ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション 作:橆諳髃
あれから俺は祈荒さんと一緒にとある所に移動していた。そこはさっきまで俺がいた場所……そう、BBチャンネルのスタジオだ!
にしてもまぁ当然なんだが……いきなり俺が祈荒さんと一緒に現れたもんだからそこにいた人(サーヴァント含め)は皆驚き&いつでも戦闘できる体制になっていた。あぁ、因みに祈荒さんの今のよ格好は修道服姿だ。それで俺は本来の姿……
(それだったら皆警戒してもおかしくないなぁ……)
いきなり目の前に見知らぬ人がいたら誰だってそうするだろう……。えっ? 俺もそうだけど1番の原因は祈荒さん? ……あぁ、俺ともあろうものがそこが抜けていた。
「その……いきなり目の前に現れたのは申し訳ない。だからどうか警戒を解いて欲しいんですが……」
「そんなの無理に決まってるでしょ‼︎ 確かにいきなり目の前にいることも驚いてるけど……それよりその女よ‼︎ キアラ……あんたはさっき倒した筈なんだけどね?」
「そうです! 私とメルトの宝具であなたのコアを穿った筈です‼︎ なのに何で生きているんですか⁉︎」
メルトさんとリップちゃんがそう言いだした。それには他の人達もそうだと言う様な目をしていた。さて……どう答えようか? 別に包み隠さず全てを言っても良いのだが……
そう思っていたら、未だに俺に抱きかかえられていた祈荒さんが動いた。俺から降りたと思うと、次には俺の隣で正座をしていた。
「こちらにいる皆様が思っている通り、私は正真正銘殺生院祈荒と言います。皆様は既に私と面識がある様ですが、それは私の……違う世界から招かれた私の意思。そのために、今から私が言う言葉は……皆様にとって嘘や戯言の様に聞こえるかもしれませんが、どうか最後まで聞いて下さいませ」
そして祈荒さんは全てを話した。自分の過去から今に至るまでを全て包み隠さず……その間に他の人達からの非難の声等は
無かった。自分達と戦ったキアラさんと、今目の前で正座をしながら話している祈荒さんの姿を見て、何か違うと感じ取ったのだろう。その為に祈荒さんが話している最中は思いの外静かだった。そして全てを語り終えた時だ。
「私は……確かにあなた達を苦しめた記憶はありません。ですが……違う世界の私が犯した事は、私が背負う罪です。皆様に対して私が償える事もあまりない事も分かっています。ですが……それでもどうかこれだけはさせて下さい」
「皆様に多大なる迷惑をかけてしまった事……誠に申し訳ありませんでした」
「「「っ⁉︎」」」
俺も含めて皆祈荒さんのその行動に唖然としていた。なんと祈荒さんが土下座をしていたのだ。それもとても綺麗な……
「ちょ、ちょっとあんた何してんの⁉︎」
「見ての通り……この場でできる私の誠心誠意の謝罪です。今の私には……この程度の事しかできません。あなた方が望むのであれば、後に如何様な罰も受ける所存でございます」
「ならば私もその罰を受けよう」
「そ、颯也さん⁉︎」
「違う世界の祈荒さんが犯してしまった罪とはいえ、それは私にも罰を受ける義務がある。全てを祈荒さんに償わせはしない」
「颯也さん……それは違います。貴方は何も悪くありません」
「……私は数日間とはいえ祈荒さんと関わった。そして私としてはあの数日間が……まるで家族と過ごしている様に感じた。だから私は、あなたにだけ罰を負わせるつもりは一切ない! だから俺にも、あなたの罪を償わせてくれないか?」
「颯也……さん」
「と言う事でだ。この度は本当に申し訳なかった‼︎」
俺も正座して深々と頭を下げ、床に頭を付けて謝った。
「いやいや⁉︎ あんたが謝るのは筋違いっていうか……そもそもあんた誰って話で……」
「そういえば申し遅れていたな……私の名は愛護颯也という。そしてさっきあなた方に加勢したボロマントの様なのを羽織っていたのが私だ」
「「「えぇっ⁉︎」」」
