで雷を操る。応用で磁力にしたり、電気を帯びた機械やレーダーを察する他、メディカルチェックなどもできる。知識は雷魂が教えてくれる。
立花響は黒服の人と風鳴翼に連れてかれて、いま彼女が通うリディアン女学院、そこに隠された地下施設へとやってきている。
不安そうな顔の響に、翼はそっと微笑む。
「大丈夫?」
「えっ、あっ、その」
「ごめんなさい、だけど覚悟して」
小さく、鋭い目で響に、
「この先は戦場、気を引き締めて」
そう言ったが、司令室全員が響をパーティーか何かのように招待して、翼は両手で顔を覆う。その顔は真っ赤だった。
「悪い悪い、そう怒るなって」
「なんで止めないのか~な~で~」
奏は大いに笑い、翼はその肩を掴み揺らす。
その様子に響は苦笑すると共に、驚愕していた。
「奏さん、あの奏さんですよね? 確か、いまは歌うことができないから、翼さんの良き理解者として、あの事件のあと、現役引退したって・・・」
「あっ、ああ、まあその・・・そうなんだよね」
天羽奏は、ライブ事件で大きな被害を受け、歌を歌えなくなり、現役を引退した。
いまは音楽関係兼友人として、歌い手風鳴翼を支えていると囁かれていたが、見た限り、健康そうである。
奏もばつが悪そうな顔で頬をかきながら、響を見た。
(やっぱり、あの時の子か・・・)
これからする話を考えて、顔が曇る。
それは、彼女にしてみればトラウマをえぐる話だからだった。
「それでは、立花響くん、色々と君が置かれている現状を教える」
風鳴弦十郎、司令官がそう言うと、周りの雰囲気が凍り付いた気がする。
それに響はびくっと振るえた。
「いまからする話はいまの君がどうなっているのかと、君にとって許しがたい話だ」
「許しがたいはなし・・・」
「・・・」
その言葉に、奏は言う。
「神代ハヤト」
「!!?」
目を見開き、響は奏を見た。奏もまた、静かに目を瞑る。
「忘れるもんか、私が殺したようなもんだ」
「わたし、が・・・」
ライブ事件における神代ハヤトの活躍は、英雄と囁かれている。
彼があの現場で一番冷静であり、彼の避難誘導のおかげで助かった命は多くいる。
そして彼は、会場内にいる友人のもとに駆けつけていき、亡くなったと世間は語った。英雄として、世間が祭り上げた。
だが彼の功績はそれだけではない。
「彼は君をかばったのは、わかるかい?」
弦十郎の言葉に、かすめるのは、風穴が開いた幼なじみだった。それに静かに頷く、弦十郎はそれに頷きながら、話を続けた。
「その時もまだ会場には多くのノイズが大量にいた。だが、その時、シンフォギア装者である、奏くん、翼の二人がいたが、彼女らでも殲滅は不可能な事態になっていた」
「そして私は、限界がきてた」
聖遺物シンフォギア、唯一ノイズに対抗する太古の道具。それを使用する者達を装者と呼ぶらしい。
だがそれを使うには、適正者でなければいけない。だから奏は薬を使い、それを無理矢理上げていた。それが無理が来て、限界だった。
「だから私は、絶唱って言う、シンフォギア装者の身体の限界を無視して、聖遺物の力を使う歌を歌おうとしたんだ」
「限界を、無視してって・・・」
「言ってしまえば、絶唱は本来自爆技だ。私はたぶん、本当だったら死んでた」
「!?」
困惑する響に対して、翼はずっと黙り込み、下を向いていた。
だが、その時に弦十郎は指示を飛ばして、モニターを見せる。
それに映るのは、当時の記録だ。
「ハヤト・・・」
血が流れている。遠目からでも分かる大きな穴に、絶句する。
側に自分もいるが、血はあまり出てない。何かが刺さっているからだろうかと思いながら、胸を触る。
自分をかばうために、彼は突き放したが、自分を貫通して自分に刺さってしまった。
その光景は、ハヤトにとってどんな風に見えたのか分からない。
だがそんなこと考えていると、モニターに変化が起きた。
「えっ」
奏が纏うシンフォギアが突如解けて、彼にまとわりつく。
血を流しながら、手には槍を構え、ただ叫ぶように歌った。
歌えるはずもないのに、傷口は何かの結晶で塞がれ、無理矢理歌った様子に見える。
そして光りが辺りを包み、彼は消え、ノイズが消えていた。
「・・・まさか」
「そうだ、彼奴が私の代わりに絶唱を歌って、死んだ」
それを聞き、血の気が引く響。
奏は静かに、その光景を見る。何度も胸に刻みつけるために。
「その後、ガングニールは彼と共に消滅を確認。奏くんはいままでの薬の副作用か不明だが、聖遺物との適正値は0になってしまった」
