ハイスクールD×D 理不尽壊しのリインカーネイション   作:橆諳髃

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「へぇ……今回から幕間の回を入れるのね? それで初めての題材が私なのはなんで?」

それはですね……fa◯t/Gr◯nd O◯derに沿ってやるとこちらで決めているからですよ?

「ふぅーん……それで? こんなに遅れたのはなんで?」

えっ⁉︎ ええっとそれは……

「どうせ他の小説に現を抜かしてたんでしょ? 確か最近始めた……ジョジョ紛いのものでしたよね?」

た、確かにあれにはジョジョの要素を物凄く入れようとはしてますが……

「でしょ? まぁ良いわ。あんたも最近は大変だったと聞くし……お咎めは無しにしてあげるけど、2ヶ月更新遅れたら燃やしてぶっ飛ばすわよ?」

あっ……はい。頑張ります……

「よろしい。それじゃあとっとと始めるわよ」


幕間の物語
幕間の物語 ジャンヌ・オルタの章 1話


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ジャンヌ

 

 

 

 

 

 

 

私は2度地獄に堕ちた……

 

最初は祖国のために戦い、その後は異端として魔女扱いを受けて火刑に処された。

 

そして2度目は……素人同然の魔術師に敗れた。

 

運がないと言えばそれでおしまい。でも、私の内に揺らめくこの憎しみと憎悪の炎は絶対に消えることはない。そう……絶対に……

 

そして私は今の自分も許せない…善側であったあいつと同じルーラーだなんて、吐き気がしてならない。そしてこの顔もあいつと同じで瓜二つ……双子と言われてもおかしくはない。

 

だけど、そんな事を言った奴はこの旗で串刺しにしてやるわ。そして……いえ、そもそもこんな所にたかだかそんな事を言う奴なんていないわね?

 

周りを見渡しても真っ暗で何も見えやしないし、まぁ地獄のどこかってところかしら? まぁ適当に歩けば時期に裁きの間とかにいく着くでしょ?

 

(って言うような考えを持ってたわね……)

 

今私は立ち止まっていた。いきなり目の前に光が差し込んだから、私はまた何かに呼ばれたのかしらと思った。まぁ聖杯戦争だろうと何だろうと、呼ばれたからには私のやる事に変わりはない。私の心の中で燻っている憎悪を爆発させて何もかもを滅茶苦茶にするだけよ‼︎

 

でも、実際私は呼ばれたわけじゃない。何故なら、光が差し込んでいるようなところから誰かがゆっくりと落ちてきたからだ。

 

全身黒い服装で、髪は私と同じような白よりの金髪……あら、私と少し気が合うようなセンスを持ってはいるのね? 全身が黒っていう所も、私からすれば少し……ほんの少し親近感が持てるくらいよ。

 

それで落ちてきた奴がここの地に足を付けた。どうやら男のようね。顔付きは……まぁいいんじゃないかしら? ジルよりかはまとまった顔つきしてるし……でも体格はひょろっちぃわね? こいつちゃんと食べてんの?

 

(って、何で私がこいつの心配してんのよ⁉︎)

 

全くもってふざけんじゃないわよ! そもそも私がこいつを心配する義理なんてないし、こんな所に落ちてくるくらいなんだからどうせこんな優男の様な顔付きしてても大罪人よ‼︎

 

「……ん? やっと次の場に着いたのか……」

 

男の閉じていた瞼が開かれた。それで第一声がそれで……って、なにその発言? さも他の場所を渡り歩いている様な言い方ね?

 

「それにしても周りは……真っ暗だな」

 

周りを見渡してる様ね……っていうか、正面の私にまず声をかけるのが普通じゃないの⁉︎

 

「ちょっと⁉︎」

 

「えっ? あ、はい?」

 

「あんた……目の前に私がいるのに、何で最初に声かけないのよ⁉︎ 普通目の前にいる奴に声をかけるのが普通でしょ?」

 

「ま、まぁ確かに……そ、それであなたは?」

 

「私? そうね……とりあえずルーラーと名乗らせてもらうわ。あんたに私の真名を教えるほど親しいわけでも、ましてやさっき会ったばかりの奴に教える義理はないわ」

 

「た、確かにそうではありますね」

 

