ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション 作:橆諳髃
春休みには入ったものの、色々とやる事が多くなったりでちょくちょくと書くしかなかったです。本当にすみません!
さて、謝罪はここまでとして……今回のサブタイトルについて。
多分読者のほとんどの方は分かったと思います。
「あぁ〜あれが出るんだ〜」
みたいな感じに……。それでは、早速どうぞ!
不思議な夢を見た。いや、不思議というより予知夢と言った方がいいのかも知れない。
黒髪ロングで女性の堕天使が、複数の悪魔に追いかけられている様子だ。その女性は、何もしてないと必死に訴えていた。だが、悪魔はそれを聞こうともせず、複数人でその子に攻撃していた。
俺がその状況を一言で言い表すなら……虐殺……その一言に尽きる。そしてその子は、悪魔の攻撃に耐えることができず命を落とした。来ていた服もボロボロで、全身傷だらけで……そして目からは涙が流れていた。
(……この子ってもしかして)
嫌な予感がした。この夢がもし現実になってしまった時……この世界は少なからず歪みが生じてしまう。その歪みは、確かに小さいものだ。だがそれが……その小さな連鎖が積もりに積もったとしたら……この世界は本来の物とはかけ離れた出来事が起こるだろう。それも、最悪な形で……。
そこまで思った時、俺の目が覚めた。隣を見ると、エレナさんがいつもの様に俺を胸に抱き寄せ、可愛い寝顔で寝ていた。
(こんな時元の姿なら、頭とか撫でられるのにな……)
そう思ったら、俺の手が勝手に動いた。しかもエレナさんの胸をサスリサスリと……。
(はぁ……俺は意図してやってるわけではないけど、それでも毎回悪いと思う)
相手との同意の上であればまだしも……彼女は寝ている状態だ。つまり相手は無意識で、俺の手も無意識……な訳だが、俺自身の意識ははっきりしているので、どう考えてもセクハラな事をしているとしか思えない……。
その間にも俺の手はエレナさんの手を未だにサスリサスリとしており……っていうか、これって原作の兵藤よりもスケべな街道を行っているのでは……?
「んぅうん……ふわぁ〜……っんきゃ⁉︎ もう、くすぐったいと思ったら颯くんだったのね? もぅ、イタズラしちゃダメじゃない♡ そんな子にはこうなんだから♡」
意識が覚醒したエレナさんは、俺がエレナさんにイタズラしているのに対し(俺ではなく俺の手が勝手にやっているのだが……どう考えても同罪)俺をさらに強く抱き締めて頭を優しく撫でる。って……。
(これどう考えても他の人から見たらご褒美だよな?)
そんな事を思い浮かべながら、そんなエレナさんの温かい体と優しく撫でる手の感触を堪能した。
それから数分後、いつもの様に朝食も終えて、エレナさんは家事をする。そして俺はというと……赤児専用の椅子に座っていた。
俺自身、勝手に体が動くときはあるが、それなりに自由に動けるため、立って歩くことも座ることもできる。まだ歯などは生え揃ってはいないが、口を動かして相手に何かを伝える(伝えようとしているが正しいな)事はできる。
(それにしても思ったが……俺って今何歳の設定なんだ?)
《今の貴方は1歳と数ヶ月という所ですよ、愛護颯也》
(そ、その声は……神様?)
《えぇ、お久しぶりですね。本来なら干渉は御法度なんですけど……この世界を管轄している神の部下がとある失敗をしてしまいまして……》
(……まさか、俺が見た夢に関係あります?)
《残念ながら、そうなってしまいますね。今日の夕方4時に、貴方の見た未来が起こってしまいます》
(っ‼︎ それだったら止めに行かないと……でもこの身体では……)
《そこは問題ない様にしておきました。条件はありますが、貴方が念じれば1日1回、約1時間の間元の身体に戻る事が可能です。そして、1回戻ってしまえばその日は元の身体に戻る事は出来ないので、そこは理解して欲しいです》
(1日1回であればそれで十分です。とりあえず、念じれば元に戻れるんですね?)
《そうです。それと、条件についてですが……条件は変身後に送られます》
(という事は……最初はなんの代償も無く変身できるんですね?)