「けど奇跡的にそれだけなんだ・・・本来なら、寿命とか削られててもおかしくないのに、それが綺麗になくなった・・・」
少し泣きそうな顔になりながら、響に頭を下げる。
「あんたには、あんた達には大きな傷をつけておいて、いままで黙ってすまない!!」
「奏さん!?」
「私からもだ!! 彼のおかげで奏は生きていると言っていい、なにより、会場の死者が少ないのとて、彼が誘導し、絶唱を歌ったおかげなんだ」
翼も続いて頭を下げる。それに響は困惑する。
そう、死亡者は奇跡的に二桁程度。出てきたノイズの数、混乱して暴徒と化した観客など、専門家が考えたうえ、そう言いのけた。
その所為で色々問題も起きた。が、それも英雄の両親の言葉で収まられた。
「あ、頭を上げてくださいっ、そんなこと彼、ハヤトはきっと気にしてません」
「・・・すまない」
そしてしばらく落ち着いてから、了子と言う人から色々と話を聞く。
どうやら自分の身体に、ガングニールの破片があり、それが自分が装者として戦えた理由らしい。
それを聞き、奏はまた目を瞑る。
「神代ハヤトを殺したのは私だ、私の、ガングニールの破片が、彼奴を貫いたんだ・・・」
「そんな、そんな悲しいこと言わないでください!!」
「いや、それでも私は私を許せないッ。もう少し周りに気を配っていれば、私がもう少し、聖遺物と相性がよければ・・・」
そんなことを言う奏に、首を振る響。
「それこそ、ハヤトは悲しみます。ハヤトはきっと、文句言いません、だって、ハヤトは誰かを恨む前に、誰かのために走り出す人なんです」
「立花・・・」
「それに、彼の両親から言われました。ハヤトのこと気にするのなら、それを背負ってもいいから、それでも、いまを生きなさい。私は、そう言われました」
「!?」
それを聞き、奏は覚悟を決めた。
静かに頷き、翼もまた、はっきり言う。
「彼の両親には真実を告げられない。だが、その言葉、胸に刻む。彼の死、自分らの弱さと未熟さで失わせた彼のことを、私達はけして忘れないと約束する」
「・・・はい」
その様子を、ため息混じりに見ている者がいる。
神代ハヤト、いまは亡霊であり、床でごろごろしてた。
「ん? 話終わったか」
自分の死に関する話だが、彼から言えば、んな気にすんなと言う感想だ。
もう何年も前だし、奏の話を聞いても、彼女に非がないとしか思えないため、何も思わなかった。
だが、気になることはあるため、こうして姿を消して、尾行していたが、
「まさか響の学園の地下に、こんなんがあるなんて・・・雷で調べるか? なんかやばい気がするし」
どうして響をここまで呼んだんだろう? ガングニールと言うものを回収するためだろうかと思いながら、その様子を見ていた。
だが実際は、彼の思いとは違う話だった。
とある時間帯、ノイズの軍勢が現れた。
対するは天々羽斬を纏う、風鳴翼と、ガングニールを纏う響。
「最初は私の戦い方、シンフォギアの戦いを見てから、どうするか考えて」
「はい、わかりました」
「・・・」
正直仕方ないこととはいえ、彼女を戦場に立たせている現状に、血だらけの少年の顔が思い浮かぶ。
当初自分も何度も思い出す。彼が奇跡を起こしたおかげで、奏は延命している。
最初、彼女から薬の副作用が消えたことを喜んだ。内心ではある。彼女は戦いたがっていたため、もう戦えない悔しさを知るため、それを言えなかった。
だが素性を隠して、彼の友人、彼がかばった少女の様子などを見に行ったとき、考えが変わった。
『死なせて!! どうして私が、ハヤト!! どうし、どうしてぇぇぇぇぇ、ハヤトおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』
泣き叫びながら暴れる少女。自分をかばい、死体すら無くなった幼なじみの名前を呼びながら、暴れていた。
目の前で死んだ、彼が自分をかばった。死んだ。
自分はなんて愚かなんだ。奏が生きててよかったと内心喜んでいた自分を呪った。
その奇跡の代価が、これなのではないか、友人や親、彼の両親に落ち着くように叫ばれても、自分が彼を殺した、見殺しにしたと泣き叫ぶ少女。
自分をかばい死んだ。そう泣き叫ぶ。
止めに入ろうとする奏を、制止する仲間達。当然だ、言えるはずがない。
真実は隠蔽され、少女は友人を殺したと泣き叫ぶ。
あの叫び声が消えない。その少女はやっとそれを乗り越えて、いま隣にいる。
