ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション   作:橆諳髃

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こんなに遅れてすみません‼︎

それと、なんだこの題名は⁉︎ と思われる方が大半だと思いますが……取り敢えずご覧頂ければ幸いです……


20話 〜罪の王の世界〜 茎道……貴様は万死に値する 後編〈上〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ茎道……今度は貴様の番だ……それ相応の覚悟はできているであろうな? 今日の私の予定をこんなしょうもない戯言のような事で潰したのだ。私の……前世ではなかった、女性とのデートの約束を潰したのだ。殺しはしないが……万死に値する程度の地獄を見せよう」

 

『あ、あの……ブレーカーさん? なにブツブツ言っているの? それとなんか怖いわ……』

 

「ブレーカーさんではない。 まぁ……今日の私の素晴らしい予定を潰した者に向かって呪詛を吐いていたところだ」

 

『……やっぱりそれは怖いです。あの、なんの予定があったんですか?』

 

「そうだな……俺にとって、人生初となる予定だったんですよ。それをこれをやった首謀者は台無しにしてしまった……これは万死に値するものだ」

 

『……ご、ご愁傷様です』

 

「まぁそれはともかくとして、そいつは今何してるかなぁーっと」

 

颯也は茎道がいるであろう塔を見る。実際に颯也の目に映っていたのは、茎道が何らかの装置を使ってアポカリプスウイルスを蔓延させようとしているところだった。

 

「ほぅ……俺がいる目の前でそんな事をするか……俺の大切な人達を巻き込んでまで。分かった……貴様には今地獄を見せよう。フォーム、クロスボーンX2改」

 

颯也がそう唱えると、今まで颯也が身を包んでいた鎧は無くなり、代わりに新たな鎧が形成された。それは先程纏っていた鎧とは少し程度違ったが……殆んど似ていた。違うのはその鎧の色と細かい飾り部分。色は黒と紫で統一されており、頭のV字部分のアンテナは烏のような翼があしらわれていた。

 

『ブレーカーさん……その姿は?』

 

「ブレーカーさんでは……ふぅ、もう良い。そう呼んでくれてももう構わない。多分そう呼ばれ続けるのが目に見えるようだしな。それで、この姿の事か? そうさな、俺は複数の姿になれる。その場の環境、状況に適応した姿にな。例えばこの姿であると……」

 

颯也はある武装を呼び出す。両手で構える様な大きな銃だった。それは漆黒で彩られ、特に凝った飾りはない。

 

「こんな風にその鎧専用の武装を呼び出すことが可能だ。まぁ、俺の場合は鎧を着けなくとも呼び出すことはできるが……。そんな事はさておきとして……」

 

颯也は漆黒に彩られた大型の銃……バスターライフルを構え、備え付けてあるスコープを覗き込む。

 

「目標、アポカリプスウイルスの原石のカケラ。まずは今日の俺の予定を壊した奴に嫌がらせをしてやろう」

 

(……何だかこの人の事が分からなくなってきたわ……)

 

側で見ていた綾瀬は、颯也の人物像がもはや分からなくなっていた。それは当然の事だった。なにせ自分に対して優しく接してくれたり、窮地の時にはいつのまにか助けに来たりと、ここまでは彼がとてつもなく優しい人物だという事は分かる。それに付け加えて頼り甲斐もある。

 

しかしその反面、どうやら彼は自分の楽しみを全く接点のない他人によって壊されるという事が、とても……いや、もはやそんな言葉では言い表せないほど頭にくるタイプの様だ。

 

これが知人であり、用件もさほど対した事が無いものであるなら、彼はこうも怒ったりはしない。見知らぬ他人からの助けでも迷わず力を貸すだろう温厚さも持ってはいる。

 

しかしながら……見知らぬ他人であり、自分の楽しみを壊し、ましてや自分にとっての大切な人達を巻き込んでまで事に運ぼうとする輩に対しては温情などもはや持たない。それどころか首謀者に対しては、亡き者までにはしないが、それと同程度の痛みと苦しみを与える。

 

普通に考えれば誰でも当てはまりそうな事だ。単純に綾瀬がそれについて行けてないのと、颯也が過剰に外に漏らしているからこそ、綾瀬はこう思ってしまうのかもしれない……。

 

そう綾瀬が思っている中、颯也は……。

 

「エネルギー供給正常、照準軸固定……OK、風は微風だが問題無し……全て整った。さぁ茎道……取り敢えずこの一撃で絶望しろ‼︎」

 

颯也はそう言いながらバスターライフルの引き金を引いた。その銃口からは、エネルギーが最大まで凝縮され、そして綺麗なピンク色をした1発の銃弾が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 茎道

 

 

 

 

 

 

 

私はアポカリプスを発生させるために高い塔の上にいたのだ。いよいよ……そう、いよいよだ。私の研究成果はこれまでに発表されて来た物を凌駕するだろう。そして……。

 

