ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション 作:橆諳髃
そして遅れましたが、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
それでは早速物語の方を、ご覧下さい。
side 亞里沙
文化祭が無事に終わった後、私と桜満くん達、そして葬儀社から送られてきた綾瀬さんとツグミさんが保健室に呼ばれましたわ。呼び出したのは颯也先生で、大事な話があるそうです。
そして保健室に最初に着いたのは……私が最初でしたわ。それで皆さんが来る前に、颯也先生とは他愛のない世間話をしましたの。
その時間は……確かに楽しいものでしたわ。ですが何でしょうか? 何か違和感を感じてなりません。この違和感が気のせいなら良いのですが……。
そして桜満くん達も後から来ましたので、残念ながら世間話は終わりました。さて、先生はどんな事を話すのでしょうか?
(まぁ、どんな事であれ私は受け止めてみせますとも)
この時亞里沙は予想していなかった。まさか颯也が自分の予想よりも斜め上の事を言うと言う事を……。それでも結局は受け止めるのだが……。
side out
保健室に俺が呼び出した人が揃ったところで、大事な話をしよう。まぁ皆にはこれまで黙っていて申し訳ないが……ここまで来たからには真剣に話すとしよう。
「さて……皆揃ったから話すとしようか。多分殆どの人が知りたがっているだあろう私の事について話しておきましょう」
「それより1ついい?」
「ん? なにかなツグミちゃん」
「まぁ私個人として気になっているんだけど……その話し方と態度って、先生としての側面よね? 多分だけど。だからこっちとしては、いつも通りの……プライベートの態度で話してほしいんだけど」
「先生……私からもお願いできませんか?」
「供奉院さん?」
「私が先生の事を好きでいると言うことは……伝えましたわよね? 私としては、私にまだ見せていない先生の態度を知っておきたいんですの。勿論、先生が根本から素敵で優しい男性というのは承知しておりますわ。ですから……先生、貴方の素というのを見せてほしいんですの」
それはなんとも告白の様な台詞だった。そのため、間近で見ていた桜満や綾瀬達は皆赤面していた。そもそも告白など生で言われた事も、ましてや聞いた事も無いのだ。それを堂々と言える亞里沙の表情には、桜満達の様な赤面した様な事になっていない。正に堂々としていた……が、それは1人の発言で覆される。
「供奉院さん……それは告白にも聞こえるのだが……そして私も少し恥ずかしく思う」
「えっ? ……っっ⁉︎」
その発言に、自分が何と言ったのかとこの場の状況を再度理解し、桜満達よりも顔が赤くなっていた。
「まぁ……私としてはそれが物凄く嬉しい。ありがとう、“亞里沙さん”」
「えっ……先生、今私の事……」
「もぅ隠す必要はありません。というよりも前に、皆さんには私と亞里沙さんのことはバレているでしょう?」
「まっ……マジで先生と供奉院先輩は付き合っていたのかよ?」
そんな驚きの声を上げた魂館。というか、あれだけ普段からくっ付いていれば誰だって気づくと思う……。
「まぁそれは本当として……早速本題に入ろうか」
ここから颯也の口調は変わった。態度はいつも通りのため変える必要はない。しかし、明らかに口調が変わった事に、桜満と楪、亞里沙と綾瀬とツグミ以外が驚いた。
そして戦闘の場面で何故か一緒になる事が多い綾瀬に至っては、この中で本人の口調が変わっても1番驚いていない。その次に来るのが亞里沙だが、正直綾瀬とはそんなに表情は変わらない……というよりも、彼女が1番新鮮に思っていただろう。
なにせ亞里沙が1番颯也との時間を共有し、側で彼の態度と口調を感じているのだから。
「まず俺の存在についてだが……まぁこれが1番信じられないだろうな。っと、これはどうか他言無用でお願いする」
まずここで釘を刺しておく。不安要素は徹底的に潰しておきたい。
「えぇ、俺達もこの事は他言無用にします。それで、先生の存在とは?」
そこで谷尋が応答して問いかける。
「えぇ……では単刀直入に言いおうか。俺は……この世界の人ではない」
その言葉に、その場にいた全員が驚愕の表情をした。亞里沙でさえも、それは予想外だった様だ。そこからは、颯也がこれまでの事を全て話した。
自分の前世、その前世で高校生ながら死んでしまった事、死んで神様に会い、そこで力を得て、今は転生者見習いとしてこの世界にいる事、それらを全て語った。そして、いずれ自分がこの世界からいなくなる事も……颯也からしてみれば、自分でも信じられない事だと思いながら語る。
こんな事を馬鹿正直に言う奴は、元からおかしい奴と思われても仕方がない。こんな事を素直に信じる奴は……多分そんな奴と同じくらい馬鹿な奴か、あるいは……。
「私は、その話を信じますわ」
颯也が語り終わって数分の沈黙が流れた時、不意に保健室にその言葉が響いた。その言葉を口にしたのは……。
「く、供奉院先輩?」
桜満達が亞里沙の方を見る。そんな事には目をくれず、亞里沙は颯也を見つめていた。対する颯也は、その反応に困っていた。