そう驚いてしまうのも無理はない。メルトとリップはやり直す前の時間軸でマントを羽織った颯也に会っており、その際に颯也の実力を見ていた。BB、タマモキャット、鈴鹿御前に至っては先のセラフ内魔人柱増殖の際にモニター越しではあるが颯也の実力を見せつけられていた。藤丸立夏とロビンフットとトリスタン(何故かトリスタンもいるが……)に至っては……最後に颯也がメルトを助けた場面しか見ていないものの、キアラの魔人柱とかした髪の毛を刀の一振りで消滅させた場面を見ていた。
しかしそのマントを羽織った人物が目の前にいたらどうなるか? それは驚くだろう。さらにその人物が、敵だと思っていた存在をお姫様抱っこしてこの場に急に現れたらどう反応するか? もはや驚くなど通り越すレベルである‼︎
「ところでなんだが……」
颯也は名乗り終えたと思ったら、急に態度を一変させた。名乗り終えるまでは穏やかだったものの、その後急に睨みを効かせるという真逆の表情になっていた。
「な、何ですか? ま、まさか私ですか⁉︎ 私が今回キアラと嘘の関係でも手を組んだ事が……」
「いえ、そうではないんですよ」
BBが顔を青ざめながらそう言うが、どうやら颯也はそれに対して表情を一変させた訳ではないようだ。では一体何が彼をその表情たらしめているのか……? それは……
「おい……そこの“トリ”」
颯也はトリスタンの方を睨みながら、先程のような優しい口調ではなく、荒々しく声のトーンもまるで地獄から逃げる亡者を恐ろしい形相で追い詰める鬼のように低く、ただその一言を呟いていた。
「わ、私のことでしょうか?」
「他に名前にトリと付く奴がどこにいると思う? 貴様しかいないだろうが」
最早貴様呼びにまでなっている。
「え、えっと……私はあなたに対して何か至らぬ事をしたでしょうか?」
颯也から放たれる負の重圧によって、トリスタンは身体中から冷や汗をかき、顔も真っ青になりながら丁寧口調で颯也に聞き返していた。
「ここに召喚された貴様は確かに俺には何もしていない。だが……藤丸くんなら分かるかな?」
「えっ? 俺⁉︎」
「そうだ。神聖円卓領域キャメロットという特異点の時だ」
「キャメロット? う〜ん……あっ……」
「どうやら藤丸くんにも思い当たる節はあったな。この場に召喚された貴様は覚えておらぬかもしれぬが、そんな事はどうでもいい事だ。手っ取り早く事実を言おう。貴様は獅子王の聖杯の影響によってかは知らんが、罪のない人達を何人も殺めた。それも背後からなぁ?」
「なっ⁉︎ そ、そんな事が……」
「それだけではない。貴様は俺の大切な存在までもその手にかけようとしたそんな事実を目の前で見せつけらたのだ。そして今そんな事実を忘れたかの様に平然と立っている貴様を見ると……俺は我慢できそうにない……」
「そ、そんな事を言われても私は……〈ガシッ〉えっ?」
「これは……あんたが悪いわね。あんたにその記憶がなくても、本人は1発でも殴ってやりたいと目に書いてあるわよ。そんな訳で……」
「ここは大人しく1発打たれて下さいね? トリスタンさん」
「えっ?」
「何の話かは知らんが、触る神に祟りなしと言うな」
「ぶっちゃけあんたが殴られようがワタシには関係ないしぃ?」
「いやぁ……俺も人の事言える立場じゃないけど……流石に罪のない人を手にかかるほど俺は落ちぶれちゃいないしなぁ……」
「今月から記録が届いたんですけど……確かにこれは酷いですねトリスタンさん」
「ま、マスター! どうにか弁解して下さいませんか⁉︎」
他のサーヴァント達から好き勝手に言われ、トリスタンとしてはマスターである藤丸立夏にすがるしかなかった……が、
「う〜ん……ドンマイ?」
「マスターっ⁉︎」
「と言う訳でた……歯ァ食いしばれ‼︎」
結果、リップに羽交い締めにされたトリスタンは、颯也からキツイ1発を貰って、その衝撃でリップの羽交い締めから解放されたが、殴った勢いが想像以上だったのか殴った方向に回転しながらそのまま壁に頭から激突、そのお陰もあってトリスタンの頭は壁に突き刺さった状態となっている。
「ふぅ……少しスッキリした」
(((えっ……あれで少しなの?)))
