ユールに街の説明をしながら歩いていたそんな時に響き渡った叫び声を聞き俺とユールは声の主を探し声のした方に走り出した。
そこはちょうど商店街の真ん中。
広場だった。
「んな…」
俺とユールがたどり着いた広場にはいつもの広場ではなく所々赤く染まった広場だった。
そしてそこには先ほど声を出した人であろう女の人が横たわり致死量の血を流していた。
その隣には男と女が一人ずつ立ち女は血を飲み込んでいた。
「お前は誰だ?」
俺の質問が聞こえたのか男はこちらを向く。
「俺か?。俺は魔導師No.0フィングだ。んでこっちの女はティル。」
魔導師。その言葉を聞いた瞬間身体に力が入る。
そして次の瞬間俺はユールに声をかけられた。
(ユウキ。あのティルという女。人間じゃないわ。私と同じ精霊よ。 血を吸いそれを力にする剣ティルヴィング。もしフィングという男が真名契約をしていたら今の私では抑えきれないわ。)
その言葉を聞いた瞬間フィングは俺に声をかけてくる。
「お前には悪いだけどな…俺がここにきたことがばれちゃまずいんでな。死んでくれるか?」
その一言と共にティルは剣となり矛先が俺に向く。
そしてとっさに俺もユールを構える。
「!?驚いたな。お前も精霊使いか。」
その次の瞬間俺とフィングの剣は交わる。
しかし明らかに力負けしているのが目に見える。
一撃を受ける度俺の身体は力を失ったように一瞬崩れそうになる。
(ユウキ。ダメよ。これ以上受けたらあなたの身体が持たないわ。)
その声を聞き俺は距離を取る。
「お前面白いな。ティルの毒に耐えるのか。本当に人間かよ。んまぁ面白いお前に良いことを教えてやる。だろ?ティル。」
「全くなんで全部面倒な所は私に任せるのよ。」
いつの間にか人の姿に戻っているティルは俺たちの前に立ち話し始める。
「あなたの使っている剣は本当の力を出せてないわ。
真名契約うんぬんではなくてその剣は一本じゃ力を出しきれないという事よ。 んまぁそこまでして隠そうとするあなたの精霊の気持ちはわからなくもないけれど、いつまでもそんなんじゃ私たちと戦う前に死ぬわ。 って事がフィングの言いたい事よ。」
「流石だなぁティル。 俺は真名契約してねぇなぁってしか思ってなかったがんまぁ良い。 今回はお前らを見逃す。次までにその精霊をうまく使いこなせるようにしておけ。」
そう言い残すとフィングはティルを連れて何処かへ去っていく。
その数分後だろうか鎧の擦れるような音が多く聞こえてきたのは…
その音を聞いて俺は意識を失った。