「で? あなた何者よ? 上の方から落ちてきたみたいだけど、あんたもなんかどでかい罪を犯してここに落ちてきたって事でしょ?」

 

「罪ですか? そうですね……罪を犯したど言えば……大切な人との約束を破ってしまった事でしょうかね……」

 

はぁ? こいつ本気で言ってるの? それが大きな罪って……どんだけ心の中がピュアな奴なのよ? あぁ眩しいわぁ……なんかあいつと似通ってるし……

 

「それでなんですが……ここはどこなんですかね? 見た所全く明かりがない様ですし……どこか未開発の土地ですかね?」

 

「未開発の土地ね……ふふ、ここがそうならどれほど良かったかしらね? ここは地獄のどこかよ。私は大罪を犯したからここに来て、それで裁きがある所まで歩いていた途中よ」

 

「……なるほど……そう言う事か」

 

瞬間……この男から発せられる気が変わった気がした。さっきまでのは、初対面や目上の奴に対しての態度って事ね……

 

「あんた何者? どうやら普通の人じゃないようね?」

 

「私ですか? そうですね……私は……」

 

少し俯いていた顔を上げたそいつの目は、私が嫌う様な輝きを持っていた。

 

「私は愛護颯也……ここから貴女を救いに来た者だ」

 

「私を救いにですって……あんた……ばっかじゃないのぉ? どっかの誰かは知らないけど……私を救うなんて軽々しく言わないでくれる? 吐き気がするわ」

 

「私は……いや、俺はそんなつもりで貴女にそうは言わない。本気で貴女の事を救いたいんだ」

 

「……巫山戯ないでもらえるかしら? 私本気であんたを殺すわよ? あっ、ここは地獄だから……別に死にはしないわね? ただ永遠の痛みを受けることになるけど……それでも救う気?」

 

「えぇ、俺は貴女を救う。貴女がどれだけ救いを拒んでも、どれだけ怒りや憎しみを持っていようとも……それでも俺は貴女を救う!」

 

「言い切ったわね……なら私もあんたを何千何万殺す気で行かせてもらうわ‼︎」

 

そして私は目の前の奴に飛びかかった。手にしている旗を、奴めがけて振るう。それをあいつは素手で流した。

 

(へぇ……一応手加減はしたけど、普通の人っぽい、それもヒョロイのがよく流したわね)

 

そこから私は威力を強く、旗を振るう速度も早くしていった。そして回り込んで背後から狙いましたわ。それでもあいつは悉くを流していった。そこで気が付いた。

 

「……あんた本気でやってないわよね? 舐めてるの?」

 

「俺は貴女を救いに来たのであって、傷付けに来たわけじゃない。それに、貴女だって、まだ憎しみとか怒りとか全くのせてないよね?」

 

(……は? 私が怒りも憎しみものせてないですって? こいつ何言ってんの?)

 

「俺は……貴女が受けて来た仕打ちを知っている。どれだけ辛くて、悲しくて……それでどれだけ人の事も憎んだか俺は知っている。でも今の貴女は……繰り出す攻撃に何ものせてない。ただ、俺を退けさせればいいっていうのしかない。でも俺はそれじゃあ退かない!」

 

「……私の受けた屈辱を知っている……? アハ、アハハハハッ……巫山戯るな……私を貶めたあいつらと同じ人種であり男のお前が知った様な口を聞くなぁっ‼︎」

 

そう言った途端……私の奥底から憎しみが湧き出る。そして怒りに塗れた憎悪の炎も、私から溢れ出てくる! あぁ、そうよ! 私にはこれが足りなかった! この復讐の憎悪が足りていなかった!

 

私は……こいつが吐いた言葉で完全に昇華させた。ショートだった髪も膝裏まで伸びて、私が念ずれば赤黒い炎まで出せる……

 

(ハッ! これであんたの顔にも恐怖の表情が出るでしょう? 慢心かどうかは知らないけど、そんなバカな発言をしたさっきのあんたを恨むのよ)

 

「……やっと出してくれましたね」

 

「……はぁ? あんた何言ってんの? 今の状況分かってるぅ? あんたは危機的状況なのよ? あんたと私の周りは既に炎で覆ったし、逃げ場はもうないわ。それに、私から湧き出るこの力……あんたも感じてるでしょう? さっきの言葉だって、そう感じたから出たんでしょ?」

