ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション   作:橆諳髃

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役3週間ほど更新を遅らせてすみません。ここ最近は忙しくてちょくちょく書き足していた状態が続きました。

やっとキリのいいところで書き切れたかと思います。

それではご覧下さい。


19話 〜罪の王の世界〜 茎道……貴様は万死に値する 中編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 桜満

 

 

 

 

 

 

 

僕達は、今順調に電波塔に繋がる道を進んでいた。これまで敵からの妨害工作はあったんだけど、でも皆無事に進んでいたんだ。

 

本当は……今でも怖い。僕のせいで、葬儀社とは関係ない皆を巻き込んでしまって……それが最悪の事になってしまうんじゃないかって……。もしそうなってしまったら、果たして僕は償う事が出来るんだろうかと……最悪の先を考えてしまうと、僕はそれに押しつぶされそうになって怖かった。でも今は……進むしかない。僕を信じてくれた皆のために……そして、僕のことを信じて待っている葬儀社の皆のために。

 

「桜満くん、そう強張った顔をしなくても大丈夫ですよ」

 

「……先生」

 

「君は今……自分の中にある不安と一生懸命戦っている。それは本来、学生である君が背負うべきでは無いものだ。それでも君は、自分が苦しんででも前に進もうとしている。そんな君の事を、今は守りましょう。全力で……ね。だから、君は堂々と前を向くだけで大丈夫ですよ」

 

「……ありがとうございます。少し……気が晴れました」

 

「えぇ。それで良いんですよ。さて……もうそろそろトンネルに入りますね。何があるか分かりませんから気を引き締めていきましょう」

 

そう言って愛護先生は、バギーより前方100mの位置を保って走っていた。

 

あの格好自身も気になるけど、どうやったらあんな速度で走れるんだろう? それに息も切らしてなかったし……。

 

(そんな疑問があるけど……今は先生の存在がとても頼もしい)

 

いのり……葬儀社の皆……後もう少しで着くから。

 

桜満は電波塔の方に顔を向けながら、皆の無事を祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、桜満くんの顔が強張っていたから、先程励ましに行っていた。それも済んで今はバギーより100m前を進んでいる。目の前にはトンネルが見えていて、あそこを通らなければ電波塔には着かない。しかしながら……。

 

(確かこのトンネルには隔壁が下りる仕様になっているはず……さてどうするか……)

 

今の所プランは1つだけ思い浮かんでいる。無理やり行こうとすれば、トンネルを通過するプランなどそれ以外にも思い付く。しかしそうした場合、増援を招き入れる道を作ってしまう。それは避けなければならない。やはり……このプランで行くしかあるまいな。

 

俺はそのプランで行く事にし、一足先にトンネルへと入る。それから数秒してバギーもトンネルの中に入る。そしてトンネルの中を進む事1分……問題の隔壁が下がる部分に辿り着いた。私がそこについていた時には、既に隔壁の5分の1程度が下がっていた。隔壁が3分の1ほど下がってしまうと、バギーが倒れる隙間が無くなってしまう。私はすかさず隔壁の下に辿り着き、これ以上隔壁が下がらないように支えた。

 

(ふむ……支えてみて分かるが、結構な圧力がかかるな)

 

そんな当然な事を、颯也は顔色を変えずに思っていた。普通の人であれば、その圧力のあまり押し潰されるのが普通である。しかし颯也は、隔壁の圧力に屈する事なく、逆に押し上げていた。それも宙に浮いた状態でそうしているのだ。分かっていることではあるが、最早人間技ではない。

 

颯也はバギーが通過するまでその状態を保つ。そして颯也が隔壁を支えること数秒経ち、バギーは無事に隔壁を通過した。しかしバギーの後ろからは、GHQが保有するエンドレイヴが3機ほど追走していた。

 

(まぁこうなる事は大体予想が付いていたさ。だからこそのこのプランだ)

 

バギーが通り過ぎてすぐに、颯也は力ずくで隔壁を下ろした。理由としては、バギーが安全に電波塔への道を進むためだ。そして颯也は……何故かエンドレイヴ達の前に立ちはだかっていた。

 

「私は不殺をできるだけモットーに掲げているのでな……貴様らの命も無闇には奪わんさ」

 

エンドレイヴ達にその声が届いているかどうかはわからないが、目の前に反乱分子がある以上見逃すわけにはいかない。エンドレイヴ達はそのまま颯也に向かって突撃をした。

 

「やれやれ……もしここで俺が避けたら貴様ら隔壁にぶつかって潰れるぞ? まぁその覚悟あっての突撃だと思う事にしよう。……開け、旅人を迷わせる門よ。ロストドア!」

 

