ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション   作:橆諳髃

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「あれ? 作者はどこだ?」

「あぁ、作者なら私がまた罰を与えたわよ? 串刺しにして地獄の炎で燃やしてやったわ」

「……この前2ヶ月を破ったから」

「その通りよ。まぁとにかく今回は2ヶ月以内に投稿したわね。及第点だわ。にしてもどうやって書いたのかしらねぇ? 串刺しにされながら地獄の業火に焼かれている状態で」

「まぁ……頑張ったんだろうな……という事で読者の皆、待たせた。読んでみてほしい」


57話 堕天使(堕ちた転生者) 前編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーシアさんを助けると決めて、いざ! その子が囚われている所へ乗り込もう‼︎ としたんだが、何故か祈荒さんに呼び止められてしまった。なので兵藤にら後から行くという事を言って、現在祈荒さんと一緒に居た。

 

「忙しそうな所を呼び止めてしまって申し訳ございませんわ」

 

「いや、そこは大丈夫ですよ。それで用件を聞きたいんですが……」

 

「えぇ、ではお話しさせていただきましょう」

 

それで祈荒さんから聞いた話は、なんとこの街に入り込んだはぐれエクソシスト達を救済したい……という事だった。

 

なんでもそのはぐれ達は、協会の決まり事を破った挙句はぐれになったと……それを天使側も認めはしたものの、祈荒さんとしてはどうしても救いたいという事だった。

 

「あのエクソシスト達も元を辿れば神から命を授けて生を受けたのです。まだまだ未熟な身である事は理解しているのですが……それでも手を差し伸べれるのであれば私は助けたいのです。今ここにいる貴方のように……」

 

「そうですか……分かりました。では、何とか彼らを貴女の下まで誘いましょう」

 

「そう……ですよね。確かに貴方は非道な者を許さない。それでも私は彼らを……って、えっ?」

 

「何を驚いた顔をしているんですか? 俺は貴方のお願いを叶えると言ったんです。確かに中には無益な殺傷もした人達もいるでしょう。でも、それを死という形で償い切れるものではない。殺めてしまったからこそ、その分の命は生き抜いて償うべきだと……俺はそう思っているんです。自己満足には変わりませんがね……」

 

「それと非道な者は許さないにしても、殺めてなんていませんよ? 許さない代わりに反省させるんです。甘い考えだと言われればそれまで……それでも俺は殺めない。ただそれでもそうしないといけない時は……俺は心を鬼にしてでもってところかな? だから祈荒さんは心配しないでそのまま待っていて下さい。非道な奴らでも、貴女の説法なら改心できると思うから」

 

戦いに行く前だというのに、その顔はまるで何時もの通りに笑う。それは狂乱の笑みではない。相手を思いやっての笑みだ。

 

「だから、そんな不安そうな顔をしなくても大丈夫です。俺が何とかしてみせますから」

 

「颯也さん……ありがとうございます。でしたら私の方では、かの者達に愛が伝わる様……準備しておきますわ」

 

その様に話は進み、最終的にはぐれエクソシスト達をどこに送るかまで段取りをつけた。

 

「じゃあ俺の方はもうそろそろ行ってくるから。一応兵藤達には後から合流する事も伝えてあるし、自分達のタイミングで突入して欲しいと言ってあるけど……遅過ぎたら何言われるか分からないからさ」

 

「分かりました。颯也さん……行く前に少し良いですか?」

 

「ん? 何ですか? 祈荒sっ⁉︎」

 

颯也は祈荒に呼ばれて振り向いた瞬間、その唇を奪われた。それも一瞬のうちに頰を両手で包まれた状態で……

 

「私からの御呪いです。万事全てが上手くいくように……それと貴方が無事である様に」

 

「い、いきなりで驚きましたよ……でも、嬉しいです。だからこれは、俺からのお返しです」

 

「んっ⁉︎ んむっ……/// はっ……も、もぅ……颯也さんもいきなりです‼︎」

 

「ははは、ごめんなさい。じゃあ、今度こそ行ってくるから」

 

