ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション   作:橆諳髃

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34話 躊躇する喰種と喰種を支える執事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪魔3人に説教をした後……俺はすぐに家に帰った。

 

その帰り道の途中での出来事なんだが……頭の中にある一文が浮かんだ。多分だが、これが神様が言っていた条件というやつだろう。それでその条件なのだが……。

 

【今1番身近にいる人物の願い事をなんでも1つ叶える事】

 

正直言うと……帰ったらエレナさんとそのような約束はしていたしありがたかった。

 

それで家に着いて、エレナさんから告白? だよな。あの言い方からしてそう思った。自惚れているとは思う。だけど俺も……相手からの好意は理解していると思いたい。どこかの世界の唐変木のようには……俺はなりたくない。あぁやって女性の心を知らずに弄ぶというような……本人からすればそんな気は無いんだろうが、それでも俺はそんな無責任な奴にはなりたくは無い。

 

(まぁ……俺もどこかしら無責任なのかもしれないが……)

 

それで俺はエレナさんからの願い……エレナさんに甘えたい時に甘えるという願いを受け入れたわけだが……。

 

「うふふ……颯くんが素直に甘えてくれて、私嬉しいわ♡」

 

(……本当ならもう少し大人の姿の俺を可愛がりたい筈なのに……この姿でも俺の事が好きなのか?)

 

「そんなの当たり前でしょ? 馬鹿な事考えなくていいから、私に甘えなさい♪」

 

まぁ本人が上機嫌になっているんだから大丈夫だな。

 

と、俺が大人の姿から赤児の姿に戻って数時間程経った時だ。今の床に突然魔法陣が浮かび上がった。まさかさっきの悪魔達が報復しに来たんだろうか? エレナさんも顔つきが変わって、片手に大きな本を出現させて、私服にエプロンという姿から、俺が初めて会った時と同じ服装になった。

 

室内だから靴は履いてないけど、黒いツバなしの帽子に黒い薄地の服、そして本人の体格に合ったコートを羽織っていた。

 

そして左肩の上の方にはオルコット? だったかな? まぁともかく小さな人形みたいなものがその場に止まって漂っていた。まぁ本人曰くいつもの服装だと言っているのだが……。

 

(露出が多い……特に脚なんてほぼ生脚だから……目のやり場に困るというか……)

 

脚をマジマジ見たとしても文句は無いだろうけど(他の奴はコテンパンにさらしい……)まぁあんなに柔らかそうで健康的な脚なら誰だって見惚れそうだし、俺も……できる事ならあの脚に触ってみたいなと考えてしまう。

 

颯也がそんなセクハラじみた事を考えていると、床に描き出された魔法陣が輝きだし、そこから何かが召喚された。それは3人の人物で、1人は女性、残りは男性だった。

 

女性は黒髪で、どこかの制服を着ていた。片方の男は、水色の髪と瞳を持ち、黒い執事服を着ていた。もう1人の男も執事服を着ていたが、髪は黒く瞳は水色よりも濃い青色だった。

 

「あ、あなた達は⁉︎」

 

「ふふ、こんにちはエレナさん。まさかこんなに早く巡り会えるなんて思ってもいませんでした」

 

「よぉエレナ! 久しぶりだな‼︎」

 

「ご無沙汰してます。エレナさん。お変わりないようで」

 

「み、三波麗花⁉︎ それにガエリオにアインまで⁈ あなた達どうしてここに⁈」

 

「あぁ……その事なんですけど……」

 

そしてアインが何故自分達がここに来たのかを説明した。

 

「……そういう事だったのね」

 

今回の事を話すため、今はテーブルを挟んでエレナと颯也は麗花達と対面するように座っていた。

「えぇ。今は三つ巴の戦争は対戦の状態で、でも各地で鍔迫り合いが起こっている状況なの。私はこの世界に転送されてまだ1年くらいしか経っていないけれど、それでもこの世界の情勢がどんなものかは知っているわよ」

 

「まぁそういう訳でな……うちの悪魔どもにはこちらから手を出すなとは言っていたんだが、どうも血気盛んな奴ららしくてな」

 

「それで、今回のような事が起きた訳です。ですが今回は堕天使を殺める前に悪魔達を諌めてくれたと本人達から聞いてます」

 

「ですから、今回は颯也に感謝の言葉を述べに来たの。それで颯也は……」

 

麗花の目線が、エレナの抱き締めている赤児に移る。

 

「えぇっと……今エレナさんが抱き抱えているのが颯也? ですよね?」

 

「そうよ。私より少し後にここに転送されたんだけど、その時からこの姿ね」

 

「は? ならどうやってうちの連中と対峙したんだ?」

 

「それが私にもよく分かっていないのだけれど、多分神様が一時的に颯也に力を増やしたのではないかしら?」

 

「あぁ……それはあり得るな」

 

「ガエリオ、今はそんな事は良いのよ。今日は颯也にお礼を言いに来たんだから」

 

麗花は椅子から立ち上がり、エレナに近づく。そして、エレナが抱いている颯也に顔を寄せた。

 

「颯也、私の言ってる事が分かるかどうか分からないけど、今回の事は本当に助かりました。ありがとうございます」

 

「おぁうあうおぅ〜(どういたしまして)」

 

「麗花、あなたのお礼は颯也にちゃんと届いているわよ」

 

「そうですか! 良かった〜‼︎ それとエレナ……少しお願い事があるんだけど……」

 

「もしかして颯也を抱きたい……とかかしら?」

 

「え、えぇ……そうなの/// その、良いかな?」

 

「……まぁ良いわ。それじゃあそっとよ」

 

「う、うん……」

 

エレナの手から麗花の手へと颯也が移される。

 