《その通りです。では颯也……結果は目に見えていますが、貴方の活躍を期待して見ていますね》
それが最後の言葉だった様で、神様の念話の様なものは途絶えた。その念話が終了したと同時に、颯也は時計を確認する。
(今が午前10時……後6時間後か。しかし問題なのは変身のタイミングだ。4時丁度では間に合わない可能性がある……少しく試してみるか)
俺は集中して周囲の様子を探った。転生する前の修行では、最大で惑星と惑星の間を探る事は造作も無かった。しかし、この身体のせいなのか、範囲は半径50kmが精々だ。ん? 十分すぎるって? いや、十分じゃない。
夢に出てきた背景からして、日本でこの出来事が起こる事は間違いない。だが、それが俺の住んでいる地域の近くかと言われたら分からない。なにせ外に出たのは、エレナさんとスーパーに行くぐらいしかないのだから。それも決まった道だ。夢に出た背景には、そのどこの道も該当しない。
(……少し無理をしてでも範囲を広げるか? しかしそうなるとこの身体に負担がかかる……。それにエレナさんにも心配をかけてしまうだろう。今は出来る範囲内でやるしかない)
俺はいつもの表情を保ちながら、周囲を索敵した。
side エレナ
今日の颯也の様子がおかしい……表面上だけ見たらいつも通りに見えるわ。
(でも……今日の颯也は何か違うわ)
いつもというのは、颯也が赤児の時の事よ。いつもなら、私に向かってたまに……たま〜に甘えてきたり、ミルクもおかわりを催促してくるわ。(本当は私の胸を吸って欲しいのだけど……)
でも、今日はそんな事がそれが無くて……いつもよりも大人しく見えたわ。いえ……私の事を助けてくれた颯也の姿みたいだった。
(……まさか私達の近くで何か起ころうとしているの?)
これは、私の勘みたいなものよ。英霊として昇華された私自身の……。そしてその勘は、時間が過ぎて行くほど大きくなっていったわ。
颯也が……ものすごく集中しているのが分かってしまったから。
「颯也……」
私は今……そう呟くしかできなかった。
side out
今の時間は3時45分……変身するなら今だな。
(確か神様は、念じれば元の姿に戻れると言っていたな。今の所は索敵範囲に何も変な事は感じない。やはり索敵外に……)
時計の針が1分進んだ。よし、エレナさんには隠していて悪いが(隠した以前に滑舌よく話せない)俺の姿を元に戻すとしよう。
俺は自分の姿を集中して念じる。すると、俺の体は光り出した。
光りが収まるのを確認して、俺は自身の体全体を確認する。身長も体格もあの時と同じで、髪型も……?
(いや待て……この伸びた髪の先にあるやつって……まさかルンか⁉︎)
それは正しくルンだった。鏡を見て確認した。しかもなんだ……ルンが付いているお陰で周りの様子が大体分かる。これが風を感じるという事か?
そして、今周りの様子で特に分かる事は……。
(俺が椅子からいなくなってエレナさんが慌てている……)
それを感じてすぐにエレナさんの元へ……すると……。
「……えっ……颯くん?」
俺の姿を見て驚いていた。それも、エレナさんの周りだけ時間が止まったかのように……。
不謹慎ではあるけど、そのエレナさんの驚いた顔が可愛く見えて仕方がない。そう思うと同時に、俺の中にある欲求が生まれる。それは、エレナさんを抱きしめたいという事……。俺自身から抱き締めたいと思ったのは、これで何度目だろうか?
まぁ、そんな事はどうでも良い。そう結論付けた瞬間、俺はエレナさんに抱き着いた。
「はっ……え⁉︎」
「疑問に思う事は沢山あると思う……だけど、今は説明している時間が無いんだ」
「……何か起こってしまうのね」
「あぁ……だから行って来る。怪我はしないから」
「……どうせ止めても、貴方は行くんでしょ? なら、思う存分にやって来ちゃいなさい。その代わり……帰って来たら、なんでも1つ私の言う事を聞く事! よくって?」
「うん、俺にできる事なら何でもやるよ」
「本当ね? 帰って来たときにやっぱりダメは無しなんだから! それじゃあ、行ってらっしゃい」
「行って来ます」
そして俺は家から出て、範囲を索敵した。するとすぐに場所が分かった。やはりこの時間帯だったか。
「堕天使の反応が1……残りの3人が悪魔か。堕天使があの子なら、ここで死なせるわけにはいかない。そして……説教だな」
最近は力でねじ伏せただけのやり方だったからな……そろそろそれだけではなく、悪い事をした者を説教して正すか。まぁこの世界だしそう簡単にはいかないとは思うが……。
「まぁ取り敢えずはその方向で行くか。そして……」
(悪魔に説教をするなら、同じ悪魔の名を冠する者で行こう……)
「なぁそうだろう? バルバトス」
バルバトス……その名は、悪魔の72柱の1柱として数えられる。勿論、この世界の冥界にもバルバトスという名は存在し、現在の冥界においても活動している。
そして本来、バルバトスは狩人の意味を持つ悪魔として知られる。その狩人の性質を持つ能力……また、颯也の性格が合わさればどうなるだろう?