それを見ていた皆は心の中で同じ事を思ったといいます。
それからしばらく経ち……
「それで私の罰の件は……」
「あぁ、そういえばそんな話をしてたわね?」
祈荒の話は半分ほど忘れ去られていました。
「まぁ今回は全部解決したし……あれはあんたの本当の意思ではなかったんでしょ?」
「そ、そうですが……」
「なら、私はこれ以上追求する気は無いわ。ただし……この条件を呑んだらこれまでの事を全部チャラにしてあげるわ」
「条件ですか?」
「そうよ。今回の件……魔神柱が絡んだとはいえ、関係の無い魔術師が沢山犠牲になった。あんたがやった訳では無いにしろ、それは事実よ。だから……」
「毎日その犠牲になった人達の分だけ祈りなさい。あんたが死ぬまで……その事実を心に留めておきなさい。これが条件よ? 呑めるかしら?」
「っ⁉︎ はい……それが私の償い罰だと言うのなら」
「それで……颯也だったわね。あんたはそこの女が2度と悪に堕ちない様にする事。それがあんたの罰って事で良いかしら?」
「えぇ。私はそれで構いません。何より祈荒さんをその様な道に再び堕とす様な事はさせませんが?」
「なら良いわ。私からは以上! 他に何かある奴はいるかしら?」
メルトのその問いに、その場にいる全員は首を横に振った。
「……他に何か言いたそうな奴はいないし、この件についてはこれ以上言わないわ」
祈荒と颯也がメルトの条件を承諾したことによって、この話は収束した。その後は祈荒がこれからどうするかな話になったのだが……
「それは私に任せてもらおう」
「颯也さん?」
「私は……ある人の頼みで祈荒さんを救いに来た。そしてこの世界での祈荒さんの現状も……知ってるつもりだよ」
「この世界……と言う事は、愛護さんは別世界から来たのですか?」
「そうだね。それも、私が生きている世界には魔術師もいるけど、それと同時に天使、堕天使、悪魔、果てには伝説上の存在とされるドラゴンや神の存在までいる。まぁ表向きの世界では秘匿されている事だけどね?」
「そ、そうなのね……何だか大変そう」
「まぁ……関わらなければ良いだけです。触らぬ神に祟りなし……まぁ、理不尽にあちらから手を出してくるときもあるんですけどね? まぁそれはともかくとして、祈荒さんの事は私に任せて下さい。っと言ってるそばからもう時間の様ですね」
颯也と祈荒の体が光り出した。
「わ、私も?」
「さっき言った通りです。私はとある人に頼まれてあなたを救いに来た。だから不安に思わなくても大丈夫です」
「……颯也さんがそう仰るのであれば……」
「では皆さん、今回はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。そして、また縁があるならばまたお会いしましょう」
颯也のその言葉が合図だったのか、颯也と祈荒は光となってその場から消えた。
その後颯也と祈荒は……
「ここは……?」
「ここは、私が最もお世話になった場所ですよ」
「お待ちしてましたよ。颯也さん」
「はい。この度無事に帰って来ました」
その様な挨拶を交え、今回の報告を素早く終わらせた。結果として、祈荒を颯也が今住んでいる世界に赴かせる事を決めた。そしてここからが重要なのだが……
「祈荒さんが行くにあたっての役割……ですか?」
「そうです。祈荒さんの力は、本人が思っている以上に大きく力強いものです。ですから普通に過ごす事は途轍もなく難しい」
「その……私の力はその世界ではどれほどのものなのでしょうか?」
「そうですね……その世界でいうと、旧4大魔王以上原初の神より少し劣るぐらい……でしょうか」
(……なんか凄い納得した)
祈荒さんは人とはいえ、違う世界では星そのものになろうとした。それ程の力を内包している。現にサーヴァント相手に肉弾戦で対抗できる……とどこかで読んだ記憶がある。あぁ、これは前世の記憶だ。
「そ、その様な……私は出来うる限り争いは好まないのですが……」
「それは颯也も同じ事なのですよ?」
「えっ? 颯也さんも?」
「颯也は……大袈裟に言ってしまうならその世界でいうところの原初の神以上の力を有しています。ですが彼も争いをそこまで望みません。それでも彼は、目の前で理不尽が起ころうとするのなら戦います。自分の身をいくら犠牲にしてもです」
「まぁ私の場合は、前世の生き方もあって放っておけないというか……」
「えっ? 前世?」
「あぁ、そういえば祈荒さんには言ってなかったですよね?」
そこから少し颯也の過去話になる。そして最後まで聞き終えた祈荒は……