そして颯也は、今度こそその場を後にする。それもいつもの如く……元からその場にいなかったかの様に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 亞里沙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はリアスに無理矢理駆り出される状態で付いてきました。向かった場所はこの町にある廃れた教会でしたわ。何故ここにきたかと言えば、ここに堕天使とはぐれエクソシストが集まって何かしようとしているとの事ですわ。

 

(本当はもっと颯也さんとイチャイチャしたかったですわ……)

 

「亞里沙……いつまで不貞腐れてるのよ」

 

「そんなの当然ですわ‼︎ 私、颯也さんとの愛しく過ごしていた時間を無理矢理やめさせられた挙句こんな所に連れ来させるなんて…本来朱乃だけ連れてくるのでは駄目だったのですか⁉︎」

 

「それは……ま、万が一に備えてよ」

 

「……その間は何ですの?」

 

「えっ⁉︎ いえ、別に大した事では無いわよ? ほ、ホントよ⁉︎」

 

「嘘おっしゃい‼︎ 絶対咄嗟につけた発言でしたわよ‼︎ まさか……そんなに私と颯也さんがイチャイチャしているのが気に食わないのですか⁉︎」

 

「そ、そんな事……無いわよ?」

 

「ほらやっぱり! 絶対に気に食わなかったのですわ‼︎」

 

「フンッ、やはり悪魔が現れたな。待った甲斐があったというもの……さぁ、貴様達はここで大人しく……」

 

亞里沙達がそんな言い合いをしていると、目の前に男の堕天使が1人現れる。そう、もうここは敵の陣地だ。いつ堕天使やはぐれエクソシストが来てもおかしくは無い。その証拠にその男も何かを言っていた。その発言は牽制している様にも取れる。取れるのだが……

 

「えぇそうよ! 気に食わなかったわよ‼︎ 何で私の目の前であんなイチャイチャな光景を見せつけられなくちゃいけないのよ⁉︎」

 

「私と颯也さんがいつどこでイチャつこうが自由ですわ‼︎ そんな事言われる筋合いありませんわ‼︎」

 

「おい! 話w「でも亞里沙のそれって完全に私に見せつけてるわよね⁉︎ 何よ⁉︎ 嫌味のつもりなの⁉︎ 私にまだ彼氏がいない事に対する嫌味なの⁉︎」お前ら! 話w「でもリアスには婚約者がいるではありませんか! 私は元から婚約者なんていませんし、寧ろ好きでもない相手を婚約者になんて迎えませんわ! だからこそ私は颯也さんを甘えさせますし甘えるのですわ! これは当然の権利ですわ!」ちょっ「ふざけないで頂戴! 私は今までに相手の事を婚約者だと思った事はないし! 寧ろ願い下げよ‼︎ 私だって好きな人と結婚したいに決まっているわよ‼︎ それなのにあなたは……いえ、あなた達はあてつけたように私にいつもイチャイチャしたい放題見せて……はっきり言って限界なのよ‼︎」あのー……話を「ほらやっぱりあてつけじゃあありませんの‼︎ 朱乃だけで良かったではありませんか‼︎」ねぇ……話を「えぇ良かったわよ! でもさっきも言ったように限界だったわよ! だから無理矢理にでもあんなイチャイチャ空間をぶち壊してあなたをここに連れてきたのよ‼︎」無視しないd「あなたって人は! 私帰りますわ‼︎」……」

 

男の堕天使、ドーナシークさんは格好付けて現れたにも関わらず無視をされた事に気を落としたと言います。さらにその光景を朱乃さんはいつもの笑みを浮かべながら、この喧嘩はまだ終わらないのだろうかと心に思いながら待ったと言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ドーナシーク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(果たしてこの言い合いはいつまで続くのだろうか……)

 

目の前で行われている悪魔2人の喧嘩に、ドーナシークはどうすればいいか分からずにいた。

 

別にここで攻撃すれば良いのでは……と思うのだが、その2人以外にもこちらを不気味な笑み(本人にはそう見えるようです)を浮かべて見ている悪魔がいるので、迂闊に手を出す事も出来ない。

 

(こちらとしては手段を選んではいられないのだが……)

 

ドーナシークは焦っていた。何故なら今回の計画……アーシアの持つ神器を抜き取るという計画には反対だった。ドーナシーク以外にも、レイナーレ、カラワーナ、ミッテルトも反対していた。

 

だが今回はそうも言っていられなかった。何故なら、カラワーナとミッテルトは今回その計画を考え付き事を起こした者に囚われてしまったからだ。それも、自分達がその様に動かなければ2人の命は無いと……

 

(こんな所で時間を取られているわけにはいかないのだ!)

