戦姫絶唱シンフォギア×仮面ライダーゴースト・歌姫を守る魂 作:にゃはっふー
さまよう中、クリス見つけた、つけてみた。
「というわけだ」
「わけだじゃねぇ!!」
どこかの古いマンション、そこで姿を見せておく。クリスは激怒していて、それでも出ていけともなにも言わない。
その様子を見ながら、腹でも減っているのか、とりあえず食い物渡す。
「なんで食べ物」
「いや、死んだときの所持品の唯一の金使った。まあ、いまの俺にはいらないから気にするな」
彼女には全部話しているから気が楽だなと思いながら、そう言う。
なにか言いにくそうな顔になるが、あんパンと牛乳をいただいているクリス。
そしてしばらくして、
「!? 誰か来る」
「なに!?」
警戒する二人だが、姿を消して除いてみると、驚いた。
「響んとこの司令官さんだ」
「!?」
そしていま、三人は重々しい空気の中、静かに雨音を聞いている。
クリスは昔、戦争に巻き込まれ、捕虜として生活していて、保護する子供として覚えていたらしい。
そう言えば、ライブの日の新聞で、そんなんがあったなと呟く。
「その時の子がクリス?」
「ああそうだよ、神代ハヤトくん」
「・・・」
黙り込むクリス、なにも言わずに、周りを警戒するが、人気はない。
雨を見ながら、静かに思い出す。
「そう言えば、響はともかく、どうして未来まで響の、ノイズのこと知っていたんだよ!?」
「それは・・・」
クリスをちらっと見るが、なんだと思うと、クリスが、
「あの時、私とあのバカが戦ってるとき、偶然いたんだよ・・・」
「・・・俺の運の悪さ呪うぞ世界・・・」
そう言いながら、ため息をつく。
その言葉に、弦十郎は静かに聞く。
「奏から聞いた、奏には言えない理由らしいが、いまならどうだ。自分のこと、もしかすれば」
「もしも、なにもない。俺は死んだんだ」
「・・・頼む」
弦十郎は静かにそう言う、クリスも何か言えと言う顔で見ている。
なぜクリスも聞きたがるのかわからないが、
「それは胸の鉱石の所為じゃ」
突如現れた仙人が説明し始めた。
クリスに仙人のことを伝え、仙人は静かに、真剣に言う。
「本来、ハヤトは死ぬはずだったが、ワシが死ぬ瞬間、肉体を永久保存するカプセルに、魂を、眼魂と言う物に封じた」
「本来の目的は、仙人の世界、眼魔世界での騒動を止めるため、15個の英雄達の魂が宿った眼魂、英雄眼魂を集めたかったんだ」
「そこまでか・・・そうだ。ワシは本来の世界の他に、保険として異次元の世界にいる英雄も含めて、眼魂を集めるために動いた」
そして神代ハヤトを目撃し、白羽の矢を立てた。
身体は大きな傷を負ったが治せるし、魂も問題なかった。
「じゃから、たとえ百日過ぎようとも、15個も集めなくても良かった。もとより、ハヤトは保険だけじゃ。ギリギリになったら、持っている眼魂と交換で、生き返らせるつもりだった」
「・・・ではなぜ、彼はこのままなんです?」
「・・・この世界の技術、ワシにとって、未知の技術の所為じゃよ」
「なんですと!?」
仙人の予想外は、ハヤトはガングニールと適合者として、天羽奏から瀕死の重体だと言うのに、ガングニールを奪い取り、絶唱を歌ったこと。
それが運命の分かれ道だった。
「ワシが回収した肉体は、その未知の鉱石が傷口を防ぎ、肉体を維持している。だがそれは一時的なもので、カプセル、外界に触れれば炭化する。まるでノイズ被害者のようにな」
「!?」
「調べた結果、ガングニール魂と連動していることから、それと関係がある。それを聞いて、推測が出来るか?」
「・・・」
今度は弦十郎が考える版になり、難しい顔のままに、おそらくと付け加え、
「元々、奏は薬による強化で、ガングニールを纏っていた。本来限界をすでに超えている状態であり、あの場合、絶唱を歌っていたら、肉体は持たず、ガングニール共々消滅していたという結論だ。ということは」
「おそらく、その薬による不可がかかったガングニールを、その使用者の適正値ごと奪い取ったんだろうな・・・で、なければ説明がつかぬ」
その言葉に、喉が渇く。けして奏には言えない。
本来自分が背負うものを、他人に渡して延命しているようなものだ。奏が知ればどう思うかわかってしまう。
しかもその所為で、その人物が死んでいると同じ事態ならなおのこと言えない。
「運が悪いな俺」
本人はその一言で終わらした。
「ざっけんな!!」
叫んだのはクリスだ。
「なに他人事のように聞いてるんだよ!? お前、見ず知らない奴のかわりに死んでるんだぞ!?」
「だからって、奏さん恨む理由にはならないしな・・・」
「それに理由がわかったなら、もしかしたら生き返るかもしれないんだぞ!? なんでそんな」
「必ずまたこれ使うから」
それはガングニール魂。それに仙人は鋭い目つきで見る。
「わかっているのか、それを使い続ければ、魂を入れたハーツ魂が壊れ、魂が行き場を無くし、消滅する・・・お前さんはそこまで知っていて」
「響が戦ってるんだ、俺も戦わなきゃな」
「もう十分戦ったじゃろ、お前さん、ゴーストとして、多くの命や、人を、人生を守った!!」
仙人はそう言いながら、だが首を振る。
「最も救いたい奴は助けられずに傷付けた」
そう呟く。
静かに、
