真かみさま転生200X(未完)   作:tbc

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三キャラ目(続・剣士)
平和な世界


>やっぱりヤマオロシはダメだったよ……の日

 目覚めたら三度目となる転生ルーム。

 早速プギャーしてきたあの女神がムカつくので【ヤマオロシ】を放った。当然反射された。自爆して死んだ。転生ルームだからすぐに復活した。

 

 いや原因はわかってるんだ、悪魔は契約に従おうとする奴が多いみたいだけど、所詮口約束だったし……それにその約束もイソラを倒すまで、だったから倒した後は契約履行完了ということで裏切り上等なわけだ。サマナーとして契約した仲魔でもないから、勿論そういったフレンドリー・ファイアへの拘束力もねえ。

 しかしそれにしても両方が裏切ることはねえだろ!ピクシーもカハクも初めての女の子悪魔ってことで少なからず惹かれてたのに!

 

 え、何、ブラウニーの奴は最後まで味方としてあの2体に立ち向かってくれてたって?いや野郎は別にどうでも……

 

 

 

>仕切り直しの日

 再度転生する前にちょっと作戦考えなおさせてって頼んだ。厳密には一日も経ってない気がするが、気分を改めたので一日経過ってことにしとく。

 

 まず、前回の転生で俺は224の経験点を手に入れた。ただし、このうち8割は徴収されるので、実際に引き継げるのは2割の44点だけだ。これだけで3レベルになれる計算ではある。

 しかし、よくよく読み直せば経験点は残しておいて、次回の転生まで残しておくことも可能らしい。正直、今の調子だと死んでばかりになりそうなので、ここらで低レベルを繰り返して地道に貯金をしようと思った。

 そう考えた最大の理由が、どうやら俺は今のままだと「覚醒者」にすらなれないらしい。

 

 真女神転生TRPGでは、「クラス」は最大3つまで取得できるが、最低限必要なレベルの条件がある。

 全てのプレイヤーキャラクターはクラス1個の「異能者」から開始し、5レベルに上がることでクラス2個の「覚醒者」に進むことが出来る。「覚醒者」が40レベルに上がると、クラス3個の「超人」に進むことが出来る。

 2個目のクラスを得るのは簡単だ、素質のある人ならば、なりたいと思ったクラスを得るのにふさわしい場と条件を整えるだけで、簡単にきっかけを掴んで簡単に次の段階へ登ることが出来る……らしい。これは女神にもしつこく確認して、お墨付きを得ている。だから5レベルになった俺が「サマナー」のクラスを得たいと思ったら、悪魔と交渉して契約を結んだり、悪魔召喚プログラムを入れた機械や装置を入手するだけで良い。

 ところが、今のままの俺では……そもそも元は平凡な一般人の魂だった俺は、「覚醒者」になれる素質すら持っていないらしい。前の転生でイソラ戦前に5レベルになったにも関わらず、2つ目のクラスを得られなかったのにはアレとも思ったが、そういう事情があったようだ。

 で、その素質を得る方法だが、流石に魂の問題なんて自力では解決不可能。しかし女神が提示した転生特典一覧とやらの中に、「覚醒者」になれるようになる特典が混ざっていた。ただしその額は100経験点と、今の俺ではまだ半分ほど足りない。

 この先、俺TUEEEするなら覚醒者、あるいは超人になるのは必要不可欠なのであと2回は死ななければならないだろう。……順調に行ってもあと2回は死にリセットするのか、とちょっと凹みそうになるけど、とりあえず気を取り直して女神に転生の手続きを頼む。3レベルになれる最低経験点21だけを消費し、あとの23点は次回に持ち越し、100点の差額残り67点を得るのに必要な335点を入手するのが目的だ。レベルに直すと、7レベルまで上がる必要がある。

 とりあえずまだまだ低レベルで四苦八苦する必要があるのだし、クラスは「剣士」のままで良いだろう。女神の奴がまたサイコロを振って、俺の転生先を決める。出目は4だった……初回が1らしく、前回が5でまだ見たことのない世界だ。あいつの言い分では人のいる世界らしいが、果たしてどのような世界に飛ぶことやら。

 できれば開幕詰んでないような世界観だと良いなぁ……。

 

 

 

>私のパンを焦がす日

 気づけば夜中の電車に乗っていた。どうやら前みたく世界が滅亡し、文明が残ってないような世界観ではないようだ。

 しかし電車スタートとはどういうことだろうか?なんか見覚えのあるようなないような光景だし……と、とりあえずいつの間にか持っていた電車の切符を通し、改札口を抜けて外に出る。

 ポケットに入っていた、この世界での俺の身分が書かれた印刷紙を片手に街中を歩く。どうやら俺は私立学園の新入生になるらしく、また東京でも無いようだから大破壊に巻き込まれてまともな生活が送れない展開もないだろう。

 見たところ湾岸都市でかなり近代的な様相をしているが、パッと特徴的な建設物なんかは見当たらない。電脳的なあれこれとかも無さそうだし、ソウルハッカーズではないか……? んー、向かい先が住宅街だけしか広がってないのもあってこのへんだとわかりにくいなぁ。とりあえず地図を参考に、手配してくれたらしい俺の住居に向かう。

 

 ポツンと夜空に浮かぶ三日月が照らす住宅街に面した街路を一人寂しく歩く。やはり、それとなく感覚を揺さぶられるのだが、その正体にピンとこない……。

 それとも、何か身に危険が迫ってて本能が知らせてるのだろうか?足を止めて周囲を確認するも、俺以外に人の気配はないし、悪魔の影すら見当たらない。運能力値の低い俺は、そこまで察知に長けているわけではいないがそれでも念入りにあたりを見渡せば見つけることもあるだろうと、じっくり周辺を眺めるがやはり何の悪魔の姿も見えない。

 ううむ……ふと思い立って夜空を見上げるも、この暗い星空の下を飛ぶ鳥の姿があるわけもない。やはり気のせいだろうか?そう思って時刻を確認すれば夜の12時前。やべ、大家さんへのあいさつとかもあるだろうし大丈夫かな……?

 

 

 

 

 

  ぺるそな

 

 


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