「そう……だったんですね」
「隠すつもりはなかったけど、話すような事でもなかったから……」
「いえ、私は颯也さんの……貴方のその生き方に感銘を覚えたまでなのです。そして私にも、貴方のような強い力があるというのなら、その世界での身の振り方を考えねばなりませんね。分かりました。それでは神様……私はその世界でどの様に振る舞えばよろしいのでしょうか?」
祈荒は神様に問う。自分のその世界での身の振り方を……
そして神様が下したのは……
それから祈荒は神様にその世界での身の振り方を教わり、颯也とともにとある所へと転送されていた。
「ここが……そうなのですね?」
「えぇ。これから貴方が元の世界での過ちを正す場所……そしてこの世界で生きて行くための場所ですよ」
一見世間話の様に颯也達は話している。本当にその様に見えはするのだが……
「貴方達は一体何者ですか? ここは“神と天使のみ”が住む事を許された場所ですよ?」
そう……場所が問題だった。そこは……天使達の居場所であり、元は神が威厳を放ち住んでいた場所……即ち天界である。
「どうやらあなた方は堕天使でも悪魔でもない……純粋な人の子の様ですが……」
颯也の様な金髪で腰ぐらいの長さを持つ髪をした男の天使がそう言う。その他にも天使達はいるのだが、どうやらこの天使の発言だけで事足りると思っている様だった。そのため他の者達は、警戒をするが話す気配がない。
そして今の颯也達の服装についてだが……祈荒は元の世界でも着ていた修道女の服を着ていた。どこからどう見ても天界サイドの人間に見える。しかし颯也の格好は……いつも素性を隠す時に使用するマントを頭から被っていた。正に安定の格好である。
「颯也さん……この方達はどうやら警戒している様ですが……主に貴方を」
「そこは大丈夫ですよ。今から鎧付けますから……」
鎧を付けたことでこの場の警戒が治るのだろうか? 祈荒は心の中でコッソリとそう思っていたが……
「OOライザー」
颯也が何らかを呟くと、マントに手をかけた。
「? そこのあなた、何をする気です?」
颯也がマントに手をかけた時、金髪天使の隣にいた女性の天使が警戒を強める。ウェーブのかかったブロンドの髪を持ち、どことなくおっとりとした雰囲気を醸しながらも、その顔は目の前の相手を警戒していた。
その女性の天使がそう言い終えた時、颯也はマントを脱ぎ去っていたが、マントに遮られて天使側には全容が見えていなかった。だが、いざその全容が見えると……
「なっ……⁉︎ あ、あなた様は⁉︎」
「ま、まさか……あなた様は⁉︎」
(ん? 何だこの反応……)
颯也は自分の素性がバレない様に、しかし天使達に警戒されない様に……昔二天龍達と闘った時の姿になったのだが……
「ま、マントの中から蒼紅白機様が⁉︎」
「白騎士様だ‼︎」
「キャーッ!/// 白騎士様よー‼︎」
颯也は予想外に歓迎されていたといいます。
(というか白騎士様って……)
白騎士……それはとある世界である者に与えられる称号……の筈なのだが、
(俺って……何かしたっけ? 歓迎されるような事はしてないと思うが……)
「し、白騎士様‼︎ ……はっ! さ、先程はとんだご無礼を……」
「わ、私も失礼な物言いをしてしまい……誠に申し訳ございませんでした‼︎」
金髪の男性天使と、ブロンドの女性天使が颯也に片膝をついて謝っていた。それを見た他の天使達も同じように片膝をついて首を垂れていた。
「あ、あの〜……私が何かあなた方にしたでしょうか?」
「お、覚えていらっしゃらないのですか⁉︎ 我々天使と、その対極に位置する堕天使、悪魔達が協力体制を敷いて二天龍を討伐した日……我々が窮地に陥った時に貴方様が二天龍討伐に加勢した事を……」
(……あぁ、それでこの歓迎ムード……えっ? それだけ⁉︎)
颯也としては……たったそれだけの事をした感覚でしかない。他者からすれば二天龍という存在は途轍もなく大きな存在で、目の前に立とう者なら、誰であれ逃げ出したくなってしまうような存在なのだ。
だが颯也は、それを関係ないという風に戦った。そして危機に陥った自分達の仲間を、何の見返りも求めずに助けたのだ。それも自分を犠牲にして……
その姿が、あの場にいた殆どの者が感銘を受けたのだ。いつのまにかいなくなってしまったとはいえ、それは数百、数千年経っても変わらなかった。
だからこそのこの歓迎ムードなのだ‼︎
「いや、覚えてはいますが……逆に私はそれしかあなた方にやっていませんよ?」