(玄周……私は今この瞬間に貴様を超えるのだ)

 

既に原石は私が作り上げた装置に設置してある。周囲にも既にアポカリプスの影響は出ているだろう。先程まで桜満真夏の容れ物が歌ってはいたが、それもユウに阻まれ、逆に今頃はあの場所にいるだろう。ふふっ……私の研究成果が実証されるのは時間の問題だな。

 

茎道はこう思っていた。自分の研究成果が正しく、そして過去の友人であり、自らの手で殺した桜満玄周よりも自分の方が優れていると……。だが、それは一瞬で砕かれた。

 

それは、アポカリプスの原石の目の前にいた茎道にも理解ができなかった。目の前をピンク色をした何かが通り過ぎたと思うと、その瞬間に装置に設置していたアポカリプスの原石は、綺麗な音をしながら無くなったのである。

 

「なっ、何が……」

 

「そんなのは決まっている。俺がその物騒な物を壊させてもらった。ただそれだけだ」

 

「ど、どこだ⁉︎ どこにいる⁉︎」

 

茎道がそう言った瞬間、自分が何者かに殴られたと言うことを、倒れたことによる衝撃と頰に走る痛みで初めて理解した。

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は放った銃弾と俺の位置を転移呪文によって入れ替え、それと同時に茎道の頰を上から殴った。

 

「取り敢えず1発分……殴らせてもらった」

 

倒れている茎道に、睨みを効かせながら言う。

 

「立て……結構な加減をしたんだ。意識が飛ぶのはまだまだ先だ」

 

「うぅ……き、貴様は何者だ?」

 

「貴様なんぞに名乗る名はない。それと……今すぐその装置を止めれば、貴様に対する制裁を俺が前まで思っていた半分に減らそう……」

 

「ぐっ……そんな事は」

 

「えぇ、できませんね」

 

茎道の回答を聞く途中、その場にはいないはずな第三者の声が聞こえた。それと同時に俺に向けて刀が一太刀振られていた。俺は太刀が空を斬る音から感覚的に左足を一歩下げる。すると、黒に近い灰色をした長い刀が俺の右斜め前から振られた。俺は左足を一歩下げていたから、俺はその攻撃に対して紙一重で避けていた。

 

「惜しいですね……後もう少し攻撃が早ければ当たっていたでしょう」

 

姿を露わにしたのは、金髪で肩より少し長い髪を持ち、少し青みがかった瞳をした少年だった。そして麻呂眉……。

 

「誰だと言いたそうな顔をしていますね。いや、こちらからすれば顔は見えませんけどね。こんなに早くに会えるなんて……光栄ですよ。神の使者」

 

「なっ……貴様が神の使者だと⁉︎」

 

「えぇ、数多の人々を救い、今では本当に宗教ができそうな勢いで信仰が集まっているようですね」

 

本来なら聞き流すべきではあったが……内心恥ずかしくなってきた……。

 

何故かって? そんなの当たり前だろ⁉︎ ただ、自分としては当然の事をしただけなのに、たったのそれだけで信仰されるとか……いやはや恥ずかしい以外何も出てこねぇよ⁉︎ ま、まぁそんな事はどうでも良いとしてだ。今はこっちに集中しないと……。

 

「そう言えば名乗るのがまだでしたね。私の名前はユウ……今は茎道の協力者とだけ言っておきましょう」

 

「……そうか。まぁ、いきなり乱入してきたのが小さい形をした麻呂眉という事は分かったよ」

 

「……聞き捨てならない言葉が聞こえましたが……気のせいですか? 今私の事を小さいと……」

 

「ん? あぁ……確かに言ったなぁ。後は麻呂眉か」

 

「それは……私を馬鹿にしているのですか? いくら神の使者といえど、許す事はできませんね。いえ……それともアンフェアブレーカーとでも言いましょうか?」

 

「ほぅ……俺の事を知っているか。まぁ……今俺の名前はどうだって良い。特に貴様らにとってはな」

 

「ふふ……今のあなたは、普通の日常を送っている時とは大違いですね? 普通の日常のあなたは、相手に向かってそんなに剣幕は張らないでしょう」

 

「俺は貴様には今初めて会った。なのにその口振り……まさか俺の事を見張っていたか? 確かに最近の俺は弛んでいた。目の前の現実《今》が幸せだったからこそ……」

 

颯也は、戦闘中であるのに星々が煌めく空を眺めた。その行為は、相手からしてみれば攻撃して下さいと言うようなもの。だがユウは動かずに颯也を見ていた。まるで興味が尽きない相手だという風に……そう観察していた。

 