颯也は呪文を唱える。すると颯也の後ろにある隔壁の表面が波紋のように波打った。それを知らないエンドレイヴ達は、シールドスピアーを颯也に向けながら突撃していた。そのシールドスピアーが颯也に触れそうになる瞬間……。

 

「そんな遅い攻撃……余裕を持って避けれる」

 

いとも簡単に颯也はその攻撃を避けた。目標を失ったエンドレイヴ達は、速度を落とすことができずにそのまま隔壁にぶつかり、その衝撃でエンドレイヴは爆発するだろう。しかし、何故か爆発音はしなかった。爆発音はおろか、エンドレイヴが隔壁に当たる激突音すらもしなかったのだ。それどころか、その場にいたはずなエンドレイヴの姿はどこにも見当たらなかったのである。

 

「あのまま行っていたら、貴様らの身体に多大なる負担がかかっていたはずだ。それがなかっただけでも、儲け物だと思えよ?」

 

颯也は誰にも届かないであろうその言葉を呟きながら、今もなお波打つ隔壁に向かって足を進めた。そして颯也は、何の抵抗もなく隔壁を“通って”その場から去った。

 

 

 

 

 

 

side ツグミ

 

 

 

 

 

 

 

私達は先程、トンネルを潜り抜けて外へと出ていた。電波塔へと着々と近づいいるのも分かるし、それにトンネルを抜けてからいのりの歌が段々と聞こえるようになってきた。電波塔を介してのものなんだろうけど、それでも私達が前に進んでいるという実感も湧いてきた。それは良いんだけど……。

 

「それにしても……愛護先生って何者なんだろうな? 学校とかでは良い噂しか聞かないし……」

 

そんな事を、集の友達である魂館って奴が言っていた。こいつ自身お調子者だと思うんだけど、こいつが言う事も一理あるわ。

 

(愛護颯也……経歴を調べようとしても何も出てこない。まさに謎の存在……)

 

集の通う学校で初めて実際に会った。そいつは最初神の使者と呼ばれていた。私は誰もが知らないような謎を調べることは好きな部類で、愛護颯也の話を聞いたときは、絶対に解析して裏の顔も暴いてやるって躍起になってたわ。でもそれは難航した。私の解析スキルが一切通じず、しぶっちが過去を洗おうとしても、ヒットどころかかすることすらしなかった。でも今日で顔だけは分かったわ。解析しようにも最後までモザイクがかかっていた顔は、イケメンに入る部類の顔立ちだった。でも、初めの頃葬儀社で提出された似顔絵とは全くもって違っていた。最初見た時も、イケメンと思いながらこの顔も違うんだろうと思ったけど、集と寒川って奴が本人のように認識していたから愛護颯也で間違いはないわね。でも、集はこの前の船上パーティーの一件で愛護颯也を確認してるから間違いようはないとして……。

 

(あの寒川って奴が何で愛護颯也の事を知っているかよね……確かに同じ学校だからと言う理由なのかもしれないけど……でもあの時の反応は久々に会ったって感じだった。ならどこで……)

 

ツグミがそう思いながら運転している時だった。バギーの運転席側の外が波打った。それに最初に気がついたのもツグミだ。

 

「な、何よこれ⁉︎」

 

そのツグミの反応に、他のメンバーもそちらの方を向く。その間もバギーは動いているが、その波打つ空間もバギーに並走して動いていた。ある意味気分の悪くなるような状況である。そんな波打つ空間からは……。

 

「少々遅くなってしまって申し訳ない。さて、ここからはまたあなた方を引率しますから安心して下さいね」

 

(本当にこいつ何者よ……)

 

ツグミはほとほと呆れるしかなかった。

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

トンネルの隔壁には、このいざこざが終わるまで魔法をかけておいた。だからあのトンネルからは、敵方の増援は一切来ないようになっている。

 

(それよりも問題なのは、他の葬儀社のメンバーだな。確かアルゴ達はまぁ何とか持ちこたえてるとして……綾瀬さんは……)

 

ここで颯也は思い出した。綾瀬が沢山のエンドレイヴに囲まれて苦戦しているという光景を……。

 

「ふむ……これはさっさと行った方が良いな」

 

「先生、どうかしたんですか?」

 

俺がそう呟いた時、桜満くんが反応してきた。まぁ桜満くんも急いでるだろうから、この提案をしようか。

 

「桜満くん、今更だがこれは急いでいるのだろう?」

 

「え? えぇ。急いでますけど……」

 

「ならここからの引率は、私に任せてくれないかな?」

 

「えっ? それってどういう……」

 