当然のことながら、颯也に目をつけられてしまった悪魔は痛い目を見てしまうだろう。だが、颯也は何かを殺めるというのは好まない。実際、今の彼の思考は悪魔を説教する事しか考えていないのだ。
所変わって、颯也が住む近く(といっても50キロ圏内)人が滅多に寄り付かない山の中、黒髪ロングの女性が男3人に囲まれていた。
「わ、私に近づかないで……」
女は、ただ単に暇を潰そうとして……気分を入れ替えるためだけにとある地を歩いていただけだった。しかし、そこはとある悪魔の管轄内だったためか、見張りの中級悪魔に狙われてしまった。
普通の人間であるなら、そこまではされない。しかし、彼女は堕天使であった。それも下級に位置する。そんな彼女が中級悪魔の3人に勝てるだろうか? 否、その可能性はない。
「貴様らが何を考えているかは知らんが、それでも我らが領地に侵入したのだ。これはれっきとした偵察行為に見られる」
「待って! 私はただ憂さ晴らしに散歩をしてた「嘘をつくな! この汚い堕天使が‼︎」っ⁉︎」
「貴様らは曲がりなりにも神という存在を裏切ったのだ。自分の私利私欲のために! 我らは別に神などどうでも良いが、それでも主人を裏切るというのは我らにとって……いや、俺にとっては到底許されることではない‼︎ よって、その神とやらの代わりに俺がお前を捌いていやろう。精々神の元へ行って赦しを乞うがいい‼︎」
3人は一斉に魔法を堕天使に放とうとした。その光景に、堕天使は足がすくんで動けないでいた。
(だ、誰か……誰か助けて‼︎)
彼女の頭の中に絶望が広がり、その絶望から生み出された恐怖から僅かに侵略されずに済んだ思考で考えれたのは……誰かに助けを乞うという行為しかなかった。
この状況において、彼女の立場は狩人に狩られる獲物に過ぎない。
しかし、そんな状況に置かれている彼女にも、救いの手は差し伸べられた。
ドォーンッ‼︎
悪魔3人と彼女だけの空間に、誰かが介入した。それも上から隕石が落ちたかの衝撃を伴い、それにより悪魔3人の攻撃はキャンセルされた。
「な、何だ⁉︎」
悪魔のうちの1人がそう叫ぶ。衝撃によって土煙が辺りに広がる。3人は目を懲らそうにも、目の前の状況がどうなっているのかが分からない。しかし、堕天使に正面から対面していた悪魔には微かに見えているものがあった。
それは、緑色に輝く2つの光……それは目の形をしているように見えた。そしてその目は、こちらをじっと見ているようにも感じた。
次第に土煙は晴れて行く。
『よぉ……貴様ら女性相手に多数でよくも神がどうのと語る事ができるなぁ?』
「なっ……貴様は何者だ⁉︎」
『俺か? そうだな……俺の名は……』
土煙が完全に晴れた。そして、堕天使と悪魔達は見た。数秒前までこの場にいるはずのなかった第三者の姿……
その名を。
『我が名はバルバトス。狩人の名を持つ悪魔にして、貴様らのような大人気ない悪魔どもを修正する者だ』
「なっ⁉︎ バルバトスだと⁉︎」
「悪魔72柱のうちの1つとして数えられるあの⁉︎」
姿は白と青を基調とした鎧に包まれ、頭も完全に素顔が隠れたフルフェイスだ。そして、頭の特徴的な部分といえば、二股に割れた様なブレードアンテナだ。そのアンテナに隠れたように見える緑色に輝く瞳は、見た者が恐れを抱くように鋭かった。
「だが何故だ⁉︎ 何故悪魔の名家が我ら悪魔の行いを邪魔するのだ⁉︎」
『何故? そんなのは決まっている。貴様らが女性に対して不埒な行いをしているのを見過ごせないまでだ。それも1人の女性に男の悪魔3人……貴様らそれでも男か?』
「かっ、勝手な事を‼︎」
悪魔のうちの1人がバルバトスに向かって魔法を放つ。その威力は、確かに中級に匹敵するだろう。一方のバルバトスは動こうとはしない。その魔法は、バルバトスに当たった。
「ふ、ふんっ! 姿と口は達者だった様だが、避けもせずに当たるとは! 名家もそれほど『何かしたか?』……えっ? ……っ⁉︎」