対する颯也は、前世の事を思っていた。前世でも颯也は幸せだった。不自由などなかった。選べる選択肢は幾らでもあった。だが、その中でトラックに轢かれそうな猫を助ける為にその身を犠牲にした。それをしなければ後何十年も生きれたろうその命を……。

 

(でも、その選択は俺にとっては間違いじゃない)

 

例え他の人から間違っていると言われても、俺はその選択が正しいと信じる。この仮初めの命でも……。

 

(仮初めでこの世界が偽物だとしても……俺の事を好きになってくれる人がいるから)

 

その人は……自分の事を見て欲しかった。本当の自分を見て欲しかった。愛想笑いじゃない本当の笑顔を……。最初は……当然立場は違う。俺は高々の保健室の先生、相手は俺が勤める高校の生徒会長で日本、あるいは世界でも名を轟かせるほどのグループの令嬢。全くもって生きる世界は違う。

 

そんな中でも……俺は彼女に会えた。そして、いつしか彼女の本当の愛らしい笑顔を見る機会が増えた。触れ合える事もできた。最終的に……想いも告げられた。

 

最初は……戸惑った。前世でそんな経験なんて無かったから。外見と外にいる時の内面は……自分でも大人ぶってると自覚してる。だから、最初まともな返事は返せなかった。精神年齢は既におじいさんと同じくらいだというのに……何故そんな時だけ青年に戻るのだろうか? まぁ、そんな経験が無いまま死んでしまったからだろうな。

 

でも、こんな俺の事を好きになってくれる人がいた。だからこそ……最近の現実《今》が好きだったんだ。そして、今日の予定も楽しみだった。それを……。

 

颯也はそう考えると、さっきまで忘れていた怒りを思い出し、ユウ達に向ける。それに、面白そうに観察していたユウは寒気がした。勿論茎道はこの比ではない。

 

「そういえば途中だったな……貴様ら、今日の俺の予定をどうしてくれるんだ? 今日は大事な用があった。その用が済んだ後でなら……俺は幾らでも貴様らに付き合った。それを……貴様らは挙げ句の果てに台無しにしてくれたな? それも、私にとって大切なもの達を巻き込んで……」

 

「そ、そんな事は私達の知ったことでは無いです。私達はこの日にやる事が大切なんですよ。しかしそれもあなたに邪魔されそうです。精々邪魔されない程度に、私と相手をしてもらいましょうか!」

 

そう言ってユウは颯也に向かって距離を詰めようとする。手には先程振るっていた太刀を握り、詰める勢いで太刀を構え、そして振りかぶった。それは颯也に届く距離だった。だご、颯也は動こうとしない。ユウは、これをただ単に反応ができていないだけだと思った。しかし、実際には……。

 

「っ! なに⁉︎」

 

ユウの側面からピンク色をした何かが襲い掛かる。それにギリギリ気づいたユウは、颯也に振りかぶっていた太刀を途中で自身の防御に回した。

 

少し遅れたものの、ユウはそれほどダメージを受けていなかった。だが、ピンク色の物は威力が強く中々消えない。そしてユウは質量で押され、地面から足が離れてピンク色の力に押し出される。

 

「こんな事もあろうかと準備をしておいて正解だったな」

 

そう呟いたのは颯也だった。

 

「アポカリプスの原石を破壊した後、その銃弾と俺を転移で位置を変え、銃弾は元の形態に戻していつでも撃てるように準備していたさ。貴様の様な邪魔者を遠ざけるためにな」

 

「くっ! これ程とは……」

 

ユウはまだ颯也と戦い足りなかった様だが、颯也の放っていた銃弾もといビーム砲に押されて塔から離れた。

 

「さて……邪魔者もいなくなったところでだ。先程の答えが途中だったな? 聞かせてもらおうか?」

 

「そ、そんな事は……」

 

「さっきの光景を見てもまだ躊躇うか? 機械を止めさえすれば最初に思っていた分の半分で済ますと言っているんだが……」

 

「……ふふっ」

 

「……何がおかしい?」

 

「例え……ここの装置を止めたとしても間に合わんさ。既にラストクリスマスは最終段階に入ったのだ。もはや貴様に止める術は「そうか」ぐぁっ⁉︎」

 

「まぁそんな事だとは思っていたさ。それに今用事ができた。だから貴様に対する裁きは後回しにしてやる。だが……再び見える時があったその時は……覚悟しておけ」

 

茎道を一瞬のうちにノックアウトした颯也は、その場から姿を消した。向かった先は、アポカリプスウイルスに最初に感染した者……桜満真奈の下だった。




何だか話がこんがらがる様な展開にしてしまって申し訳有りません……

しかしながら、一応きりの良いところで終わらせたかったのでここで切りました。

多分他の皆様から見たら全然キリよくねぇよ‼︎ と言われそうですが……。

ということで、次回は後半〈下〉です。

それでは、まだ会いましょう……。
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