颯也としては、別に落とされたところで痛みはそこまでない。しかし彼女達は、そんな事は関係ないとばかりに颯也に優しく接する。

 

「あぁ……あぁ……可愛い/// この柔らかくてすべすべな肌……本当に食べてしまいたいくらい」

 

「ちょっ⁉︎ ダメよ⁉︎ あなたが言うと本当に冗談に聞こえないわ‼︎」

 

「ふふっ、冗談よ。私はそんな事はもうしないわ。昔のような、人を殺す衝動も食べる衝動も無くなったわ。それに……私の命の恩人ですもの。食べるなんて事しないわ」

 

麗花は、前の世界にいた時のような偽りの笑顔ではなく、心の底からの笑顔を浮かべていた。

 

そんな再会の時間もあっという間に過ぎ、夜も更けていった。今日は遅いからとエレナは麗花達を泊まらせた。そして、翌日……。

 

「昨日は泊まらせてくれてありがとう。ご飯まで用意してくれて……」

 

「そんなの当たり前よ。いつでもとは言わないけど、またいらっしゃい!」

 

「えぇ、また都合とか合ったらそうさせていただくわ。そろそろ時間ね。ガエリオ、アイン、帰るわよ」

 

麗花の言葉にガエリオとアインは返事をし、魔法を展開する。麗花達の足元に魔法陣が展開される。その魔法陣からは徐々に光が溢れてくる。

 

「今回は本当にありがとう! それじゃあ、また会いましょう‼︎」

 

麗花はその言葉を言って、冥界へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ガエリオ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は颯也にお礼を言ってあっちで一泊した後、冥界へと帰った。それは大して普通……と言うわけではない。悪魔が人の家に泊まるという事なんて、稀にある事だろう。まぁ、人間界に溶け込んでいる悪魔達はどうかは知らんが?

 

それにしても俺は、麗花に1つ物申したい事がある。丁度側に麗花がいるから言わせてもらおう。

 

「なぁ麗花、聞きたい事があるんだが良いか?」

 

「なにかしら?」

 

「お前、今回が偶然だとしても颯也に早く会えただろう? ここにくる前は、ジャンケンでビリになって、挙げ句の果てに颯也とは違う所に行くって言われてよ。物凄く泣いてたじゃないか。まぁ、大体なんで泣いてたかは分かるが……いや、今はそんな事はどうでも良いな。それで……せっかく颯也に会えたのに、どうして告白しなかったんだ? お前も颯也の事が好きなんだろ?」

 

「……そうね。1つは、颯也に会えてなんだか安心しちゃったからだと思うわ。赤ちゃんの姿とはいえ、間近で見て颯也だと分かった。なんだかそれだけでホッとしちゃったの」

 

「ふ〜ん……なるほどな。それで? 1つ目という事は、まだなんかあるんだろ?」

 

「そうね、後は……いえ、やっぱり秘密にします」

 

「おいおい、そんなこと言われたらますますかになるじゃねえか!」

 

「ふふ、ごめんなさい」

 

とまぁそんな感じではぐらかされたが、まぁ麗花の中ではまだ躊躇している所があるのかもしれない。前いた麗花の世界……あれは本当に頭がいかれていると思う。人と喰種の関係性……人を喰わねば生きていけない喰種と、それに怯える人。その怯える人達を救うために喰種を退治する人。

 

だが本当はそれだけじゃない。人の中にも、喰種を愛する人もいるし、喰種の中にも普通の人と同じように生きたいという奴もいる。麗花もその1人だ。

 

なのにあの世界は……麗花達のように、普通の人間として生活したい喰種達には優しくはなかった。だからこそ、麗花もあの世界で殺されかけたんだ。

 

それを見た時……俺は悲しかった。確かに悪い喰種なんて沢山いる。人を簡単に……それも遊びのような感覚で殺す奴もいる。麗花の場合は……まぁあれは特殊と良いざるを得ない。自分が普通の人の生活に憧れているのに、普通の生活ができる人間の中にも、自分達は不幸だと思って荒くれている奴らがいる。

 

それを見てしまうと麗花はつい……そいつらを殺めるという衝動にかられるようだ。特殊というより、ただ単に八つ当たりだとは思う。でも、麗花は麗花なりに日々を生きていた。確かに人を殺める事は褒められることではないが……。

 

でも今は……麗花はそんな事はしない。それも全部颯也のおかげだ。それで麗花自身、颯也に恋をしてしまうのは必然だと思う。

 

そして今では喰種兼悪魔の生活をしている。そんな生活が1年続いてるが、麗花が人を殺めたり食べたりという事はしていない。どこからどう見ても、麗花が夢見たような普通の生活を送っていると思っている。

 

それでも……どこかしら颯也には遠慮しているんじゃないかと、俺の主観だがそう思う。昨日も颯也を抱っこした時、冗談で食べてしまいたいと言っていたが、それでも颯也に告白するとなると躊躇ってしまうようだ。でもま……。

 

(俺は、そんなあいつを支えたい。例えその恋路がどうなってしまっても、俺だけはあいつをいつまでも支えてやるさ)

 

そう思っているからではあるが……彼自身は、自分の奥底で抱いている感情にはまだ気付いてはいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side o




いやはや、書いていて右往左往してしまった気がします。そして今更ですが、書いているうちに主人公のキャラが最初とはまるでブレている感じがして、統一感がないなと思ってしまいます。

多分読者の皆様から見てもそう思ってしまうのではないでしょうか?

と思う今日この頃です。

それに対しては申し訳なく思います。しかしながら、それでも読んで下さる皆様には本当に感謝しています。本当にありがとうございます!

それでは……。
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