 

「えぇ、先程の貴女とはまるで比べ物にならないほどの力を感じます。そして周りを取り囲むこの炎体さえも……貴女の憎悪が感じ取れます」

 

「よく分かっているわね? でも……分かったところで遅いわ。今からあんたはこの私に串刺しにされながら炎で炙られるのよ……骨一片たりとも残らないくらいね?」

 

ふふ、まさか私があの屈辱を受けた奴らと同じ様な方法で目の前の優男を殺そうとしているなんて……まさに滑稽よね? でも……この男の口を黙らせるには丁度いい。精々素敵な悲鳴をあげて欲しいものだわ。

 

「……俺はここから一歩も動かない」

 

(……なに? この男なんって言ったの? ここから一歩も動かない?)

 

「……この状況でまだ私をバカにしているのかしら?」

 

「違う……俺は貴女をバカになんてしていない。俺は最初の方にも言った……貴女を傷つけるためにここにいるわけではないと……救うために来たと。だから……俺はここから一歩も動きやしない! 俺は……貴女の悲しみや憎しみ、そして貴女の内側から迸る憎悪も諸々の全てを受ける覚悟がある‼︎」

 

こいつ……本当になに言ってるの? 私の全てを受ける? 何よ……何を言っているのよこいつはぁっ⁉︎ 意味がわからない! 頭狂ってんの⁉︎ 巫山戯るんじゃないわよ‼︎ 私の事を知らないくせに! 私の受けた屈辱を知らないくせに‼︎

 

「全ての憎悪をここに……」

 

そう思っていた時、私はいつのまにかその言葉を口走っていた。それと同時に、私の内から途轍もない魔力と憎悪がこみ上げて来た。

 

「これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮……『吼え立てよ、我が憤怒』! (ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン!)」

 

私の周りから憎悪の炎が湧き出て、それが目の前の優男を襲う。そいつは全く抵抗しなかった。そしてそいつの周りを炎が取り囲んだ時、そいつの立っていた地面から火山の噴火にも見える様なほどの炎が噴出し、それと同時に真っ黒に染まった槍が生え、そいつを串刺しにしていった。

 

(あは! そうよこれよ! これこそが私の憎悪よ‼︎ ふふふ……こんな事になったのはあんたのせいなんだから。まぁ、この力を得られた事には感謝しますよ。それに……)

 

「ここは地獄……焼かれても貫かれても死ぬ事はないでしょう」

 

私はその言葉を残して私はその場を後にしようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもそれはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふははは! 地獄に堕ちてもお前の愚かさは変わらぬか‼︎」

 

私の目の前を突然光が差し込んだ。それも、私が忘れる事のない声と一緒に……

 

「魔女ジャンヌ・ダルクよ! 私が直々にお前を消滅させに来てやったぞ‼︎」

 

「……その声……貴様は!」

 

「そうとも! 貴様に魔女の烙印押してやったピエール・コーションだ‼︎ あの時はいきなりの事で貴様に無様に殺されたが……だが‼︎ そのおかげで私は神の元へと誘われこの力を手にしたのだ‼︎ ここが地獄といえど、私の力は貴様のその憎悪さえ軽く凌駕している! さぁ、私の聖なる光で貴様を消滅させてくれるわ‼︎」

 

「はん! そんな気色悪い光で私と対等になれたと思うな‼︎」

 

私は先程得た憎悪の炎を奴に向ける。勢い良く迫る炎に、あいつは何も動く気配がない。今更私の炎を見て怖じ気付いたんでしょうね?

 

でも、そんな考えは早くに崩された。

 

「そんな炎が今の私に通用すると思うとは……やはり愚かな魔女だ」

 

ピエールがその言葉を吐くと、ジャンヌの放った憎悪の炎は次第に弱まり、ピエールの元に着くときには完全に消滅していた。

 

「そ、そんな⁉︎ 憎悪の炎が効かない⁉︎」

 

「どうやら貴様はここまでの様だ……最初は体の四肢を地面に縫い付けてくれる!」

 

ピエールの周りに4つの光った球が現れたと思ったら、それは一瞬のうちに消え、なんとジャンヌの両腕と両足の太腿を貫く槍とかしていた!

