ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション 作:橆諳髃
俺が次に目を開けると、俺が死んだ時に来た真っ白い空間だった。だが少し変わっている事がある。それは、真っ白い空間に、所々白い柱のようなものが立っている事だ。
「よく無事に帰ってきました、優しい人の子よ」
「その声は……神様」
「えぇ、私です。貴方の勇姿……しかと見届けさせて貰いましたよ」
「そんな……あれは勇姿でも何でもないです」
「……確かに見方を変えれば、あの戦い方は無謀であるかもしれません」
そうだ。あんなのはただの無謀だ。終わって初めてそう気付く。いつもそうだ。もっとやり方があったんじゃないかとそう思う。頭に血が上って、結果的にああなる。だから俺は、精神面でもっと大人になるべきだと「ですが……」ん?
「貴方のその時々出る荒っぽいところも、良い個性だと思います。確かにすぐ手が出てしまうのはいけない事だと、私は思います。ですが貴方の場合は、ほぼと言っていいほど正当防衛に当てはまります」
「……確かに言われてみると、さっきのも相手から撃ってきたし……」
「それに、転移もこちらでやっていたのですが……貴方を気に食わないと思った他の神がやってしまった事です。貴方には本当に申し訳ない事を……」
「いえ、神様が謝る必要なんて無いですよ。俺を転移させた神も、俺を厳しく見るためにそうしたんでしょうし……。だから謝らなくて大丈夫です」
「……こちらに非があるというのに……それでも貴方は……」
何となく……何となくであるけど、意図的に転移したんじゃないかと……そう思っていた。タイミングも何故か合っていたし……。それでも、試練のうちの1つだと思えばそれまでだと思う。
(最も……今でも俺に転生の資格があるなんて思わないけど……)
「さて、では気を取り直して次へと参りましょう。そして次が、貴方が転生する前に行く最後の場所となります。準備は良いですか?」
「まぁ……準備は元からできているんですが、先程までいたもう1人の神様はどこに行ったんですか? 先程から声が聞こえないんですが……」
「彼ですか? 彼なら、途中で調子が悪くなって自分の部屋に戻りましたよ」
「あぁ……そうなんですか。なら心配はいらないようですね」
「やはり貴方は……どこまでも優しい人ですね。では、貴方の準備もできているという事なので、最後の場所へと誘います」
神様がそう言うと、俺の体は光に包まれて、違う世界へと転移した。
side 神様
「あの子は……本当に優しい子ですね。何しろあなたの事も心配しているんですから」
私は床で気絶している同僚の神にそう言った。ですが、私がそう声をかけたところで聞こえてはいないでしょう。
「全く……相手が気に食わないと言って、わざと敵の前に転移させて……それだけならまだしも、意図的に相手の攻撃が来る直前のタイミングで転移させるのは……いくら神といえど許すわけにはいきません」
この女性の神様が言う事をまとめよう。要するに、先程まで転生資格者を転移させていたのは男の神であり、またその神自身が資格者の事を気に食わないと思ったからこそ、転移先もわざと相手の攻撃が当たるところにしていたのだ。その一部始終を見ていた女性の神は、男の神を何らかの方法で気絶させたのである。その何らかの方法は……ご想像にお任せしよう。
「さて、次で最後ですが、貴方にはその世界で回収して欲しい物があります。それは……人が背負ってはいけない罪……。それを貴方には回収して欲しいのです」
その神様は、独り言のように言う。それは……転移させる前に言うべきものの筈ではあるが、しかし神様は信じていた。転生資格者が、自分が何も言わなくても、さっきの様に行動してくれる事を。
「貴方が次の世界で何を思い、そして何を願って行動するのか……。ゆっくりと見させてもらいますからね」
神様は微笑みを浮かべながら、静かな空間で呟いた。