「まぁ、見ていればわかるよ。……創造せよ、道無き道……フリーロード!」

 

颯也がそう唱えた。すると、バギーが次第に宙に浮き始めた。しかしながら尚もバギーは前に進む。まるで普通に道を走っているかのように……。

 

『ちょっ⁉︎ これどうなってるのよ⁉︎』

 

「なに、普通に道がない所に即席で道を作ったに過ぎぬよ」

 

ツグミの驚きの声に、それがさも普通のように答える颯也。そうしているうちに電波塔の近くまで来た。そしてバギーも宙ではなく普通に舗装された道に車輪を付けて走っていた。その時……。

 

『見つけたぞ‼︎』

 

1体のエンドレイヴがバギーめがけて突進し、その勢いを殺さずに腕をふるってバギーを攻撃しようとする。

 

ガギンッ‼︎ と、鉄と鉄がぶつかった音がした。しかし、バギーは何事もなかったかのように進む。では何故鉄がぶつかる音がしたのか? それは勿論……。

 

「……貴様、今何をしようとした?」

 

エンドレイヴの腕を片手で止める颯也がいた。それも、フルフェイスで顔を覆っているにも関わらず、殺気が誰にでも分かるかのように、エンドレイヴに対して殺気を放っていた。

 

『こっ、こいつ⁉︎』

 

「貴様……あの時の唐変木か……」

 

『唐変木だと⁉︎ 馬鹿な事を言うな! 僕「『そんな事はどうでも良い……」っ⁉︎』

 

「今問題なのは……貴様は今私の生徒たちに対して暴行を加えようとした事だ。という事は……」

 

颯也は受け止めている反対の手でザンバーを取る。そしてザンバーの出力スイッチを押した。そうすると、いつものごとくザンバーからピンク色をしたビームの刃が生成された。しかし颯也は、刃が出たにも関わらずスイッチからは手を離さない。逆に力を込めていた。

 

「貴様は、私の目の前で私の生徒たちを最悪の場合亡き者にしようとしたという事だ。そんな事を平気でできるのなら……貴様の命が今ここで消えても文句は無いだろう?」

 

ザンバーから出ていたビームの刃が、次第に大きくなる。それも、颯也の怒りに比例する形で……。

 

その光景を目に、エンドレイヴを操るダリルの頭の中は恐怖で埋め尽くされた。

 

「さぁ……覚悟は良いな?」

 

『う、うわぁーっ‼︎』

 

その恐怖の叫びが、その日のダリルが覚えている最後の光景だった。

 

「……私は人を無益に殺しはしない。ただ……私の大切な生徒に手をかけるというのなら……。さて、この様子だと葬儀社の人達は物凄く苦戦していそうだ。手始めに綾瀬さんの所に行くか」

 

颯也はダリルをいとも簡単に屠ると、綾瀬がいるであろう所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

side 綾瀬

 

 

 

 

 

 

 

 

私は涯やいのり達がいる電波塔を守るために、私はその近くにある空港で敵と戦っていた。最初の方は、何とかなっていたわ。残弾数も多かったし、最初から敵は複数で来てはいたけどそれでもこっちが押していた。

 

でもそれは時間が経つ毎にこちらが不利になっていった。残弾数も残り僅か……精神的に疲れてきた。

 

それは他の皆もそうだから、私だけ弱音を吐くわけにはいかない。そう思っていても……私の体は限界に来ていた。

 

『もらったぁ!』

 

(し、しまった!)

 

私が操るシュタイナーが、背後から襲いかかるエンドレイヴに反応できずに持ち上げられる。この後は多分地面に叩きつけられるんだろう。そう思っていた頃には、敵のエンドレイヴは地面に向けて叩きつけようとした。

 

私はその衝撃に備えようとはしたけど、結局はダイレクトにダメージが私にも及んでしまう。

 

(この一撃で……私の意識は途切れるかもしれない)

 

心の片隅で諦める自分がいた。そんな時……。

 

「貴様ら……未だに俺の目の前で過ちを犯すか……」

 

そんな声が響いた。その声は、私の知っている声だった。何回かしか聞いたことがない声だった。会話らしい会話はやった覚えはない。でも、会話している時の彼の声音は優しいものだった。でも今の声は……完全に怒っている時のものだった。

 

「彼女からその汚らしい手を離せ……」

 

その声が響いたと同時に、浮遊感が少しの間あって、その後は私の背中を優しく抱き止める感触がした。機械ごしてそんな感触を感じるのは本来おかしいのかもしれないけど、でもそんな感触がした。それも、私が経験したことのない優しい感触だった。

 

「怪我はないかな? 可愛らしくも勇敢に戦うお姫様」

 