 

だからこそ今度ははっきりと大きな声で、叫ぶ様に目の前の悪魔達に言う。

 

お前達! いつまで敵の目の前でそんな下らない様な事で喧嘩をしているのだ‼︎

 

「「うるさいわね! 外野は黙っていなさい‼︎ (黙って下さるかしら‼︎)」」

 

あっ……はい、すみません……

 

頑張れドーナシーク。負けるなドーナシーク。

 

そんな声援が微かに聞こえたと、ドーナシークさんは当時を振り返って言ったといいます……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祈荒さんと別れて、まずは亞里沙さんが来ているであろう場所に向かった。そして着いたのだが……

 

「何で喧嘩しているの?」

 

目の前で部長と亞里沙さんが喧嘩しているし、それをドーナシーク……だったなあれは。ともかく目の前でションボリしながら見てるし、さらにそのドーナシークを朱乃さんはいつもの笑みで見ているし……

 

(ねぇ何これ? どう言う状況? カオスだよねこれ……)

 

でも時間はないし、早々に喧嘩は終わらせるとしよう。

 

(それに、亞里沙さんは笑った顔が1番綺麗だからな)

 

「部長、それに亞里沙さん? こんな敵地同然の所で何してるんですか?」

 

「そ、颯也⁉︎ どうしてこんな所に⁉︎」

 

「そうですわ! どうしてここにいらっしゃるの⁉︎」

 

「どうしてって……兵藤達を助けるためですよ。部長達こそ、何で喧嘩に発展しているんですか? それに奴さんもショボくれてますし……やり過ぎですよ?」

 

「そ、それは……」

 

「その……申し訳ありませんわ……」

 

部長は目を逸らし、亞里沙さんは素直に謝った。

 

それで……何故かドーナシークにはまるで救世主の様に見られるし、朱乃さんに至ってはこっちに先程よりも可愛らしい笑みを浮かべながら手を振ってくるし……うん、俺も手を振り返そう。

 

「んで? ドーナシーク……だったかな? 今回計画を企てた首謀者はどこのどいつだ?」

 

いきなりドーナシークは颯也に話を振られたのか、驚いた表情をしていた。

 

「しゅ、首謀者だと? な、何を馬鹿なことを……」

 

「隠さなくたって分かっている。それに、もうこの地は特殊な結界を張ったから、誰かに盗み聞きされる様な事もない。それに外からは馬鹿正直に争ってるようにカモフラージュも忘れちゃいない。さぁ……大人しく話してもらおうか。今の現状とやらを……」

 

「……し、信じて良いのか?」

 

本来堕天使であるはずのドーナシークは、ただの人間である颯也の言に耳は貸さなくても良いはずである。しかしこの時ドーナシークは切羽詰まっていた。今回この計画を考え付いた存在は、少しでも計画が遅れようものならそれに関係した者達を殺めるのだ。実際に目の前で見たことがある。だからこそ今回も計画に参加するしかなかった。

 

だが目の前にあるはずのこの人間は……自分が感知する事もなく、はたまた目の前の悪魔達にも気付かれずに突然現れたのだ。しかも自分達の裏に首謀者がいる事も突き詰めて……

 

本来なら厳重に警戒しなければならない人物だ。だが、その男はこの場に結界を張り巡らせ、それだけでなく外から見れば普通に争っているように見せかけていると言ってのけたのだ。

 

だからこそ、今心に余裕がないドーナシークは颯也に耳を貸す。疑いはするものの、厳重には警戒せず颯也に今回の全貌を話し、自分では気付かなかったものの無意識のうちに助けを求めていたのだ。

 

「信じても良い。なにせ俺は君達を殺めるつもりはさらさらないからな。ただ……この計画を首謀した奴は別だが」

 