魔法を放った悪魔と、残りの2人は驚きのあまり口が塞がらなかった。さっき放った魔法は、中級と言えど自らの全力だ。それは確かに目の前にいた者に当たった筈だ。しかし、魔法が当たった際に生じた煙が晴れるのと同時に、自分の魔法に当たった筈の者の姿を見た。
そこにいたのは……傷はおろか表面は曇り1つもない。
それにバルバトスが纏う鎧は、白と青を基調にしたものだ。そんな色使いをしているにもかかわらず、鎧は真っ白な輝きを誇ったままだ。
『なにか魔法のような物を放ったように見えたが……俺の見間違いか?』
「くっ……こうなれば3人がかりで!」
そして悪魔3人はバルバトスに向けて魔法を放つ。それが数分にわたり行われたが……。
「ハァ……ハァ……な、何故……」
「これだけ攻撃しているのに……」
「なのになんで傷どころか鎧に汚れすらつかないっ⁉︎」
悪魔の攻撃は……バルバトスに汚れすらつかなかった。
『そんなもの決まっている……俺の鎧の硬さと、お前らの魔法力が圧倒的に違う。と言うよりも天と地、月とスッポンよりも差が開いているからに過ぎない。そして俺が纏う鎧は、俺自身の力に比例する。よって……鎧を纏っていなくても貴様らの攻撃は通らない。それで……』
狩人の名を持つ悪魔は、少しずつ悪魔3人に近づく。それに対して3人組の悪魔は、近付いてくる悪魔が本当の悪魔にしか見えなかった。
『これが貴様らに下す罰だ‼︎』
簡単に言えば……悪魔な3人組は十数分に渡ってバルバトスにこってりと拳骨1発+説教を受け、縄で縛られ冥界送りに……それも悪魔達が所属している悪魔の家元に送った。
一方の助けた堕天使に対しては……。
『天使、堕天使、悪魔が停戦中とはいえ、1人で出歩けばあのような事態になりかねない。それも、悪魔の領地と知らずともそうなってしまう。これからは気をつける事だ』
「だ、助けてくれた事には感謝します……でも、何で悪魔である筈のあなたが堕天使である私の事を助けたのですか?」
『ん? 俺がいつ自分自身を悪魔と名乗った?』
「だ、だって! あなたの名前はバルバトスと……」
『確かに俺はバルバトスと名乗った。だがそれはこの場での名乗りに過ぎない。気分の問題でもある。実際に、私は悪魔ではない。さて、そろそろ遅いのでな……あなたも気を付けて帰るように』
「ま、待ってください! あなたの本当の名前は⁉︎」
しかし、バルバトスは本当の名を言わずそのまま飛んで立ち去っていった。そしてその場には、少し瞳が潤んだ堕天使だけだった。
一方のバルバトスと名乗った颯也はというと……。
「ただいま〜」
「お帰りなさい。さぁ、帰ってきたんだから、私のお願い事何でも聞いてもらうわよ!」
「ハハ……俺にできることにしてくれるとありがたいんだけど……」
「勿論そのつもりよ。じゃあ、正座して目を閉じなさい」
「あ、あぁ……これで良い?」
颯也は言われた通りにした。何をするかは分からない。もしかしたら拳骨とかビンタの1発ぐらい来るかもしれないと……正直そう思っていた。だが実際は……。
「っ⁉︎」
「……少しぐらい私を頼りなさい。それで……いつでも私に甘えてちょうだい」
エレナは颯也を殴るなどそんなことはせず、ただただ颯也を抱き締めていた。
「前世で子供のまま死んでしまった貴方は……まだ親から愛情を一杯貰っても良かった筈なの。でも、貴方は親に本気で甘えれてなかったって、私は思うの。あれが……私が見たあの夢が貴方の前世の記憶なら……貴方は人に迷惑をかけずに生きて来たと思う。多分誰が見たってそう思うわ。でもね……家族には、一杯甘えても良いの。好きな人にも、甘えても良いの。だから……」
エレナはそこまで言って抱き締めるのを強くした。颯也の顔を、エレナのそこまで大きさはないものの、柔さを持った胸が優しく包み込む。
その際に、柔らかくも甘いそんな匂いが颯也の鼻腔をくすぐる。そして……。
「私に、いつでも甘えなさい。私も……貴方の家族で、貴方の事が好きなんだから」
耳元で優しく囁かれるエレナの言葉に、颯也は顔を赤くするも安心した様な顔になり、それと同時に颯也の身体は時間切れになって赤児の姿に戻った。
side ???
