ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション 作:橆諳髃
それでは、スタートです。
「愛護先生……僕は……〇〇さんの事が好きなんです。でも……アプローチしようとしても上手くいかないんです。〇〇さんの方から僕に近づいた時もあったけど、その時も普通の受け答えになってしまって……」
やぁ、俺は愛護颯也だ。今は天王洲第一高校で保健室の先生をしている。してはいるんだが……。
(なんかいつの間にかお悩み相談みたいな事も仕事に付け加えられてる様な……)
これはいつからだったろうか? 確か入って当日だったろうか? 休憩時間中にある女生徒が俺の元に訪れてきた。それであの時は質問攻めにあったな。その時にある質問をされた。
「先生って、趣味とか持ってるの?」
ごくごく普通の質問だった。別に答えれる質問だったから、俺はこう言った。
「そうですね……これが趣味に入るかどうかは分からないが、困っている人を助ける事かな。いや……趣味というよりも、これは生き方に近いかな」
「へぇ〜、なんか先生に合ってそうな趣味だね」
「そんな事は初めて言われたけど……まぁ私もそう思うね。後は……そうそう、お菓子作りも趣味かな」
それを言った途端、座って話を聞いていた生徒が勢いよく立ち上がった。
「えっ⁉︎ 先生ってお菓子作りできるの⁉︎」
「うん? そうですね。お菓子作りもできるし、普通に料理もできますよ」
「す、凄〜い‼︎ ならさ! 今度何か簡単に作れるお菓子を教えてよ‼︎」
「えぇ、また今度教えましょう。さぁ、休み時間も終わりますし、そろそろ教室に戻りましょうね」
「はーい! じゃあ先生、また来るね!」
そう言って女子生徒は去っていった。
そして後日、その女子生徒が訪ねて来た時に簡単にできるお菓子を教えた。教えた物はプリンで、女子生徒はメモを取るや否や俺に礼を言ってその日は去って行った。
プリンを教えた次の日……女子生徒がまた俺の所を訪ねて来た。何でも今度は俺に相談事がある様だ。そしてその相談事が……。
「先生……実は私好きな人がいるんだ……。でも、どうやって振り向かせればいいか分からなくて……」
なんと俺の予想だにしなかった恋愛相談だった。
(……俺今まで恋愛経験ゼロなんだけど……どうしろってんだよ?)
だが俺を頼ってきている事も事実だ。どうにかアドバイスらしい事はしたい……。
「恋愛相談ですか……私はそういう経験が全くと言っていいほど皆無なのですが……」
「えぇ⁉︎ 先生って恋愛経験ゼロなの⁉︎ 容姿も内面も良いのに⁉︎」
「そんな事を言われたのは初めてですね。まぁ褒め言葉として受け取っておきますよ。それより、好きな人へのアプローチですよね? う〜む……その好きな人の誕生日などは分かりますか?」
「えーっと……確か今日から数えて10日後だったと思う」
「なるほど、少し待っていてくださいね」
そう言って俺は情報端末を立ち上げる。
「そういえば、彼の好きな物は何か分かるかな?」
「確か最初の自己紹介の時に海洋生物に興味があるとか言ってた様な……」
俺はそれをキーワードにして調べる。……よし、これなんか良いんじゃないか?
「そうだね。ではその日、その子をデートに誘ってみてはどうかな?」
「えっ……えぇ⁉︎ で、デート⁉︎」
「確か彼の誕生日が今日から10日後ですよね? その日は学校もお休みだし、ちょうど良いことにその日は水族館でイルカのショーもある。私の言う事……予想がつくかな?」
「っ⁉︎ なるほど‼︎ そういう事ね‼︎」
「分かっていただいたようで何よりです。後はその日まで少しずつ……どんな些細な事でも構わないので、彼に話しかけたり、困ってる事があれば助けたりしてとアプローチを繰り返して、今より有効な関係を築いていく。そう徹した方が、当日のデートにも誘いやすくなるでしょう。まぁこれは私の単なる1つのアドバイスに過ぎません。だから、他の友人にも聞くことをお勧めしますよ」
「うん! ありがとう! 愛護先生‼︎」
そしてその日は女子生徒は俺の目の前から去って行った。それから数日ぐらい経った頃だろうか。
「先生! 私、好きな人と彼氏になれたよ‼︎」
その女子生徒がわざわざ俺の所にまで報告をしに来てくれたのだ。俺はただ相談に乗っただけだというのに……。
「そうですか。それはめでたいですね。まだ若いとはいえ、その初恋の感覚は大事にしてくださいね」
「せ、先生だってまだ若いくせに! なんかさっきの、どことなく歳をとった人の台詞に聞こえるよ」
「あははは、そこまでは歳をとったつもりはありませんが、まぁ良いでしょう。とりあえず、おめでとう」
「ありがとう、先生‼︎ またなんかあったら相談に来るよ‼︎」
そんな感謝の言葉を俺に言って、保健室から去った。別に感謝をされるために相談に乗ったわけではない。ましてや相手が本当に困っていた状況にも陥っていない。正直相談に乗らなくても良かったが、何というか気まぐれみたいなものだな。
(まぁ、これからはそんな事もないだろうし……。さて、仕事に戻りますか)
とまぁ、その女子生徒からの恋愛相談を何とか成し遂げて、ここから普通の職務に戻るだろうと思った。
(そんな甘い考えを持っている時期が俺にもあったな……)
その恋愛相談を成し遂げてからというもの、何故か分からないが、毎日俺の元に生徒が来るようになったのだ。普通に怪我とか病気で来る子もいたが、それ以外に俺に相談したいという生徒が大勢いたのだ。多分最初に来ていた女子生徒が言ったのだろう。
それにしても予想に反して大勢の生徒が来るもんだから、相談中の他の生徒にプライベートな情報がいくかもしれない。(俺のは別に構わない。というかほぼ俺のプライベートは言わない)そこで俺は、誠に勝手ながら防音仕様の曇りガラスボックスを保健室内に設置した。その際保健室の壁と、隣接している部屋の壁の間にある空間を歪ませて、少し保健室を大きくした。他の部屋には影響はない。
そしてほぼ毎日生徒とお悩み相談みたいな事をしていた。そして今も恋愛相談にのっている。
「そうですね……その子の性格上、しつこいアプローチは嫌うでしょう。だからまずやる事は、普通に接する事で彼女の中であなたの評価を上げる事ですね。さっき君が言った、どう接すれば良いのか分からないについてですが、所謂あがり症みたいなものでしょう。ですがあがり症になるほど、それに真面目に取り組もうとしている証拠です。例を挙げると、スピーチ中あがり症でうまく話せなかった……というケースがありますが、実際はその逆で、聞いている人たちから見れば堂々とスピーチをこなしているように見えるんですよ。ですから後は、君の勇気次第です」
「僕の……勇気……。先生、相談に乗ってくれてありがとうございました‼︎」
「いえいえ、また何かあったら遠慮なく来てくださいね」
「はい! それじゃあ失礼します! 先生‼︎」
そう言って男子生徒が去って行った。
「ふぅ……まさかこんなに生徒がここに来るとは思ってなかったな……」
俺しかいないその空間でそう独り言を言っていると……。
「愛護先生、少し良いかしら?」
その声に反応して保健室の扉の方に目を向けると、この学校の生徒会長である供奉院亞里沙が立っていた。
お悩み相談と書いていながら、本文に書いてあるのはほぼ恋愛相談……まぁ、オリ主の学校生活の一部を書いたに過ぎませんからね。たまたまみたいなものです。
次回はどんな話を書こうか決めてませんが、まぁお楽しみに。