その発言でドーナシークの心は一気に颯也に傾いた。堕天使の中ではルーキーの方だ。それでも普通の人間より何十年と生きてきたつもりだ。だからこそ、その者の目を見て、この人間は嘘偽りが無いと思い信じようとしていた。だが先程の颯也の発言に疑問を持つ者が1人……

 

「そ、颯也さん? 今何と仰ったの? 私の聞き間違いでなければ……貴方は自らの手を……」

 

それは亞里沙だった。亞里沙は知っている……前世から颯也が何者も殺めていない事を。地球外生命体は別として……それでもこの地球に住む存在は殺めた事がない事を理解していた。

 

だが先程の発言は……あたかも首謀者は殺めると、自らの手を血に染めると聞こえたのだ。しかし颯也は亞里沙のその疑問に

 

「いや、殺めたりはしないよ。ただ今回の首謀者は少し特殊なケースでね……もしかしたら俺と同じ能力を持っているかもしれない」

 

「そ、それって⁉︎」

 

「あぁ……だからこそ、その首謀者は俺自身でカタをつける。そのためには……ドーナシーク、協力してくれるか?」

 

「……分かった。俺が知る限りの事を話そう」

 

そこで一時的にではあるが、リアスと堕天使の共闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 兵藤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから俺達は、堕天使達が根城にしている教会に辿り着いていた。俺と木場と子猫ちゃんの3人でだけど……

 

本当は愛護も来るはずだった。でも途中で殺生院先生に呼び止められて、結果的には後で合流する事になった。でもそんな悠長に待っていられるわけでもなく、そのまま俺達は教会に乗り込んだ。そこで最初に待ち受けていたのは、アーシアと再会した時にいた外道神父だったんだ。

 

確かフリードって名前だったとは思う。そいつが言うにはアーシアは地下に囚われているって分かった。でも目の前にいるフリードは、誰からの目でも分かるように俺達を足止めするように陣取っていた。

 

だから俺達は力尽くでフリードにあたったんだ。まず子猫ちゃんが長椅子をフリードに向かって投げ、それをフリードが躱した隙に木場が懐に潜り込んで生成した剣で奴の剣とぶつかり合う。2人が時間を作ってくれた隙に俺は兵士(ポーン)戦車(ルーク)の性質に変え、フリードを殴り飛ばした。やったぜ! ザマァ見ろってんだ‼︎

 

それでフリードはあえなく退散し、俺達は地下室へと急いだんだ。ようやく階段を下り終わった時、俺は目にしたんだ。部屋を埋め尽くすほどのはぐれエクソシストと、十字架に薄着で磔にされたアーシアと……

 

「夕麻……ちゃん」

 

「……ここまで来てしまったのね。イッセー君」

 

あのデートの日、俺の事を殺そうとした夕麻ちゃんがいたんだ。

 

(でも何だろう……何か様子がおかしい)

 

この状況を作り上げたのは夕麻ちゃんであるはず……その筈なんだ。なのに何で……何で彼女は……

 

(あんなにも悲しそうな顔をしているんだ?)

 

俺は……まだ彼女の事が好きでいるのかもしれない。でも夕麻ちゃんが……いや、レイナーレがアーシアを傷つけようとしているのは事実だ。俺の大切な友達を傷つけようとしている事に変わりはないんだ。だからこそ俺はアーシアを助けに来たんじゃないか!

 

(レイナーレの様子がおかしい事は確かだが、それを今考えていても仕方がないんだ! 今は……アーシアを助ける‼︎)

 

「アーシア‼︎ 今行くから待ってろ‼︎」

 

「なら僕達は!」

 

「イッセー先輩には指一本触れさせません」

 

兵藤達に一斉にはぐれエクソシスト達が群がる。だがそれを木場と塔城が押し留めて兵藤に道を作った。その道を兵藤は駆ける。そしてあっという間にアーシアの元に辿り着いた。

 

「アーシア、今この鎖を解くからな!」

 

「イッセーさん……」

 

アーシアは泣きそうになりながらも笑みを浮かべて兵藤を見つめた。

 

