普通の少年とある精霊による伝説   作:飄零

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第5話 初めての防衛戦

(ユウキ。朝ですよ。起きてください。)

朝か…そんな風に思いながらも目を開ける。

ベッドから出て着替える。

すると凄く大きな足音というか駆け足の音が聞こえドアが開け放たれた。

「ユウキ君。 ごめんなさい。今日の訓練は中止よ」

「この近くで魔法の力を観測したわ。」

「私たちは至急そこに向かえとの事よ。」

「相手も動いてるこのまま行くと…」

「多分城下町の門前で接触になるわ。」

「初の防衛戦となるけれど気をつけてね。」

「さぁ行きましょう。」

 

アーシャさんのあとに続き俺たち4番隊は動く。

すると門の前で一人の男が立っていた。

 

作戦は簡単。

俺とアーシャさん以外の四人が先に出る。

街付近に防衛魔法などを貼り次第四人はアーシャさんと交代。

俺はその場を見ながら追加戦力等が来た時の対処及びアーシャさんの加勢に入れるように準備をする。

 

まず俺とアーシャさん以外の四人が出る。

「やっときたか… 遅かったな」

「貴方の目的は何。」

とティアが聞く。

その間にも後ろでフィアナが街やティア、カヤ、ウィルに防衛魔法を発動している。

「俺はこの街を落としにきた、デスタって奴だ。」

「あんたらの隊長さんあたりならわかると思うぜ。」

 

その声を聞いたアーシャさんは驚く。

「デスタ… アルベジオ8番目の魔法使いよ…」

「8番目程度ならまだ隊長クラスの人一人で対処できるけどあの子達は危険かも知れないわね…」

「ユウキ君。少し早めに出る事になるかも知れないわ。」

 

「さてあんたらどうせ従う気は無いんだろ?」

その声とともに相手の手は変化した。

とてつもなく鋭い鉤爪。

ものすごい速さでティアのへと向かう。

ティアとデスタの間にウィルがナイフ2本でデスタの攻撃を受け止める。

「これ位は止めてもらわねぇとな…」

デスタと距離をとるティアとウィル。

デスタは再びウィルに向かう。

ティアは何やら魔法を詠唱し始める。

「何よりも赤く燃え上がる紅蓮の炎よ。我にその力を!」

爆裂火炎(バーニングフレア)!」

デスタに激しく燃え上がる火の玉がぶつかる。

煙であまり見えないが何かが動いているのは見える。

その刹那ナイフと鉤爪がぶつかる音が鳴り響く。

「良くこれが防げるな…」

しばらくのあいだティアとウィルの連帯でデスタの行動を止める。

少しの怪我は後ろにいるカヤが治癒魔法で治している。

完璧な陣形だ。

その後フィアナがこちらに防衛魔法を終えた事を知らせる。

 

それとほぼ同時にアーシャさんは声を出した

「4番隊全員下がりなさい!」

その掛け声でティア、カヤ、フィアナ、ウィルが下がる。

そしてアーシャさんが上がりデスタの前に立つ。

「やっと隊長クラスが出てきたか…。」

「待ちくたびれたぜ。」

風斬刃(エアカッター)!」

何かに遮られたような音を立てアーシャさんの魔法は消滅する。

そのせいか相手にはかすり傷一つ付いていない。

「まさか…魔法耐性(レジスト)?」

「しかし何故 こんなにも強力な…」

「さてと不意打ちとはなかなかひでぇが…この通りあんたの魔法は俺には効かないぜ?」

その声と同時にアーシャさんは剣を握る。

アーシャさんの剣とデスタの鉤爪がぶつかり合い凄まじい音を立て続ける。

近接戦の合間に放つ魔法も全て効いていないようだった。

魔力の消費が激しくなる一方でデスタは今の所身体改造にしか魔力は使っていない。

アーシャさんの動きが目に見えて悪くなっていく。

そんな時鉤爪はアーシャさんの剣を弾く。

間一髪のところで避け距離をとるがもうすでに限界が近いのか立っているので精一杯というのが見て取れる。

(ユウキ。このままではアーシャが危険です。)

その声とともに俺は魔を封じる剣(ラグナロク)とフィアナを呼び出しフィアナに俺とデスタを含む2人だけの結界を張ってもらうようにお願いをした後アーシャさんの元へかけていく。

しかしアーシャさんに向かってデスタも走っている。

 

アーシャに向かって伸びるデスタの鉤爪を俺は間に入り止めることに成功した。

 

「小僧。邪魔する気か?」

「俺はあんたの好きにさせない。 もう人を死なせたくないんだ。」

「ユ、ユウキくん…」

俺の後をついてきていたカヤとウィルがアーシャさんを連れて下がる。

カヤがアーシャさんに治療魔法を放っていたようだった。

「デスタ…俺はあんたを倒す!」

その声と同時にお互いが動く。俺の右手に蒼く輝く魔を封じる剣(ラグナロク)とデスタの鉤爪がぶつかり合い大きな音を出す。

(ユウキ。デスタの異様に高い魔法耐性(レジスト)の原因がわかりました。)

(彼の胸にある宝石が原因です。)

(宝石自体に強力な防衛魔法がかかっているけど私の力で破壊できるはずです。)

その声を聞き俺はデスタの胸元に剣を当てようとする。

するとものすごい速さで俺の剣を弾く。

「そんなに大事か?そこにある宝石が。」

「くっ…」

「偽りの力で強くなったところでそれは偽りでしかない!」

その後ティアによる炎が上空に上がる。

(ユウキ。防衛魔法が貼り終わりました。)

「お前の魔法耐性(レジスト)なら耐えられるはず…」

蒼煌矢(フォトンアロー)!!」

その発音とともに俺の手から蒼く光る矢が飛び出しデスタの胸にめがけ飛んでいく。

魔法耐性(レジスト)の効果が俺の蒼煌矢(フォトンアロー)を拒み続けている。

しかしその防御も消える。

爆裂(バースト)!」

大きな爆発音とともに何かが砕け散るような音が響く。

「デスタ。 あんたの強さは偽りだ。 本当の強さじゃない。」

俺は魔を封じる剣(ラグナロク)をデスタの首元に構える。

それを振り上げた瞬間。

「ユウキ君止まりなさい!」

アーシャさんの声とともに複数の人が現れデスタを拘束した。

「くっ…ここまでかよ。」

デスタの手首には手錠のようなものがはめられ動けなくなっていた。

「あの手錠は対魔法使い用の詠唱妨害(マジックロック)がついているの。」

「これでデスタは魔法は放てないわ。」

その後デスタはアーシャさんと共に現れた複数の人によって連れて行かれた。

 

「ありがとうユウキ君。 君がいなかったら危なかったわ。」

「だけど…魔法を撃ってはダメと言ったでしょう?」

「今回は魔法耐性(レジスト)の効果で生きていたけれど普通は死んでしまうわ。」

 

以後気をつけるようにというような顔をしてアーシャさんは俺のそばを離れていく。

 

他の4番隊のメンバーはというと感動にあふれたというような目で見つめている一方でフィアナはかなりショックを受けていた。

多分一撃も当たっていないのに俺の魔法と魔法耐性(レジスト)の衝突した時の威力で防衛魔法が壊れてしまったことを気にしていたのだろう。

しかしあれがなければ城壁はおろか街や城は完全に壊れてしまっていただろう。

 

心の底でありがとうとつぶやいたのだった。

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