「ニュートン、フーディーニ、ツタンカーメン、グリム、サンゾウ・・・俺が出会った英雄の魂達からも言われたよ。それでいいのか?って・・・」
ニュートンは納得できず、フーディーニはそれでもいいが、自分を縛る鎖が外れることを祈ろうと言ってくれた。
ツタンカーメンは静かに受け入れて、グリムは悲しそうに、サンゾウも受け入れた。
「戦争とかで、勝手に力使ったとき、ノイズが多く出たあのとき、ガングニール魂を使ったときに分かった、俺は、生き返らない。だからこそ、俺は選んだ、響達の世界を守るための力、この身体であり続けたいって」
「お前さん・・・」
「ノイズを倒さなきゃ、響達の未来は守れない」
「お前はいいのかよ!?」
クリスは立ち上がり、襟を掴む。
なんでだと言わんばかりに、こちらを睨む。
「どうして自分が死んでいいって言えるんだよ!? それで誰が、誰が喜ぶんだよ!?」
「・・・誰も喜ばない、不幸にするだけだ」
「!?」
その言葉に、クリスは驚く。
弦十郎と仙人は、その言葉に険しくなる。
「わかっているのか、自分のしていることが」
「意味求めてない、俺は、俺は亡霊だ・・・意味なんてない」
「君はそれでいいのか、君のこを思っている者、響くん達のことは」
「あんたら、生きてる人に任せるよ・・・」
そう言って、フードをかぶり、姿を消す。
それに弦十郎は何も出来ず、仙人は静かに座り込む。
「ワシは・・・なんで愚かなんだ」
「!」
弦十郎は仙人を掴み上げ、その顔を見る。
最初は殴ってやろうかと思ったが、その顔は、本気で後悔している顔であった。
だからこそ、
「・・・なぜそこまでして眼魂を集めようとした・・・」
「・・・友のために・・・ただそれだけだった・・・だが、ワシは間違えた。ワシはハヤトから、無限の可能性を奪った・・・」
「無限の可能性か・・・確かにな」
静かに放して、弦十郎は静かに目を瞑る。
「あれくらいの若者だ、どんなことも、なんにだってなれただろう」
「それだけではないだろう・・・命は無限の可能性がある。ワシは友の息子である、タケルを見てそれを確信した。だからこそ、ハヤトを救いたい」
「勝手だ・・・」
クリスはそうつぶやき、仙人を睨む。
だがその言葉を受け入れて、静かに頷く。
「それでも、ワシはやらなければいけない」
「・・・彼の肉体は」
「ほぼ、謎の鉱石、ガングニールでできている。全神経は全てガングニールでできていると言っていい」
「そんな事態・・・」
完全共鳴、立花響の顔が一瞬よぎる。
その時、がっしゃんと窓を割り、ベランダからクリスが逃げ出す。
「あの子は」
「訳ありの子だ・・・すまないが、俺はここで」
「待て」
「!?」
その時、あるものを弦十郎に投げ渡す。
それに弦十郎は驚いていた。
「奏と言う子に渡せ、元々はあの子の力だったから、調整しておいた」
「奏用の力・・・」
「あとはおぬしが決めろ」
「・・・」
厄介なものをと思いながらも、仙人は姿を消す。
あの男もまた、悩み、苦しんで答えを選んでいるのだろうと思いながら、それを持って立ち去る。
ノイズを倒す日々の中、クリスを守るような形が起きる。
「私に構うな!?」
「気にするな」
そう言い、雷魂で辺りに雷を放つ。斬撃のように切られたそれを見ながら、赤いそれを見せる。
「それは」
「聖遺物イチイバル・・・私達はシンフォギアって呼んでるもんだ。お前の身体の奴だよ」
そう投げやりに答えながら、ハーツの姿のままだったが、クリスは歩き出すので追いかける。
「待てよクリス」
「ついてくるな」
そう言われても、やることはないこともあり、ノイズに狙われているクリスの側にいる。
と、あるライブ映像が見えた。
「生中継・・・風鳴さんのライブか」
「けっ、のんきなもんだよな・・・」
離れていた位置だからか、それとも対処が早かったのか、彼女達の出撃は無かったようで、ライブ映像の中で、響達を見つけだした。
「よかった」
「なにがだよ」
クリスは悲しげにこちらを見ている。
フードを外させて、その顔をさらさせる。その顔を見ながら、
「お前だってあそこにいたかもしれないんだぞ!? なのに、なにがよかったなんだ・・・」
「・・・クリスは優しいな」
「なっ、なにいってるんだお前!?」
顔を真っ赤にするが、少しだけ、心の重りが消える気がする。
ライブの映像を見ながら、翼が前を向いて歌う姿、響の応援など、それを見ながら、もしもと呟く。
「俺的には、あそこにお前もいて欲しいな、響は友達少ないと泣くから」
「・・・お前は」
「俺は死人だ」
苦笑して、フードをかぶる。
だがその手を掴みクリス。静かに、
「どうして戦えるんだよ・・・お前には、もう戦う理由なんてないじゃないか」
そう言うが、それに簡単に、
「それでも戦うさ、彼奴は泣き顔より、バカ面で笑ってて欲しいからな」
「・・・意味わかんねぇ」
「俺も」
とりあえず二人でしばらく行動する。クリスはなぜか文句言うが、それを許す。
そんな感じで、あの事件まで一人じゃない日々を過ごす。
ハーツ魂が砕ける、その日まで・・・
仙人なに弦十郎さんに渡してるんだよ。
次回で無印は最終回、ハヤトがどうなるか、響は彼と出会うことができるかお楽しみに。
それでは、お読みいただきありがとうございます。