だが……ここで疑問に思うだろう。何故兵藤は“誰にも”邪魔をされていないのか? アーシアのすぐ近くにはレイナーレがいた筈なのだ。悪魔に成り立ての兵藤は、レイナーレの少しほどの牽制でも苦戦を強いられるだろう。

 

それがどうだろうか? 現に兵藤はレイナーレの近くで磔にされているアーシアの元まで辿り着いて、アーシアを縛っている鎖に手をかけているのだ。ここまでの時点で邪魔をされていてもおかしくはない……

 

その当の本人はというと……ただそこに佇んでいるだけだったのだ。

 

アーシアを鎖から解放した兵藤は、彼女を自分の背に隠すようにするとレイナーレを睨む。

 

「……どういうつもりだ? 馬鹿な俺でもお前の立場なら邪魔をする。なのに……何で何もしてこなかったんだ?」

 

兵藤も頭の片隅では疑問に思っていた。それを正面からぶつかる。それに対してレイナーレはどう答えるのだろうか? 余裕の表情で今手を出さなくても目の前の存在を殺せると言うのだろうか? それとも……

 

「私は元からこんな計画……反対だったのよ」

 

「レイナーレ?」

 

「レイナーレ様?」

 

「ごめんね、アーシア。それと……イッセー君も」

 

「ど、どういう事なんだ⁉︎」

 

「それは……っ⁉︎ うっ……ぐぅっ⁉︎」

 

「お、おい! どうしたんだよ⁉︎」

 

「レイナーレ様⁉︎」

 

「こ、こないで……私に近寄っては……あぁっ! あぁぁぁぁっ‼︎」

 

レイナーレは突然苦しみだして頭を抱える。そして苦しみながらも兵藤達から離れる。最終的には仕舞っていた翼を広げ、壁にぶつかりながらも地上に繋がる階段を何とか浮いた状態で登った。

 

「一体……何がどうなってるんだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ん? さっきのはレイナーレか?)

 

アーシアさんが囚われているであろう地下室につく手前で何かと鉢合わせをした。だが俺には気にも止めずに地上に向かって行ったが……

 

(首謀者がレイナーレに何か仕込んでいた……か)

 

すぐにその答えに行きついた。だが今はアーシアの安全と、ここに集ったはぐれエクソシスト達の事が先だ。その結論に行きついて地下室に辿り着く。

 

そこで待っていた光景は、無事にアーシアの元に辿り着いて救出したであろう兵藤と、未だ傷1つ追っていない木場と塔城、そして先程のレイナーレの行動に呆気にとられているはぐれエクソシスト達だった。

 

止まっているはぐれエクソシスト達を一旦放る事にした木場と塔城は一足先に兵藤の元へと辿り着き、地下室に辿り着いた颯也も兵藤の下へ向かう。

 

木場達をもう1人の悪魔と生贄であるアーシアの下に向かわせてしまった事に気付いたはぐれエクソシスト達は、後からでも悪魔はやれるとでも思ったのだろう。悪魔よりも先にここに何故かいる人間に狙いを付け向かって行った。

 

はぐれエクソシスト達にとっては、目撃者は全て排除した方が良いと踏んだ。後に禍根を残さないためでもある。ただしこの土地は悪魔が管轄している事もあり、その土地を管轄する悪魔の眷属を排除する事自体が後々の降りかかる災いが大きいだろうが、それでも逃げ切れば自分達の勝ちだと思っているのだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

失せろ

 

「「「っ⁉︎」」」

 

その一言ではぐれエクソシスト達の動きが止まった。そして颯也が一歩近づくごとに後退りし、最終的にはモーゼの十戒の様に割れて兵藤達に至るまでの道が出来た。そこをただただ悠然と颯也は歩む。その歩みは緩やかな様で速く、あっという間に兵藤の下へと辿り着いた。

 

「悪いな皆、凄く遅くなった」

 

「い、いや……俺としてはアーシアは救えたから大丈夫なんだけど……」

 

「にしても愛護君は一体何をしたんだい? あの一言だけでエクソシスト達を後退りさせるなんて」

 

「もはや人外の技じゃないでしょうか?」

 