 

「グッ……アァァァッ⁉︎ い、痛い……焼ける……」

 

「はっはっはっ‼︎ どうだ! それが神から与えられた力だ‼︎ その苦悶の表情! その顔が見たかったのだ‼︎ さぁさぁ! もっとだ!もっとその苦悶の表情を見せておくれ!」

 

くっ……こいつ……調子に乗って! でも……体が動かない……それに動かそうとしたらその度にあの時と同じ様な痛みが……

 

(こんな所で死ぬなんて……私は認めない! 私はまだ……復讐もしていない‼︎ 私は……!)

 

「ふふふ、十分に堪能した。さぁ! これで消滅するが良い‼︎」

 

ピエールの前に、先程とは比べ物にならないほどの光の球が形成されていた。そしてそれは、極太の光の槍の形となる。

 

ピエールは手を挙げてジャンヌの方に振り下ろす。それと同時に光の槍はジャンヌめがけ、光の速度で放たれた。

 

この時、ジャンヌはさっき見えなかったはずな光の槍が自らに向けて放たれているのを視認していた。

 

人は、何かの危機に陥ったら目の前の現象がスローモーションに見えると同時に走馬灯を浮かべる。そこから自分が助かるためのアイディアを探るためにそれを見る様だが……今のジャンヌは身動き1つ取れない。刻一刻と槍はジャンヌに近付いてくる。

 

(はぁ……せっかくこの力を入れ手にしたというのに……ここでお終い……か。悔いがないのは嘘になる……でもこれじゃあなにも出来ないわよ……やっぱり神は私の事が嫌いなのね。まぁ私もそんな奴大嫌いだけど……でも……)

 

「それでもまだ生きていたかったな……」

 

それはジャンヌの心の底からの本音だった村娘の時の記憶は定かではない。彼女は聖杯によって存在を確立した事もあり、聖杯で生まれた時からの記憶しかない。そしてそこにあったのは、自分を殺した祖国の民と祖国への復讐心のみ!

 

だが、そんな中で自分を止めようとした者達を見た。寄せ集めではあった。魔術師も素人だった。だが、彼らの行動を見て、彼女自身も表面には出さないが、心の底では思っていたかもしれない。

 

あんな風に生きて見たかったと……

 

そこまで思っていても状況は好転せず、光の槍は既に目と鼻の先だった。ジャンヌは諦めからか、目を閉じる。そして今まさに……再びジャンヌの処刑がピエール本人によって下される……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は救う……」

 

「こんな所で……」

 

「こんな所で貴女を……貴女の生を奪わせる訳にはいかない‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かが儚く割れる音が聞こえた。ジャンヌは、自分の霊核が砕かれた音だと思った。だが痛みは不思議にも感じなかった。だが、未だに手足の感覚があった。不思議に思って目を開ける。

 

そこには、自分を消滅させようとしたピエールの驚きに満ちた顔と……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は貴女を救う……貴女が背負わされた諸々も……俺が全部背負ってそこから救い出す」

 

先程自分が串刺しにしたはずの颯也が立っていた。上半身の服はもはやなく、下の服もボロボロの状態で、所々から血が未だに出ていた。この時点で出血多量でもおかしくはない!

 

だが! 颯也は立っていた! 自分を殺そうとした彼女を救うために……ただそれだけのために立っていたのだ‼︎

 

「な、なんであんたが……」

 

ジャンヌは意識せずにその言葉を発していた。頭の中にその疑問が渦巻く。だがそれも、颯也の言葉で吹き飛んだ!

 

「最初にも言ったし、これからでも言う。貴女が何回この言葉を拒んでも言い続ける。俺は……貴女を救う。例え貴女が神や他の誰かに見捨てられたとしても……」

 

「俺は……俺だけは貴女を見捨てやしない‼︎」

 

「……あっ……あぁ……」

 

ジャンヌは涙した。颯也がここまで馬鹿なのかと思った。自分ですら醜いと思っているこんな自分を……彼は救うと言った。そして挙げ句の果てに見捨てないとまで言ったのだ。

 

そんな言葉を投げかけられた彼女は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なんで……なんでなんで! なんでこんな私を……)

 

「き、貴様! 私が神の遣いと知っての狼藉か‼︎」

 

「貴様が神の遣い? ……何が神の遣いだ! 祖国の為に一生懸命戦った彼女の事を侮辱しておいて……何が神の遣いだ‼︎ 貴様の方こそ善にあらず! まさに悪の権化よ‼︎」

 

「き……キッサッマーッ‼︎」

 

ピエールの周りに光の球が何百何千と生み出される。

 

「貴様もそこの魔女共々消滅するが良い‼︎」

 

光の球が颯也目掛けて放たれる。他の者が見れば絶望的であろう……だが颯也は!