「全く……あなた達は一体何をやっているの? 今は三つ巴の戦争も停戦中の筈よね? なのに何で自分達から攻撃を仕掛ける様な真似をするの⁉︎ 相手が最初にやってきたならまだしも……それに、女の子1人相手に男3人がかりなんてみっともないと思わないの⁉︎」
「ま、まあまぁそこまでにしておけよ。この3人もなんかあっちでこってりと説教されたみたいだし……」
「それに今回の事でこの3人も分かった筈ですし、それに誰しも過ちは犯してしまうものですよ。俺も……そんな経験がありますから」
「アイン……」
黒髪で真面目そうな男……アインは自らの過去を思い浮かべて沈んだ顔をしていた。それを知っているが故に、心配そうな顔をしているのは、アインの元上司である水色の髪をした男だった。
「はぁ……まぁ良いわ。ガエリオ、アイン、出かけるわよ。お供をしなさい」
「それはいいが……どこに行くんだ?」
「そんなの決まってるわ。この子達を諌めた人に挨拶に行くの。迷惑をかけっぱなしという訳にはいかないでしょ?」
「確かにそうだが……その諌めた相手がどこの誰か分かるのか? 麗花《うるか》」
水色の髪をした男……ガエリオが、自分達の今の主人(というよりも何故かそんな関係になってしまった)の麗花にそう問うた。
「ガエリオ……まさか私の特性を忘れたのかしら? 私、他の悪魔よりも鼻が優れているのよ? それに、まだ別れてからの時間もそこまで経ってないし、相手の力の残滓が残っている筈よ。それを辿れば一発よ。分かる?」
「あ、あぁ……確かにそうだったよな。な、何だよその顔は⁉︎」
「いぃえ? 何でもないわよ? ただ……あなたって前の世界では結構優秀でお金持ちのおぼっちゃまだったくせに、私のこんな簡単な特性を忘れるなんて……意外と物覚えが悪いのねと思っただけよ?」
「……なんでそこまで言われなくちゃいけないんだ」
「え? だって本当の事でしょう?」
「……ハァ。もういいよ」
「が、ガエリオ特務三佐⁉︎ み、三波さん! 少し言い過ぎですよ⁉︎」
「いつもの事じゃない? どうせ後で吹っ切れるんだし、それよりも相手が誰なのかを確かめ……スンスン……っ⁉︎」
「ど、どうしました? 三波さん」
「この匂い……まさか⁉︎」
そして三波は力の残滓を確かめた。結果……。
「ま、間違いないわ……」
「ん? なにか分かったか麗花?」
いつのまにか吹っ切れていたガエリオが麗花に聞く。ガエリオが落ち込んでから吹っ切れるのに要した時間僅か10秒。早すぎである。
そして麗花はというと……相手の力の残滓を確かめたあたりから様子がおかしい。ガエリオとアインの2人が怪訝に思ってると……。
「こうしてはいられないわ! ガエリオ! アイン! 行くわよ‼︎」
「お、おい⁉︎ 行くってどこに⁉︎」
「勿論! 私達を助けてくれたあの人の元よ‼︎ さぁ、早く行くわよ‼︎」
「あの人って……つってもあいつまだこの世界に転送されたばかりで赤児の状態って聞いたが……まぁあいつの事だ。なんかしたんだろうな」
「そうですね。あの人は……あぁ見えて無茶振りすぎますし」
「そうだな。俺たちの中ではそこまで前の出来事ではないのに、何だか懐かしく感じる」
「そうですね」
「ちょっと、2人とも早く行くわよ!」
「分かってるよ! それじゃあ行くか」
そして三波麗花、ガエリオ・ボードウィン、アイン・ダルトンは人間界に向かった。目的はただ1つ……
自分達を救ってくれた恩人に会いに行くために。
side out
今回は複雑な感じの話になってしまいました。まぁ後悔とかしてませんが……。
さて、では早速解説をしましょう。
ガンダムバルバトス
現在放送中のアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に登場する機体で、搭乗者はその物語の主人公である三日月・オーガス。
阿頼耶識と呼ばれるシステムによって、搭乗者が普段身体を動かすのと変わりなく機体を操作する事ができる。ただし、そのシステムを使うには阿頼耶識の手術を使った人しか扱う事ができず、例え使ったとしても使用者の身体にとてつもないほどの負担がかかる。