「じ、人外とかひどい言われ様だなぁー……ボクハナニモヤッテイナイヨ?」

 

「いや! 絶対何かしただろその言い方‼︎」

 

「まぁまぁ、それはともかくとしてだ……アーシアは無事助ける事が出来たんだろう? 後は、暴走したレイナーレと、この計画を考えついて実行した首謀者を叩くだけだな」

 

「えっ? レイナーレがこんな事をしたんじゃないのか? しかも暴走って……」

 

「いや、実際に裏で手を回してたやつがいる。そいつをなんとかしない限り似た様な事は起こる。そんでその首謀者がレイナーレにある事を仕込んで暴走させたって所だな」

 

「な、なんでそんな事を……」

 

「今回この計画に加担した堕天使達は、皆そんな気は無かったんだ。ただその通りにやらないと殺される……そう脅されていたんだろう。だが首謀者はレイナーレ達が僅かでも裏切るだろう可能性を知っていたからこそ、その素振りを見せた時に発動させる仕掛けをレイナーレに付けていたんだ。それがさっきのレイナーレの様子にも現れていた」

 

「そ、そんな……でも俺はあいつに殺されかけて……」

 

「確かにお前は転生悪魔としてここにいるわけだが? でもレイナーレには最初から兵藤を殺す気なんて無かったんだよ。現にあの時傷口を見たら急所は外れていたし、微かに止血の力も感じ取れた。だからあの時のは兵藤をやったと見せかけたフェイクだ。まぁ結果的にあの場に部長が来て本来数日の入院も無かったわけだし……それにアーシアを連れ去ったドーナシークっていう男の堕天使もそうだ。やろうと思えばいつでも兵藤をやれたんだよ。なのに今兵藤は生きている。という事は……」

 

「……夕麻ちゃんは脅されて仕方なく」

 

「仕方なく人を傷つけたり殺めたりっていうのは、何があったとしても許される事じゃない。でもあいつらが巻き込まれたのは事実だ。それも理不尽に……だからこそ俺は助け出す。だから兵藤……気持ちの整理を今すぐ付けるのは難しいかもしれないが……協力して欲しい」

 

「……ハハッ、愛護がそうやって俺に何か頼んだのって初めてだよな?」

 

「ん? そうだったか?」

 

「あぁそうだよ。いっつも俺が馬鹿やって、その後始末を愛護がやってさ。だから今の様に頼られたのは初めてだよ。そんなダチの頼み、俺は嫌です断りますって言えるわけねぇじゃんかよ! だから愛護……いや颯也! 俺は颯也に協力するぜ‼︎」

 

「兵藤……いんや、もう苗字で呼び合うほどの仲じゃないな。それじゃあ行くぞ! イッセー‼︎」

 

敵に囲まれているというのに、颯也とイッセーの友情が演出されていた。しかしながらその友情はそこに留まることを知らず……

 

「それなら僕も協力させてもらうよ?」

 

「ここまで来たなら最後まで、です」

 

「木場、塔城さん」

 

「僕のことは裕斗で良いよ。その代わりに僕も颯也くんと呼ばせてもらうから」

 

「私の事も子猫で構いません。私も颯也先輩と呼びますから」

 

「っ! あぁ、それじゃあ行こうか! 裕斗、子猫ちゃん‼︎」

 

「ま、待て待て待て‼︎ ここから先を通すと思うか‼︎」

 

今回の首謀者を一緒に倒す事に決めた颯也達の目の前を、今まで硬直していたはぐれエクソシスト達が邪魔をする。その数は数十は下らない。この状況をどう乗り切るかとイッセー達が一斉に思案しかけた時……

 

「ここは俺に任せて、皆は先に行け」

 

「えっ⁉︎ でもこの数だぜ⁉︎ 皆でやった方が……」

 

「いや、あのレイナーレの暴走は生半可なものじゃ止められないし、地上に出たらまず何をするかが分からない。今彼女は理性と暴走の板挟みだが、どうにかまだ破壊衝動までには至っていない。だからこそ、彼女がその衝動に飲み込まれる前にイッセー達には彼女を止めて欲しい。倒す事が難しいのなら時間稼ぎでも構わない」