「な、何で信じる事ができる? 俺は……ずっとこの事を黙っていた。他の奴が見たら、騙されたと思っても仕方ないのに……なんで君は……」
「そんなの……決まっていますわ」
亞里沙は住まっていた状態から立ち上がり、そして颯也の側まで寄り、次の瞬間には……。
「っ⁉︎」
なんと、亞里沙が颯也の事を抱きしめた。それも、いつもの如く(になりつつある)颯也の顔を自分の胸に抱き寄せる様にしてだ。その光景に、その場にいた桜満達は先程よりもさらに赤面していた。女子に至っては顔をを手で覆っているが、指と指の隙間からちゃんと覗いていた。
「あ、亞里沙さん?」
「颯也先生……ううん。今は颯也さんかしら? それはともかくとして、颯也さんは私の事を変えてくださりました。そして……私の事を愛して下さりましたわ。これは自惚れではありませんわ」
そんな事を皆の前で堂々と言う。先程赤面していたのが嘘の様に……。それを言われた本人はと言うと……。
(そ、そんなの反則だろ⁉︎ こ、こんな状況で……)
しかし、颯也の思考と体は……どういう訳か真反対の事をしていた。
颯也がその思考の中、颯也の体は……供奉院の事を抱きしめていた。その行動に、今まで赤面していた他の皆はさらに顔を赤らめる。そして抱きしめられている亞里沙はというと……。
「あぁ……あぁ……颯也さん♡」
颯也に抱きつかれた事によって、この場で抑えていた感情が一気に爆発した。
まず何をしたかというと、颯也の頭を優しく撫で始める。その事により颯也の頭の中は先程より混乱した。次に、抱き着きを強くした。この事により更に颯也は混乱に陥る。
「あ、亞里沙さん⁉︎」
「颯也さん。もっと甘えてくださってもよろしいんですのよ? 私は、例え貴方が何者であろうとも……この感情を、貴方の事が好きだという事は変わりません。誰から理解されなくても、私が、ずっと貴方のことを理解しますわ!」
それが……供奉院亞里沙という1人の人間としての答えだった。颯也が何者であろうとも、全て受け止めると。
その答えに、颯也はいつの間にか涙していた。
頭ではやろうとしていないのに、体は勝手に亞里沙に抱き着きそれを離そうとしない。そして、いつの間にか涙を流し、それに応じて抱き着きを強くしていた。人のいる前ではそんな事はしないのに、何故今こうしているのか……。
(そんなの……分かる訳……)
いや……。
(そんな事……最初から分かっていた事じゃないか。そんな事、今更じゃないか……。俺は……)
誰かに分かって欲しかったんだ。そして……。
「誰かに愛されて……甘えたかったんだ」
「えぇ……ですから、私が傍にいますわ。貴方が良いというまでいつまでも」
その言葉に颯也は、人目があるにも関わらず泣いた。自分の感情に素直に従った。そして亞里沙は、それに答えた。颯也が泣くというのは新鮮ではあったものの、それを嬉しそうに、そして愛おしそうに颯也の事を抱きしめながら撫でる。
そして2人以外は……正直どうして良いか分からず、しばらくどうしようか迷い、最初に我に返った谷尋の一声で、颯也と亞里沙以外は保健室から退出した。
それから数分後……中からもう中に入って良いという声により、桜満達は再び保健室に入る。そこには、目のあたりを未だ赤くしながらも普通の表情に戻っていた颯也と、その颯也の腕に抱き着く亞里沙がいた。
それを見た桜満達は、もう良いやとその状況について諦めて受け入れた。
それからは色々と質問攻めされた。何故亞里沙と恋人関係に発展したのかとか、あの武装の数々はなんなのかとか、そんな質問だな主には。
まぁ答えれるものは答えたが、それ以外は残念ながら答えれなかったが……。
そんなこんなで時間も遅くなり、颯也の話の時間は終わりを迎えた。
その日の夜……颯也はというと、亞里沙と一緒に保健室のベットの中で横になっていた。
「亞里沙さん……これまで素直になれなくてごめん」
俺は今まで素直になりきれないでいた。でも、俺は今日でその素直になりきれないという枷を外した。そしたらどうだろう……こんなにも心地良い。だからこそ、そんな言葉が出た。
それに対して亞里沙さんは、俺に笑いかけてくれて、俺を抱き寄せて頭を撫でた。まぁ、それより前から抱き寄せられていたが……。
「いいえ、問題などありませんわ。だって……こうして私に甘えて下さってます。私は、それが嬉しいんですの。それで……お願いがあるのですけど……」
「俺でできる事なら」
「その……私と毎日……寝て下さいませんか? 颯也さんがこの世界からいなくなってしまうまで……」
「あぁ……そんなのお安い御用だ」
「そ、そうですの⁉︎ ふふ、嬉しいですわ。それと、もう1つありますの。その……私と……キスして下さいませんか」
「き、キス⁉︎」
しかし、驚くのも一瞬だけだった。
「……俺ので良いのなら」
「颯也さんのキスが良いのです」
そして2人の顔の距離は段々と狭まり、そして……。
「ん……」
それは短い時間だったが、2人からしてみても一瞬に思えた。だがそれが愛おしかった。
しかし、本人達は知らない……
別れの時が……あの形で来ることになろうとは……。
はてさて、勢いで書いたので今回の作品も、何故あんな展開に?
と思った人達が多かったと思います。
いやぁ……これも勢いです。
さて、次回ですが……いや、ネタバレをするのは止しましょう。
では、また会いましょう。