『ひっ、姫⁉︎』

 

私はその発言に、私の顔が急に熱くなるのを感じた。多分今の私の顔は赤面していると思う。しかも、戦闘中にも関わらずだ。

 

「全く……こやつらは学習能力がないと見た。私はこれまでに何回も言っているはずだが? やはり精神的に何か負わさないとやめないのか? そうと分かれば、これからは戦意を削ぐだけでなく、恐怖も植え付けるとしよう……先程と同じ様な……な」

 

先程と同じ⁉︎ 一体何をして来たのこの人⁉︎ そ、それよりも……。

 

『あの……ブレーカーさん……もうそろそろ離してくれると嬉しいんだけど……』

 

「ん? あぁ……すまない。私みたいなやつに触れるというのは嫌だったかな。それと私は、ブレーカーさんという名前ではない。前にも言った様に、私は宇宙海賊クロスボーン・バンガードだ」

 

……うん。やっぱりブレーカーさんだ。ブレーカーさんは私を優しく下ろすと、未だに信じれないといった様子で戸惑っている敵に向いた。

 

「さぁ……貴様らには其れ相応の恐怖を植え付けるとしよう……。もう2度と……か弱き女性を傷つけることのない様に……」

 

ブレーカーさんがそういったと同時に、ブレーカーさんから力の奔流みたいな物が吹き荒れていた。本来はそんな物なんて見えないけど……でも、それが見えるということはそこまでの力を有しているという事だと思う。

 

(ブレーカーさん……貴方は本当に何者なの?)

 

私の中でブレーカーさんに対する興味が一層強くなった。そんな事を思っていると、私がいたはずの景色が変わっていた。

 

暗闇が支配した空は、それが嘘だったかの様な青い澄み切った空をしていて、硬いコンクリートだった地面は、波1つ立たない水面になっていた。その事に敵のエンドレイヴも混乱していた。

 

「さぁ……ここからは私の独壇場だ。貴様らがいくら攻撃しようと……それは無意味に終わるという事を先に忠告しておこう」

 

ブレーカーさんは右手を動かした。すると、さっきまで波1つ立たなかった水面が複数の波紋を立てていた。波紋を立てる水面から出てきたのは、人の手で十分に持てる白い棒みたいなものだった。

 

ここでまたブレーカーさんの右手を見てみる。動かしていた右手はゆっくりと腕ごと上がっていて伸びきってはいなかった。そこで白い棒からピンク色の刃が次々と生まれた。それらの形は全て違った。この前ブレーカーさんが戦いの中で見せてくれた様な形のものもあれば、見たことも無い形状のものまである。

 

『くっ……しょ、所詮相手は1人だ! 狼狽えることはない! 攻撃しろ‼︎』

 

そこで相手のリーダー格がそう叫んだ。一斉にブレーカーさんに照準を合わせている様だった。この前もそうされていたけど、ブレーカーさんはいとも容易く弾丸をとったりミサイルを斬り伏せていたりしていたわ。

 

(でも今回は手が離せそうにないわ。あまり役立たないかもしれないけど、ブレーカーさんの援護をしなきゃ!)

 

そう思っていると、ブレーカーさんが私の方を顔だけ向けてきた。

 

「大丈夫ですよ? “綾瀬さん”。貴女は自分の身だけを守っていて下さい」

 

顔はマスクで全体を覆っていて分からなかったわ。でも、ブレーカーさんが何故か笑っている様に見えた。それより……。

 

(私の事を……今名前で呼んだの⁉︎ 名前を教えた事なんて一度も無いのに⁉︎)

 

そう思ったと同時に相手からの一斉射撃がブレーカーさんを襲う。ブレーカーさんはそのまま、相手の攻撃を食らって爆発に飲み込まれた。私はそれを、爆風に耐えながら見るしかなかった。

 

爆発が収まった時……私の目の前をブレーカーさんが纏っていたマントの切れ端が爆風で飛ばされて来た。それを見た時……私は……守れるはずだったのに守れなかった後悔で胸が一杯になってしまった。彼は葬儀社じゃない。そして、彼の事をよく知っているわけでもない。でも……それでもさっき、ブレーカーさんの言う事を聞いていなければこんな事には……。

 

「ブレーカーさん……うぅ……ごめんなさい……。私が言う事を聞いていなければこんな事には……」

 

いつのまにか私は泣いていて、後悔も口から出ていた。なんでいつも私はh「呼びましたか? 綾瀬さん」えっ……?