 

颯也は右手を正面に伸ばして掌を地面に向けた。すると地面に白い魔法陣の様なものが描かれ、そこから黒い棒が颯也の掌に向かって伸びていく。それを颯也が掴み、地面から引き抜く抜く。

 

その引き抜かれた物は……颯也の身の丈以上ある長い打撃武器だった。その切っ先は中世で使われたメイスの形をしていたが、颯也の持つそれはそれ以上の大きさを誇っていた。

 

「兵藤……お前が今の夕麻、いやレイナーレにどんな感情を抱いているかは分からない。ひょっとしたら嫌な思い出だと思っているだろう。それでも俺は、理不尽に巻き込まれた彼女達を助けたい。いや、そう決めた。お前は……今どうしたい?」

 

「正直……俺も巻き込まれて、痛い思いもさせられた。だから……アイツを許す事なんて出来ないさ」

 

「そうか「でも……」でも?」

 

「ここに来てレイナーレを見たとき、凄く苦しそうな顔をしていたんだ。アーシアを助けようと来たのに、それを見た俺は……何故か“夕麻ちゃん”も助けたいって、心の奥で思ったと思う。だから……できるなら夕麻ちゃんも助けたい」

 

「分かった。にしても安心した。イッセーがエロい男ってだけじゃなくて、正義感溢れる奴だって事が知れてさ」

 

「お、おまっ⁉︎ そんな風に俺の事を思ってたのかよ⁉︎」

 

「俺はイッセーがやったであろう亞里沙さんに対する数々の非礼を忘れた事はないが?」

 

「あっ……ごめんなさい」

 

「まぁそれは別で……だ。その想い、忘れるなよ?」

 

「えっ?」

 

「イッセーがこれからもその想いを持ち続けたなら、お前はもっと強くなるさ。今度は傷付けられたりされる立場じゃなくて、傷付けられるものを護れる立場にな?」

 

「颯也……」

 

「まっ、今ここで俺が言いたい事は済んだから、ここからは切り替えて行くとしようか」

 

颯也は右手に具現させた武器を正面に突き出しながら声高らかに言う。

 

「ここは俺に任せてイッセー達は先に行け! 君達が進む道は俺が切り開く‼︎」

 

そして颯也は武器の切っ先を自分の左後ろ側の地面に付けた構えを取り……

 

魔神鉾(まじんけん)‼︎」

 

地面を抉りながら颯也は武器を振り上げた。そうする事によって生じたのは、地面を抉りながら振り上げた事によって生じた礫の嵐と、空気が一気に圧縮されて打ち出された衝撃波のダブルコンボだった。それには正面にいたはぐれエクソシスト達も吹き飛ばされ、礫によってダメージを負う者もいた。

 

「行け! ここは俺が抑える‼︎」

 

「こんな所で死ぬんじゃねぇぞ颯也!」

 

そしてイッセー達は地上への階段を登っていった。

 

「ま、待てっ‼︎」

 

それをはぐれエクソシスト達も追おうとするが……

 

「おっと、ここからは俺を通してからにしてもらおうか?」

 

武器を軽々と右肩で担ぐ様に持つ颯也が立ち塞がる。

 

「さぁ……少しは俺を楽しませてくれよ?」

 

戦場には似つかわしくない笑みを浮かべながら颯也は立つ。その笑みはまさしく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狂乱にふさわしいものだった。




作者が休みなため、今回は私が解説をしたいと思います……

魔神鉾

テイルズ作品を知っている人としてはまずほとんどの人が知っているおなじみの技です。主に剣や拳から空気の衝撃波を地面などに這わして行う攻撃方法です。
しかし今回主人公が取り出した武器は剣ではなくて、早くても紀元前に登場した打撃武器であるメイスであったため、「剣」と「拳」の漢字で表す事ができず、あえなく鉾(ほこ、ム)などの読み方を表す漢字を使わせていただきました。まぁこの漢字を調べた時には、まぁこれが良いかなと思いその漢字を使って「ケン」と読ませてもらっています。

という様な感じだったそうです……

いかがでしたでしょうか? またみてもらったら幸いです……
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