 

「コォォォォォッ……」

 

颯也の体を黒い稲妻が纏う。それは正に……ジャンヌが生み出した憎悪の炎の如く!

 

「ウォォォッ‼︎」

 

光の球が颯也のラッシュによって砕かれる。時たまジャンヌの方に向かう球もあったが、それすらも颯也は叩き割る! 球の数は……既に100を切った‼︎

 

「この身から湧き出るは彼女の悲しみなり……」

 

60……

 

「この黒い稲妻は彼女の憎悪なり……」

 

50……

 

「その憎悪は……復讐を生み出す糧なり……」

 

40……

 

「そして彼女は間違いを犯した。そして破れてまた憎悪して復讐しようとする……」

 

30……

 

「それでも……間違いを犯した彼女でも……そして神から見放されようとも……」

 

20……

 

「俺は……俺だけは……」

 

10……

 

「彼女を見捨てはしない‼︎ 彼女の悲しみも辛さも憎悪もその他諸々全て! 俺が背負ってやる‼︎」

 

0‼︎

 

「コォォォォォッ‼︎ 刻むぞ! 彼女が織りなす生命の鼓動(ビート)‼︎」

 

颯也の右腕に漆黒の輝きを放つ波紋が集う。そして……

 

「波紋Jet Black疾走‼︎ (漆黒のオーバードライブ‼︎)」

 

颯也が漆黒の波紋が纏う右手をピエールに突き出した。そこからは、特大の黒い波紋が空間さえも巻き込んでピエールに突き進んでいた。

 

「そ、そんなもので!」

 

ピエールもなんとかそれに対抗しようと先程とは比べ物にならない大きさの光の球を複数創造して波紋に放つ。

 

だが! 颯也の放つ波紋は、ピエールの想像以上のものだった‼︎

 

波紋とぶつかり儚い音を出して壊れる光の球の音が多くなると同時に、波紋はピエール目掛けて襲いかかる。光の球では対処できないと感じたピエールは逃げる動作に移るが、時既に遅し……

 

「ガァァァッ⁉︎ や、焼けるぅっ⁉︎ 黒い光に包まれたところが焼かれていくぅ⁉︎」

 

「それが彼女の受けた屈辱と憎悪だ。大人しくその漆黒の炎に焼かれて地獄に堕ちろ」

 

「グッ……ガァァァッ……」

 

漆黒の波紋がピエールを全て飲み込み……後には塵1つ残る事は無かった。それにより、ジャンヌを拘束していた光の槍も消え去った。

 

「やっとあの忌々しい光が消えたわね。これでやっとっ⁉︎」

 

「まだ動かないで。あの光は貴女にとっての猛毒そのもの……光が消えたからといって体内に侵入した光はまだ残ってる。それに傷口も塞がってない。少しの間じっとしていて下さい」

 

「だ、誰があんたの指図なんか「ほら、動かないで」痛い痛い! そこに触れないで⁉︎」

 

ジャンヌはギャアギャア言うが、颯也はそれに対して気にも止めずにジャンヌを治療していく。勿論ギルクラの世界で使った呪文ではあるのだが……

 

そして颯也がそれを行使して数分……ジャンヌの容態は良くなり、傷口も綺麗に塞がった。

 

「ふ、フンッ! 今回はお礼を言っておく事にするわ! でも、今度会ったらあんたのその余裕そうな顔を恐怖させてやるんだから!」

 

「俺は別に余裕そうな顔なんてしてないけど……でも分かりました。今回は貴女を救うことができて本当に良かった」

 

そう言ったと同時に、颯也の体が下から光の粒子となっていった。

 

「ちょ、ちょっとあんた! それどうなってんのよ⁉︎ まさかあいつの攻撃に当たったんじゃ……」

 