 

「貴女に怪我がなさそうで何よりです。それと……私の心配んしてくれるなんて……貴女はとても優しい。ならば俺は……そんな貴女のことも守ってみせよう」

 

爆発による煙が徐々に晴れてきた。そこには、右手を挙げきったブレーカーさんがいた。それで驚いたんだけど……ブレーカーさんには傷が一切付いていなかった。マントで覆っていた胴の部分が露わになっていた。

 

まず背部にはXをかたどったスラスターが付いていた。あのスラスターで高速移動や空高く飛ぶことで、立体的な行動を可能にしているんだろうと思うわ。そして胸の部分は黒く塗られていて、中心にはドクロが描かれていた。全体的には白と黒を主に使っていて、シルエットはすらっとしていた。あれで私達の操るエンドレイヴ以上の力を出すんだから驚いてしまう。

 

髑髏は禍々しい印象はあるけど……ブレーカーさんは前に海賊と名乗っていた。だから、髑髏を掲げていてもおかしくないと思うわ。それにしても……。

 

(今のブレーカーさんが纏っている鎧姿……と言うのかしら? なんだかとてもカッコいいわね……)

 

そう思っていると、ブレーカーさんがいよいよ仕掛ける様だった。

 

「さぁ……先程の仕返しをしようか? 行け、ザンバーファンネル!」

 

ブレーカーさんの手が真っ直ぐ振り下ろされた。いつのまにか敵に向いていたピンク色の刃が、その手の動きとともに敵めがけて射出されていた。敵の方はそれを撃ち落そうとするけど、飛んでいく刃は逆に銃弾やミサイルを斬り刻んでいた。

 

それを見て諦めた数機のエンドレイヴが逃げていたけど、それも呆気なく斬り伏せられていた。爆発はしなかったけど、斬り刻まれた瞬間にパイロットの悲鳴が聞こえていた。それによって他のエンドレイヴも指揮を落として、その場にいたエンドレイヴは全て機能を停止していた。

 

「これで貴様らも学んだはずだ……か弱き女性に手をかけるとどうなるか……それも俺の目の前で……な」

 

ブレーカーさんはそんな事を淡々とした口調で言った。その言葉を聞いた時……何故か私は顔が熱くなっていた。本当になんでだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

綾瀬さんを狙っていたエンドレイヴは全て沈黙させた。さて、結界を解こうか。

 

俺が結界を解くと、辺りの風景が元に戻った。辺りには、先程沈黙させたエンドレイヴの残骸と少々の火の手が上がり、空は暗いが電波塔を中心として綺麗な色をした輪っかが浮かんでいた。

 

まぁそれは良いとして、綾瀬さんの方を見てみるか。これまで1人でここを持ちこたえていた様だからな。

 

「綾瀬さん、怪我はないかな?」

 

俺がそう声をかけると……。

 

『ひゃい⁉︎ ど、どうか……しましたか?』

 

ん? なにやら綾瀬さんの様子がどこかおかしい……もしかして先程の戦闘が終わった事で緊張が途切れたか? しかし先程の応答は……なにやら焦っている様に見えた。まさか熱を出したのか? 一応これでも医者だ。機械越しでも操縦者の調子はわかるからな。

 

「綾瀬さん、少々すまない」

 

『へっ? きゃっ⁉︎』

 

俺はシュタイナーというエンドレイヴの額に掌を当てた。そこから操縦者の調子を読み取る。そんな事できるのぉー⁉︎ と、某アニメでの驚きが聞こえるかもしれないが、勿論できる。結果としては……確かに顔が熱いが、熱を出している訳ではないようだ。

 

『いっ、いきなり何するんですか⁉︎』

 

「ん? 何と言われても、少々様子がおかしいようだったから調子を確かめようとしただけだが? まぁ気に障ったなら申し訳ない」

 

俺は相手が気に障ったかと思って頭を下げた。

 

『そ、そんな! 大丈夫です‼︎ ブレーカーさんは何も悪くないです‼︎』

 

どうやら許してくれたようだが、未だに何故か動揺みたいなものが見えて仕方がない。

 

「まぁ、そんな綾瀬さんの姿も可愛いと思うから俺は問題ないが……」ボソッ

 

『ふぇっ⁉︎ か、かかかかかか可愛い⁉︎ うぅ……』

 

確かこの前も可愛いとかって言った覚えがあったとは思うのだが……何故こんなに動揺するのだろうか? まぁ今は戦闘中だし……後は……。

 

(茎道……貴様にはちゃんとした地獄をみせよう……)

 

俺は茎道がいるであろうところに目を向けながらそう言った。




結構時間がかかってしまいました。大変申し訳ありません。

今回も新しい呪文や能力が出てきましたけれども、この解説はまた後日にしようと思っています。

それでは、失礼します……。
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