「いえ、我々にとっては……いや、あの時協力体制を敷いていた全勢力の被害が予想よりも少なかったのは、白騎士様があの場に現れてくださったからです。そして我々を鼓舞して下さりました! その事があったからこそ……私達はあの闘いを生き残れたのです‼︎」
「私も……あの場で助けていただきました。私の命があるのは蒼紅白機様のお陰なのです。ずっとこのお礼をあなた様に言いたかったのですが、やっと……直接お礼を言える時が来ました。私達を創造して下さった原初の神はもう存在はしませんが……それでもあなた様との再会を神に感謝する次第です」
とまぁ……俺からすれば大袈裟すぎなのでは? と思いはするものの、それは見方によって違う。だから、あの時の俺の行動が他の人達にとっては賞賛されるに値されるものだったと……そう思うことにするかな。
「ところで蒼紅白機様、今回どのようなご用件でこの場にいらして下さったのでしょうか?」
ブロンドの女性天使がそう尋ねる。
「あぁ、それについてなのですが……私も原初の神があの三すくみの戦争で亡くなられた事は知っています。それを知った上でこんな事を言ってしまうのは……皆様に対して申し訳ないのですが、この世界での神の加護が行き渡っていない事は事実としてあると思います。ですので……」
「ですので私は、あなた方に神の代わり……いえ、神のシステムを理解し、そして制御でき得る存在をこの場に招かせて頂きました」
「……という事はそちらの方が?」
「えぇ、その通りです。自己紹介をお願いできますか? 祈荒さん」
「分かりました。では天使の皆様方……改めましてお初にお目にかかります。私の名は殺生院祈荒と申します。私の存在理由……それは、私がお慕えする方の力になる事。そして……人々が幸せに暮らせる世を創ることでございます」
丁寧な作法でそういう祈荒。しかし、唐突に言われる方も困惑するのは当然の事であった。しかし……
「なるほど……あなたの信仰心は中々に強い様ですね」
「その信仰心は蒼紅白機様に対するものですか?」
「誠に……その通りでございます。私のこの命は……あなた方と同じ様に蒼紅白機様に助けて頂いたもの……信仰心が生まれない道理がございません!」
「嘘偽りはない様ですね。分かりました。これも我々を創造した原初の神のお導きなのでしょう。人の身では地獄の道を行く程の厳しさでしょうが……我々も協力致しましょう」
「突然現れて、それでこんな無理を言って申し訳ないのですけども……どうかよろしくお願いします」
「こちらこそ……私もどうにか神が創り出したシステムを運営してはいますが……それでも上手くいかない部分が多くあり、その弊害も人々に及んでいるのです。人々の幸福を強く願う心……それがシステムを円滑に動かす動力なのですが……私もまだまだ未熟な身です。ですからこの場にあなた様が祈荒殿を引き連れて現れた事は私達にとってとても喜ばしい事なのです」
「私としては……困っている方々の力になれればそれで十分です。では、私はこれにて……。祈荒さんも、また会いたくなったら私のところに来ても大丈夫ですからね」
「はい……また貴方様のところに行かせて頂きます」
そうして颯也は祈荒を天界に送り届け、自分の住む場所に戻って行った。(勿論神様の転移で……)
「それにしても……結局白騎士様の素顔は拝見する事は出来ませんでしたね……」
「鎧に身を包むという事は……やはり蒼紅白機様は見せたくないものが……」
「いいえ、そんな事はありませんよ」
「祈荒殿……」
「そう……いえ、白騎士様はとても恥ずかしがり屋なのです。ですからあぁして本当の姿を隠しているのですよ」
「では、祈荒殿も彼の本当の姿を見た事は……」
「いぃえ……私も彼の方の本当の姿は見たことがないのですよ」
「そう……なのですね」
天使達と祈荒の3人はそれで会話は終わる。だが……
(天使の皆様には申し訳ありませんが……颯也さんの素顔をあまり大っぴらにしたくありません。これは私だけの秘密です)
この時祈荒は、颯也の素顔が、颯也の事を愛しく思っている人達にも普通に知れ渡っていると知らないが、この場では颯也の素顔は知らないと言った。
それは……自分が恋した男の事を自分だけの秘密にしようと言うように。。
今回も少し長い話になりましたね。ともかくとしては、人類悪編はこれにて終了です。
さて、ハイスクールの1巻はまだかという風に思っている方々も大勢いらっしゃると思いますが、後最低でも2話……その2話も文章量は少なくするつもりです‼︎ ですからもう少しだけ辛抱していただければと思います!
では! また次回会いましょう‼︎