また、ガンダムフレームと呼ばれる機体で、エイハブ・リアクターが通常1つの機体に1機の所を2機搭載しているため、並みの機体よりも出力は上である。
色合いは、基本的に白と青を基調にしている。
主武装は
・メイス×1
・太刀×1
・300mm滑空砲×1
今回はバルバトスの使用は第4形態で出しています。気になる方は、アニメやyoutube、Wikipedia等をご覧下さい。
ガエリオ・ボードウィン
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に登場する人物であり、その物語の主人公とは敵サイドに当たる。ギャラルホルンと呼ばれる組織に属しており、階級は特務三佐。ガンダムフレームを所持している数少ない人物でもある。
この物語では三波麗花の執事の1人として出ているが、麗花に対しての口使いは、ガンダムの物語にいた時のままである。
ガンダムの世界では友である者に裏切られ、挙げ句の果てに殺されそうになった所を颯也に助けられる。それからというもの、颯也に恩を感じている。
アイン・ダルトン
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に出てくる登場人物であり、その物語の主人公とは敵サイドに当たる。主人公である三日月に自分の慕っていた上司を殺され、それに対して復讐するためにガエリオの下につく。
しかし、戦いの最中ガエリオを庇い1時意識不明の重体に陥る。しかし、阿頼耶識手術を受けたことによって戦線に復帰……主人公達を苦しめるも、バルバトスの力を発揮した三日月に敗れる。
本来ならそこで立たれる命であったが、それを何故か放って置けなかった本作の主人公である颯也に助けられ、また以前の上司とも話す機会を貰った。
その上司と語り合った末、これまで抱いてきた復讐心は消え去る。それからというもの、今の上司であるガエリオと一緒に麗花の執事をする。そして颯也に対しては、返せないほどの恩を感じる。
三波麗花
東京喰種JACKに出てくる女子高生。黒髪ロングで、印象としてはとても優しい雰囲気を持つ。また、優等生のような印象を受ける。
しかし、本来の姿は喰種であり、“ランタン”と呼ばれていた。
そんな彼女ではあるが、本当は普通の人間のように生活したいと願う喰種であった。嫌いな事は、普通の日常を過ごせるはずの人間が不良などになって人生の不満を言動によって表すことを最も嫌う。そのため目の前でそうされると、例え普通の人のように暮らしたいと思っても対象を殺してしまう。
本来なら喰種の世界で学生に扮したとある捜査官に重傷を負わせられ、その捜査官の友達である者にとどめを刺される運命にあったが、不憫に思った颯也によってその窮地は脱せられる。
その時に颯也が自分の左肩をはだけさせ、麗花に自分の血肉を提供しようとした。しかし、颯也の他の人とは全く次元の異なる身体に、舐めただけで満足感を得てしまい、重傷の体も全快した。
麗花は満足はしたものの、颯也の血や肉の味がどんなものか気になったため颯也にお願いをし、本人から左肩の血と肉なら大丈夫と許可をもらう。
そして颯也の左肩にかぶりつくも、ただ颯也の左肩に小さな穴が空いたに過ぎず、血も少量しか飲めなかったものの、その血の味はこれまで食してきたどの人のよりも極上のものと認知。さらには細かい肉片でさえも想像以上の味だったため、颯也以外の人の肉は食べれなくなった。
また、颯也の血と肉を摂取したために、喰種の力が強化された。そして、喰種として生きていくための食料が、人から普通の人が食べる食事に変わった。力を使う際も、目は黒くならない。
そんな事もあり、颯也の事が異性として好きになった。
この物語上では悪魔になっており、誰もが行かないような辺鄙な所に屋敷を構えている。執事としてガエリオとアインを付けており、後は目の前に何故かあった悪魔の駒を使って数人の中級ほどの力を持つ悪魔と契約をする。勿論2人の執事にも駒は使っている。
とまぁ、解説はこんな所です。そしてこれを機に颯也と一緒に行動する異世界から来た登場人物達の理不尽を助けていく物語も書いていこうと思いますので、その時はまたよろしくお願いします!
それではここで……。