「・・・本当に戦うの?」
「・・・聖遺物、シンフォギアでしか、ノイズを倒せない。なら、ノイズから人を、誰かを守りたいです」
その瞳は真っ直ぐで、だがそれだけでは足りない。
奏の意志、ガングニールを纏う少女。色々な思いが渦巻くが、奏は言った。
「響を頼む、私の代わりに戦いたいっていう、あの子を支えてくれ」
そう言われ、そして彼女はまだ未熟だ。
間違いも有れば、未熟な部分もある。
その思いを考えながら、自分がしっかりしなければいけないと強く剣を握る。
(防人として、剣として、もう過ちを繰り返しはしない)
静かに研ぎ澄ます。戦場の先にいる者として、彼女には選択させなければいけない。覚悟を決めさせなければいけない。
そう決めて、彼女は歌う。まずはシンフォギアという戦い方を見せるために。
ノイズを倒しきり、響のもとへ戻る翼。
「翼さん」
「これがシンフォギア、装者の戦い方よ。まずは貴方はアームドギアを取り出せないといけないけど、これが戦い。覚えておきなさい」
「はい!!」
そう言い合いながら、後は組織の人に任せ、今後のことを奏や司令と共に話し合わなければいけない。
そう考えているとき、
『アイ』『ハーツ!!』
「「!?」」
『バッチリミールー!! バッチリミールー!!』
「お、音!? どこから」
その時、黒紫のパーカーが襲いかかってくる。それに剣で防ぎ、響は叫ぶが、離れなさいと叫び、距離を取る。
だが、その後ろにパーカーが来たとき、
『開眼! ハーツ!!』『スタート覚悟!! ガンガンゴースト!!』
大剣を持つ戦士が突如現れた。
剣と剣がぶつかり合い、響からより距離を取る。
「な、何者!?」
「ただの亡霊だ・・・命、爆ぜるぜ!!」
両刃の剣が変形して、二振りの片刃になり、二刀流で斬りかかってくる。
それに対処しながら、歌い出す。
戦い慣れているのか、こちらの手はそれなりに見抜かれており、何より、ここまでの相手は戦ったことがない。
「やるな」
「貴様はいったい」
「だが、彼奴からここまで距離が有れば使える」
その言葉に疑問を思った瞬間、何かを取り出す。
『炎魂』『ホノオ・炎で吹っ飛べ爆裂だ!!』
爆炎のように燃え上がる敵に対して驚愕する。
その炎を巻き起こしながら、爆発している。まるで爆弾と斬り合いしているように、ダメージを追っていく。
「くっ」
ワインレットのパーカーを纏う敵は、静かにこちらを見て睨む。
殺気を込めた目線、それで彼は人とであると認識するが、
(人? それなら司令室から連絡が入るはず・・・なにより、こいつは立花のことを意識している)
そう余計なことを考えている翼に、爆薬のように辺りを吹き飛ばしながら迫る剣撃に、翼は苦戦する。
「お前はいった」
「お前らはなに考えてる」
「!?」
話しかけてくるそれに、翼は驚く。それは気にせずに、
「彼奴を戦いの場に連れ込むな!!」
「貴様はいったい」
「亡霊だ!! ただの・・・彼奴を戦いの場に出すのなら、俺はお前らの敵だ」
そう叫び、つばぜり合いしている刃が爆発して、体勢を崩された。瞬間、隙を見逃さずに、ベルトのようなものに剣のツバを重ねる。
『アイコンタクト!!』『ダイカイガン・ホノオ・オメガドライブ!!』
『オメガスライサー!!』
二つの剣が、距離があるのに振り下ろされる。
それから炎が走り、爆音を響かせながら迫る。
「くっ」
「翼さん!?」
そのど真ん中に響が飛び込んでくる。
急いで翼を担ぎ、その場から跳んでいく。
「立花!?」
「間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
その場から飛び立とうとするが、炎が迫る。
『土魂』
そう鳴り響き、炎を防ぐ土のような茶色のパーカーが現れ、炎を防ぐ。
吹き飛んだものの、傷はなく、響達はそれを見る。パーカーであることから、彼の力であると認識する翼。
(立花を・・・守った?)
先ほどの発言と言い、彼は立花響に執着している気がする。
翼はそれを見ていたが、霧のように姿が消え、その場から消えた。
だが、最後に声だけが、
「無関係な奴を、戦いに巻き込むな・・・」
そう虚空に響く。こうして彼と装者は出会った。
ハヤト(とりあえず、なるべく響から離れないようにしないと)
了子「それじゃ、脱いでもらいましょうか♪」
響「ふへ!?」
ハヤト(・・・・・・・・・・・・いやいやいやいやいや、すまん、ここで待つから)
お読みいただきありがとうございます。