「いえ、これはただ単に時間切れでまた違う世界に戻ってしまうだけですよ。それがこの現象なんです」

 

「そ、そうなの……なぁ〜んだ。心配して損したわ」

 

「俺の事……心配してくれたんですか? 嬉しいな」

 

その一言で、ジャンヌはさっき自然と口にしてしまった事を思い出し、顔を赤く染めてあたふたとし始めた。

 

「なっ⁉︎ ち、ちち違うわよ‼︎ だ、誰があんたなんかを心配して……」

 

「心配してくれてないんですか……」

 

「ちょっ⁉︎ そんな沈んだ顔にならないでよ⁉︎ さっきのは……その……そう! 言葉の綾なのよ! だから……あぁんもぅ! 悪かったわよ‼︎ そうよ! 心配したわよ‼︎ ま、曲がりなりにも私の事を助けてくれたんだし……それに……」

 

ジャンヌは次第に視線を彷徨わせ、段々と落ち着かない様子になっていった。それを見た颯也は、微笑んだ顔になっていた。

 

「な、何笑ってんのよ⁉︎」

 

「いや、なんか今の貴女が可愛く見えて……それで自然と微笑んでました」

 

「か、かわっ⁉︎ な、何言ってんのよ⁉︎ こんな醜い姿の奴を誰が……」

 

「少なくとも俺は可愛いと正直に思っていますよ。だから、自分の姿にもう少し自信持ってもいいと思います」

 

颯也の体が半分くらい粒子となってその場から飛び去る。

 

「……ジャンヌ」

 

「えっ?」

 

「ジャンヌ・ダルク・オルタ……私の名前よ。いつまでも貴女と呼ばれるのは虫酸がはしるわ。だから……次に会った時は、私の事を名前で呼びなさい」

 

「……また俺と会ってくれるんですか?」

 

「えぇ! そう言ってんのよ‼︎ あんたって鈍いところがあるわよね? まぁ良いんだけど」

 

「はは……そう言われたのは初めてですけど……でもまた会ってくれるって言われるの、凄く嬉しいです。今度会う時は、貴女の……いや、ジャンヌさんの飛び切りの笑顔を見たいです」

 

「ば、バカ言ってんじゃないわよ⁉︎ 誰があんたに見せるもんですか‼︎」

 

「それは残念です……あっ、後俺の名前は愛護颯也っていいますから、今度会った時はジャンヌさんも俺の事名前で呼んでほしいです」

 

「……分かったわ。まぁ、また会えたらだけどね?」

 

「はい、俺も楽しみにしてますから」

 

「あぁもぅうっさい! とっとと消えなさい‼︎」

 

「えぇ。じゃあもうそろそろ時間ですから、ここで……。また会いましょう」

 

そして颯也は光の粒子になって違う世界へと飛び去って行った。

 

「……ふふ、またね。愛護颯也……今度会った時は今日の借りを返してやるんだから、覚えておきなさいよ?」

 

ジャンヌは笑った顔でそう呟き、当初の目的通り裁きの間があるであろうところへと進んだ。

 

しかし、颯也とジャンヌが再び会う日は近い。

 

 

 

 

 

 

side out




「こ、これってどういう事なのよ⁉︎ 色々とぶっ飛んでると思うんだけど⁉︎ なんであれ受けて颯也は死んでないの⁉︎」

えっ? そりぁ本作の主人公ですからね? ここで死んだら物語が続きませんし……何しろあなただって颯也に死んでもらったら困るでしょう?

「うっ……確かにそうだけど……」

ね? 何も問題ないでしょう? さて、ではここで解説を入れましょう。

波紋Jet Black疾走(漆黒のオーバードライブ)

颯也がジャンヌの攻撃を受け、それを身体に蓄積して波紋と融合させた技です。触れたものは、全て憎悪の炎で燃やされ、跡形もなく消え去る。


さぁて、次は何書きましょうかね……

「今度はエレナのやつを書いたら? まぁ本人も颯也とはそこまで話した事は無いって言ってたみたいだから、実際にあった時間は私より……そう! “私より”少ないと思うけどね?」

なんでそこを強調するんだか……

「良いじゃないそんな細かい事。まぁ時間もちょうど良いし、読者とはここで一旦お別れね。また読むのよ?」
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